広告とは、企業や団体が費用を払って媒体の枠を買い、発信者を明かしたうえで、商品・サービス・ブランドの情報を伝えるコミュニケーション活動のことです。英語では advertising と呼び、「有料」「媒体を通じた大量伝達」「発信者の明示」の3つがそろっている点で、宣伝や広報(PR)、口コミと区別されます。
テレビCMや新聞広告のほか、検索結果の「スポンサー」表示、YouTubeの動画広告、駅のデジタルサイネージ、スマホゲームの中の看板まで、どれも広告です。この記事では、広告の意味と定義を押さえたうえで、宣伝・PRとの違い、広告の種類、2025年の日本の広告市場、目的別・業界別の選び方、効果の測り方までを順に解説します。
広告の意味を一覧で確認
まず、広告の基本を表にまとめます。
項目 | 内容 |
|---|---|
意味 | 費用を払って媒体の枠を買い、発信者を明かして情報を伝える活動 |
英語 | advertising(広告活動全体)/advertisement・ad(1本1本の広告) |
語源 | ラテン語の advertere(注意を向けさせる) |
定義の3要素 | 有料であること・媒体を通じた大量伝達であること・発信者が明示されること |
宣伝との違い | 宣伝は有料・無料を問わず広く知らせること全般。広告はそのうち媒体の枠を買って行うもの |
PRとの違い | PRは報道などを通じた信頼づくりで、媒体に掲載料を払わない。内容を決めるのは媒体側 |
主な種類 | マス広告/インターネット広告/OOH・デジタルサイネージ/ゲーム内・メタバース広告 |
日本の市場規模 | 2025年の総広告費8兆623億円(電通「2025年 日本の広告費」) |
広告とは?意味と3つの定義要素
広告(英:advertising)は、一般に次の3つの要素で定義されます。
- 有料であること:広告主が対価を払い、テレビの放送枠や新聞の紙面、Webの広告枠などを買う
- 媒体を通じた大量伝達であること:営業担当者が1人ずつ話すのではなく、媒体を使って不特定多数または特定の層に同時に届ける
- 発信者が明示されること:誰が出している広告なのかが受け手に分かる
この3要素がそろうことで、広告は「広報(PR)」や「口コミ」と区別されます。PRは報道や記事掲載を通じた信頼づくりで、掲載料は払いません。口コミは消費者どうしが自発的に情報を交わすものです。お金を払い、名前を明かし、伝えたい内容を意図して届ける行為が広告です。
3つ目の「発信者の明示」は、日本では法律上の決まりにもなっています。2023年10月1日から、広告であることを隠した表示(ステルスマーケティング)は景品表示法の不当表示として規制の対象になりました。インフルエンサーに依頼した投稿のように、広告主が内容に関わっているのに広告と分からない表示は、この規制にかかります。
英語の advertising の意味と語源
英語の advertising は「広告活動」全体を指す名詞で、数えられない名詞として使います。1本1本の広告物は advertisement、短く ad と呼びます。「テレビ広告を1本作る」は make an ad、「広告業界」は the advertising industry です。
advertise は、ラテン語の advertere(ad=〜へ+vertere=向ける)に由来し、「人の注意をあるものへ向けさせる」という意味を持っていました。人の注意を自社の商品へ向けてもらう、という広告の働きは、語源の時点からほぼ変わっていません。
身近な広告の例
広告と聞くとテレビCMを思い浮かべがちですが、日常で目にする次のものも広告です。
- テレビCM、ラジオCM、新聞や雑誌の広告面
- Googleなどの検索結果の上に出る「スポンサー」付きの表示
- YouTubeの動画の前後や途中に流れる動画広告
- InstagramやTikTokのフィードに流れる「広告」表記の投稿
- 駅のポスター、電車の中吊り、街頭の大型ビジョン
- スマホゲームの中の看板やモニターに流れる企業の動画
一方、企業の新商品が新聞記事として取り上げられた場合は、広告主が掲載料を払っていないため広告ではなくPRの成果です。自社サイトに載せた商品情報も、媒体の枠を買っていないので、一般には広告とは呼びません。

