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ブランド体験とは?施策の種類・設計ステップ・成功事例を解説【2026年版】

ブランド体験(BX:Brand Experience)とは、生活者がニーズを感じ始めてから広告・店頭・SNS・カスタマーサポートに至るまで、ブランドとのあらゆる接点で積み重なる印象・感情・記憶の総体を指す。製品の機能や価格だけでは差別化が難しくなった現代において、「顧客がどう感じるか」をブランド全体で設計することが、第一想起の獲得とロイヤルティ向上の鍵になっている。

この記事では以下のことが分かります:

  • ブランド体験(BX)の定義と、CX・UXとの概念的な違い
  • 重要視される背景と、マーケターが直面している課題の構造
  • 主な施策の種類(イベント・デジタル・ゲーム内・SNS等)を横断比較
  • ブランド体験を設計する6つのステップとよくある失敗パターン
  • 国内外の企業事例と、効果測定のKPI・指標

食品・飲料・日用品・外食・交通などの企業で、若年層・ファミリー層への認知強化やブランドロイヤルティの向上を検討しているマーケティング担当者・ブランド戦略担当者向けに解説します。

ブランド体験(BX)とは何か

ブランド体験とは、顧客がブランドと接触するすべての場面で感じる感覚的・感情的・知的な体験の総体のこと。広告で目にしたとき、店頭で商品を手に取ったとき、SNSでブランドのコンテンツを見かけたとき、カスタマーサポートに問い合わせたとき——そのすべての積み重ねが「そのブランドをどう思うか」という印象を形成する。

英語では「Brand Experience(BX)」または「ブランドエクスペリエンス」とも呼ばれる。単に「ブランドイメージ」と呼ばれるものの土台となる概念で、ロゴやキャッチコピーといった表層的なブランドデザインではなく、顧客が実際に感じる体験品質そのものを指す。

(出典:Mission Driven Brand「ブランドエクスペリエンスとは」、reiro.co.jp「ブランドエクスペリエンスとは」、確認日:2026-04-06)

BX・CX・UXの違いを整理する

「ブランド体験(BX)」と混同されやすいのが、CX(カスタマーエクスペリエンス)とUX(ユーザーエクスペリエンス)だ。それぞれの焦点と範囲は以下のとおり。

概念

焦点

範囲

UX(ユーザー体験)

デジタルプロダクトの操作性・使いやすさ

最も限定的。アプリ・Webサイト等

CX(カスタマーエクスペリエンス)

認知から購買・利用後までのジャーニー全体の満足度

中程度。利便性・満足度が主軸

BX(ブランド体験)

ブランドの価値観・世界観がすべての接点に一貫して反映されているか

最も包括的。従業員・パートナー・社会との関係まで含む

一言で言えば、UXはプロダクト、CXは旅程全体、BXはブランドそのものに焦点を当てている。「CXが利便性や満足度に焦点を当てるのに対し、BXは『ブランドらしさがどう浸透しているか』に踏み込む」(reiro.co.jp、確認日:2026-04-06)。

BXはCXを包含しながら、さらに従業員体験やビジネスパートナーとの関係、社会へのメッセージにまで対象を広げるより上位の概念と捉えると分かりやすい。

なぜ今、ブランド体験が重要視されるのか

ブランド体験が重要視される背景には、消費者行動と市場環境の構造的な変化がある。

1. 「モノ消費」から「コト消費」へのシフト

製品の機能・価格競争が激化し、消費財の多くはスペックだけでは差別化が難しくなっている。消費者が購買を決める基準は「品質がどれくらい良いか」から「このブランドと付き合うことで自分の生活がどう変わるか」にシフトしつつある。体験の質がブランド選択の軸になってきた。

2. SNS普及により、体験がリアルタイムで拡散する時代に

顧客は良い体験も悪い体験も、SNSで即座に広める。ネガティブな体験の投稿は「ブランドのコントロールが届かない場所」で拡散し、ブランドイメージの毀損につながる。一方、感動的な体験は自然な口コミ・UGC(ユーザー生成コンテンツ)として機能し、広告費を使わない認知拡大を生み出す。

