広告費用の相場は、媒体によって「月数万円〜数億円」と1,000倍以上の開きがある。重要なのは「安い媒体を選ぶ」ことではなく、目的・ターゲット・ROI試算を踏まえて媒体と予算を設計することだ。
この記事でわかること:
- 日本の総広告費8兆円(2025年)の媒体別内訳と市場トレンド
- テレビCM・デジタル広告・OOH・ゲーム内広告の費用相場と課金形式
- 全媒体をCPMで横断比較できる一覧表
- ROI・ROAS・CPAの計算方法と具体的な試算例
- 予算の決め方7メソッドと予算規模別の戦略
- 媒体ごとの向き不向きと選び方の判断基準
広告予算の決定・見直しを担うマーケティング担当者・経営企画・ブランド担当者向けの内容だ。

日本の広告市場の全体像——8兆円市場の内訳
2025年の日本の総広告費は8兆623億円(前年比105.1%、4年連続で過去最高を更新)に達した(出典:電通「2025年 日本の広告費」2026年3月5日発表)。最大の特徴は、インターネット広告費が初めて総広告費の過半数(50.2%)を占めたことだ。
媒体区分 | 広告費 | 前年比 |
|---|---|---|
総広告費 | 8兆623億円 | 105.1% |
インターネット広告費 | 4兆459億円 | 110.8% |
─ うちソーシャル広告(2026年予測) | 1兆3,067億円 | 118.7% |
─ うち動画広告(2026年予測) | 1兆1,783億円 | 114.7% |
テレビメディア広告費 | 1兆7,556億円 | 99.7% |
屋外広告 | 3,042億円 | 105.3% |
交通広告 | 1,736億円 | 108.6% |
新聞 | 3,136億円 | 91.8% |
雑誌 | 1,135億円 | 96.3% |
ラジオ | 1,153億円 | 99.2% |
出典:電通「2025年 日本の広告費」(2026-03-05発表)
この数字が示すように、広告市場の「デジタルシフト」は既定路線だ。テレビ・新聞・ラジオは微減傾向が続く一方、ソーシャル広告・動画広告はさらに成長する見通しとなっている。OOH(屋外・交通)は回復基調を維持しており、リアル接点の価値は依然として高い。
この全体像を踏まえたうえで、各媒体の費用相場を見ていこう。
媒体別 広告費用の相場【2026年版】
マス広告(テレビ・新聞・雑誌・ラジオ)
マス広告は「一度に大量の人に届ける」ための媒体だ。費用は高めになるが、信頼性・ブランド訴求力という点ではデジタルを上回ることが多い。
テレビCM
項目 | 費用相場 | 備考 |
|---|---|---|
制作費 | 50万〜800万円 | 有名人起用で数千万円以上に。既存TVCM素材の転用なら制作費0円 |
放映費(15秒・関東キー局スポット) | 75〜100万円/本 | スポット市場のため時期により変動 |
放映費(15秒・関西大手局) | 15〜25万円/本 | — |
放映費(地方独立局) | 1〜3.5万円/本 | — |
出典:LISKUL「テレビCMの費用(料金)はいくらかかるのか?」(確認日:2026-05-03)
注意点は、放映費だけでなく制作費が別途かかることだ。スポット市場では時期(繁忙期・閑散期)によって同じ枠でも価格が大きく変わる。既存の動画素材をそのままゲーム内広告などに転用する場合は制作費ゼロになる。
新聞・雑誌・ラジオ
媒体 | 費用相場 | 備考 |
|---|---|---|
新聞広告(全国紙・全15段) | 1,000万円超 | 地方紙は数十万〜数百万円 |
雑誌広告(4色1ページ) | 50〜250万円 | 週刊新潮の場合:9万〜220万円 |
ラジオ(20秒スポット) | 2〜10万円台/本 | タイムCMは10万〜200万円以上 |
出典:アドクロ「広告費相場 10種類の媒体カテゴリー別」(確認日:2026-05-03)
デジタル広告(リスティング・ディスプレイ・SNS・動画)
デジタル広告は「少額から始められる」「ターゲティング精度が高い」「効果測定しやすい」という点でマス広告と対照的な特性を持つ。一方で、ユーザーに刺さらないクリエイティブでは費用を消耗しやすい。
媒体 | 費用相場 | 課金形式 |
|---|---|---|
リスティング広告(Google/Yahoo) | 月20〜50万円目安、CPC数十〜数百円 | CPC(クリック課金) |
