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食品メーカーのブランド体験施策事例7選|施策比較・KPI設計まで解説【2026年版】

食品メーカーがブランド体験施策を強化する最大の理由は、テレビCMだけでは若年層・Z世代に届かなくなってきたことにある。本記事では、ゲーム内広告・eスポーツ施策・体験型イベントなど6つの手法を比較表付きで整理し、ネスカフェ(ネスレ日本)・カルビー・日清食品などの実際の事例と、施策選定のための評価指標(KPI)設計まで解説する。

この記事でわかること:

  • 食品メーカーが直面している若年層リーチの課題と背景
  • ブランド体験施策の主な6種類と、目的・ターゲット・費用感の比較
  • 国内食品メーカーの施策事例(数値付き)
  • 施策別のKPI設計の考え方
  • 自社に合う施策を選ぶための判断軸

こんなマーケティング担当者向けの記事です:
食品・飲料メーカーのブランドマネージャーや販促担当者で、若年層・Z世代への認知獲得や、既存ブランドのファン化施策を検討している方。

食品メーカーが今ブランド体験施策を強化しなければならない理由

スマートフォンを使うZ世代の若者たち」

Z世代(10〜20代)のテレビ離れは年々加速しており、テレビCMを主軸に置く従来型のマーケティングだけではブランドの若年層認知を維持しにくくなっている。一方でスマートフォンへの可処分時間シフトが進んでおり、ゲームやSNS・動画プラットフォームでの接点設計が重要になってきた。

スマートフォンゲームはZ世代の主要な可処分時間の使い方の一つとなっており、ゲーム内での接触機会は拡大を続けている。また、Nielsen「グローバル広告信頼度調査」では「92%の人が広告より友人・家族の推薦を信頼する」とされており、生活者が体験を通じてブランドを語る状況を作ることが、認知を超えた「想起」「好感」「ロイヤルティ」形成に直結する。

食品業界においては、以下の3つの課題が特に顕著だ。

① テレビCMのZ世代リーチ低下
Z世代の1日あたりのテレビ視聴時間は他世代と比べて大幅に少なく、同じ予算を投じてもリーチ効率が下がりつつある。

② 「知っているが買わない」状態の解消
認知率は高くても、ブランドとの感情的な結びつきが薄いと選ばれない。体験を通じた「好感度」「第一想起」の向上が必要になっている。

③ 複数の施策チャネルを組み合わせる設計の難しさ
ゲーム内広告・eスポーツ・体験型イベント・SNSなど選択肢が増えた分、「どれをどう使うか」の設計コストも上がっている。

こうした課題への対応として、ブランド体験施策の設計が食品メーカーのマーケティング課題の中心になりつつある。

食品メーカーが活用できるブランド体験施策 6種類の比較

マーケティング戦略を議論するビジネスチームの様子

施策を選ぶ前に、主要な手法の全体像を把握しておきたい。以下の比較表を参考に、自社の目的・ターゲット・予算感と照らし合わせてほしい。

施策比較表:目的・ターゲット・費用感・特徴

施策カテゴリ

主な目的

ターゲット

費用感(目安)

特徴・注意点

ゲーム内広告

若年層認知・想起

Z世代〜30代・男性中心

100,000円〜/週(Ad-Virtua公式、税抜)

プレイ中断なし・TVCM素材流用可・嫌われにくい

eスポーツスポンサー

Z世代への継続接触

Z世代・コアゲーマー

非公開(個別見積)

長期的ブランド露出・費用対効果の可視化が難しい

体験型イベント

ファン化・深い共感・SNS拡散

中高関与層・女性含む

数百万〜数千万円/回

高コスト・対象人数に上限・SNS連動で拡散可能

SNS・インフルエンサー

認知拡大・口コミ拡散

全年齢・目的次第

低〜中コスト(数十万〜数百万円)

拡散力あり・成果の波がある

D2C・参加型キャンペーン

エンゲージメント向上・データ収集

既存ブランドファン

中〜高コスト

EC基盤・CRM連携が必要

AR・デジタル体験

新規接点・話題化

比較的若年層

中〜高コスト(開発費含む)

デジタル活用力が必要・仕掛けの工数大

費用感の補足:
体験型イベントとeスポーツスポンサー費用は各社非公開のケースが多く、個別見積もりが必要。ゲーム内広告(Ad-Virtua)の費用は100,000円〜(税抜)で、1週間プランは300,000円(出典: ad-virtua.com 公式サイト、2026年4月確認)。