広告と宣伝・広報(PR)・販促・マーケティングの違い
広告と混同されやすい言葉を、費用の有無と内容を決める主体で比べると次のとおりです。
用語 | 意味 | 費用 | 内容を決める主体 | 広告との関係 |
|---|---|---|---|---|
広告 | 媒体の枠を買って発信者を明かして伝える | 有料 | 広告主 | - |
宣伝 | 商品や考えを広く知らせること全般 | 有料・無料の両方 | 発信者 | 広告は宣伝の手段の一つ |
広報(PR) | 報道・記事掲載などを通じた信頼づくり | 媒体への掲載料はなし | 媒体側 | 広告と並ぶプロモーションの手法 |
販売促進(販促) | クーポン・キャンペーン・店頭施策で購入を後押しする | 有料 | 企業 | 広告で知った人を購入へ進める |
マーケティング | 商品開発・価格・流通・プロモーションを含む市場活動全体 | - | 企業 | 広告はマーケティングの一部 |
日常会話では「広告宣伝」とまとめて呼ぶことも多く、広告と宣伝を厳密に分けない場面もあります。実務では「媒体の枠を買っているかどうか」で考えると、予算の区分や効果の測り方を整理しやすくなります。
包含関係で見ると「マーケティング ⊃ プロモーション ⊃ 広告」です。広告はプロモーションの手段の一つで、商品開発や価格設計と切り離して考えることはできません。広告と並んでブランドを育てる考え方は「ブランド体験とは|定義・設計フレーム・成功事例」「ブランドロイヤルティとは|意味・高め方・指標を徹底解説」で解説しています。
2025年の日本の広告市場|広告費8兆円超の内訳
電通「2025年 日本の広告費」(2026年3月5日発表)によれば、2025年の日本の総広告費は8兆623億円(前年比105.1%)で、初めて8兆円を超えました。2021年から5年連続の成長で、4年連続で過去最高を更新しています。
媒体カテゴリ | 2025年(億円) | 前年比 | 構成比 |
|---|---|---|---|
インターネット広告費 | 40,459 | 110.8% | 50.2% |
マスコミ四媒体計 | 22,980 | 98.4% | 28.5% |
プロモーションメディア広告費 | 17,184 | 102.0% | 21.3% |
総広告費 | 80,623 | 105.1% | 100% |
出典:電通「2025年 日本の広告費」(2026年3月5日発表)

2025年の主要トレンド
1. インターネット広告費が初めて総広告費の50%を超えた
インターネット広告費は4兆459億円(前年比110.8%)で、総広告費の50.2%を占めました。2016年には20%台だったため、10年でシェアが大きく広がったことになります。
2. 動画広告費が初めて1兆円を突破
電通デジタル「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(2026年3月5日発表)によると、動画(ビデオ)広告費は1兆275億円(前年比121.8%)で、初めて1兆円を超えました。インストリーム広告(5,246億円)とアウトストリーム広告(5,029億円)がほぼ同じ規模です。
3. ソーシャル広告の二桁成長が続く
ソーシャル広告は1兆3,067億円(前年比118.7%)で、二桁成長が続いています。TikTok・YouTube・Instagramが伸びを支え、Z世代やミレニアル世代に届ける手段として広がっています。
4. マス広告は媒体ごとの差が広がる
マスコミ四媒体計は2兆2,980億円(前年比98.4%)と微減ですが、媒体ごとの差が大きくなっています。
媒体 | 2025年(億円) | 前年比 |
|---|---|---|
テレビメディア計 | 17,556 | 99.7% |
うち地上波テレビ | 16,333 | 99.9% |
うち衛星メディア | 1,223 | 97.5% |
新聞 | 3,136 | 91.8% |
雑誌 | 1,135 | 96.3% |
ラジオ | 1,153 | 99.2% |
地上波テレビはほぼ横ばい(99.9%)で規模を保つ一方、新聞は前年比91.8%と縮小が続いています。プロモーションメディアは、大阪・関西万博や東京2025世界陸上などの大型イベントもあり102.0%と回復しました。
