広告とは、企業や組織が有料の媒体を通じて商品・サービス・ブランドの情報を受け手に届ける「有料のコミュニケーション活動」です。2025年には日本のインターネット広告費が初めて総広告費の50%を超え(電通調べ)、企業の広告戦略は選択肢も複雑さも増しています。

この記事でわかること:

  • 広告の正確な定義と、PR・宣伝・マーケティングとの違い
  • 2025年最新の日本の広告市場データ(電通発表)
  • テレビ・ネット・OOHを含む主要広告20種類以上の特徴と費用相場
  • 目的・ターゲット・予算別の媒体選定の判断基準
  • 広告効果の測定KPIと戦略立案の実践フレームワーク

この記事は、食品・飲料・日用品・外食・交通など生活接点の広い企業でブランド広告を担当するマーケティング担当者・ブランドマネージャーを対象に、媒体選定から効果測定まで意思決定を支援する構成になっています。


広告とは?定義と4つの構成要素

広告媒体が並ぶビジネス街の看板シーン

広告の本質は「送り手が明示された状態で、有料の媒体を通じて行うコミュニケーション活動」です。SNSの普及でPR・口コミ・インフルエンサー施策など多様な手段が増えましたが、「有料」「明示」「媒体経由」の3点が広告を他の施策と区別する核心です。

日本広告業協会の定義

一般社団法人 日本広告業協会は広告を以下のように定義しています。

「明示された送り手が、選択された受け手に対して知識を与えたり、送り手にとって望ましい態度・行動を形成したりする目的で、媒体を介して行う、有料のコミュニケーション活動」

この定義には、広告を構成する4要素が含まれています。

  1. 送り手が明示されている ── 企業・団体・商品ブランドが特定される(匿名発信は広告にならない)
  2. 有料のコミュニケーション ── メディア枠・広告スペースに対価を支払う
  3. 媒体を通じて実施 ── テレビ・Web・新聞・看板など何らかの媒体を経由する
  4. 態度・行動の形成が目的 ── ブランド認知・購買意欲・来店・申込などの行動変容を狙う

広告・マーケティング・PR・宣伝の違い

「広告」「マーケティング」「PR」「宣伝」は混同されがちですが、それぞれ指す範囲が異なります。

用語

意味

広告との関係

マーケティング

製品開発・価格設定・流通・プロモーション等を含む「売れる仕組みを作る活動全般」

広告はその一手段(プロモーション施策のひとつ)

広告

有料の媒体を通じて企業が情報を発信するコミュニケーション活動

マーケティングの構成要素のひとつ

PR

メディア・消費者が自発的に情報を拡散する活動(原則無料)

広告は企業発信(有料)、PRは第三者発信(原則無料)

宣伝

認知から購買意欲への訴求を含む活動全般

広告は宣伝手段のひとつ

実務上は「広告を打つ」と言えば「媒体枠を購入して情報を配信する」行為を指すと理解して問題ありません。


2025年の日本の広告市場:インターネット広告が初めて総広告費の50%超に

デジタル広告データを表示するモニター

電通が2026年3月5日に発表した「2025年 日本の広告費」によれば、2025年の日本の総広告費は8兆623億円(前年比105.1%)となり、5年連続の成長・4年連続の過去最高更新を達成しました。特に重要なのは、インターネット広告費が初めて総広告費の過半数を超えた点です。

総広告費8兆円の媒体別内訳

媒体区分

2025年金額

前年比

構成比

インターネット広告費

4兆459億円

110.8%

50.2%

マスコミ四媒体

2兆2,980億円

98.4%

28.5%

プロモーションメディア

1兆7,184億円

102.0%

21.3%

総広告費

8兆623億円

105.1%

100%

(出典:電通「2025年 日本の広告費」2026年3月5日発表)

各媒体の動向

インターネット広告(4兆459億円・前年比110.8%)

インターネット広告の中でも、動画広告(1兆275億円・初の1兆円超)とソーシャル広告(1兆3,067億円・前年比118.7%)が牽引しています。2026年の予測では動画広告が1兆1,783億円(前年比114.7%)に達する見込みで、動画フォーマットへの移行がさらに加速します。

