食品メーカーのブランド体験施策は、若年層への認知接触からロイヤルティ向上まで「ファネルのどの段階に投資するか」で最適な手法が大きく変わります。本記事では、ネスカフェ・日清食品・カルビー・カゴメ・ヤッホーブルーイングなど食品・飲料企業の実例10選を「認知獲得→関係深化→ロイヤルティ向上」のフェーズ別に整理して解説します。
この記事でわかること:
- 食品メーカーがブランド体験施策を強化している背景と構造的な課題
- ファネルフェーズ別の施策タイプ比較(費用感・若年層リーチ・ロイヤルティ深度付き)
- 若年層認知を獲得した実例5選(ゲーム内広告・eスポーツ・ポップアップイベント)
- ロイヤルティ向上に成功した実例5選(体験型UGC設計・ファンコミュニティ・ファン参加型キャンペーン)
- こんな食品メーカーにおすすめの施策と、陥りやすい失敗パターン3選
対象読者: 食品・飲料メーカーのブランドマネージャー・マーケティング担当者で、テレビCMの補完施策や若年層・Z世代への新しい接点を探している方。
食品メーカーがブランド体験施策を強化している3つの理由

食品・飲料メーカーがブランド体験施策に本腰を入れ始めた背景には、3つの構造的な変化があります。単なるトレンドではなく、顧客との接点が根本から変わりつつあるという認識が広がっています。
① テレビCM単独では若年層に届かなくなった
20代のテレビ視聴時間は過去10年で大きく減少し、可処分時間のシフト先はスマートフォン、とりわけゲーム・SNS・動画プラットフォームです。Ad-Virtua(株式会社アドバーチャ)の公式データによると、Z世代の約80%がゲームをプレイし、1日平均100分以上ゲームに費やしているとされています(確認日:2026-05-02)。テレビCMが届いていた接点に、かつてのような効率は望めなくなっています。
② 「認知」だけでは商品を手に取ってもらえない
認知率が高くても購買・継続購買につながらない「認知と購買の断絶」が食品マーケティングの共通課題となっています。消費者は商品を知っていながらも「自分ごと」として感じられなければ選びません。体験を通じて感情的な接点を作ることが、棚前での想起―選択につながる施策設計として評価されています。
③ 行動ロイヤルティと心理ロイヤルティを両立させる必要性が高まっている
習慣的購買(行動ロイヤルティ)だけでは競合に乗り換えられやすく、ブランドへの愛着(心理ロイヤルティ)が伴ってはじめてファンが育ちます。単価の低い食品カテゴリでは「好きだから買い続ける」という状態をいかに設計するかが差別化の核心です。カゴメやヤッホーブルーイングの事例が示すとおり、上位数%のヘビーユーザーが売上の大部分を支える構造が多くの食品ブランドで確認されています。
ファネルフェーズ別・施策タイプ比較
どの施策が「認知獲得」に効き、どの施策が「ロイヤルティ深化」に向くかを事前に把握しておくことが施策設計の出発点です。以下の表を施策選びの目安としてご活用ください。
施策タイプ | 主なフェーズ | 費用感(目安) | 若年層リーチ | ロイヤルティ深度 | 向いている企業規模 |
|---|---|---|---|---|---|
ゲーム内広告(サイネージ型) | 認知獲得 | 30万円/週〜 | 高(Z世代中心) | 浅〜中 | 中堅〜大手 |
eスポーツスポンサー | 認知獲得 | 数百万〜数千万/年 | 中(コアゲーマー) | 中 | 大手 |
体験型ポップアップ | 認知→関係深化 | 数百万〜数千万/回 | 中〜高(来場者) | 深 | 大手 |
SNS/TikTokキャンペーン | 認知獲得・UGC生成 | 10万円〜 | 高(全年齢帯) | 浅〜中 | 中小〜大手 |
ファン参加型キャンペーン | 関係深化→ロイヤルティ | 数十万〜数百万 | 中〜高 | 中〜深 | 中堅〜大手 |
ファンコミュニティ | ロイヤルティ深化 | 数百万〜(開発+運営) | 低(既存ファン向け) | 深 | 中堅〜大手 |
定期購買×リアルイベント | ロイヤルティ深化 | 変動(継続コスト) | 低(既存購買者) | 深 | 中堅〜大手 |
※費用感は公開情報および業界参考値に基づく概算レンジです。実際の費用は施策規模・媒体社・実施期間によって大きく異なります。正確な費用は各媒体社・制作会社にお問い合わせください。