広告の種類|4つの媒体カテゴリと特徴
広告は、使う媒体で大きく4つに分けられます。ここでは全体像だけを押さえ、媒体ごとの料金や選び方は詳しい記事に譲ります。テレビ・新聞からSNS・サイネージまで17種類の媒体を比べた一覧は「広告媒体とは?主要17種類の特徴・費用・選び方を徹底比較」、広告の分類方法そのものは「広告の種類完全ガイド【2026年版】」で解説しています。

広告カテゴリ | 主な種類 | 費用目安(参考) | 主な目的 | 強み |
|---|---|---|---|---|
マス広告 | テレビCM、新聞、雑誌、ラジオ | 数百万〜数十億円 | 広い認知の獲得 | 大規模なリーチと信頼感 |
インターネット広告 | 検索連動型、ディスプレイ、動画、SNS、ネイティブ | 数万円〜(クリック課金なら少額から) | 認知から購買まで全段階 | 細かいターゲティングと効果測定のしやすさ |
OOH・サイネージ・プロモーション | 屋外看板、交通広告、デジタルサイネージ、折込 | 数十万〜数百万円 | 生活動線での認知 | 通勤・買い物の途中で繰り返し接触できる |
ゲーム内・メタバース広告 | ゲーム空間内の看板型広告、メタバース空間の広告 | 週30万円〜(Ad-Virtuaの場合) | 若年層・Z世代への認知 | ゲームを止めずに見てもらえる |
マス広告(テレビCM・新聞・雑誌・ラジオ)
マス広告は、今も最大規模のリーチを持つ広告です。2025年のテレビメディア広告費は1兆7,556億円で、前年比99.7%とほぼ横ばいでした。全国に一度に届く点と信頼感が強みですが、若年層、とくにZ世代のテレビ視聴時間は減っており、テレビ単体で若年層全体に届けるのは難しくなっています。テレビCMを補う媒体の組み合わせ方は「テレビCMの代替メディア|若年層・Z世代へのリーチを補完する施策まとめ」で解説しています。
新聞広告は前年比91.8%と縮小が続き、主な読者は中高年です。雑誌は業界誌や専門誌で特定の読者に絞って届けたいときに向いています。ラジオは移動中や作業中に聞かれ、地域密着の訴求に使われます。
インターネット広告(検索・ディスプレイ・動画・SNS)
2025年に総広告費の半分を超えたインターネット広告は、種類も課金方式も多様です。
種類 | 課金方式 | 費用目安(参考) | 強み | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
検索連動型(リスティング) | CPC | 数十円〜数百円/クリック | 購入意欲の高い人に届く | 競合が多い分野ではクリック単価が上がる |
ディスプレイ広告 | CPM/CPC | 数十円〜/1,000回表示 | 広い認知とブランディング | クリック率が低くなりやすい |
動画広告(YouTube等) | CPV/CPM | 数円〜数十円/再生 | 記憶に残りやすく、ストーリーを伝えられる | 制作費がかかる。スキップされることもある |
SNS広告(Instagram/X/TikTok等) | CPM/CPC | 媒体・業種により幅が大きい | 細かいターゲティングと拡散 | 運用の手間がかかり、素材の鮮度が問われる |
ネイティブ・インフィード広告 | CPC/期間固定 | 媒体により異なる | 記事やフィードになじみ、読まれやすい | 広告表記の扱いに注意が要る |
リターゲティング広告 | CPM/CPC | 媒体により異なる | 一度訪れた人に再び届けられる | ブラウザのCookie制限で精度が下がっている |
フィードに表示する広告の仕組みは「インフィード広告 とは 効果」、動画広告のフォーマット別の費用と効果は「動画広告の費用と効果を徹底比較|インストリーム/アウトストリーム/OTT」で比べています。

OOH・屋外広告・デジタルサイネージ
駅構内のポスター、ビルの大型看板、バスの車内広告などの屋外広告(Out-of-Home:OOH)は、生活者の通り道で繰り返し目に入る点が強みです。デジタルサイネージ化(DOOH)が進み、時間帯や天候に合わせて表示内容を切り替えることもできます。費用は設置場所・期間・デジタルかどうかで大きく変わり、駅ポスターなどの交通広告は数十万円から、首都圏の大型ビルボードは月数百万円以上が目安です。