マスコミ四媒体(2兆2,980億円・前年比98.4%)

テレビメディアが1兆7,556億円(99.7%)と踏みとどまる一方、新聞(3,136億円・91.8%)は長期減少傾向が続いています。「テレビ一極集中」の時代から、マスとデジタルを組み合わせた設計が標準化しています。

プロモーションメディア(1兆7,184億円・前年比102.0%)

屋外広告(3,042億円・105.3%)、交通広告(1,736億円・108.6%)、イベント・展示(4,748億円・111.2%)が回復・成長。OOHとリアルイベントへの投資は2025年も堅調に拡大しています。

市場全体が示す方向性:

  • 「インターネット広告は検討層向け」という旧来の固定観念は崩れており、動画・SNSが認知拡大にも本格活用されている
  • テレビのリーチ力は依然大きいが、若年層へのアプローチでは補完施策の重要性が増している
  • デジタルサイネージ・OOHの成長が示すように、「リアル空間でのデジタル接触」も注目を集めている

広告の目的:3つのファネル段階で整理する

広告の認知・検討・購買の3ファネル段階を設計するマーケティング戦略会議

広告の目的は「認知を広げる」「検討を促す」「購買につなげる」の3段階に分けて設計するのが基本です。自社の課題がどの段階にあるかを把握することが、媒体選定の出発点になります。

認知・ブランドリフト(上流ファネル)

まだ商品・サービスを知らない層(潜在層)にリーチし、ブランドの認知率・好感度・想起率を高める段階です。

  • 主な目標KPI:インプレッション数、ブランド認知率、広告想起率、ブランドリフト
  • 向いている媒体:テレビCM、動画広告(YouTube)、OOH・デジタルサイネージ、ゲーム内広告、ネイティブ広告

若年層や特定のライフスタイル層に届けたい場合、テレビCMのリーチを補完する形でゲーム内広告・SNS動画広告の活用が増えています。

検討・エンゲージメント(中流ファネル)

ブランドを知っているが、購入・利用を検討中の層に向けた施策です。

  • 主な目標KPI:CTR(クリック率)、動画視聴完了率、エンゲージメント率、サイト訪問数
  • 向いている媒体:SNS広告(Instagram・X・LINE)、ディスプレイ広告(リターゲティング)、ネイティブ広告

コンバージョン・購買(下流ファネル)

すでに商品・サービスを検討している顕在層を購買・申込・来店に誘導する段階です。

  • 主な目標KPI:CVR(コンバージョン率)、CPA(獲得単価)、ROAS(広告費対売上比率)
  • 向いている媒体:リスティング広告(Google・Yahoo!)、リターゲティング広告、アフィリエイト広告

重要な原則:1広告・1目的

「認知拡大もしながら購買も促したい」という設定はメッセージが分散し、成果が出にくい傾向があります。1つのキャンペーンに対して目的を1つに絞ることが、効果測定と改善精度を高める基本です。


広告の種類と主な特徴【主要20種類以上を解説】

広告は大きく「マス広告」「インターネット広告」「プロモーション広告」の3カテゴリに分類できます。それぞれ特性が異なり、目的・ターゲット・予算によって適した選択肢が変わります。

マス広告(テレビ・新聞・雑誌・ラジオ)

不特定多数の受け手に一度に情報を届けられる媒体です。ターゲティング精度より「リーチの規模」を優先したい場合に選ばれます。

テレビCM

  • 特徴:映像・音声・感情訴求の組み合わせで最大のリーチを実現。全国ネットなら一度に数千万人にアプローチ可能
  • 費用目安:地方局15秒1本あたり放映費5〜25万円+制作費(数十万〜数百万円)。全国ネットでは最低でも200〜300万円〜
  • 向いている場面:ブランド立ち上げ・大型キャンペーン・大衆消費財の認知拡大
  • 注意点:若年層の「テレビ離れ」により、20〜30代への単独リーチ効率は低下傾向にある

新聞広告

  • 特徴:読者の年齢層が高め(40〜60代中心)。信頼性が高く情報量を多く掲載できる
  • 費用目安:全国紙1段あたり300万円〜
  • 向いている場面:BtoB・不動産・金融・シニア向け商材