3. 接点の多様化が「一貫性の欠如」を生みやすい

テレビ・Web広告・SNS・店頭・アプリ・カスタマーサポート——顧客との接点が増えるほど、チャネルごとに担当部署が分かれ、体験の一貫性が失われやすくなる。各部署が自部門の最適を追うと、顧客にとってはチグハグな印象になる。これが「ブランド体験の設計」が経営課題になる理由の一つだ。

4. 若年層・Z世代へのリーチ難易度が上がっている

20代以下のZ世代はテレビ視聴時間が減少し、YouTubeや動画コンテンツ、スマートフォンゲームに可処分時間が移っている。Z世代の約80%がゲームをプレイし、1日平均100分のプレイ時間があるという調査結果もある(Ad-Virtua公式サイト、確認日:2026-04-06)。従来のマス広告だけでは若年層のブランド体験をデザインしにくくなっている。

ブランド体験を構成する4つの要素

ブランド体験を構成する要素のイメージ

ブランド体験は、次の4つの体験カテゴリから成り立っている(reiro.co.jp、Goodpatch調べ、確認日:2026-04-06)。

体験の種類

内容

施策例

感覚的体験

視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚による五感刺激

店舗の香り・BGM、パッケージデザイン、テイスティング

感情的体験

喜び・安心感・共感などの感情的反応

ストーリーテリング広告、ブランドコミュニティ、子ども向け体験

知的体験

学習・発見・思考刺激による理解と驚き

食育イベント、工場見学、プロダクト体験会

行動的体験

ライフスタイルの変化・習慣形成・参加行動

アウトドアイベント、ランニングコミュニティ、カスタマイズ体験

優れたブランド体験は、この4つのうち複数を同時に刺激する。スターバックスの店舗が一例だ——店内の香り(感覚的)、くつろぎの空間(感情的)、新しいドリンクの発見(知的)、自分だけのカスタマイズ注文(行動的)が組み合わさることで、商品以上の体験価値を生み出している。

主なタッチポイント(接点)の種類

タッチポイントとは、顧客がブランドと接触するあらゆる機会のこと。大きく以下5つに分類できる(Goodpatch、チビコ等複数ソース、確認日:2026-04-06)。

  • 製品・サービスの体験:商品の使用感・品質そのもの
  • コミュニケーション体験:広告・SNS・PR・メール・チラシ
  • 物理的体験:店舗空間・パッケージ・展示会・ポップアップ
  • デジタル体験:Webサイト・アプリ・オンラインイベント・ゲーム内広告
  • 人的体験:接客・カスタマーサポート・コミュニティ運営

各タッチポイントで感じる体験が、ブランドへの総合評価につながる。重要なのは「どれか一点を磨く」のではなく、すべての接点で世界観の一貫性を保つことだ。

ブランド体験を設計する6つのステップ

ブランド体験の設計は、以下のステップで進める(reiro.co.jp、brand-juku.com、Goodpatch等を参考に統合、確認日:2026-04-06)。

Step 1: ブランドの核を定義する

ビジョン(目指す未来像)・ミッション(存在意義)・バリュー(行動指針)を言語化し、社内で共有する。ここがぶれると、すべての接点で「ブランドらしさ」の方向性がバラバラになる。

Step 2: ターゲット顧客を深く理解する

ペルソナ設定とカスタマージャーニーマップを作成し、「どのシーンでブランドと出会い、何を感じて欲しいか」を解像度高く描く。特にFMCG(食品・日用品等)は購買決定者(親)と使用者(子)が異なるケースも多く、両者の体験を別々に設計する視点が重要になる。