屋外広告の戦略設計と効果測定は「屋外広告(OOH)の戦略設計|種類・費用・効果測定の実務ガイド」、サイネージ広告の仕組みと事例は「デジタルサイネージ広告とは|種類・費用・事例を徹底解説」で解説しています。
ゲーム内広告・メタバース広告
若年層向けの新しい認知施策として使われ始めているのが、ゲーム内広告(In-Game Advertising)とメタバース広告です。スマホゲームやPCゲームの空間に広告を出すもので、表示のしかたによって次の3種類に分かれます。
種類 | 特徴 | ゲーム体験への影響 |
|---|---|---|
サイネージ型(インゲーム広告) | ゲーム空間内の看板・モニターに動画が流れる | ほとんどない(街並みの一部として表示) |
インタースティシャル | 画面が切り替わるときに全画面で表示 | プレイが一時的に止まる |
リワード広告 | 動画を見るとゲーム内のアイテムがもらえる | 見るかどうかをユーザーが選べるため受け入れられやすい |
サイネージ型は、プレイを止めずにブランドの動画を見てもらえる点が特徴です。Ad-Virtuaの公表値では、広告想起率が約1.8倍、注目度が約1.7倍、好感度が約85%となっており、テレビCMや動画広告を補う認知施策として使われています。
- ゲーム内広告の仕組み・種類・効果:ゲーム内広告とは?仕組み・種類・効果・費用を徹底解説
- 出稿の進め方と効果検証:ゲーム内広告 導入完全ガイド|実務手順・運用設計・効果検証
- メタバース広告の仕組みと動向:メタバース広告とは?
- ブランドの世界観に入り込んでもらう接触設計:没入型マーケティングとは|体験設計と事例ガイド

広告を理解する5つの切り口|種類・媒体・費用・効果・戦略
広告を出すときに決めることは、次の5つに整理できます。それぞれ詳しく知りたい場合の記事も並べました。
切り口 | 何を決めるか | 詳しい解説 |
|---|---|---|
種類 | テレビ・ネット・OOH・ゲーム内など、どのカテゴリの広告を使うか | |
媒体 | 同じカテゴリの中で、どの媒体(YouTube/TikTokなど)を選ぶか | |
費用 | いくらの予算で、どの課金方式(CPM・CPC・CPV)を選ぶか | |
効果 | どの指標で測り、どう評価するか(ブランドリフト・CPAなど) | |
戦略 | ターゲット・目的・メッセージ・媒体をまとめた出稿の設計 |
この5つは、戦略 → 種類 → 媒体 → 費用 → 効果の順に連動して決まります。「とりあえずテレビCM」「とりあえずSNS広告」と媒体から考えるのではなく、戦略から逆算して種類と媒体を絞ると、無駄の少ない出稿計画になります。
目的別の広告の選び方|認知・検討・購買
広告は、何を達成したいかによって選ぶ媒体が変わります。購買までの流れ(認知 → 理解・興味 → 比較・検討 → 購買 → ロイヤルティ化)のどの段階を強めたいのかを先に決めましょう。

段階 | 主な目的 | 適した広告の種類 |
|---|---|---|
認知 | ブランド名・商品を知ってもらう | テレビCM、動画広告(YouTube等)、OOH、ゲーム内広告 |
理解・興味 | 商品の詳しい内容を理解してもらう | ネイティブ広告、SNS広告、コンテンツ広告 |
比較・検討 | 競合との違いを印象づける | リスティング広告、比較サイトへの掲載、ブランドリフト計測つきの動画広告 |
購買 | 購入を後押しする | リターゲティング広告、クーポン広告 |
ロイヤルティ化 | ブランドのファンを育てる | 体験型の施策、ゲーム内広告(継続的な接触)、ブランドコラボ |
ロイヤルティ化の段階は広告だけで完結せず、商品体験・接客・コミュニティ施策と組み合わせて設計するのが基本です。詳しくは「体験型マーケティング(エクスペリエンシャル・マーケティング)とは|手法と事例」で解説しています。
認知を広げたい場合
選択肢の例:テレビCM/動画広告/OOH/ゲーム内広告