ディスプレイ広告 | CPM 100〜500円、CPC 50〜100円 | CPM/CPC |
SNS広告(Instagram/Facebook) | CPM 500〜1,000円、月10万円以上推奨 | CPM/CPC |
SNS広告(TikTok) | CPM 400〜650円 | CPM/CPV |
SNS広告(YouTube) | CPM 400〜600円 | CPM/CPV |
SNS広告(LINE) | CPM 400〜1,000円、CPC 80〜150円 | CPM/CPC |
SNS広告(X〈旧Twitter〉) | CPM 400〜700円 | CPM/CPC |
動画広告(YouTube)全般 | CPM 400〜600円、月10〜80万円 | CPV/CPM |
Webタイアップ広告 | 100〜200万円/月 | 掲載課金 |
ネイティブ広告 | 数十万〜数百万円/記事 | 掲載課金 |
出典:AD EBiS、アドクロ、広告効果測定プラットフォーム(確認日:2026-05-03)
SNS広告のCPMは「月10万円以下の少額出稿では機械学習が十分に回らない」という特性があり、実務上は月10万円以上から始めるのが一般的だ。
OOH・交通広告
屋外広告・交通広告(OOH)は、特定エリアでの反復接触による認知形成に強みがある。電通データでは2025年に交通広告が前年比108.6%と伸びており、コロナ禍からの完全回復が進んでいる。
媒体 | 費用相場 | 備考 |
|---|---|---|
屋外ビジョン(渋谷大型ビジョン) | 700万円/14日間 | 都市部の主要スポット |
交通広告(山手線中吊り) | 217万円/週 | JR全線パッケージ:480万円/週 |
デジタルサイネージ(主要駅) | 20〜500万円/1週間 | 配置・日数で変動 |
デジタルサイネージ(空港) | 100〜150万円/月 | — |
駅貼りポスター | 1.65〜6.6万円/週 | — |
電車広告 | 5.1万〜120万円 | 路線・掲載種別による |
出典:アドクロ「広告費相場 10種類の媒体カテゴリー別」、bizpa.net(確認日:2026-05-03)
ゲーム内広告・新興デジタル
ゲーム内広告は、ゲームの世界観に溶け込む形で広告を掲載する手法だ。ゲームの進行を強制中断する広告とは異なり、ゲーム空間内の看板・モニターに動画が流れる「サイネージ型」は好感度が高く、認知効果が高いことが特徴とされている。
媒体 | 費用相場 | 課金形式 |
|---|---|---|
ゲーム内広告(サイネージ型) | 30万円/週〜 | CPD(期間保証型)+CPM |
ゲーム内広告 CPM相場 | 約300〜400円 | CPM |
リワード広告 CPM相場 | 300〜1,000円 | CPM/CPCV |
出典:Ad-Virtua公式サイト(確認日:2026-05-03)
ゲーム内広告の詳細な費用感・効果指標については「ゲーム内広告の費用・料金相場ガイド」を参照してほしい。
全媒体 CPM横断比較表
同一指標であるCPM(1,000インプレッション当たりの費用)で各媒体を並べると、コスト効率の差が一目でわかる。

媒体 | CPM目安 | 主な特徴 |
|---|---|---|
地上波テレビ(関東スポット) | 2,000〜5,000円 | 広範囲リーチ・高信頼性 |
新聞広告(全国紙) | 5,000〜20,000円 | 高信頼・高年齢層中心 |
屋外広告(渋谷大型ビジョン) | 3,000〜8,000円 | 地域限定・高視認・繰り返し接触 |
SNS広告(Instagram/Facebook) | 500〜1,000円 | 属性ターゲティング可 |
YouTube動画広告 | 400〜600円 | 動画視聴層・スキップ前視聴あり |
ディスプレイ広告 | 100〜500円 | 広範囲・ターゲティング精度中 |
ゲーム内広告(サイネージ型) | 約300〜400円 | Z世代・高好感度(約85%)・非侵襲的 |
リワード広告 | 300〜1,000円 | ユーザー任意視聴・高完視率 |
※CPMは目安値。業界・季節・掲載条件によって変動する。各媒体の出典資料から逆算した参考値。
CPMだけでは「1人当たり何回見たか」や「その後の行動変化」は測れない。次のセクションで解説するROI・ROAS・CPAと組み合わせて判断することが実務上は重要だ。