食品メーカーのブランド体験施策事例7選

体験型イベントに集まる来場者の様子

1. ネスカフェ(ネスレ日本):ゲーム内広告で認知・購入検討を同時向上

ネスレ日本は、ゲーム内広告プラットフォームを活用してネスカフェブランドの認知向上施策を実施した。レースゲームの背景空間内にネスカフェのブランド看板を表示するサイネージ型広告で、ゲームプレイを阻害することなくブランド接触を実現している。

主な効果(出典: ad-virtua.com「デジタルマーケティング成功事例」、2026年4月確認):

指標

数値

ブランド認知

+6%

広告関心度

+20%

ブランドイメージ

+13%

購入検討度

+15%

既存のテレビCM素材をそのまま転用できたため、新規クリエイティブの制作コストが発生しなかった点も注目される。

ポイント: TVCM素材の流用で施策立ち上げのハードルを下げながら、若年男性層への新規接点を確保した事例。

2. 飲料メーカー:ゲーム内広告×オリジナルゲームで新商品認知を目標の2倍達成

ある飲料メーカーは新商品の発売に合わせて、ゲーム内広告とオリジナルゲームの制作を組み合わせた複合施策を展開した。

主な効果(出典: ad-virtua.com「デジタルマーケティング成功事例」、2026年4月確認):

  • 新商品認知率:目標の2倍を達成
  • オリジナルゲームプレイ回数:50万回超
  • SNSでの自然拡散も多数発生

ゲームとのコラボレーションによって、広告接触だけにとどまらずユーザーが主体的にブランドと関わる体験を生み出した点が特徴的だ。SNSでの自然拡散は、体験を通じた「友人への推薦」という最も信頼性の高い形での認知拡大につながっている。

3. キッコーマン:eスポーツイベントにリラックスラウンジとして出展

キッコーマンは、Riot Games主催「Riot Games ONE 2023」に「キッコーマン豆乳 リラックスラウンジ」として出展した。eスポーツイベントという非日常空間での接点設計により、ゲームプレイヤー層への認知獲得を図った事例だ(出典: JCG「イベント協賛やチームスポンサーも!eスポーツに参入した食品・飲食関連企業まとめ」)。

ブランドイメージと会場の雰囲気を合わせることでブランドの「健康的・リラックス」というイメージを自然に伝える仕掛けになっている。

ポイント: eスポーツイベントへの出展は、広告として押し付けるのではなくイベント体験の一部として溶け込む設計が重要。

4. 日清食品:プロeスポーツチームの長期スポンサー

日清食品はプロeスポーツチーム「ZETA DIVISION」をスポンサードし、ゲーム・eスポーツ分野での継続的なブランド露出を実現している(出典: JCG「eスポーツに参入した食品・飲食関連企業まとめ」)。

単発のキャンペーンではなく長期的なスポンサーシップとして設計することで、コアゲーマー層との継続的な接点を確保する戦略だ。eスポーツスポンサーは協賛費用が非公開のケースが多く、長期投資として計画する必要がある。

5. カルビー:「じゃがりこの日」ミュージアム型POPUPイベント

カルビーは2025年に「じゃがりこの日」に合わせてミュージアムをテーマにした空間演出のポップアップイベントを開催した(出典: 博報堂テックス 2025年事例)。デジタルコンテンツ「パーソナルじゃがりこ診断」を設置し、来場者がブランドを「自分ごと化」できる仕掛けを設けている。

「商品を知っている」から「商品を好きになる」への態度変容を、体験を通じて引き出すことを目的としており、SNS拡散との連動も設計されていた。

ポイント: 体験型イベントは開催コストが高い分、1人あたりのブランド接触深度が深い。参加者が自発的にSNSでシェアしたくなる仕掛けをいかに作るかが成否を分ける。

6. カンロ:Z世代向けASMR体験ブース

カンロはポップアップストアで新商品を使ったASMR(音声体験)ブースを開設し、Z世代へのリアル体験によるアプローチを実施した(出典: セレブリックス「脱・試食会!ファンが生まれる食品プロモーションアイデア10選」)。