認知の段階で必要なのは、まだブランドを知らない人に届けることです。そのため、リーチの広い媒体か、特定の生活シーンで自然に目に入る媒体が向いています。予算に余裕があればテレビCMと動画広告の組み合わせが強力です。若年層・Z世代に届いていないことが課題なら、TikTokなどのSNS広告やゲーム内広告を加えると費用対効果を高めやすくなります。目的別の認知施策の比べ方は「認知広告とは|目的・種類・媒体比較・効果測定」にまとめています。
見込み客を集めたい(リード獲得)場合
選択肢の例:リスティング広告/SNS広告/ネイティブ広告
関心を持ちそうな人を集めるには、検索している人や、特定の属性・興味を持つ人に絞って届けられる広告が向いています。リスティング広告は購入意欲の高い人に届くので、BtoBや高単価商品のリード獲得に合います。SNS広告は年齢・興味関心などで細かく絞り込め、ネイティブ広告は記事として読まれやすいため、情報収集中の人への接触に使えます。
購買・コンバージョンを増やしたい場合
選択肢の例:リターゲティング広告/購入意欲によるターゲティング
すでに商品を知っているのに買っていない人に再び届けるリターゲティングは、費用対効果が出やすい場面です。リスティング広告と組み合わせて使うのが一般的です。ただし、SafariやFirefoxではサードパーティCookieが標準で制限されており、従来型のリターゲティングは精度が下がっています。自社で集めた顧客データ(ファーストパーティデータ)の活用が重要になっています。
業界別のおすすめ広告媒体|食品・飲料・日用品・外食
食品・飲料・日用品・外食チェーンのマーケティング担当者にとって、「認知を広げながら、費用対効果も説明できる媒体」を選ぶことは共通の課題です。業界ごとの考え方をまとめます。若年層に届けるための媒体の組み合わせは「食品・飲料メーカーの若年層リーチ完全ガイド」で詳しく解説しています。

業界 | 広告の主な課題 | おすすめの媒体の組み合わせ |
|---|---|---|
食品メーカー | 新商品の認知を早く立ち上げる/若年層に届ける | テレビCM+ゲーム内広告+SNS広告 |
飲料メーカー | 夏季やイベント時期に、短期間で接触量を積み上げる | テレビCM+ゲーム内広告+SNS広告 |
日用品メーカー | 購買周期が短く、ブランドを切り替えられやすい | テレビCM+ゲーム内広告+デジタルサイネージ |
外食チェーン | 来店の前段階で思い出してもらう | テレビCM+OOH+ゲーム内広告 |
食品メーカー
食品メーカーの広告の課題は、「新商品の認知を早く立ち上げること」「ブランドロイヤルティを保つこと」「若年層に届けること」の3つに集約されます。サイネージ型のゲーム内広告が食品ブランドに合う理由は次のとおりです。
- スマホゲームを日常的に遊ぶZ世代・20〜30代の生活時間の中で接触できる
- ゲーム空間の看板・モニターとして表示されるため、ブラウザの広告ブロックの影響を受けにくい
- テレビCMなどの既存の動画素材を使えるため、追加の制作費を抑えやすい
食品メーカーのブランド体験施策は「食品メーカーのブランド体験施策事例7選」、食品・飲料業界の成功事例は「食品・飲料マーケティング成功事例10選」で紹介しています。
飲料メーカー
飲料メーカーは夏季やイベント時期の認知がとくに重要で、短期間の接触量と、継続的な接触回数の両方が求められます。
- ゲーム内広告は週単位(週30万円〜)で出稿できるため、季節に合わせたキャンペーンに組み込みやすい
- テレビCMだけでは届きにくいゲームユーザー層への追加の接触になり、認知の上積みが期待できる
- テレビCMとゲーム内広告で同じ素材を流すと、媒体をまたいでブランドに触れる回数を増やせる
飲料メーカーの若年層向け認知施策は「飲料メーカーの若年層認知施策7選」で詳しく解説しています。
日用品メーカー
シャンプー・洗剤・トイレタリーなどの日用品は購買周期が短く、ブランドを切り替えられやすいカテゴリです。そのため、継続的に接触してブランドを定着させることが広告の主な目的になります。ゲーム内広告は週ごとに続けて出稿しやすく、接触回数(フリークエンシー)を確保しやすい媒体です。デジタルサイネージと組み合わせると、生活動線全体でブランドに触れる回数を設計できます。日用品のファン化施策は「日用品メーカーのファン化施策ガイド」を参照してください。
外食チェーン