施策の詳細な選び方については、食品メーカーのブランド体験施策6種の比較と選び方もあわせてご覧ください。
若年層認知を獲得した事例5選

事例1|ネスカフェ(ネスレ日本)× ゲーム内広告サイネージ
施策概要
レースゲームのコース沿いにネスカフェブランドの看板を表示するサイネージ型ゲーム内広告を実施。プレイを中断させることなく、ゲームの世界観に自然な形で溶け込ませることを重視した設計です。
成果
Ad-Virtuaの報告によると、ブランド認知+6%・広告関心度+20%・購入検討度+15%を達成したとされています(数値はAd-Virtua記事内引用によるもので、ネスレ社の公式プレスリリース等での一次確認は未完了)。
この施策から学べるポイント
若年層がゲームをプレイしている「没入中の時間」に接触できる点が最大の特徴です。テレビCMとは異なり、ユーザーが広告をスキップする仕組みがなく、複数回の自然な接触による認知積み上げが期待できます。ゲーム内の空間に看板として存在するため「広告を見せられている」という感覚が起きにくく、好感度の維持につながります。
向いている商材: ドリンク・間食など購買頻度が高くコンビニ・スーパー購買型の商品で、若年層の第一想起獲得を狙う場合。
事例2|飲料メーカー × ゲーム内広告×インフルエンサー×オリジナルゲーム統合施策
施策概要
新商品ローンチに合わせ、①ゲーム内広告での継続的な認知接触、②ゲームプレイ実況インフルエンサーとのタイアップ、③ブランドコンテンツとしてのオリジナルゲーム制作、の3施策を組み合わせた統合アプローチを実施(企業名は非公開)。
成果
Ad-Virtuaの報告によると、新商品認知率が目標比2倍を達成し、オリジナルゲームのプレイ回数は50万回を超えたとされています。
この施策から学べるポイント
「ゲーム内広告(認知接触)×インフルエンサー(共感・信頼転移)×体験コンテンツ(参加)」の3点を組み合わせることで、単なる露出から「参加体験」へと引き上げた設計です。ゲームが好きな層にとってオリジナルゲームは広告ではなくコンテンツとして受け取られるため、自発的なプレイ・シェアを生みやすくなります。
向いている商材: 若年層向け飲料・スナックの新商品で、認知から体験まで一気に設計したい場合。
事例3|キッコーマン豆乳 × eスポーツイベント「Riot Games ONE 2023」出展
施策概要
Riot Games(VALORANTやリーグ・オブ・レジェンドを運営するゲーム会社)が主催する国内最大級のeスポーツイベント「Riot Games ONE 2023」に、キッコーマン豆乳が「キッコーマン豆乳 リラックスラウンジ」として出展。ゲームプレイヤーが集まる非日常的な空間でブランドを体験してもらう場を設計しました(出典:複数メディア記事)。
この施策から学べるポイント
単なるブース出展ではなく「リラックスラウンジ」という空間コンセプトを設定した点が特徴的です。ゲーマー層が長時間過ごすイベント空間に「休憩・リカバリー」という文脈でブランドを配置することで、健康・機能性飲料との親和性が自然に伝わります。「豆乳 × ゲーマー」という組み合わせの意外性が認知と話題性を同時に生みました。
向いている商材: 健康系・機能性飲料・エナジー系食品で、コアゲーマー層へのブランドイメージ接触を狙う場合。
事例4|日清食品 × プロeスポーツチームスポンサー(ZETA DIVISION)
施策概要
日清食品は2021年から約3年半にわたり、プロeスポーツチーム「ZETA DIVISION」のスポンサーを務めました。「eスポーツとインスタント麺は相性が良い」「若年層に強い支持を持つ競技」という戦略的判断のもと、シーズンを通じた継続的な接点を設計した事例です。2024年12月28日にZETA DIVISIONより契約満了が発表されています(出典:ZETA DIVISION公式ニュース、2024年12月28日)。
この施策から学べるポイント
スポンサーシップが3年以上継続することで、単発キャンペーンでは生まれにくい「ブランド×コミュニティ」の一体感が醸成されます。試合配信・イベント・SNSを通じて、eスポーツファンにとってシーズン内で自然にブランドロゴが視界に入る環境が作られます。
