子供向けプロモーションや子供向け広告で成果が出やすいのは、子どもが「自分でやってみたい」と思える参加の仕掛けと、保護者が「これなら買ってよい・連れて行ってよい」と判断できる理由を、1つの企画にまとめたものです。本記事では、すぐに企画へ転用できるアイデア20個を5タイプに分けて紹介し、予算別・年齢別の選び方、事例、イベント特典の上限額、広告表現のルール、効果の測り方までを順に整理します。

子供向けプロモーション(子ども向けプロモーション)は、子どもと保護者の双方に働きかけてブランドへの好意と購買を育てる「子ども向けマーケティング」の中の、キャンペーン・イベント・特典など具体的な販促施策を指します。広告の種類や媒体の全体像から押さえたい方は、先に広告とは?意味・種類・効果・媒体選びをわかりやすく解説をご覧ください。

この記事でわかること

  • 子供向けプロモーションのアイデア20選(参加型・特典型・教育型・デジタル型・店頭型)と予算別の目安
  • イベント特典・おまけの決め方と、景品表示法で決まっている上限額
  • ハッピーセット、工場見学、出前授業、知育アプリ出店などの事例と真似できるポイント
  • 幼児・小学生・中高生で効くプロモーションの違い
  • 子供向け広告を出せる媒体と、テレビCM・YouTubeなどの表現ルール
  • イベント運営の安全対策、効果の測り方、稟議で使える数値の揃え方

子供向けプロモーションのアイデア20選

絵筆や絵の具などの創作ツールが並ぶ机:子供向けプロモーションで使える参加型・体験型アイデアのイメージ

子供向けプロモーションのアイデアは、子どもが何をするかで5タイプに分けると企画を選びやすくなります。どのタイプでも「子どもが楽しいか」と「保護者が納得するか」の両方を満たしているかを確認してください。

タイプ1:参加型・体験型(子どもが自分でやってみる)

No.

アイデア

向く年齢

費用感

保護者が納得する理由

1

工場見学・製造体験(自分で作ってみる)

小学生

中〜高

食の安全や品質を自分の目で確かめられる

2

親子料理教室・食育ワークショップ

幼児〜小学生

中

家庭でも使える学びになる

3

お仕事体験(店員・調理スタッフ体験)

幼児〜小学生

中

社会体験として価値がある

4

スタンプラリー・周遊企画(店舗・駅・施設)

小学生

低〜中

休日の外出先として使える

5

塗り絵・お絵かきコンテスト(入賞作を店頭やパッケージに掲出)

幼児〜小学生

低

子どもの作品が形に残る

参加型は、子どもの記憶に残りやすいのが強みです。「見る」より「やる」ほうがブランドの原体験になりやすく、写真や作品が家庭に残るため、家族の会話にもブランド名が出てきます。

タイプ2:特典・キャンペーン型(もらえる・集められる)

No.

アイデア

向く年齢

費用感

保護者が納得する理由

6

おまけ・同梱玩具(購入者全員に配布)

幼児〜小学生

低〜中

普段の買い物に楽しみが加わる

7

全○種のコレクションシリーズ

小学生

中

期間が区切られていれば負担を読みやすい

8

シール・ポイント台紙を集めて応募

小学生

低〜中

買う量を家庭で決められる

9

キッズ会員・誕生日特典

幼児〜小学生

低

家族の記念日に使える

10

季節イベント特典(夏休み・ハロウィン・クリスマス)

全年齢

低〜中

季節行事の準備として使える

特典型は、店頭やECの購買に直接つながりやすい一方、景品表示法の上限額を守る必要があります。詳しくは次の章「イベント特典の決め方」で整理します。

タイプ3:教育・社会貢献型(学びとして届ける)

No.

アイデア

向く年齢

費用感

保護者が納得する理由

11

学校への出前授業・教材提供

小学生

中

学校が関わるため信頼しやすい

12

自由研究キット・夏休みワークシート

小学生

低〜中

宿題の助けになる

13

読み聞かせ会・絵本の配布

幼児

低〜中

知育として受け入れやすい

14

少年スポーツ大会・地域イベントの協賛

小学生〜中学生

中

地域や子どもの活動を支える

教育型は、保護者からの信頼を得やすいタイプです。ただし商品を前に出しすぎると反発を招くため、ブランドは「学びを支える側」に置くのが基本です。学校との連携方法は学校・教育機関×企業マーケティング完全ガイドで詳しく解説しています。

タイプ4:デジタル・ゲーム型(遊びの中で出会う)

No.