Step 3: 体験コンセプトを策定する

「このブランドに接したとき、顧客にどんな感情を抱いてほしいか」を体験コンセプトとして定義する。五感要素(見た目・音・香り・触感)とブランドの核(Step 1)を結びつけ、「体験に翻訳されたブランド価値」を設計する。

Step 4: タッチポイントを設計・整合させる

オンライン・オフラインのすべての接点において、Step 3で定めた体験コンセプトが一貫して反映されるよう各施策を設計する。チャネルごとに担当部署が異なる場合も、横断的なガイドラインを作成して整合性を担保する。

Step 5: 組織・スタッフへのブランド浸透

接客担当者・カスタマーサポートなど、顧客と直接接触するスタッフへのブランド教育を実施する。社員一人ひとりが「ブランドらしい振る舞い」を体現できる状態が、体験品質を左右する。

Step 6: 効果測定と継続改善

NPS・CSAT・ブランドリフト等の指標で体験品質を定期的に計測し、PDCAを回す。「なんとなく施策を打ち続ける」状態から抜け出し、数値で改善を積み重ねることが長期的なブランド価値の向上につながる(指標の詳細は後述)。

ブランド体験施策の種類と横断比較

体験型マーケティングキャンペーンの施策例

ブランド体験を高める施策には多様な選択肢がある。主な施策を目的・コスト・対象別に比較した。

施策

主なターゲット

体験の種類

コスト感

実施難易度

向いている商材

リアルイベント・ポップアップ

来場者(限定的)

五感・行動・感情

高め(会場費・設営費)

高関与商材・高単価ブランド

体験型店舗・ショールーム

来店客

五感・感情・行動

高い(設備投資)

自動車・家電・ラグジュアリー

子ども向け体験施設・ごっこ遊び型

未就学〜小学生と保護者

五感・感情・行動

中〜高(制作・出展費)

中〜高

食品・飲料・外食・インフラ

SNS体験型施策(UGC・ハッシュタグ)

SNSユーザー全般

感情・知的・行動

中程度

若年層向けブランド全般

ゲーム内広告(サイネージ型)

ゲームユーザー(特にZ世代)

感情・視覚

低〜中(週30万円〜)

FMCG・食品・飲料・日用品

デジタルOOH(DOOH)・街頭サイネージ

通行者・生活動線上の人

視覚・感情

高め(掲出費)

マス認知向け商材全般

メタバース内ブランド体験

ゲーマー・デジタルネイティブ

感情・知的・行動

中〜高(制作費)

中〜高

若年層向けブランド・ゲーム親和性の高い商材

一般的に、リアルイベントや体験型店舗はブランド体験の質が高い一方、接触できる人数が限られ費用対効果の計測も難しい。デジタル施策はスケールしやすく計測が容易だが、体験の深さではリアルに及ばないケースが多い。両者を組み合わせたオムニチャネル設計が、現代のブランド体験設計の主流になっている。

国内外の成功事例

五感設計で「空間そのものをブランド価値に」——スターバックス

スターバックスの「Reserve Roastery」は、コーヒーの焙煎・醸造工程を開放的な空間で体験できる高級業態。焙煎された豆の香り、工場のような開放的な設計、バリスタとの対話、限定商品の提供——あらゆる要素が「特別な体験」として設計されている。コーヒー1杯を飲む行為ではなく、「スターバックスの世界に没入する体験」がブランド価値になっている。

参加とカスタマイズでロイヤルティを強化——ナイキ

ナイキの「Nike By You」(カスタマイズ体験)は、オンラインとリアルの融合体験として設計されている。自分だけのシューズをデザインする行為を通じて、「ナイキは自己表現の手段」というブランド世界観を体験として届けている。

次世代ファン育成に体験型アプローチ——JAL「空育」プログラム

JALが展開する「空育」は、子ども向けの飛行機ワークショップ・工場見学・授業プログラム。航空機という特殊なブランドを「子どもが楽しく学べる体験」に転換することで、次世代の旅客候補とその保護者に対してブランド好感度を醸成している。(出典:キッズスター kidsstar.co.jp、確認日:2026-04-06)

