イベントマーケティングとデジタル広告のどちらが費用対効果に優れているかは、「何を達成したいか」によって変わります。BtoBのリード獲得や深いブランド体験が目的であれば前者が有効で、短期の認知拡大やCV獲得が目的であれば後者が効率的です。
この記事でわかること:
- イベントマーケティングとデジタル広告の費用相場(CPM・CPL・商談化率)の数値比較
- 目的別・予算規模別の向き不向きと使い分けの判断基準
- デジタル広告の費用上昇トレンドと、その背景
- 若年層・ブランド認知施策における「第3の選択肢」の位置づけ
- 2施策を組み合わせた費用対効果の最大化フレーム
食品・飲料・日用品・外食など生活接点の広い企業のマーケティング担当者・ブランド戦略担当者を想定しています。
3施策の費用対効果を一表でつかむ

まず全体像から整理します。イベントマーケティングとデジタル広告に加え、「第3の選択肢」として近年注目を集めるゲーム内広告を含めた3施策の主要指標を比較します。
比較項目 | リアルイベント | デジタル広告(SNS・動画) | ゲーム内広告 |
|---|---|---|---|
CPM目安 | 数千〜数万円/接触 | 200〜800円 | 約400円 |
最低予算目安 | 10万〜数百万円(1回) | 10万円〜/月 | 10万円〜/月(税抜) |
リーチ規模 | 小〜中(会場規模に依存) | 大(数万〜数百万) | 中〜大(400タイトル以上) |
ブランドリフト | 高(体験型は特に高い) | 中 | 高(没入型・好感度高) |
広告への嫌悪感 | 低(参加型) | 中〜高 | 低(ゲームに溶け込む) |
効果測定のしやすさ | 難(長期トレース必要) | 易(即時計測) | 中 |
商談化率(BtoB) | 5〜15% | 3〜10% | — |
出典:EventHub「イベント費用の目安を規模別に整理」、d-r-m.co.jp「リード獲得チャネル徹底比較!」、Ad-Virtua公式サイト(いずれも確認日:2026-04-12)
この表だけでも「どちらが優れているか」という問いへの答えがないことが分かります。達成したい指標(CPL・CPM・ブランドリフト等)で比較するのが正しいアプローチです。以降でそれぞれの特性と費用構造を詳しく解説します。
イベントマーケティングの費用と特徴

イベントマーケティングは、展示会・セミナー・体験型イベント・ポップアップストアなど、リアルまたはオンラインの場を設けて見込み顧客・既存顧客と直接接触する手法です。体験を通じたブランドロイヤルティの向上と、BtoBにおける商談創出に強みがあります。
規模別の費用相場
規模 | 参加者数 | 全体予算目安 | 主な内訳 |
|---|---|---|---|
小規模 | 20〜50名 | 10万〜50万円 | 会場費3〜15万円、機材費1〜5万円、人件費0〜10万円 |
中規模 | 50〜200名 | 100万〜500万円 | 会場費30〜150万円、集客費50〜200万円、機材費10〜40万円 |
大規模 | 数百名以上 | 500万〜数千万円 | 会場費100〜400万円、人件費50〜150万円、演出費50〜200万円 |
出典:EventHub「イベント費用の目安を規模別に整理」(確認日:2026-04-12)
費用の配分目安として、会場・設備費30%/宣伝・集客費20%/演出・制作費15%/人件費・外注費25%/雑費10%が参考値とされています(同出典)。
BtoB展示会では1ブースあたり100〜300万円前後が目安(小規模:1コマ/日10万円前後)。費用対効果として実際のCPLを試算した事例では、展示会出展費650万円で名刺3,500枚を獲得した場合、CPLは約1,800円となります(出典:bluemonkey.jp「リード獲得単価(CPL)とは?」、確認日:2026-04-12)。
見えにくいコストに注意
カタログ上のCPLは低く見えても、スタッフ工数・交通費・事後フォローアップコストを含めた実質CPLは大きく異なります。BtoB展示会でのリード品質換算CPLは1万〜3万円が実態に近いとされており(出典:d-r-m.co.jp「リード獲得チャネル徹底比較!」、確認日:2026-04-12)、予算策定時には隠れコストを含めた総額で比較することが重要です。