広告費のROI試算——「いくら投資すると何が返るか」
ROI・ROAS・CPAの使い分け
広告の費用対効果を測る指標は複数ある。用途に応じて使い分けよう。
指標 | 計算式 | 使うべき場面 |
|---|---|---|
ROI(投資収益率) | (利益 − 広告費) ÷ 広告費 × 100 | 利益ベースで広告効率を見たいとき |
ROAS(広告費用対効果) | 広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100 | EC・通販など売上追跡が可能なとき |
CPA(顧客獲得単価) | 広告費 ÷ CV数 | 来店・資料請求・会員登録などCVを計測するとき |
⚠️ ROASとROIの落とし穴:ROASが高くてもROIがマイナスになるケースがある。粗利率30%のビジネスでROAS 300%(売上が広告費の3倍)の場合、粗利は広告費の90%にしかならず赤字だ。ROASだけを追うと低粗利ビジネスで失敗する。
出典:AD EBiS「ROASとROIの違い・計算式・広告費目安」(確認日:2026-05-03)
計算例:各指標で何がわかるか
ROI試算例(食品メーカー・広告費30万円の場合)
広告費:30万円
売上:120万円(広告経由)
粗利率:40%
粗利:48万円
ROI = (48万 − 30万) ÷ 30万 × 100 = 60%
ROAS = 120万 ÷ 30万 × 100 = 400%この例ではROAS 400%と高く見えるが、粗利40%を考慮したROIは60%。同業他社の資金調達コストや機会コストと比較して判断する必要がある。
CPA試算例(来店促進・広告費10万円の場合)
広告費:10万円
来店者数:50人(広告経由)
CPA = 10万 ÷ 50 = 2,000円/人この来店客の平均購買単価・来店頻度・LTV(顧客生涯価値)が2,000円を十分に上回るなら、費用対効果は合格ラインだ。
媒体別 ROI試算シナリオ比較
「TVCM月200万円」vs「SNS+ゲーム内広告 月200万円(各100万円)」の比較
項目 | TVCM単体 | SNS+ゲーム内広告 |
|---|---|---|
月の広告費 | 200万円 | 200万円(100万円×2媒体) |
推定リーチ規模 | 大(広範囲) | 中(ターゲット絞り込み済) |
Z世代・若年層リーチ | 低(テレビ視聴率の低下が続く) | 高(ゲーム利用者・SNS利用者) |
ターゲティング精度 | 低(エリア・時間帯のみ) | 高(属性・興味関心・ゲーム行動) |
広告好感度 | 中 | ゲーム内広告:約85%(公式掲載値) |
即効性 | 高(大規模認知を一気に作れる) | 中〜高(1〜2週間で数値が出始める) |
主な強み | 信頼感・ブランド格・幅広いリーチ | 費用効率・認知×行動データの両立 |
どちらが優れているという話ではなく、「ターゲット層の媒体接触習慣」「目的(認知形成 vs 即時CV)」「測定可能性」によって正解は変わる。
認知型広告の効果測定——クリックが出ない場合
テレビCM・ゲーム内広告・OOHなど「認知型広告」は、クリック数やCV数が直接の成果指標にならない。こうした媒体ではブランドリフト調査(広告接触前後でのブランド認知・好感度・購買意向の変化を測定)が有効だ。
主な測定指標:
- 広告想起率(広告を見たことを覚えているか)
- ブランド好感度(そのブランドに好印象を持っているか)
- 購買意向(今後買いたいか)
- 第一想起率(商品カテゴリで最初に思い浮かぶブランドか)
ブランドリフト調査の費用は50万〜200万円程度が目安とされる(参考値)。大規模な認知型広告を出稿する場合は、調査費も予算に組み込んでおく必要がある。
予算の決め方——7つのメソッドと規模別戦略
予算を決める7つのアプローチ
「広告費をいくらにするか」は企業の状況によって正解が異なる。以下のメソッドを参考に自社に合う手法を選ぼう。

手法 | 概要 | 向いている局面 |
|---|---|---|
目標基準法(タスク法) | CPA・ROAS・CV数などKPIから逆算して必要広告費を算出 | 具体的なKPI目標がある場合(最も推奨) |
売上高比率法 | 売上の一定%を広告費に充当(立ち上げ期20〜30%、安定期5〜10%) | 実績のある安定期 |
競争者対抗法 | 競合他社と同等以上の予算を設定 | 競合分析ができている場合 |