食育を通じた長期ブランド体験——キユーピー

キユーピーは小学生向け「マヨネーズ教室」や体験施設「マヨテラス」を通じて、食の知識と「キユーピーへの親しみ」を同時に育てている。料理体験という行動的体験を軸に、知的体験・感情的体験を組み合わせた複合設計が特徴。(出典:チビコ、確認日:2026-04-06)

ゲーム空間を通じたデジタルブランド体験——Fortniteとグローバルブランドのコラボ

FortniteやRobloxなどのゲーム内では、グッチ・ナイキなどの大手ブランドが仮想店舗やテーマパーク風マップを設置し、ゲームユーザーとのブランド接点を生み出している。若年層がすでに長い時間を過ごしている空間に、ブランドの体験を自然な形で差し込む手法だ。(出典:Ad-Virtua、確認日:2026-04-06)

ブランド体験の効果測定——KPIと測定方法

施策を打ち続けても測定の仕組みがなければ改善につながらない。ブランド体験で用いる主要指標を整理した。

指標

内容

活用場面

ブランド純粋想起率

あるカテゴリーで最初に浮かぶブランド名の割合(第一想起)

認知施策の効果測定

ブランドリフト

広告・施策接触後の認知度・好意度・購買意向の変化(接触者と非接触者の差分)

デジタル広告・ゲーム内広告の効果測定

NPS(Net Promoter Score)

推奨意向スコア(「友人に勧めるか」の質問をベースに算出)

ブランド体験の総合評価・ロイヤルティ測定

CSAT(顧客満足度スコア)

特定の接点・タッチポイントでの満足度測定

店舗・カスタマーサポートの体験評価

CES(顧客努力指標)

顧客がサービス利用で感じた「手間」の少なさ

手続き・サポート接点の改善

LTV(顧客生涯価値)

ロイヤル顧客化の度合いを長期で評価

ブランド体験の長期効果測定

(出典:電通マクロミルインサイト、daishinsha-cd等、確認日:2026-04-06)

ブランドリフトの測定手法

ブランドリフトは「施策前後での認知度・好意度・購買意向の変化」を計測する手法で、デジタル施策の効果を数値化するのに適している。

  • インバナーサーベイ:広告バナー内にポップアップアンケートを設置
  • リードバナーアンケート:バナークリック後の専用ページで調査
  • 調査会社パネル活用:TVCM・Web広告の視聴ログを保有するパネルを使い、接触者と非接触者の指標を比較

接触者と非接触者の同一指標を比較し、差分をリフト値として算出する。(出典:電通マクロミルインサイト、確認日:2026-04-06)

よくある失敗パターン5選

ブランド体験の取り組みで起こりがちな失敗を整理した。

1. 部門間で体験の一貫性が取れない

広告部門は「スタイリッシュさ」を訴求しているのに、カスタマーサポートは事務的な対応——というように、チャネルをまたぐと体験がバラバラになる。ブランドガイドラインを全社横断で策定し、各接点での行動基準を統一することが必要。

2. ビジュアルだけ整えてサービス品質が伴わない

ロゴやデザインを刷新してもサービスの質が変わらなければ、顧客の体験は変わらない。体験はブランドの「見た目」ではなく「実態」で決まる。

3. 感情設計なしの機能訴求のみになる

「速い」「安い」「便利」だけを訴求しても、顧客の感情的な記憶に残りにくい。体験設計では「顧客がどんな感情を抱いてほしいか」を先に決め、機能訴求はその後に位置づけるのが有効。