外食チェーンの最終目的は来店ですが、その前に「行きたい店として思い出してもらうこと」が集客を左右します。食事の時間帯の前後にどう接触するかが重要で、食事前後のスマホ操作の時間にゲームを遊ぶ人に届けられるゲーム内広告は、来店のタイミングと近い接点になります。来店促進の施策は「外食チェーンの来店促進施策8選」にまとめました。
食品・飲料メーカーが稟議で使える数値
新しい媒体を稟議に通すときは、「いくらで、何人に、どれだけ覚えてもらえるか」を既存の媒体と同じ物差しで示すと説明しやすくなります。サイネージ型ゲーム内広告(Ad-Virtua)の公表値を、稟議でよく使う形にまとめました。
項目 | 数値 | 根拠 |
|---|---|---|
料金 | 週30万円〜(初期費用なし) | Ad-Virtua公式サイト |
再生回数の目安 | 1週あたり約100万回 | Ad-Virtua公式サイト |
CPM(1,000回再生あたりの費用) | 約300円 | 30万円÷100万回×1,000で算出 |
掲載できるゲーム | 600タイトル以上(2026年4月時点) | Ad-Virtua公式サイト |
広告想起率 | 約1.8倍 | Ad-Virtua公表値 |
注目度 | 約1.7倍 | Ad-Virtua公表値 |
好感度 | 約85% | Ad-Virtua公表値 |
CPMを既存の媒体と比べると、次のようになります。
比較項目 | ゲーム内広告(Ad-Virtua) | 一般的なデジタル広告(Ad-Virtuaの比較値) |
|---|---|---|
CPM | 約300円 | 約500円 |
100万回表示にかかる費用 | 約30万円 | 約50万円 |
稟議では、CPMの安さだけでなく、ブランドリフト調査で「広告を見た人と見ていない人の想起率の差」を測る計画まで示すと、認知への効果を数字で説明できます。テレビCMだけでは届きにくい若年層への追加の接触として位置づければ、既存の予算を削らずに上乗せする根拠にもなります。ROIの考え方と測り方は「食品・日用品メーカーのゲーム内広告ROIガイド」、指標の組み方は「日用品・食品メーカーのゲーム内広告 KPI設計ガイド」、媒体の選び方は「食品・飲料メーカーのブランド認知施策2026年版」で解説しています。
広告効果の測定方法と主な指標
広告の効果を正しく把握するには、目的に合った指標(KPI)を出稿前に決めておくことが重要です。指標と測り方を先に決めておけば、「出したけれど効果が分からない」状態を防げます。
指標 | 説明 | 主に見る段階 | 測りやすさ |
|---|---|---|---|
広告想起率(Ad Recall) | 広告を見たことを覚えている人の割合 | 認知 | 調査が必要 |
ブランド認知率 | ブランド名・商品を知っている人の割合 | 認知 | 調査が必要 |
好意度(ブランドリフト) | ブランドへの好意的な気持ちの変化 | 認知・興味 | 調査が必要 |
購入意向 | 商品を買いたい・使いたいと思う人の割合 | 検討・購買 | 調査が必要 |
CPM(1,000回表示単価) | 1,000回表示あたりの費用 | 認知・興味 | 管理画面で確認できる |
視聴完了率 | 動画広告を最後まで見た人の割合 | 認知・興味 | 管理画面で確認できる |
CTR(クリック率) | 表示回数に対するクリック数の割合 | 検討 | 管理画面で確認できる |
CVR(コンバージョン率) | クリック数に対する成約数の割合 | 購買 | 管理画面で確認できる |
CPA(獲得単価) | 1件の成約にかかった費用 | 購買 | 管理画面で確認できる |
ROAS | 広告費に対する売上の割合(売上÷広告費×100%) | 購買 | 売上データとの突き合わせが必要 |
指標の設計の詳細は「広告効果とは|測定方法・KPI設計・ブランドリフトの実践ガイド」で解説しています。
認知を目的にした広告はブランドリフト調査で測る
CTRやCVRは広告の管理画面ですぐに確認できますが、広告想起率やブランドへの好意の変化を知るにはブランドリフト調査が必要です。GoogleやMetaのブランドリフト測定は、一定以上の出稿量がないと実施できないため、小規模な出稿では使いにくい面があります。