雑誌広告

  • 特徴:ライフスタイル別・趣味別など読者属性が絞られている。保存性が高く繰り返し読まれる
  • 向いている場面:ファッション・グルメ・専門業界誌など、読者の興味関心と合致する商材

ラジオ広告

  • 特徴:ながら聴き(運転中・作業中)での接触が多い。コスト効率は比較的高め
  • 向いている場面:地域密着型の施策、カーブランド・交通系サービス

インターネット広告(リスティング・ディスプレイ・SNS・動画・ゲーム内など)

現在、日本の広告費の50%超を占めます。ターゲティングの精度・効果測定のリアルタイム性・少額からの試行が可能な点がマス広告との大きな違いです。

リスティング広告(検索連動型広告)

  • 特徴:Google・Yahoo!の検索結果に連動して表示。「今すぐ購入したい」層に直接リーチできる
  • 費用目安:CPC 80〜1,000円程度(業種・競合状況で変動)。月額運用相場は20〜50万円
  • 向いている場面:顕在層の刈り取り・ECサイト・地域型ビジネス
  • 注意点:ブランド認知の効果は限定的。競合の多い業種ではCPCが高騰しやすい

ディスプレイ広告

  • 特徴:Webサイトやアプリにバナーとして表示。リターゲティング(再訪問促進)に特に有効
  • 費用目安:CPC 数十円〜、CPM 数十円〜
  • 向いている場面:中流ファネルの検討促進、リターゲティング

SNS広告(Instagram・X・TikTok・LINE)

  • 特徴:年齢・性別・趣味・行動履歴などの詳細ターゲティングが可能。動画形式との相性が高い
  • 費用目安:Instagram CPC 150〜300円、X CPC 50〜150円、TikTok CPC 30〜120円、LINE CPC 80〜150円
  • 向いている場面:若年層〜ミレニアル世代へのリーチ、ECのコンバージョン促進、ブランドコンテンツ配信

動画広告(YouTubeインストリーム等)

  • 特徴:ストーリー性のある訴求が可能。ブランドリフト効果が高い
  • 費用目安:CPV(視聴単価)2円〜/視聴(スキップ可能形式)
  • 向いている場面:ブランド認知・感情訴求・商品デモンストレーション
  • 動向:2025年に動画広告費が初めて1兆円を突破(電通データ)

ネイティブ広告

  • 特徴:コンテンツ記事の形式で配信。読者の自然な閲覧体験に馴染みやすい
  • 費用目安:80万円〜(メディア・規模により異なる)
  • 向いている場面:コンテンツマーケティング補完、ブランド理解促進

アフィリエイト広告

  • 特徴:成果(購入・申込)が発生した場合のみ課金。初期投資リスクが低い
  • 費用目安:ASP利用料 月3〜5万円+成果報酬
  • 向いている場面:EC・金融・資格・通信など成果が明確な業種

ゲーム内広告(インゲーム広告)

  • 特徴:ゲーム空間内(看板・モニターなど)に動画を配信。ゲームプレイを中断しないため好感度が高い
  • 費用目安:30万円/週〜(サービス・規模により異なる)
  • 向いている場面:若年層・Z世代への認知拡大、ゲームユーザー接点の強化
  • 市場動向:グローバル市場は2025年に約110億ドル規模、年率約13%で拡大中(調査機関レポートより)

プロモーション広告(屋外・交通・デジタルサイネージなど)

「OOH(アウト・オブ・ホーム)広告」とも呼ばれ、物理的なリアル空間での接触を強みとします。日常の動線上でブランドを繰り返し露出することで記憶定着を高めます。

屋外広告(看板・ビルボード)

  • 特徴:大型の視覚的インパクト。同じ場所に繰り返し露出するため記憶定着に強い
  • 費用目安:数百万〜数千万円(立地・サイズにより異なる)

交通広告(電車・バス・タクシー)

  • 特徴:通勤・通学時間帯に高頻度で接触できる
  • 費用目安:JR全線 480万円/週、タクシー 1,500万円/週(参考値)

デジタルサイネージ

  • 特徴:時間帯・状況に応じてコンテンツを切り替えられる。動画配信も可能
  • 費用目安:大型ビジョン 200万円/週〜
  • 市場動向:国内市場は2022年の690億円から2026年に1,338億円(194%増)へ成長予測