アイデア

向く年齢

費用感

保護者が納得する理由

15

知育アプリ内へのお店・仕事体験の出店

幼児〜小学生

要問い合わせ

知育アプリの中なので安心して見せられる

16

ブランデッドゲーム・人気ゲームとのコラボ

小学生高学年〜中高生

中〜高

子どもが自分から遊びに行く

17

ゲーム内広告(ゲーム空間の看板・モニターに動画を表示)

中高生〜20代

低〜中(週30万円〜)

プレイを止めないため嫌われにくい

18

親子で見るYouTube・動画コンテンツ

幼児〜小学生

低〜中

保護者と一緒に見られる

デジタル型は、年齢によって使える場が大きく変わります。幼児〜小学生は保護者の端末を通じた知育アプリや動画、中高生以上は自分のスマホで遊ぶゲームやSNSが中心になります。

タイプ5:店頭・パッケージ型(買う場所で目に入る)

No.

アイデア

向く年齢

費用感

保護者が納得する理由

19

キャラクター・限定デザインのパッケージ

幼児〜小学生

中〜高(ライセンス費含む)

中身が同じなら選ぶ手間が増えない

20

店頭キッズコーナー・体験できる什器

幼児〜小学生

中

買い物中に子どもが待てる

店頭型は、購買の直前で子どもの「これがいい」を引き出せるのが強みです。タイプ1〜4で作った好意を、最後に店頭で購買へつなげる役割として組み合わせると効果が出やすくなります。

予算別に選ぶ:まず試す規模と本格展開の規模

アイデアは予算の規模で絞り込むと、社内で話を進めやすくなります。下の金額は会場・人員・制作物などを含めた一般的な目安で、地域や規模によって大きく変わります。

予算の目安

選びやすいアイデア(No.)

進め方のポイント

〜100万円

4・5・9・10・12・17

塗り絵コンテストや配布物など運営負担の軽い企画か、ゲーム内広告(1週間30万円〜)で小さく試し、参加者数や想起率を記録する

100万〜500万円

2・3・8・11・13・14・18

料理教室や出前授業など、回数を決めて実施できる企画。告知に動画やSNSを組み合わせ、参加できなかった層にも届ける

500万円以上

1・6・7・15・16・19・20

キャラクターのライセンス、コレクション型特典、ブランデッドゲームなど。年間計画にして季節ごとに続ける

いま増えている子供向けプロモーションの傾向

  • 体験とデジタルの組み合わせ:工場見学やイベントのような実体験と、アプリ・ゲーム・動画での接点を同じ企画の中でつなぐ形が増えています。
  • 学び・食育を前面に出す企画:保護者が「子どもに良い」と判断できる理由を最初から用意し、商品訴求は控えめにする企画が受け入れられやすくなっています。
  • 広告であることをはっきり示す設計:ステルスマーケティング規制の開始以降、インフルエンサーやSNSを使う企画では「広告」「PR」の表示が前提になりました。

イベント特典・おまけの決め方と景品表示法の上限

「子供向け イベント 特典」で検索する担当者が最初に迷うのが、特典の中身と金額です。特典は子どもが喜ぶことだけでなく、法律上の上限と、保護者が困らないことを同時に満たす必要があります。

景品表示法で決まっている景品の上限額

商品の購入や来店を条件に配る特典は、景品表示法の「景品類」にあたり、上限額が決まっています(出典:消費者庁「景品規制の概要」)。

配り方

具体例

1人に渡せる最高額

総額の上限

総付景品(購入者・来店者全員に配る)

商品に付けるおまけ、購入者全員プレゼント

取引価額1,000円未満:200円/1,000円以上:取引価額の10分の2

なし

一般懸賞(抽選・クイズ等で一部の人に配る)

応募者から抽選で当たるプレゼント

取引価額5,000円未満:取引価額の20倍/5,000円以上:10万円

懸賞にかかる売上予定総額の2%

共同懸賞(商店街など複数事業者で実施)

商店街の夏祭り抽選会

取引価額にかかわらず30万円

懸賞にかかる売上予定総額の3%

たとえば300円のお菓子に全員もらえるおまけを付ける場合、おまけの価額は200円までです。同じ300円の商品で抽選プレゼントを行う場合は、1人あたり6,000円(取引価額の20倍)までが上限になります。購入を条件にしない配布などは扱いが変わる場合があるため、企画の段階で消費者庁の資料を確認し、法務部門とすり合わせてください。