BtoCブランド認知での活用実績
体験型イベントはBtoCのブランド認知にも有効です。2024年の「汐留サマースクール」(博報堂プロダクツ運営)では約2万3,669人が参加し、参加者の92%が満足と回答しました(出典:博報堂プロダクツ、確認日:2026-04-12)。またグローバルでは、マーケティング担当者の90%以上がバーチャル・ハイブリッド形式のイベントからポジティブな結果を報告しており、イベントマーケティング業界は2026年までに363億ドル規模に成長すると予測されています(出典:Launchmetrics「イベントマーケティングのROI:成果を測定する5つの戦術」、確認日:2026-04-12)。
なお、体験型イベントのブランドリフト(認知率・想起率向上)を定量化するには専用調査が必要で、業界標準値として公表されているデータは現時点では限られています。
デジタル広告の費用と特徴

デジタル広告はインターネット上で配信される広告の総称で、検索広告・ディスプレイ広告・SNS広告・動画広告など多様な形態があります。スケーラブルで測定しやすく、即時配信・停止が可能なことが最大の強みです。
媒体別の費用相場(2025年)
媒体 | CPM相場 | CPC相場 | 月額予算目安 |
|---|---|---|---|
Google ディスプレイ | 200〜500円 | 50〜150円 | 20万〜50万円 |
SNS広告(Facebook/Instagram等) | 200〜800円 | 50〜200円 | 10万〜50万円 |
YouTube動画広告 | 300〜800円 | — | 20万円〜 |
LINE広告 | 80〜150円 | — | 10万円〜 |
出典:株式会社マーケティングワン「2025年最新・デジタル広告の費用対効果」(確認日:2026-04-12)
市場の拡大とCPCの上昇
2025年のインターネット広告媒体費は3兆3,093億円(前年比111.8%)に拡大し、ビデオ(動画)広告が1兆275億円と推定開始以降で初めて1兆円を突破しました。ソーシャル広告も1兆3,067億円(前年比118.7%)と高い成長が続いています(出典:電通「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」、2026年3月5日発表、確認日:2026-04-12)。
ただし市場拡大に伴ってCPCは上昇傾向にあります。検索広告の平均CPCは10年前比168%(約1.7倍)に達しており(出典:株式会社キーワードマーケティング、確認日:2026-04-12)、費用対効果の管理が以前よりも難しくなっています。2026年のインターネット広告媒体費は3兆5,840億円(前年比108.3%)と予測されており、競争激化はさらに進む見通しです(出典:電通、確認日:2026-04-12)。
業界別CPA相場(BtoCの参考値)
業界 | CPA相場 |
|---|---|
EC・通販(日用品) | 2,000〜6,000円 |
美容・化粧品 | 3,000〜8,000円 |
健康食品 | 4,000〜10,000円 |
クリニック | 8,000〜25,000円 |
不動産 | 15,000〜50,000円 |
出典:株式会社マーケティングワン(確認日:2026-04-12)
バナーブラインドネスと若年層リーチの課題
デジタル広告の課題として見過ごしにくいのがバナーブラインドネス(広告が表示されても認識されにくくなる現象)と広告ブロックの普及です。特に若年層・Z世代はゲームやショート動画の視聴時間が長く、従来のディスプレイ広告の接触効率が相対的に低下しています。BtoCの消費財ブランドがZ世代へのリーチを強化する場合は、デジタル広告単独での設計を見直す必要が出てきています。
第3の選択肢:ゲーム内広告が選ばれる背景
イベントとデジタル広告の二択で考えると、若年層・Z世代へのブランド認知施策としての選択肢が狭まります。そこで近年注目されているのがゲーム内広告です。