主要広告の費用相場と課金形態(2026年版)

広告種類

費用目安

課金形態

テレビCM(地方局)

放映費 5〜25万円/15秒+制作費

期間固定

テレビCM(全国ネット)

最低200〜300万円〜(制作費含む)

期間固定

新聞広告(全国紙)

300万円〜/1段

期間固定

リスティング広告

CPC 80〜1,000円、月額20〜50万円が相場

クリック課金(CPC)

ディスプレイ広告

CPM 数十円〜、CPC 数十円〜

CPM / CPC

SNS広告(Instagram)

CPC 150〜300円/クリック

CPM / CPC

SNS広告(X)

CPC 50〜150円/クリック

CPM / CPC

SNS広告(TikTok)

CPC 30〜120円/クリック

CPM / CPC

SNS広告(LINE)

CPC 80〜150円/クリック

CPM / CPC

動画広告(YouTube等)

CPV 2円〜/視聴

CPV / CPM

ネイティブ広告

80万円〜

期間固定・CPM

アフィリエイト広告

ASP月3〜5万円+成果報酬

成果報酬型

交通広告(JR全線)

480万円/週

期間固定

デジタルサイネージ

200万円/週〜(大型ビジョン)

期間固定

タクシー広告

1,500万円/週

期間固定

ゲーム内広告(Ad-Virtua)

30万円/週〜、CPM 300〜500円

期間固定

(費用相場は2026年5月時点の参考値。媒体・規模・競合状況によって変動します。)

課金形態の読み方:

課金形態

略称

意味

向いている目的

クリック課金

CPC

クリック1回ごとに課金

顕在層の刈り取り

1,000インプレッション課金

CPM

1,000回表示ごとに課金

認知拡大

視聴課金

CPV

動画1視聴ごとに課金

ブランドリフト

成果報酬型

CPA

成果1件ごとに課金

コンバージョン重視

期間固定

掲載期間に対して固定料金

リーチ規模重視


広告媒体の選び方:目的・ターゲット・予算別の比較

広告媒体を選ぶ際は「目的(ファネル段階)」「ターゲット層」「予算規模」「測定可能性」の4点を軸に検討します。

広告種類

主な目的

若年層リーチ

予算規模感

効果測定のしやすさ

好感度

テレビCM

認知拡大

△(テレビ離れ)

高(200万円〜)

リスティング広告

購買・CV促進

低〜中(月20万円〜)

ディスプレイ広告

認知・再訪問

低〜中

SNS広告

認知〜購買

◎(TikTok・Instagram)

低〜中

動画広告

認知・ブランドリフト

低〜高(CPV 2円〜)

ゲーム内広告

認知・ブランドリフト

◎(Z世代・ゲームユーザー)

中(30万円/週〜)

◎(約85%)

OOH・屋外広告

認知・ブランド強化

交通広告

認知・ブランド強化

高(JR 480万円/週〜)

アフィリエイト

CV・獲得

成果報酬(低リスク)

◎ = 特に優位 ○ = 標準的 △ = 弱い(概略評価。実際は媒体設計・商材により異なります)

目的別の推奨アプローチ

若年層・Z世代への認知拡大を優先する場合
Z世代の約80%が毎日スマートフォンでゲームをプレイしており、1日の平均プレイ時間は約100分に達します(Ad-Virtua公式データ)。ゲーム内の接触時間はSNSやテレビを上回るケースも多く、ゲーム内広告+TikTok・Instagram動画広告の組み合わせが有効です。

テレビCMの補完・補強
テレビで届きにくい若年層には動画広告・ゲーム内広告・SNS広告を追加。同じ訴求を複数の接点で繰り返すことで想起率を高めます。テレビCMの補完施策については「テレビCMの代替・補完施策とは?費用対効果の比較と組み合わせ方」もご覧ください。