一方で学ぶべきリスクも明確です。スポンサー費用は年間数百万〜数千万円規模になるため、ブランドリフト調査による中長期評価設計が必要です。またチームの競技成績・コンプライアンスリスクとの連動も考慮すべき点です。
※本事例は2024年12月28日に契約満了が発表されており、現時点では日清食品とZETA DIVISIONのスポンサー契約は継続していません。参考事例として引用しています。
向いている商材: ゲーマー層と親和性の高い食品(インスタント麺・スナック・エナジーフード等)で、コミュニティへの長期的な存在感を持たせたい場合。
事例5|カルビー × ミュージアム型ポップアップイベント(2025年)
施策概要
2025年に「じゃがりこの日」に合わせ、ミュージアム空間を演出したポップアップイベントを開催。デジタルコンテンツ「パーソナルじゃがりこ診断」を設置して来場者が自身とブランドを結びつける「自分ごと化」の体験を設計し、SNS投稿への自然な誘導を組み込みました(出典:AdverTimes 2025年5月26日記事)。
同年5月には、東急プラザ原宿「STEAM STUDIO」にて「CALBEE FUTURE LABO」として、森永製菓と共同で2ヶ月ごとに定期開催する体験型イベントシリーズもスタートしています。ブランドは認知しているが最近購入していない層への再接触と、若い世代のファン獲得を目的として設計されています。
この施策から学べるポイント
「商品を知っている」から「商品が好き」への態度変容を促すのが体験型施策の本質です。診断コンテンツによる「自分ごと化」は、ブランドに個人的な文脈を付与し、SNS投稿動機を生む仕掛けになっています。また定期開催という設計は「一時的なバズ」ではなく継続的な接触機会を生み出します。
向いている商材: 認知は取れているが購買頻度が落ちている既存ブランド、または若い世代に「好き」と感じてもらう態度変容が必要な商品。
ファン育成・ロイヤルティ向上に成功した事例5選

事例6|カンロ「グミッツェル」× ASMR体験ポップアップ(2024年)
施策概要
2024年4月19〜20日、原宿でのポップアップストアにて「ヒトツブカンロを聞いてみよう!」と題したASMR体験イベントを開催。来場者がマイクに向かってグミを咀嚼し、自撮り動画を「#グミッツェる?」のハッシュタグでSNS投稿する参加型体験を設計しました。注目すべき点は、企画に高校生インターンが参加しており、Z世代当事者の視点を取り込んで内容が設計された点です(出典:PR EDGE、カンロ公式ブログ)。
この施策から学べるポイント
ASMRという「聴覚的な快楽体験」とSNSの親和性を活かし、参加者が自発的な発信者になる構造を生み出しています。「体験を撮りたくなる」「友達に見せたくなる」という動機設計がUGC拡散の起点となっています。Z世代当事者が企画に関わることで、ターゲット層にとってリアルなコンテンツ体験が実現した点も学びのある設計です。
向いている商材: 食感・音・香りなど感覚的な特徴のある菓子・スナックで、Z世代のSNS発信を起点とした認知拡散を狙う場合。
事例7|明治「meiji THE Chocolate」× 店頭カカオ体験×UGC設計
施策概要
「meiji THE Chocolate」のブランドリローンチにあたり、テレビCMへの投資を絞り、店頭での簡易カカオ体験(カカオレッスン)とSNS口コミの設計を組み合わせました。商品パッケージ自体も「SNSで撮りたくなるデザイン」として刷新し、体験→投稿→拡散のループを設計しています(出典:ビルコム社ブログ、クラシコム記事)。
成果
従来の約2倍の価格帯での販売を開始したにもかかわらず、販売計画比2倍超のペースで推移。商品満足度84%・リピート購買意向74%を記録したとされています。
この施策から学べるポイント
「マスに頼らず、少数の熱狂を生む体験設計から購買ループを作る」というアプローチの好例です。体験が購買動機になり、満足が口コミを生み、口コミが次の体験者を呼ぶ自走型の構造が機能しています。高価格帯の差別化商品ほど、価格を正当化する「体験の質」の設計が重要です。
向いている商材: プレミアム価格帯・こだわり素材の食品・菓子で、体験を通じてブランドストーリーを伝えたい場合。