子どもが喜び、保護者が困らない特典の条件

チェック項目

確認する内容

集めたくなるか

シリーズ化・色違い・シークレットなど、繰り返し来店する理由がある

家庭で邪魔にならないか

かさばらない、音が大きすぎない、すぐ捨てられるものではない

安全か

3歳未満が触れる可能性があるなら、誤飲しない大きさ・形か

買いすぎを招かないか

期間・種類数を明示し、保護者が負担を読める

ブランドとつながっているか

キャラクターだけが記憶に残り、商品名が残らない状態になっていないか

特に最後の項目は見落とされがちです。人気キャラクターのおまけは集客力がある一方で、「キャラクターは覚えているが、どの商品に付いていたか覚えていない」という結果になりやすいため、パッケージや店頭でブランド名と一緒に見せる工夫が必要です。


子供向けプロモーションの成功事例

子どもたちの学びの場の様子:工場見学・食育・出前授業など子供向けプロモーション事例のイメージ

代表的な事例を、前章のアイデアのタイプ別に整理します。どの事例も「子どもへの仕掛け」と「保護者への仕掛け」を両方持っている点が共通しています。

事例

タイプ

子どもへの仕掛け

保護者への仕掛け

真似できるポイント

マクドナルド「ハッピーセット」

特典・キャンペーン型

期間ごとに替わるおもちゃを集める楽しさ

家族で過ごす時間、セット価格のわかりやすさ

期間と種類数を区切ったシリーズ化

キユーピー「マヨテラス」・マヨネーズ教室

参加型・教育型

作る・見る体験

食の安全と品質への信頼

製造工程を体験に変える

JAL「空育」

教育型

飛行機や空の仕事を学ぶ非日常の体験

学びとしての価値

自社の専門性を授業にする

知育アプリ「ごっこランド」への出店

デジタル・ゲーム型

アプリの中でお店や仕事をまねして遊ぶ

知育アプリという安心感

幼児向けは保護者が選んだ場所に出る

1. マクドナルド「ハッピーセット」:特典を「集める体験」にする

日本では1987年に始まったハッピーセットは、子供向けプロモーションの代表例です。トミカなどの人気玩具を期間ごとに入れ替えることで、子どもには「次も集めたい」という理由を、保護者には「家族で出かける楽しみ」を同時に提供しています。特典を単発で終わらせず、シリーズとして繰り返し来店する理由にしている点が参考になります。

2. キユーピー「マヨテラス」とマヨネーズ教室:工場を体験の場にする

キユーピーは見学施設「マヨテラス」や、マヨネーズ作りを体験できる食育活動を通じて、子どもがブランドに触れる機会を作っています。「自分で作った」という体験が子どもの記憶に残り、同時に保護者には品質管理や食の安全への信頼を伝えられます。食品メーカーの体験型施策をさらに見たい方は食品メーカーのブランド体験施策事例7選も参考になります。

3. JAL「空育」:自社の専門性を授業にする

JALは「空育」として、空や飛行機に関する学びの機会を子どもに提供しています。飛行機という非日常の体験は、幼少期の強い記憶になりやすいテーマです。自社の仕事や技術そのものを教材にすることで、商品の押し売りにならずにブランドへの好意を育てられます。

4. 知育アプリ「ごっこランド」への出店:保護者が選んだ場所で出会う

キッズスターが運営する「ごっこランド」は、子どもがお店や仕事をまねして遊べる知育アプリです。明治、雪印メグミルク、日清オイリオ、カレーハウスCoCo壱番屋、おやつカンパニーなど120以上の企業・団体・自治体が利用しており、累計ダウンロード数は1,300万以上です(出典:キッズスター公式サイト)。幼児向けのプロモーションでは、保護者がすでに「安心」と判断した場の中でブランドに出会わせる方法が有効です。

親子向けの事例をもっと知りたい場合は親子向けマーケティングの成功事例7選、食品・飲料メーカーの事例は食品・飲料マーケティング成功事例10選にまとめています。


年齢別:効く子供向けプロモーションの違い

教室で授業を受ける子どもたち:幼児・小学生・中高生の年齢別プロモーションのイメージ

同じアイデアでも、年齢によって効き方が変わります。企画の前に、どの年齢を主な対象にするかを決めてください。

年齢

購買の決め方

主な接点

効きやすいアイデア(No.)