少額で試したい場合
リスティング広告(月数万円〜)やSNS広告で小規模にテストし、効果確認後に予算を拡大する進め方が現実的です。

ブランドイメージを丁寧に育てたい場合
好感度の高いネイティブ広告・ゲーム内広告・動画広告を組み合わせ、「嫌われにくい広告体験」を設計する。


広告効果の測定方法とKPI設計

広告効果KPIをプレゼンするビジネスチーム

広告を出す前にKPIを設定することが最重要です。「どんな変化を、どの数値で確認するか」を事前に決めておかないと、効果判断もPDCAも機能しません。

認知フェーズのKPI

KPI

意味

確認方法

インプレッション数

広告が表示された回数

各媒体の管理画面

リーチ数

広告が届いたユニークユーザー数

各媒体の管理画面

広告認知率

広告を見たと回答した人の割合

ブランドリフト調査

ブランドリフト

広告接触群と非接触群の認知・好感度の差

Google Brand Lift等

広告想起率

ブランド名・広告内容を記憶している割合

アンケート調査

コンバージョン・ROIフェーズのKPI

KPI

計算式

解釈

CTR(クリック率)

クリック数 ÷ 表示回数 × 100%

業種平均1〜2%が目安

CPA(獲得単価)

広告費用 ÷ コンバージョン数

低いほど効率が良い

ROAS

広告経由売上 ÷ 広告費用 × 100%

100%超で費用回収。300〜400%以上が理想的なケースが多い

ROI

利益 ÷ 広告費用 × 100%

ROASが売上ベース、ROIは利益ベースで評価

指名検索数

ブランド名でのオーガニック検索数の変化

認知拡大施策後に増加が見られると効果的

ROASとROIの使い分け: ROASは「売上 ÷ 広告費」で費用回収の視点、ROIは「利益 ÷ 広告費」でビジネス全体の収益性の視点です。認知拡大広告ではROAS・ROIの直接測定が難しいため、ブランドリフト・指名検索増加率を代替指標として使うケースが多いです。


広告戦略の立て方:5Mフレームワーク

広告戦略を体系的に設計する際に使われるフレームワークが「5M」です。5つの要素を順番に整理することで、場当たり的な広告投下を防ぎ、一貫した戦略を構築できます。

要素

英語

内容

目的

Mission

認知拡大・見込み顧客獲得・CV促進のいずれかを決める

予算

Money

媒体費・制作費・運用費のバランスを設計する

メッセージ

Message

ターゲットに刺さるクリエイティブ・訴求軸を決める

媒体

Media

目的・ターゲット・予算に合った媒体を選ぶ

評価

Measurement

KPIと測定方法を事前に定義する

目的設定(Mission)
「認知拡大」「見込み顧客獲得」「購買促進」の3つから1つを選ぶのが基本です。複数目的の同時設定は予算と評価が分散し、どちらも中途半端になりがちです。現在の課題がどのファネル段階にあるかを明確にしてから目的を決めてください。

予算設定(Money)
広告予算の内訳の参考値として「媒体費:制作費:運用費 = 6〜7:2〜3:1」程度が挙げられます。テスト期間(最低1〜3か月)を設けて効果を検証してから予算を拡大する進め方が現実的です。

メッセージ設計(Message)
「誰に、何を、どう伝えるか」を1文で言えるレベルに凝縮します。複数のメッセージを詰め込むと受け手の印象が薄れます。ターゲットが抱えている課題・悩みに直接答えるメッセージが、クリックされやすく記憶に残りやすい広告になります。

媒体選定(Media)
上記の比較表を参照しつつ、「単一媒体への集中」より「目的に合わせた複数媒体の組み合わせ」を検討してください。特に認知拡大を目的とする場合、1媒体では届かない層を複数の接点でカバーすることが重要です。

評価設計(Measurement)
「何を持って成功とするか」をキャンペーン開始前に定義します。定量KPI(CTR・CPA・ROAS等)だけでなく、ブランド認知率・好感度などの定性的な変化も測定に含めることで、中長期のブランド価値向上を追跡できます。


こんな企業に向いている広告の組み合わせ

若年層・Z世代への認知拡大を急ぎたい企業

おすすめ: ゲーム内広告 + TikTok/Instagram動画広告

Z世代の約80%が毎日スマートフォンでゲームをプレイしており、1日の平均プレイ時間は約100分に達します(Ad-Virtua公式データ)。ゲーム内の接触時間はSNSやテレビを上回るケースも多く、テレビCMだけでは届きにくい若年層に、日常的な没入体験の中でブランドを露出できます。