その場合は、CPM・フリークエンシー(接触回数)・視聴完了率を、認知の代わりの指標として使うことが多いです。CTRが低いことだけを理由に認知目的の広告を打ち切ると、本来の効果を見逃すおそれがあります。

広告出稿で失敗しないための注意点
予算を分散しすぎない
予算を多くの媒体に分けすぎると、どの媒体でも十分な接触回数を確保できず、認知の効果が出にくくなります。まず1〜2媒体に集中し、効果を確かめてから広げるのが効果的です。
認知目的の広告と成果目的の広告を同じ物差しで評価しない
認知を目的にした広告(ブランドリフト)と、成果を目的にした広告(CPAの改善)では、使う広告の種類も、見る指標も、評価する時期も違います。認知の効果は短期間では数字に表れにくいため、「認知目的の広告を出したのに成約数が増えなかった」という理由で打ち切るのは、評価の物差しを取り違えています。目的ごとに評価の基準を分けて設計することが重要です。広告全体の設計の進め方は「広告戦略の立て方|目的設計からメディアプランまで実務ガイド」を参考にしてください。
広告に関わる法律を確認する
広告には法律上の制約があります。出稿前に次の主な規制を確認しましょう。
法律 | 主な内容 | とくに関係する業種 |
|---|---|---|
景品表示法 | 実際より著しく優れていると見せる表示(優良誤認)や、価格・条件を有利に見せる表示(有利誤認)の禁止 | 全業種 |
景品表示法(ステルスマーケティング規制) | 広告であることを隠した表示の禁止(2023年10月施行) | 全業種。インフルエンサー施策を行う企業 |
医薬品医療機器等法(薬機法) | 医薬品・化粧品・健康食品の効果・効能の表示の規制 | 食品・健康・美容 |
不正競争防止法 | 競合他社の信用を傷つける広告の禁止 | 全業種 |
特定商取引法 | 通信販売の広告に必要な記載事項 | EC・通販 |
著作権法 | 楽曲・画像・映像などの無断使用の禁止 | 全業種 |
薬機法では「〜が改善する」「〜に効く」といった表現が制限されており、健康食品や化粧品の広告ではとくに注意が必要です。制作・出稿の前に、法務部門や専門家に確認しましょう。

出典:消費者庁「景品表示法とステルスマーケティング~事例で分かるステルスマーケティング告示ガイドブック~」
こんな企業におすすめ / おすすめしない企業
ここでは、テレビCM・動画広告・ゲーム内広告のような認知を目的にした広告について、向き不向きを整理します。
認知を目的にした広告をおすすめする企業
- 発売して間もない新商品、リブランディングの時期、新しいカテゴリを作る段階など、ブランドの認知を広げることが最優先の企業
- 商品の認知率が業界平均より低く、知ってもらえれば購入につながりやすい商材を持つ企業
- 若年層・ファミリー層への接触が足りず、テレビCMだけでは届かない層を補いたい企業
- Z世代・ゲームユーザーに、広告ブロックの影響を受けにくい場所で接触したい食品・飲料・日用品メーカー
- 動画素材がすでにあり、動画広告にもゲーム内広告にも同じ素材を使って制作費を抑えたい企業
認知を目的にした広告をおすすめしない企業
- 意思決定者が少ないBtoB企業。マス広告より、リスティング広告・展示会・コンテンツマーケティングのほうが費用対効果が高い傾向がある
- 地域を限定して成約を増やしたい企業。全国向けのマス広告より、地域で絞れるデジタル広告や交通広告・折込のほうが予算効率がよい
- すぐに成約率を改善したい企業。認知を目的にした広告は中長期でブランドへの効果を狙う施策のため、リスティングやリターゲティングの改善を先に行う
- 月30万円未満の予算で広い認知を取りたい企業。SNSの自社アカウント運用やコンテンツSEOから始め、成果の見込みが立ってから認知目的の広告を加えるほうが現実的
よくある質問(FAQ)
Q1. advertisement と advertising はどう使い分けますか?
advertising は広告活動や広告業界全体を指し、数えられない名詞として使います。advertisement(略して ad)は、テレビCM1本やバナー1枚のような個々の広告物です。「広告を3本出稿した」なら three ads、「広告にかける費用」なら advertising spend と言います。
Q2. ステルスマーケティング(ステマ)は広告になりますか?