試食という従来の食品プロモーションの枠を超えて、「聴覚体験」というZ世代が感度の高い切り口で新商品の魅力を伝えた施策だ。SNSへの投稿も促進され、話題化につながった。

7. 明治「meiji THE Chocolate」:パッケージ刷新とSNS拡散

明治は「meiji THE Chocolate」でパッケージを縦形・シンプルデザインに刷新し、SNS拡散に成功した事例がある(出典: relic.co.jp バッテリー、2026年4月確認)。既存の板チョコというイメージを覆す体験的価値を訴求し、購買行動だけでなくSNS投稿という形でのブランド体験を生み出した。

パッケージ自体が「撮りたくなる・シェアしたくなる」体験を設計することは、広告費ゼロで口コミ拡散を生む有効な手法だ。

施策ごとのKPI設計:何を測るか

マーケティングKPIをデータで計測・分析する担当者

ブランド体験施策は「効果が見えにくい」と言われがちだが、施策の目的に応じてあらかじめKPIを設計しておくことで評価が可能になる。以下に施策カテゴリ別のKPI例を示す。

施策カテゴリ

主なKPI

計測方法の例

ゲーム内広告

広告想起率・視認率・ブランドリフト・CPM

ブランドリフト調査・インプレッション計測

eスポーツスポンサー

ブランド認知率・好感度・メンション数

ブランド調査・ソーシャルリスニング

体験型イベント

参加者数・SNS投稿数・ブランド好感度

来場者数計測・SNS分析ツール

SNS・インフルエンサー

リーチ・エンゲージメント率・UGC生成数

SNSインサイト・ハッシュタグ集計

D2C・参加型キャンペーン

応募数・LTV向上・リピート率

ECデータ・CRMデータ

Ad-Virtuaのゲーム内広告で公式に確認できる指標(2026年4月確認):

  • 広告想起率:従来のWeb広告比 約1.8倍
  • 視認率:最大96%(従来Web広告は約67%)
  • 注目度:約1.7倍
  • 広告好感度:約85%が好意的
  • CPM:約300〜400円(出典: ad-virtua.com)

体験施策全体のKPI設計で重要なのは「認知→好感→想起→購入検討」のファネルのどこを動かしたいかを施策開始前に決めることだ。複数指標を同時に追うと評価が曖昧になる。

こんな食品メーカーに向いている施策

若年層・Z世代へのリーチを最優先する企業に向いている施策

ゲーム内広告(サイネージ型)が特に向いているケース:

  • メインターゲットが10〜30代の食品・飲料ブランド
  • 既存のテレビCM素材・動画素材を保有している
  • テレビCMの若年層リーチ不足を補いたい
  • 「嫌われない広告体験」でブランド好感度を維持したい
  • 比較的小規模な予算(100,000円〜)からテストしたい

ブランドのファン化・深い共感を作りたい企業に向いている施策

体験型イベントが向いているケース:

  • 既存ブランドのロイヤルカスタマー育成を重視する
  • プレミアム感・世界観の訴求が必要な商材
  • 予算が比較的大きい(数百万〜数千万円規模)
  • SNS拡散を前提とした施策として設計できる

こんな食品メーカーにはおすすめしない施策

施策

おすすめしないケース

ゲーム内広告

主なターゲットが50代以上の食品ブランド / 購買直前の比較検討フェーズに特化したい場合

eスポーツスポンサー

短期間で費用対効果を測定したい / コアゲーマー以外が主要ターゲット

体験型イベント単体

予算が少ない / 全国規模のリーチを同時に求める / 対象人数が少ない施策では費用対効果が合いにくい

SNS・インフルエンサーのみ

深い体験を通じた感情的な結びつきを作りたい場合(バイラルは起きやすいが深度が浅い)

ゲーム内広告という選択肢:Ad-Virtuaが合う食品メーカーの条件

食品メーカーのブランド体験施策として、体験型イベントやeスポーツスポンサーと並ぶ選択肢として「ゲーム内広告」が挙げられるようになってきた。特にAd-Virtuaのサイネージ型広告は、以下の条件に当てはまる食品・飲料ブランドとの相性がよい。

Ad-Virtuaのゲーム内広告が合う食品メーカーの条件:

  1. ターゲット層:Z世代〜30代前半が主要購買層、または潜在層として取り込みたい
  2. 素材の準備:既存のTVCM素材・15〜30秒動画素材を保有している(新規制作コスト不要)
  3. 目的:認知フェーズの強化、ブランド想起率の向上が優先
  4. 予算:月10〜30万円程度からの小予算でのテスト導入を検討している
  5. 広告体験の質:プレイを阻害しない「嫌われない広告」でブランド好感度を損ないたくない

体験型イベントと比べてコストが低く、全国規模でのリーチが可能な点は大きな違いだ。イベントで深い体験を作った後にゲーム内広告で継続的な想起接触を行うなど、施策を組み合わせることも有効な設計だ。

→ Ad-Virtuaのゲーム内広告の詳細・費用感については、ゲーム内広告/メタバース広告の費用・料金相場 も参照してほしい。

また、食品・飲料メーカーの若年層リーチ課題全般については、食品・飲料の若年層リーチ|ゲーム内広告の活用法 で詳しく解説している。

よくある質問(FAQ)

Q1. 食品メーカーのブランド体験施策で一番コストがかかる施策は?

体験型イベント(ポップアップイベント・ミュージアム型)が一般的に最も高コストで、会場規模・期間・演出内容によって数百万〜数千万円になるケースがある。eスポーツスポンサーシップも協賛費用は非公開ながら長期契約が多く、総投資額は大きい。一方でゲーム内広告は100,000円〜(Ad-Virtua公式、2026年4月確認)とテストハードルが低い。

Q2. テレビCM素材はゲーム内広告にそのまま使えるのか?

Ad-Virtuaの場合、既存のテレビCM素材(15〜30秒動画)をそのまま転用可能だ(公式サイトより)。ネスカフェの事例でも、新規クリエイティブの制作なしに施策を実施している。

Q3. Z世代へのアプローチでSNS広告とゲーム内広告はどう使い分けるのか?

SNS広告はリーチが広く拡散性があるが、スキップされやすく「邪魔な広告」と感じられるリスクがある。ゲーム内広告(サイネージ型)はゲームの世界観に溶け込んだ形での接触のため、好感度約85%と嫌われにくい(出典: ad-virtua.com)。認知を広げたいフェーズはSNS広告で量を確保し、ブランド好感度・想起を育てたいフェーズでゲーム内広告を組み合わせる設計が現実的だ。

Q4. ブランド体験施策の効果はどのくらいで出るのか?

施策の種類と目標指標によって異なる。ゲーム内広告は1〜2週間の配信でブランドリフト調査が可能。体験型イベントは実施直後のSNS拡散と来場者アンケートで即時効果は把握できるが、ロイヤルティ向上・想起率向上は数ヶ月スパンで追う必要がある。

Q5. 食品メーカーがeスポーツ施策を検討する際の注意点は?

eスポーツの視聴者・参加者は現状Z世代〜30代前半の男性が中心(Ad-Virtua調査では64%が男性ユーザーとされる)。女性・ファミリー層への認知獲得が目的の食品ブランドの場合は、ターゲットとのミスマッチが生じる可能性があるため、媒体特性を十分確認してから判断したい。

まとめ

食品メーカーのブランド体験施策は、テレビCMリーチの低下という背景のもとで、ゲーム内広告・eスポーツ・体験型イベント・SNS施策など多様な選択肢が広がっている。どれか1つが万能なわけではなく、「誰に・何を目的に・どのくらいの予算で」という軸で施策を組み合わせることが重要だ。

  • 若年層への認知・想起向上を低コストで試したいなら → ゲーム内広告(サイネージ型)
  • ファン化・深い共感を作るなら → 体験型イベント(SNS連動設計必須)
  • コアゲーマー層への継続的な露出なら → eスポーツスポンサー(長期投資として計画)
  • 拡散・話題化が優先なら → SNS・インフルエンサー施策

施策の組み合わせを検討する際の比較・選び方については、ブランド体験とは?定義・施策・設計のポイント も参考にしてほしい。

WRITTEN BY

水野 征太朗

アドバーチャ株式会社代表取締役CEO | 学生時代からインディーズゲーム開発者として、複数のゲームを開発・リリース。名古屋大学経済学部を卒業後、アビームコンサルティング株式会社にて、メタバース/XR/センサーなど先端技術を用いたソリューションの提案・開発に従事。その後、アマゾンジャパン合同会社にてデータ分析・ツール開発・プロセス改善等を経験。2022年にアドバーチャ株式会社を創業。