事例8|ハーゲンダッツ × 「復活総選挙」ファン参加型キャンペーン
施策概要
過去に販売終了したフレーバーをファンの投票で復活させる「復活総選挙」キャンペーンを実施。ファンが「自分の好きなフレーバーを救える」という参加動機を設計し、投票行動とSNS拡散を同時に促す構造にしました(出典:複数メディア記事)。
成果
約2ヶ月間で26万票超の投票を獲得し、SNSフォロワーが1,000万人超に到達したとされています。
この施策から学べるポイント
単なるキャンペーンではなく「ファンがブランドの意思決定に参加できる」という体験設計がロイヤルティを高めます。「自分が投票しなければあのフレーバーが戻ってこない」という切迫感が投票促進と自発的なSNS発信を生み出しました。プレミアムアイスというカテゴリで「選ばれ続ける理由」を再強化した設計です。
向いている商材: 複数SKU・過去の人気商品を持つブランドや、既存ファンの愛着を可視化・強化したい食品全般。
事例9|ヤッホーブルーイング × ファンコミュニティ+「超宴」イベント
施策概要
クラフトビール「よなよなエール」を展開するヤッホーブルーイングは、定期購買サービス「ひらけ!よなよな月の生活」と年1回の大型ファンイベント「よなよなエールの超宴」を組み合わせた長期ファン育成施策を実践しています(出典:日経クロストレンド、SEO Hacks記事ほか複数メディア)。
成果
- 定期購買の年間平均購入額:5.5万円超
- 定期購買の継続率:90%超
- 上位10%のファンが売上の約60%を支える構造
- 売上は6年で4倍以上(当時、19年連続増収)
- 「超宴」は40人規模の小さなイベントから始まり、2018年にはお台場で5,000人規模に成長
この施策から学べるポイント
定期購買(継続的な接触)とリアルイベント(非日常の共体験)を組み合わせることで、「使い続ける理由」と「語りたくなる体験」を同時に実現しています。「超宴」に参加したファンが他のファンを連れてくる「自走型の口コミ構造」が形成されており、マーケティングコストを抑えながら規模が拡大していきました。
食品・飲料ブランドのロイヤルティ向上施策の全体像については、食品・飲料ブランドのロイヤルティ向上事例と失敗パターンも参考にしてください。
向いている商材: ブランドストーリーに共感者がつきやすい食品・飲料(産地・製法・世界観訴求型のブランド)で、中長期でファンの連鎖を作りたい場合。
事例10|カゴメ × 会員制ファンコミュニティ「&KAGOME」(2015年〜)
施策概要
カゴメは2015年から「&KAGOME(アンド・カゴメ)」という会員制ファンコミュニティサイトを運営しています。「上位2.5%の顧客が売上の30%を占める」という自社インサイトを起点に設計され、「ファンを知る」「ファンに伝える」「ファンと一緒に体験する」の3軸を運営の柱としています(出典:日経クロストレンド、Web担当者Forum)。
成果
- 開設から約10年で会員数約6万人
- アクション率(商品レビュー・投稿等):年間平均10%以上を継続維持(業界平均を大幅に上回るとされる)
- SNS連動キャンペーンではリポスト1.8万件・コメント2,388件を達成した施策も
この施策から学べるポイント
コミュニティ設計の核心は「ファンに何かをしてもらう場を作る」ことではなく、「ファンが自分の意見をブランドに伝え、反映されていると実感できる場を作る」ことにあります。一方的な情報発信ではなく、双方向性と「自分がブランドを動かしている」という当事者感がアクション率の高さを支えています。
10年以上にわたる継続運営から見えてくるのは、ファンコミュニティは「立ち上げ」ではなく「継続運営」にこそコストと工夫が必要だという点です。
向いている商材: 複数商品・長期購買サイクルのある食品・飲料ブランドで、ヘビーユーザーの離反防止と推奨行動促進を同時に設計したい場合。
施策ごとのKPI設計:どのフェーズで何を測るか
施策を実施する際、あらかじめ「何をどう測るか」を決めておかないと効果検証ができません。フェーズが変わればKPIも変わります。
フェーズ | 代表的な施策 | 主なKPI | 測定方法の例 |
|---|---|---|---|