可能額配分法 | 固定費控除後の残余を充当 | 予算が限られる場合 |
ROAS法 | 目標ROASから必要広告費を逆算 | EC・通販など売上追跡可能な場合 |
LTV法 | 顧客生涯価値(LTV)から逆算 | サブスク・継続商材 |
予算据え置き法 | 前期予算をそのまま維持 | 安定事業の維持期 |
出典:wi-t.co.jp コラム「広告費の予算の決め方」(確認日:2026-05-03)
最も理にかなっているのは目標基準法だ。「月に何件のリード/来店/購入を獲得したいか」→「CPAいくらを目標にするか」→「必要な広告費はいくらか」という順で逆算する。
目標基準法の計算例:
目標:月100件のサンプル申込
目標CPA:5,000円
必要広告費:100件 × 5,000円 = 50万円/月予算規模別の戦略ガイド
予算によって選べる媒体・戦略は変わる。規模感の参考として以下を見てほしい。
月の広告予算 | おすすめ戦略 |
|---|---|
〜30万円 | ゲーム内広告(30万円/週プランで約100万インプレッション目安)、またはSNS広告単一媒体でテスト。リスティング広告は低予算では機械学習が十分に回らない |
30〜100万円 | デジタル2媒体の組み合わせ(例:SNS広告50万円+ゲーム内広告30〜50万円)。認知と刈り取りをセットで設計し、効果測定を習慣化する期間 |
100〜500万円 | フルファネル設計(認知→検討→刈り取り)が可能。認知系(OOH・ゲーム内広告・動画)+検討系(リスティング・ディスプレイ)を組み合わせる |
500万円以上 | マス×デジタルの媒体ミックスが視野に入る。テレビCM(またはラジオ・OOH)と並行してデジタルで検索リフトを取る設計が有効 |
業種別・売上広告費比率の目安
業種によって「適正な広告費の売上比率」は異なる。以下はあくまでも参考値であり、自社の粗利率・競合状況・成長フェーズによって変わる。
業種 | 売上比率の目安 |
|---|---|
食品・飲料 | 約5% |
外食・関連サービス | 約5% |
化粧品・健康食品 | 10〜20% |
通販・サービス業 | 15〜20% |
流通業 | 1〜3% |
自動車 | 1〜2% |
金融 | 1〜5% |
BtoB全般 | 2〜5% |
BtoC消費財全般 | 5〜15% |
EC事業 | 10〜20% |
出典:販促の大学(最終更新2025年12月22日)。業界・商品単価の違いが大きいため、あくまでも参考値として使用。
食品・飲料メーカーを例に取ると、年商50億円なら広告費2.5億円(月約2,000万円)が一般的な規模感になる。
こんな企業にはこの媒体——向き不向きの整理
媒体ごとの特性と向き不向きを整理する。「全媒体で出稿すれば安心」ではなく、目的・ターゲット・予算規模に合った選定が費用対効果を大きく左右する。

テレビCM
こんな企業におすすめ:
- 全国規模でブランド認知を一気に上げたい
- 信頼感・格式が必要な商材(保険・金融・大手飲料・医薬品など)
- 月500万円以上の広告予算がある
- 幅広い世代(30〜60代)にリーチしたい
おすすめしない企業:
- Z世代(10〜20代)だけにリーチしたい
- 少額でテスト出稿したい(制作費+放映費で最低数百万円かかる)
- 出稿翌日に効果測定データが必要
リスティング広告(Google/Yahoo)
こんな企業におすすめ:
- 「〇〇 比較」「〇〇 購入」のような検討・刈り取りフェーズのユーザーを狙いたい
- BtoBで商談・問い合わせにつなげたい
- 月20万円以上の予算を継続確保できる
おすすめしない企業:
- まだ市場に認知されていないブランドの認知形成(検索されないと届かない)
- 競合が多く入札単価が高騰しているカテゴリで少額出稿(費用対効果が出にくい)
SNS広告(Instagram/TikTok/YouTube)
こんな企業におすすめ:
- 20〜40代の属性・趣味嗜好でターゲティングしたい
- ビジュアル訴求が強い商材(コスメ・アパレル・食品)
- 月10万円以上から運用可能で、クリエイティブ制作体制がある
おすすめしない企業:
- 月5万円以下での少額出稿(機械学習が回らず効率が落ちる)
- BtoBの専門的サービス(LinkedIn以外では属性マッチングが難しい)
ゲーム内広告(サイネージ型)
こんな企業におすすめ:
- Z世代・10〜30代男女へのブランド認知が課題