注意点

幼児(3〜6歳)

保護者がほぼすべて決める

保護者の端末、店頭、園

2・5・6・13・15・19・20

広告と番組・コンテンツの区別がつきにくい。保護者向けの説明を必ず用意する

小学生(6〜12歳)

子どものおねだりが保護者の判断を動かす

学校、友だち、ゲーム機、動画

1・3・4・7・8・11・12・14

友だちとの比較で欲しくなりやすい。買いすぎを招く設計は避ける

中高生(12〜18歳)

小遣いで自分で買う場面が増える

自分のスマホ、SNS、オンラインゲーム

10・16・17・18

押しつけ感のある広告を嫌う。参加や共感で好意を得る

幼児(3〜6歳):保護者が選んだ場所で出会わせる

幼児は広告とコンテンツを区別しにくいため、子どもに直接「買って」と働きかける表現は避けるべきです。知育アプリ、親子で見る動画、店頭の体験コーナーなど、保護者と一緒にいる場面でブランドに出会わせ、購入の判断材料は保護者に向けて示すのが基本です。

小学生(6〜12歳):自分で体験し、友だちに話せる企画にする

小学生は広告の意図を理解し始め、友だちの影響を強く受けます。工場見学やスタンプラリーのように「自分がやった」と話せる体験や、自由研究のように学校生活とつながる企画が記憶に残ります。

中高生(12〜18歳):ゲームやSNSの中で、邪魔をしない形で届ける

中高生は自分のスマホで動画・SNS・ゲームに多くの時間を使います。プレイや視聴を止める広告は嫌われやすいため、ゲーム空間の看板に自然に表示されるゲーム内広告や、参加できるSNS企画が合います。この世代のデジタル行動は子どものデジタル行動と広告受容性ガイドで詳しく解説しています。


子供向け広告の出し方:媒体の選び方と表現のルール

プロモーションの内容が決まったら、それを知らせる広告を考えます。子どもたちをターゲットにした広告は、媒体ごとに届く年齢と守るべきルールが違います。

媒体

主に届く層

費用感

守るべきルール・注意点

テレビCM

幼児〜小学生と保護者

高

日本民間放送連盟(民放連)の放送基準と「児童向けコマーシャルに関する留意事項」

YouTube・動画

幼児〜中高生と保護者

低〜中

「子ども向け」に設定した動画ではパーソナライズド広告やコメントが使えない

ゲーム内広告

中高生〜20代

低〜中(週30万円〜)

幼児・小学校低学年向けの訴求には使わない。プレイを止めない形で表示する

知育アプリ

幼児〜小学生と保護者

要問い合わせ

アプリごとの出店・掲載ルールに従う

OOH・店頭・配布物

幼児〜小学生(保護者経由)

低〜中

園や学校での配布は施設ごとに可否が異なる

雑誌・児童誌

幼児〜小学生

中

付録や懸賞は景品表示法の上限額を守る

テレビCMの表現ルール

民放連の放送基準は「広告は、児童の射幸心や購買欲を過度にそそらないようにする」(第94条)と定めています。あわせて「児童向けコマーシャルに関する留意事項」では、児童を一般に12歳以下とし、次のような表現を避けるよう求めています(出典:日本民間放送連盟「放送基準」)。

  • 児童がまねをするおそれのある危険な行為
  • 「それを持たないと仲間はずれになる」と思わせるような訴え方
  • 「日本一」などの最大級の表現

テレビ以外の媒体でも、この考え方に沿って表現を確認しておくと、保護者からの苦情を防ぎやすくなります。

YouTube・動画広告のルール

YouTubeでは、子ども向けに制作した動画を「子ども向け」と設定する必要があり、設定した動画ではパーソナライズド広告、コメント、カードや終了画面などの機能が使えません(出典:YouTubeヘルプ「『子ども向け』コンテンツで利用できない機能」)。自社チャンネルで子ども向け動画を出す場合は、終了画面から商品ページへ誘導する設計が使えない点を前提に企画してください。