広告主が内容に関わっているのに、広告であることを隠した表示はステマにあたります。日本では2023年10月1日から景品表示法の不当表示として規制されており、違反すると広告主(事業者)が措置命令の対象です。インフルエンサーに依頼した投稿には「広告」「PR」などの表記を入れ、広告だと分かるようにする必要があります。
Q3. 少ない予算でも効果のある広告はありますか?
あります。リスティング広告やSNS広告は少額から出稿でき、効果を見ながら調整できます。ゲーム内広告(サイネージ型)にも、週単位で出稿できるサービスがあります。ただし、少ない予算で広い認知を一気に取るのは難しいため、ターゲットを絞り、媒体を1〜2つに集中させることが大切です。
Q4. 認知を目的にした広告の効果は、どのくらいで出ますか?
ブランドの認知率や広告想起率の改善には、一般に1〜3か月ほど続けて出稿する必要があるとされています。認知が上がってから購入意向に変わるまでにはさらに時間がかかることが多く、短期間のCPAだけで評価すると、本来の成果を見逃すおそれがあります。
Q5. 動画広告とゲーム内広告はどう違いますか?
YouTubeなどの動画広告は、ユーザーが動画を見ている途中に差し込まれるため、視聴を中断させることがあります。サイネージ型のゲーム内広告は、ゲーム空間の看板やモニターに表示されるため、プレイを止めません。同じ動画素材を使える場合も多く、動画広告で届いていない層に追加で接触する手段として併用されます。
Q6. 広告代理店に頼むべきですか?自社で出稿できますか?
リスティング広告やSNS広告は、管理画面から自社で出稿できます。テレビCMや大型のOOHのように枠の買い付けや制作の手配が必要な媒体は、広告代理店を通すのが一般的です。ゲーム内広告のように媒体社へ直接相談できるサービスもあるため、まず媒体社に見積もりと配信先の一覧を確認すると、代理店に頼むかどうかを判断しやすくなります。
まとめ:広告選びの判断基準とAd-Virtuaが合う企業の条件
- 広告とは、「有料」「媒体を通じた大量伝達」「発信者の明示」の3要素を持つコミュニケーション活動で、英語では advertising
- 宣伝は有料・無料を問わず広く知らせること全般で、広告はそのうち媒体の枠を買って行うもの。PRは掲載料を払わず、内容は媒体側が決める
- 2025年の日本の広告費は8兆623億円(電通)。インターネット広告が50%を超え、動画広告は1兆円を突破した
- 媒体はマス/インターネット/OOH・サイネージ/ゲーム内・メタバースの4カテゴリに大きく分けられる
- 媒体は、目的(認知・リード獲得・成約)とターゲット(年齢層・業種)で選ぶ
- 食品・飲料・日用品・外食メーカーは、テレビCMで中心の認知を保ち、ゲーム内広告で若年層を補う組み合わせが現実的
- 認知を目的にした広告はブランドリフト調査で測り、短期の成約率だけで評価しない
ゲーム内広告(Ad-Virtua)が合う企業の条件
認知を目的にした広告の中でも、ゲーム内サイネージ広告のAd-Virtuaは、次の条件に当てはまる企業に向いています。
- 若年層・Z世代・20〜30代への認知拡大を優先している
- テレビCMやSNS広告を補う施策として、ゲーム空間での自然な接触を求めている
- 週単位で始められる認知施策を探している(週30万円〜・初期費用なし、公式サイト情報)
- 食品・飲料・日用品・外食・エンタメなど、生活に身近な商材を扱っている
- 動画素材がすでにある、または制作できる体制がある
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広告の基本を押さえたら、次の順に読むと、ゲーム内広告の検討から相談までの流れがつかめます。
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