- TVCMの補完施策として、非侵襲的な接触機会を増やしたい
- 既存の動画素材(TVCM素材など)を転用して費用を抑えたい
- 月30万円〜で始められる認知施策を探している
- 好感度の高い広告接触を重視している
おすすめしない企業:
- 即時の購買・コンバージョンが主目的(認知型媒体のため直接CVは出にくい)
- BtoBの法人向けサービス(ゲームユーザーとのターゲットマッチングが難しい)
- ターゲットが60代以上の商材
OOH・交通広告
こんな企業におすすめ:
- 特定エリア(都市部・主要沿線)での反復認知を重視する
- 店舗集客・ローカルブランディングが目的
- 月200万円以上の予算がある
おすすめしない企業:
- 全国規模の展開を少額で行いたい(エリアが限定されるため費用対リーチが小さい)
- ターゲットの細かい属性設定が必要なケース(OOHはターゲティング精度が低い)
広告費を無駄にしないための注意点
実務でよく起きる6つの失敗と、その対処法をまとめる。
1. 制作費・代理店手数料を見落とす
広告費の見積もりを「媒体費のみ」で計算するケースが多い。実際には代理店手数料(媒体費の15〜20%)、クリエイティブ制作費、効果測定ツール費用(月数万〜数十万円)、ブランドリフト調査費(50万〜200万円)が別途発生する。「出稿費100万円」と聞いたら、トータルで130〜150万円になることを前提に予算を組む。
2. 目的に合わない課金方式を選ぶ
認知拡大が目的なのにCPCで最適化すると、クリック重視のユーザーには届くが「ブランドを知ってもらう」という本来の目的を達成しにくい。認知目的にはCPMやCPV(視聴課金)が適切だ。
3. 学習期間を無視して早期撤退する
SNS広告やリスティングは機械学習が安定するまで2〜4週間かかる。それ以前のデータで「効果なし」と判断してやめると、コストだけかかって成果が出ない状態で終わる。最低1か月は継続してから判断するのが原則だ。
4. 単一媒体に集中させてリスクを高める
1つの媒体に広告費を集中させると、アルゴリズム変更・コスト高騰・プラットフォームの仕様変更で一気に効果が落ちるリスクがある。認知系と刈り取り系の2〜3媒体に分散させることがリスクヘッジになる。
5. ROASだけで判断して低粗利に陥る
「ROAS 300%だから成功」と判断していても、粗利率が30%以下のビジネスでは広告費の回収ができていない可能性がある。粗利率を考慮したROIで判断する習慣をつける。
6. 認知型広告の効果を短期CVだけで測る
テレビCM・ゲーム内広告・OOHは「今すぐ買う層」ではなく「潜在層・将来客」への投資だ。直後のCV数では測れないため、広告想起率・好感度・ブランドリフト指標で評価する。短期CVが出ないからといって認知型広告をゼロにすると、中長期的にブランド力が低下するリスクがある。
ゲーム内広告が合う企業の条件
認知型広告の選択肢としてAd-Virtuaのゲーム内広告(サイネージ型)を検討する際、費用の観点から合う企業の条件を整理する。
費用面での特徴(Ad-Virtua公式サイト掲載値、2026-05-03確認)
指標 | 数値 |
|---|---|
最低出稿価格 | 30万円/週〜 |
CPM(1,000インプレッション単価) | 約300〜400円 |
好感度 | 約85% |
広告想起率 | 業界比約1.8倍 |
注目度 | 業界比約1.7倍 |
視認率(Viewability) | 最大96% |
媒体ROI平均 | 4.5倍 |
※上記は公式サイト掲載のサービス全体の平均値または最大値。個別キャンペーンの結果を保証するものではない(公式注記)。
ゲーム内広告が費用効率を高めやすいケース:
- CPMを下げたい:約300〜400円はテレビCM(2,000〜5,000円)の5〜15分の1。同じ予算でより多くのインプレッションを獲得できる
- TVCM素材の転用が可能:既存動画素材をそのまま転用すれば制作費がほぼゼロになり、費用全体を抑えられる
- Z世代・若年層への認知が課題:テレビCM視聴率が低い層に対し、ゲームという生活接点から認知を積める
- 月30万円〜でテスト出稿したい:大規模予算なしに認知型広告のテスト運用を始められる
ゲーム内広告の媒体特性・種類については「ゲーム内広告とは?」や「広告媒体とは?主要17種類の特徴・費用・選び方」もあわせて参照してほしい。
よくある質問(FAQ)