特に向いている商材・業種:

  • 食品・飲料(若年層トライアル促進・ブランドスイッチ)
  • 日用品・コスメ(Z世代へのブランド認知獲得)
  • エンターテインメント・アプリ(ゲームユーザーとの親和性)
  • 外食チェーン(来店前の認知強化)

テレビCM・マス広告中心の企業

おすすめ: テレビCM + 動画広告 + OOH

テレビCMのリーチは依然として強力ですが、若年層・ゲームユーザー層・スマートフォンヘビーユーザー層には届きにくくなっています。テレビCMと同じクリエイティブを動画広告・ゲーム内広告に展開し、複数接点で繰り返し露出することで広告想起率が高まります。

コンバージョン・獲得を最優先したい企業

おすすめ: リスティング広告 + リターゲティング広告

すでにブランドや商品を知っている顕在層を購買に誘導するには、検索連動型とリターゲティングの組み合わせが直接的です。CPAの測定精度が高く、PDCAを回しやすいのも特徴です。

認知拡大に大きな予算をかけられない中小〜中堅企業

おすすめ: SNS広告(少額スタート) + 段階的拡大

月数万円〜からでも配信できるSNS広告・リスティング広告で小さくテストし、効果の出た施策に予算を集中する進め方が現実的です。特定ターゲットへの精度高いアプローチができるため、予算対効果を最大化しやすい特徴があります。


広告の選択がおすすめしないケース

以下の状況では、まず広告以外の施策を優先することを検討してください。

  • 商品・サービスの品質や顧客満足度が低い段階: 広告でリーチを増やしても、体験が伴わなければブランドイメージを毀損するリスクがある
  • LPや自社サイトが整備されていない段階: 広告からの流入先が機能しなければ、広告費だけが消費される
  • 目的・ターゲットが曖昧なまま始める場合: 設計なしに広告を出すと、予算対効果の評価も改善もできない
  • 短期間で結果を求めすぎる認知広告: ブランドリフトは複数接触・長期露出で効果が出るもの。1週間で認知率が劇的に変わることは稀

広告でよくある失敗と対策

① ターゲット設定が広すぎる・または狭すぎる

「20〜60代の女性全員」のように広いターゲット設定では、誰にも刺さらない薄いクリエイティブになりがちです。一方、過度に絞りすぎると母数が不足して配信量が出ません。「自社商品が解決する課題を持つ人」を起点に、現実的なボリュームで設定するのが基本です。

② 1つの広告に複数の目的を持たせる

「認知拡大もしつつ購買も促したい」という欲張りな設計は、メッセージが散漫になり効果が分散します。認知施策と購買促進施策は別のキャンペーンに分けてKPIを設定するのが正解です。

③ LPとの不整合

広告クリエイティブで「〇〇が無料」と訴求していても、LPに無料体験の申込みが見つからなければコンバージョンにつながりません。広告→LP→CTAの一貫性を担保することが重要です。

④ 効果測定と改善サイクルを設けない

「出して終わり」の広告投下では、何が機能して何が機能しなかったかがわかりません。最低でも週次・月次でデータを確認し、クリエイティブ・ターゲット・入札を調整するPDCAを設計してください。

⑤ 予算を短期に集中させすぎる

デジタル広告では、数か月の継続配信によって最適化が進みCPAが下がる傾向があります。1か月に全予算を一気に投下するより、計画的に継続配信する方が効率的なケースが多いです。


若年層・ブランド認知に強い「ゲーム内広告」という選択肢

広告の種類・目的・媒体選定を整理したうえで、最後に「若年層へのブランド認知拡大」という課題を持つ企業向けに、ゲーム内広告という選択肢を紹介します。

ゲーム内広告とはどういう広告か

ゲーム内広告(インゲーム広告)は、ゲームの世界観の中に自然な形で広告を配置する手法です。ゲームプレイを中断させるインタースティシャル広告やリワード広告とは異なり、ゲーム空間内の看板・モニター・サイネージに動画を配信するサイネージ型が「嫌われにくい広告」として注目を集めています。