4. 効果測定の仕組みを持たないまま施策を打ち続ける

「なんとなく毎年同じイベントをやっている」という状態では、PDCAが回らない。施策の設計段階からKPIと測定方法を決め、改善の判断材料を蓄積する。

5. ファミリー層・若年層の接点設計が後回しになる

食品・日用品・外食のブランドにとって、現在の購買者(親世代)だけでなく、次の購買者候補(子ども世代)へのブランド体験設計は長期的な競争優位に直結する。しかし、若年層の接点チャネル(ゲーム・動画・SNS)への施策は「後回し」になりがちだ。

こんな企業に向いている / こんな企業には向かない

ブランド体験設計に今すぐ取り組むべき企業

  • 機能・価格での差別化が難しくなってきたFMCG・食品・飲料メーカー:競合との機能差が縮まりやすいカテゴリほど、「そのブランドとの体験記憶」が購買を左右する
  • 若年層・Z世代を未来の顧客として育てたい企業:今の子ども・若年層が次の10〜20年の顧客になる。体験型のブランド接触を早期に設計することが長期的なロイヤルティに直結する
  • TVCM等のマス広告だけでは届かない層へのリーチを補完したい企業:テレビ離れが進む20代以下への接点として、デジタル・ゲーム内・体験型施策が有効
  • 第一想起の獲得を重要KPIとして設定しているブランド:カテゴリーで最初に思い浮かぶブランドになるためには、感情的な記憶に残る体験設計が必要

先に整えるべきことがある企業

  • ブランドの核(ビジョン・ミッション・バリュー)が社内で定まっていない企業:体験の一貫性を作れないため、施策を打っても積み重ならない。まずブランドの言語化から始めるべき
  • 製品・サービスそのものの品質に課題がある企業:体験型施策でブランドイメージを向上させても、実際の使用体験が伴わなければ期待を裏切る結果になる
  • 大規模なリアルイベントを単発で打ちたい企業(目的が不明確な場合):体験施策はストーリーの連続で意味を持つ。単発のイベントだけでは体験が蓄積されない

ゲーム内ブランド体験という選択肢

ゲーム内ブランド体験広告のイメージ

ブランド体験の施策として近年注目を集めているのが、ゲーム内広告を活用したデジタルブランド体験だ。

ゲーム空間内の看板・モニターに動画広告を自然な形で表示するサイネージ型のゲーム内広告は、「押し付けられた広告」ではなく「ゲーム世界の一部」として体験される点が特徴。ゲームの世界観を壊さない形でブランドと接触するため、好感度を維持したまま認知接触が実現する。

ゲーム内広告プラットフォーム「Ad-Virtua(アドバーチャ)」の公式データによれば、以下のような効果が確認されている(出典:Ad-Virtua公式サイト ad-virtua.com、確認日:2026-04-06):

  • 広告想起率:Web広告比 約1.8倍(自発的想起48%、誘導想起58%)
  • 注目度:Web広告比 約1.7倍
  • 好感度:「ゲーム体験に適している」と評価した割合:84%
  • 費用:週1週間30万円〜(CPM約300円)
  • 対応タイトル:400タイトル以上(カジュアル/RPG/パズル/アクション等)

ゲーム内広告が特に有効なケース:

  • Z世代・若年層へのブランド認知・体験接触を増やしたい企業
  • TVCMの補完として、デジタルで想起率を高めたい食品・飲料・日用品ブランド
  • リアルイベントに比べコストを抑えながらスケールするブランド体験を作りたい企業

一方で、体験の深さや感情的記憶の蓄積という点では、リアルイベントや体験型施設には及ばない部分もある。業種・目的・ターゲット層に合わせて、他施策と組み合わせて活用するのが効果的だ。

→ ゲーム内広告の仕組みや費用感については「ゲーム内広告とは?種類・費用・効果を解説」も参考にしてください。

→ ゲーム内広告の費用・料金の詳細については「ゲーム内広告・メタバース広告の費用・料金相場」もあわせてご覧ください。

→ 体験型マーケティングの全体像については「体験型マーケティングとは?施策の種類と事例を解説」(公開予定)も合わせてご覧ください。

よくある疑問(FAQ)

Q1. ブランド体験と顧客体験(CX)は同じですか?