Q. 広告費の相場はどのくらいが一般的ですか?
媒体によって月数万円〜数億円と幅が大きく、「全業種共通の一般的な相場」は存在しない。BtoC消費財の場合、売上比5〜15%が参考値とされる。月30万円のゲーム内広告から、キー局スポット1本75〜100万円のテレビCMまで、目的と予算に応じて選択肢は多い。まずは目標CPAまたは目標ROASを設定し、必要広告費を逆算するアプローチが合理的だ。
Q. 月30万円以下の小規模予算でできる広告はありますか?
ゲーム内広告(Ad-Virtua)は30万円/週から出稿可能で、約100万インプレッションが目安だ。SNS広告も月10〜30万円からテスト運用できる。リスティング広告は月10万円から始められるが、競合が強いカテゴリでは費用対効果が出にくいことが多い。小規模予算の場合は1媒体に集中して効果検証するのが先決だ。
Q. ROI・ROAS・CPAはどれを基準にすべきですか?
目的によって使い分ける。認知広告(テレビCM・ゲーム内広告)の評価にはROI(またはブランドリフト指標での代替評価)、EC・通販にはROAS、来店・資料請求などCV計測にはCPAが合う。1つの指標だけで判断せず、複数を組み合わせることが実態に近い評価につながる。
Q. CPMとは何ですか?なぜ媒体を横断比較するのに使えますか?
CPM(Cost Per Mille)は1,000インプレッション(広告表示1,000回)あたりの費用を指す。媒体によって課金形式(CPC・CPV・CPD等)が異なるため、そのまま比較することができない。CPMに換算することで「1,000人に見せるのにいくらかかるか」という共通の物差しで比べられる。ただしCPMが安くても視認率や好感度が低ければ実質的な費用効率は落ちる点に注意。
Q. 認知広告の効果を数字でどう証明すればよいですか?
クリック・CVが出ない認知型広告の評価には、広告接触前後でのブランド認知・好感度・購買意向の変化を測る「ブランドリフト調査」が有効だ。費用は50万〜200万円程度が目安(参考値)。また、出稿前後での指名検索数の変化、小売POS・Eコマースの売上変化を間接指標として追う方法もある。経営層への説明には複数指標を組み合わせて効果を可視化することが重要だ。
Q. デジタル広告とマス広告、どちらを優先すべきですか?
どちらが絶対的に優れているわけではない。認知層が広く・ターゲットが絞りにくい商材(全世代向け日用品・食品等)はマス広告も有効だ。若年層向け・特定属性向け・費用を抑えたい場合はデジタルが合う。予算が許す範囲で「認知形成(マス・ゲーム内広告・動画)+検討刈り取り(リスティング・SNS)」を組み合わせるのが理想的な構造だ。
まとめ——広告費の相場を把握したうえで、次の一手を

この記事で解説した要点を整理する。
- 広告費は媒体によって1,000倍以上の開きがある。テレビCM1本75〜100万円、ゲーム内広告は30万円/週から、SNS広告は月10万円から始められる
- 日本の総広告費は8兆623億円(2025年)。インターネット広告が初めて過半数を超え、ソーシャル・動画広告はさらに成長が続く見通しだ
- ROI・ROAS・CPAを指標ごとに使い分ける。ROASだけで判断すると粗利率の低いビジネスでは失敗しやすい
- 予算は「目標基準法」で逆算するのが最も合理的。目標CV数 × 目標CPA = 必要広告費という順で設計する
- 媒体の向き不向きを理解して選ぶ。Z世代・若年層への認知形成にはゲーム内広告・SNS・YouTube動画、信頼感・大規模認知にはテレビCM・OOH、即時CVにはリスティングがそれぞれ向いている
- 制作費・代理店費用・効果測定費を含めたトータルコストで考える。媒体費だけで比較すると予算が足りなくなりやすい
広告費用の相場・媒体選定についてさらに詳しく知りたい場合は、広告媒体とは?主要17種類の特徴・費用・選び方もあわせてご覧いただきたい。
ゲーム内広告の費用感・貴社ターゲットとの相性・効果試算について詳しく確認したい場合は、Ad-Virtuaよりお問い合わせいただきたい。まずは現状の広告予算と目標KPI(目標CPA・目標ROASなど)をご用意いただくと、具体的な費用シミュレーションをスムーズにご案内できる。


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