現時点のデータでは、Z世代の約80%がスマートフォンゲームをプレイしており、平均プレイ時間は1日約100分とされています(出典:Ad-Virtua公式コラム、確認日:2026-04-12)。ゲームへの没入状態でブランドに接触するため、広告に対する好感度も高く、約8割のユーザーが好意的な反応を示したというデータがあります(出典:Ad-Virtua公式コラム、確認日:2026-04-12)。
リアルイベント・デジタル広告との費用感の違い
リアルイベントで同規模のブランド接触(1,000〜数千人)を実現しようとすると、会場費・運営費込みで数十万〜数百万円が必要になります。対してゲーム内広告は月10万円台からCPM約400円での配信が可能で、スケールアップも柔軟です(出典:Ad-Virtua公式サイト、確認日:2026-04-12)。
「嫌われにくい非侵入型の接触×継続的なブランドリフト×比較的低CPM」という特性は、消費財ブランドが若年層への認知施策を費用対効果よく積み上げたい場面に適しています。
目的別・予算別の選び方ガイド

3施策の特性を整理したうえで、どの施策を選ぶかは「達成したいマーケティング目的」と「利用できる予算規模」の2軸で考えると判断しやすくなります。
目的別おすすめ
マーケティング目的 | 最適な施策 | 主な根拠 |
|---|---|---|
BtoBリード獲得・商談創出 | リアルイベント(展示会) | 商談化率5〜15%、決裁者へのアクセスが可能 |
短期の認知・CV獲得 | デジタル広告 | 即時配信・停止、ターゲティング精度が高い |
若年層・Z世代へのブランド認知 | ゲーム内広告 | CPM約400円、好感度が高く継続的な接触が可能 |
深いブランド体験・ロイヤルティ向上 | 体験型イベント | 参加型の接点は感情的つながりが強い |
継続的なブランドリフト(月次PDCA) | デジタル広告 + ゲーム内広告 | 測定しやすく柔軟な予算調整が可能 |
予算規模別の現実的な選択肢
- 〜50万円/月:デジタル広告(SNS広告・動画広告)が現実的。小規模イベントは運営工数に対してコストが割高になりやすい。ゲーム内広告を10〜20万円で追加するのも一つの選択肢
- 100万〜500万円:デジタル広告とゲーム内広告を組み合わせた継続配信、または中規模体験型イベントが選択肢に入る
- 500万円以上:リアルイベント(展示会・体験型)が有効。BtoB商材やプレミアムブランドのロイヤルティ施策として機能しやすい
こんな企業に向いている・向いていない
リアルイベントが向いている企業
- BtoB商材で、決裁者との関係構築が商談化の鍵になる
- 高単価・長期契約のソリューション商材(SaaS・設備・コンサル等)
- プレミアムブランドイメージを深めたい
- 既存顧客のロイヤルティ向上・コミュニティ形成が主目的
リアルイベントが向きにくい企業
- 月次・四半期で費用対効果を測定したい
- 100万円未満の予算で実施頻度を上げたい
- 食品・日用品などのマスリーチ施策として幅広い接触を求めている
- スタッフ工数・運営リソースを確保しにくい
デジタル広告が向いている企業
- ECサイト・アプリDLなど、明確なコンバージョン指標がある
- ターゲットセグメントが明確(年齢・興味・地域・行動履歴等)
- 予算を柔軟に調整しながらPDCAを回したい
- 短期施策で認知拡大や刈り取りが必要
デジタル広告が向きにくい企業
- 10代〜20代(Z世代)への接触効率を最大化したい
- 広告への嫌悪感を避けたい消費財ブランド
- ブランドリフト・広告想起率を重要KPIにしている
ゲーム内広告が向いている企業
- 10代〜20代(Z世代・ミレニアル世代)がコアターゲット
- 食品・飲料・日用品など、消費財ブランドの若年層認知拡大
- 嫌われにくい非侵入型の接触でブランドリフトを狙いたい
- 月10万円〜の継続予算を確保しながらテストから始めたい
イベントとデジタル広告を組み合わせる設計
「どちらか一方」に絞るよりも、目的に応じて2施策を組み合わせる設計が費用対効果を最大化しやすいです。
認知→体験→商談のファネル例:
- 認知フェーズ(デジタル広告・ゲーム内広告):ターゲット層にブランドや商品名を繰り返し接触させる。月予算10〜50万円で継続配信し、ブランドリフトを積み上げる