厳密には異なります。CX(カスタマーエクスペリエンス)は「認知から購買・使用後」までの顧客ジャーニー全体の満足度に焦点を当てます。BX(ブランド体験)はそれを包含しながら、「ブランドの価値観・世界観がすべての接点に一貫して反映されているか」という上位の概念です。従業員体験やパートナーとの関係まで含む点でより広い概念と捉えてください。

Q2. ブランド体験の設計はどの部署が主導すべきですか?

マーケティング部門が主導するケースが多いですが、現実のブランド体験は店舗・カスタマーサポート・ECサイト・PR等の複数部署にまたがります。最終的には全社横断での取り組みが必要です。経営層の関与のもと、部署横断のブランドチームを設置している企業が成功事例として多く挙げられています。

Q3. 中小ブランドや予算が限られている場合、どこから始めればいいですか?

すべての接点を一度に変える必要はありません。まず「最も顧客が印象を形成するタッチポイント」を1〜2か所に絞り、そこでの体験品質を高めることから始めるのが現実的です。デジタルチャネル(SNS・Webサイト・メール)は比較的低コストで改善しやすく、まず着手しやすい領域です。

Q4. ブランド体験の効果をどう数値化できますか?

NPS(推奨意向スコア)やブランドリフト(施策前後の認知度・好意度変化)が一般的な指標です。デジタル施策であれば、広告接触者と非接触者でのブランドリフト差分が計測できます。長期的にはLTV(顧客生涯価値)の変化を追うことが、ブランド体験投資の有効性評価に最も適しています。

Q5. 子ども・若年層へのブランド体験設計で注意すべきことはありますか?

子ども向けのブランド体験は「教育・体験型(エデュテイメント)」アプローチが記憶定着に効果的とされています(出典:キッズスター kidsstar.co.jp、確認日:2026-04-06)。一方で、子どもが購買決定権を持たないため、保護者(親)への印象形成も同時に設計することが重要です。「子どもが楽しみ、親が好感を持つ」という2世代同時設計が有効なアプローチです。

まとめ:ブランド体験設計のポイント

ブランド体験(BX)は、製品・広告・店頭・デジタルチャネルを含むすべての接点で積み重なる印象の総体だ。「モノ消費からコト消費へ」の転換が進む現代において、機能や価格だけに頼ったブランドポジションは競合に侵食されやすい。

押さえるべきポイントをまとめると:

  1. BX・CX・UXの違いを理解し、ブランド体験を上位概念として設計する
  2. ブランドの核(ビジョン・ミッション・バリュー)を言語化し、全接点の体験設計の起点にする
  3. 4つの体験カテゴリ(感覚的・感情的・知的・行動的)を複合的に設計する
  4. 施策はリアル×デジタルの組み合わせで設計し、コスト・リーチ・測定容易性のバランスを見る
  5. KPIを設計段階から決め、ブランドリフト・NPS・LTVで継続的に改善を積み重ねる

若年層・Z世代を顧客として獲得・育成していきたい企業にとって、ゲーム内をはじめとするデジタルブランド体験は、TVCMだけでは届かない層への接点として有効な選択肢の一つになっている。

ゲーム内広告でのブランド体験設計について詳しく知りたい方は、Ad-Virtuaへお気軽にご相談ください。

→ 関連記事:ゲーム内広告とは?種類・費用・効果をわかりやすく解説

WRITTEN BY

水野 征太朗

アドバーチャ株式会社代表取締役CEO | 学生時代からインディーズゲーム開発者として、複数のゲームを開発・リリース。名古屋大学経済学部を卒業後、アビームコンサルティング株式会社にて、メタバース/XR/センサーなど先端技術を用いたソリューションの提案・開発に従事。その後、アマゾンジャパン合同会社にてデータ分析・ツール開発・プロセス改善等を経験。2022年にアドバーチャ株式会社を創業。