Z世代の約80%が毎日スマートフォンでゲームをプレイしており、1日の平均プレイ時間は約100分に達します(Ad-Virtua公式データ)。テレビや新聞だけでは届きにくいこの層に、日常的な没入体験の中でブランドを露出できるのがゲーム内広告の最大の強みです。

ゲーム内広告(サイネージ型)の主な効果指標

指標

数値

補足

ユーザー好感度

約85%

ゲームを中断しないため受容度が高い

視認率

最大96%

業界平均(67%)比(出典:Ad-Virtua公式サイト)

広告想起率

業界平均比 約1.8倍

出典:Ad-Virtua公式サイト

注目度

業界平均比 約1.7倍

出典:Ad-Virtua公式サイト

CPM

約300〜500円

出典:Ad-Virtua公式サイト

Ad-Virtuaのゲーム内広告が合う企業の条件

以下に当てはまる場合、ゲーム内広告は有力な選択肢として検討できます。

  • 若年層・Z世代への認知拡大を現在の課題としている
  • ブランドイメージを損なわずに広告接触を増やしたい(好感度重視)
  • 動画素材が既にある、または制作可能である
  • 週単位で小さく試してPDCAを回したい(1週間30万円〜のプラン)

テレビCMや交通広告と比較したとき、ゲーム内広告は「若年層へのリーチ効率」「好感度」「視認率」の観点で独自の強みを持っています。ゲームユーザーは能動的にゲームを楽しんでいる状態のため、SNS上のスキップ広告より受容度が高い傾向があります。国内ではAd-Virtua(アドバーチャ)が400タイトル以上のゲームに対応するネットワークを展開しています。

→ ゲーム内広告の仕組み・効果・費用については「ゲーム内広告とは?仕組み・種類・効果・費用を徹底解説」で詳しく解説しています。

→ ブランド認知を軸とした広告体験設計の全体像については「ブランド体験とは?設計方法・事例・効果測定まで解説」もあわせてご覧ください。


よくある質問

Q. 広告とPRの違いは何ですか?

広告は「企業が有料の媒体枠を購入して情報を発信する活動」です。PRはメディア・消費者・インフルエンサーなどの第三者が自発的に情報を拡散する活動を指します。広告は発信内容を企業がコントロールできる一方、PRは第三者が主体のため内容のコントロールは限定的です。費用面では、広告は媒体費が発生しますが、PRはオーガニックな拡散を目指すため直接費用は比較的抑えられます。

Q. 広告費はどのくらいから始めればいいですか?

デジタル広告(リスティング・SNS広告)であれば月数万円〜のテストが可能です。テレビCMや交通広告などのマス広告は数百万円〜が最低ラインになるため、まずデジタルで効果を検証してからマスへ拡大する進め方が一般的です。ゲーム内広告(Ad-Virtua)の場合、現時点では1週間30万円〜のプランから試行できます。

Q. 認知拡大にはどの広告が最も効果的ですか?

「最も効果的」は商材・ターゲット・予算によって異なります。広いリーチが必要ならテレビCM、若年層に特化するならゲーム内広告・TikTok・Instagram動画広告、都市圏ビジネスパーソンには交通広告・デジタルサイネージが向いています。単一媒体より複数媒体の組み合わせで接触頻度を高める方が、認知率・想起率の向上に有効です。

Q. 広告の効果はどれくらいで出ますか?

リスティング広告など下流ファネルの施策は数日〜数週間で成果を確認できます。認知拡大を目的とするブランド広告(テレビCM・ゲーム内広告・OOH等)は、ブランドリフトとして結果が表れるまでに数週間〜数か月かかるのが一般的です。「1週間出したのに知名度が上がらない」と感じる場合は、目的・媒体・期間設定を見直してください。

Q. インターネット広告とマス広告はどちらを優先すべきですか?

2025年時点でインターネット広告が総広告費の50%超を占めますが(電通データ)、「どちらが優先か」は目的次第です。認知拡大・ブランドリフトではテレビCM・OOHのリーチ力が有効で、ターゲティング精度・効果測定・少額スタートではインターネット広告が優位です。多くの企業が「マス×デジタル」の組み合わせで補完関係を設計しています。