認知獲得 | ゲーム内広告・eスポーツ・OOH | ブランドリフト(認知率向上幅)、インプレッション数、CPM | ブランドリフト調査、広告配信レポート |
態度変容 | 体験型イベント・SNSキャンペーン | 好感度変化、購入検討率、UGC投稿数・リーチ | イベントアンケート、SNSリスニングツール |
行動変容 | ロイヤルティプログラム・定期購買 | 初回購入率、購入頻度、定期継続率、LTV | EC購買データ、POSデータ連携 |
推奨・拡散 | ファンコミュニティ・ファン参加型 | NPS(推奨意向スコア)、口コミ投稿数、リポスト数 | コミュニティ分析、SNSモニタリング |
認知獲得フェーズでは「インプレッション数が多ければ成功」という評価基準は不十分です。ブランドリフト調査(施策前後での認知率・購入意向の変化測定)を組み込むことで、露出が態度変容につながっているかを検証できます。
KPI設計の具体的な方法論については、食品・飲料向け認知KPI設計ガイドで詳しく解説しています。
こんな食品メーカーにおすすめ / おすすめしない
こんな食品メーカーにおすすめ
ゲーム内広告・eスポーツスポンサーが向いている食品メーカー
- ターゲットが15〜35歳の若年層・Z世代中心の商材を持つ
- スナック・飲料・インスタント食品など購買頻度が高くコンビニ・スーパー購買型の商品
- テレビCMや純広告で若年層の認知接触が取りにくいと感じている
- 既存の動画素材(15〜30秒の横型動画)を転用し、効率的に認知接触数を増やしたい
- 比較的小さい予算で認知施策を始めたい中堅規模のマーケティングチーム
体験型ポップアップ・UGC設計が向いている食品メーカー
- 商品に独自の体験価値・ストーリーがある(素材・産地・食感・製法のこだわり等)
- 「知っているが選ばれていない」「認知はあるが購買頻度が落ちている」状態を打開したい
- Z世代の発信者層に「語りたくなる体験」を提供し、自発的なUGC拡散を生みたい
ファンコミュニティ・定期購買設計が向いている食品メーカー
- 一定数のファン・リピーター層がすでに存在する
- 通販・定期購買チャネルを持っている、または構築したい
- 「上位ヘビーユーザーが売上の大部分を占めている」という実態が分析できている
こんな食品メーカーにはおすすめしない
ゲーム内広告が向かないケース
- 購買層が50代以上の高齢層中心で、若年層への認知拡大の優先度が現状では低い商材
- 地域限定・特定チャネル限定の商品で、広域のブランド認知拡大よりも店頭オペレーションが先決の状態
体験型イベントが向かないケース
- イベント後の購買継続設計が全くなく、施策単体で完結させてしまう計画になっている(体験→次の接点→購買への接続がなければ短期的な話題で終わる)
- 費用対効果を短期で求めている(体験型は態度変容に時間がかかる)
ファンコミュニティが向かないケース
- 現時点でファン・ヘビーユーザーがほぼいない認知フェーズのブランド(先に認知・トライアル施策が必要)
- 運営リソース(担当者・継続的なコンテンツ供給)を確保できない
食品ブランドが陥りやすい失敗パターン3選
① 認知施策とロイヤルティ施策をつないでいない
体験型イベントで来場者に「良かった」と感じてもらっても、そこから定期購買・口コミへの接続設計がなければ効果は単発で終わります。「体験後にどこへ誘導し、何を継続してもらうか」を事前に設計することが必須です。
② 単一施策への集中投資で弱点が埋まらない
ゲーム内広告だけ、SNSだけ、イベントだけで完結させようとすると、それぞれの施策の弱点が放置されます。認知接触(広告)→体験・好感(イベント・UGC)→購買継続(ロイヤルティ設計)のフェーズをつないで設計することが重要です。
③ KPIをインプレッション数・リーチ数だけで評価する
認知拡大施策の場合、インプレッション数が多くてもブランド態度が変わっていなければ意味がありません。ブランドリフト調査(認知変化・購入意向変化の測定)を組み込む設計を推奨します。
ゲーム内広告が食品メーカーのブランド体験に向いているケース
10の事例の中でも、特に「ゲーム内広告(サイネージ型)」が食品メーカーに向いているのは以下の条件が重なる場合です。
向いている条件