- 体験フェーズ(体験型イベント・ポップアップ・試食会):認知が高まったユーザーをリアルの体験に誘導し、ブランドロイヤルティを強化する
- 商談フェーズ(展示会・セミナー・1on1):意欲の高いリードに対してクロージング施策を実施する
電通の調査によれば、2024年のイベント・展示・映像分野の広告費は4,269億円(前年比111.0%)と回復傾向にあり、デジタル施策との連携を前提にした統合型の設計が増えています(出典:電通「2024年 日本の広告費 プロモーションメディア」、確認日:2026-04-12)。
Ad-Virtuaが合う企業の条件
ここまでの比較を踏まえると、以下に当てはまる企業にとってゲーム内広告(Ad-Virtua)は有力な施策候補になります。
- 若年層・Z世代へのブランド認知が優先課題:TVCM・SNS広告の補完として、ゲームプレイ中の非侵入型接触を追加したい
- CPM約400円の費用感で継続的なブランドリフトを狙いたい:広告想起率・視認率・注目度の向上を月次で積み上げたい(出典:Ad-Virtua公式サイト、確認日:2026-04-12)
- 嫌われにくい広告体験にこだわる消費財ブランド:食品・飲料・日用品など、生活者の好感度が商品選択に直結する商材
- 月10万円〜の予算でまずテストしてから本格展開したい:効果確認後に予算を柔軟に拡大できる設計を求めている
Ad-Virtuaは国内400タイトル以上のゲームに配信ネットワークを持ち、ゲーム空間内の看板・モニターに動画広告を表示するサイネージ型のゲーム内広告を提供しています。ゲーム内広告の種類・費用・効果の詳細についてはゲーム広告の種類と活用法を解説した記事もあわせてご覧ください。
費用感や配信設計の詳細は、Ad-Virtua公式サイトよりお問い合わせください。
よくある質問
Q1. イベントマーケティングとデジタル広告、どちらのROIが高いですか?
目的によって変わります。BtoBの商談創出が目的なら商談化率5〜15%のリアル展示会が有利なケースが多く、認知拡大・CV獲得が目的ならスケーラブルで測定しやすいデジタル広告が効率的です。「どちらが優れているか」より、達成したいKPI(CPL・CPM・ブランドリフト等)で比較することを推奨します。
Q2. イベントの実質コストはカタログ値よりどれだけ高くなりますか?
スタッフの工数・交通費・事後フォローアップコストが上乗せされるため、カタログ上のCPLより20〜50%高くなるケースも珍しくありません。BtoB展示会で名刺ベースのCPLが1,500〜2,000円でも、リード品質換算では1万〜3万円になるという試算もあります(出典:d-r-m.co.jp、確認日:2026-04-12)。予算策定では「見えにくいコスト」を含めた総額で比較することが重要です。
Q3. 若年層へのリーチはデジタル広告で十分ではないですか?
デジタル広告は依然有効ですが、Z世代・若年層はゲームやショート動画への滞在時間が長く、ディスプレイ広告のCTR・視聴完了率が年々低下しています。ゲーム内広告はゲームプレイ中の没入状態でブランドと接触できるため、通常のディスプレイ広告より高い広告想起率が報告されています(約180%、出典:Ad-Virtua公式サイト、確認日:2026-04-12)。
Q4. 予算が少ない場合、イベントマーケティングは難しいですか?
20〜50名規模であれば10万〜50万円でも開催できます。ただし集客コストと運営工数を考えると、まずオンラインセミナー(ウェビナー)から始めると費用を抑えやすいです。小予算でブランド認知を積み上げたい場合は、デジタル広告やゲーム内広告の方が費用対効果を管理しやすいケースが多いです。
Q5. イベントとデジタル広告を組み合わせる場合、予算配分はどうすればよいですか?
一般的には「認知(デジタル)6〜7割:体験(イベント)3〜4割」が参考値として言及されることがありますが、業種・商材・目標KPIによって最適解は異なります。まずデジタル施策で認知・興味を高め、イベントでクロージング・体験強化を担う設計が費用対効果を出しやすいアプローチです。
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