- ターゲット層の中心が15〜35歳
- 大規模なテレビCM予算は組めないが「若年層の認知接触数」を増やしたい
- 既存の動画素材(15〜30秒の横型動画)を流用できる
- 「嫌われにくい認知接触」を重視している(没入中のプレイを邪魔しない広告形式)
- 週単位・月単位の短サイクルでキャンペーンを検証しながら回したい
Ad-Virtua(株式会社アドバーチャ)が提供するゲーム内広告サイネージは、400タイトル以上に対応し、週30万円から始められます(確認日:2026-05-02)。ゲームの世界観に溶け込む看板・モニター型広告のため、Ad-Virtuaの調査によると好感度約85%が確認されています(確認日:2026-05-02)。
食品メーカーの場合、ゲーム内広告単体で購買に直結させるというよりも、「テレビCM×ゲーム内広告×SNSの重複接触によるブランド認知積み上げ」の一手段として組み込むことが現実的な活用法です。単一メディアへの依存ではなく、複数の接点で若年層に継続的に接触する設計の中で機能します。
ゲーム内広告を活用した国内の事例詳細については、ゲーム内広告の国内成功事例10選をあわせてご覧ください。施策の具体的なご相談は、Ad-Virtuaのサービスページからお問い合わせください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 食品メーカーがブランド体験施策を始める際の予算感はどのくらいですか?
施策によって幅があります。ゲーム内広告(サイネージ型)は週30万円〜から始められ、比較的低い予算で若年層への認知接触を開始できます。体験型ポップアップイベントは会場・規模・期間によって数百万〜数千万円になるケースが多く、ファンコミュニティは開発費数百万円以上+継続的な運営費がかかります。まず「どのファネルフェーズに投資するか」を決めてから、施策ごとの予算枠を設定することを推奨します。
Q2. Z世代に響くブランド体験施策に共通する設計のポイントは何ですか?
「双方向性」「自分が参加できる体験」「シェアしたくなる仕掛け」の3点が共通しています。Z世代は一方的な広告より「自分が関われる体験」に反応しやすく、体験後にSNSで発信する傾向があります。カンロのASMR体験やハーゲンダッツの復活総選挙のように「自分が参加することで結果が変わる」設計が、UGC拡散と購買意向の向上を同時に生みます。
Q3. 認知施策とロイヤルティ施策は別々に進めるべきですか?
段階的に組み合わせる設計が基本です。認知がほぼゼロの商品にファンコミュニティを作っても参加者が集まりません。まず認知・トライアル施策で接触者を増やし、その後ファン育成・ロイヤルティ施策へと接続する流れが一般的です。ただし中長期的な視点では、認知施策の段階から「体験後の継続購買設計」を同時に考えておくことで施策の効果が持続します。
Q4. eスポーツスポンサーシップは食品ブランドへの投資対効果が見込めますか?
効果は商材・チームの組み合わせ・スポンサー期間の設計によって大きく変わります。日清食品×ZETA DIVISIONの事例では約3年半の継続スポンサーにより、若年男性ゲーマー層との深い接点が形成されました。一方で費用は年間数百万〜数千万円規模になるため、短期のインプレッション評価ではなくブランド態度変容の中長期測定設計が必要です。eスポーツ視聴経験者は全体の18.4%(クロスマーケティング「ゲームに関する調査2025年」)であり、コアゲーマー層への集中的なブランド接触に向いています。
Q5. ファンコミュニティを継続的に活性化させるコツはありますか?
カゴメの「&KAGOME」事例が参考になります。重要なのは「ファンに何かしてもらう(投稿・レビュー等)だけの場」にしないことです。「ブランドがファンの声を商品やコミュニケーションに反映している」という実感を継続的に提供することで、メンバーのアクション率が維持されます。「自分の意見がブランドに届いている」と感じられる双方向性の設計が、10年以上の継続運営を可能にしています。
ブランド体験施策の全体像・施策選択の考え方については、以下の記事もあわせてご参照ください。


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