子ども向け広告の規制を法律・業界ルールごとに確認したい場合は、子ども向け広告の規制と注意点をご覧ください。


子ども向けマーケティングとは?プロモーションとの違い

子どもたちが一緒に遊ぶ様子:子どもと保護者の両方に働きかける子ども向けマーケティングのイメージ

子ども向けマーケティングとは、子どもの好みやブランド認知を育て、現在と将来の購買行動やブランドへの愛着につなげる活動の総称です。子供向けプロモーションはその一部で、期間を区切ったキャンペーン・イベント・特典など、具体的な販促施策を指すことが多い言葉です。

項目

子供向けプロモーション

子ども向けマーケティング

期間

数週間〜数か月のキャンペーン単位

数年単位でブランドを育てる

主な目的

来店・購買・参加者数を増やす

認知・好意・第一想起・長期の愛着を作る

主な施策

特典、イベント、コンテスト、店頭企画

プロモーションに加え、商品開発・広告・教育活動など全体

評価のしかた

参加者数、売上、応募数

ブランド認知率、好意度、第一想起率

子どもと保護者の「二重構造」で考える

子ども向けの施策が難しいのは、ブランドを好きになるのは子どもでも、お金を払うのは多くの場合保護者だからです。どちらか一方だけに向けた企画は、「子どもは欲しがるが保護者が買わない」、または「保護者は評価するが子どもが興味を持たない」という結果になります。

対象

求めていること

有効なアプローチ

子ども

楽しさ、キャラクター、体験、友だちとの共有

体験イベント、ゲーム、コレクション特典

保護者

安全・安心、学びの価値、価格の納得感

食育・教育、品質の見える化、明確な期間と価格

家族全体を対象にした設計はファミリー向けマーケティングとは、体験によるブランドづくりの考え方はブランド体験とはで詳しく解説しています。


なぜ今、子供向けプロモーションに取り組む企業が多いのか

スーパーマーケットで家族が買い物をする様子:子どもが家族の購買に影響する場面

理由は大きく3つあります。

  1. 子どもの意見が家族の買い物を動かす:食品・外食・レジャー・日用品など、子どもの「これがいい」「ここに行きたい」が家族の選択を左右するカテゴリは少なくありません。
  2. 幼少期の体験が長く記憶に残る:子どもの頃に楽しい体験をしたブランドは、大人になってからも選ばれやすくなります。1回の売上だけでなく、将来の顧客を育てる意味があります。
  3. 子ども1人あたりへの支出が増えている:矢野経済研究所の調査では、国内のこども関連ビジネス市場は2024年度に10兆9,059億円、2025年度は11兆2,562億円と予測されています(出典:矢野経済研究所「こども関連ビジネス市場に関する調査」2025年)。少子化が続く中でも市場は伸びており、早くから信頼を得たブランドが選ばれやすい状況です。

さらに、2010年以降に生まれたα世代は、スマートフォンやタブレットが当たり前にある環境で育っています。ゲームや動画が主な遊び場になっているため、店頭やテレビだけではこの世代との接点を作りにくくなっています。


施策タイプ別の比較表:費用・対象年齢・保護者への効き方

ここまでのアイデアを、予算を組む単位である施策タイプごとに比較します。

施策タイプ

具体例

対象年齢

費用感の目安

保護者への効き方

特徴

キャラクター活用

コラボパッケージ、おまけ

幼児〜小学生

中〜高(ライセンス費含む)

○

購買の直前に効く。継続投資が必要

体験型イベント

工場見学、料理教室、スタンプラリー

小学生〜

中〜高(会場・運営費)

◎

記憶に残りやすい。参加人数に上限がある

教育・社会貢献

出前授業、自由研究キット

小学生

中

◎

信頼を得やすい。商品訴求は控えめにする

知育アプリ出店

ごっこランドへの出店

幼児〜小学生

要問い合わせ

○

繰り返し遊ばれる。幼児への接点に強い

ゲーム内広告

ゲーム空間の看板・モニターへの動画表示

中高生〜20代

低〜中(週30万円〜)

△

プレイを止めないため嫌われにくい。幼児向けではない

SNS・動画広告

親子向けYouTube、インフルエンサー起用

小学生〜中高生(保護者含む)

低〜中

○

拡散しやすい。ステマ規制への対応が必須

OOH・配布物

園・学校での配布物、店頭販促

幼児〜小学生(保護者経由)

低〜中

◎

スマホを持たない層に届く。地域限定の企画に向く

媒体ごとの費用や特徴を広告全体で比べたい場合は広告とは、家族層に届く媒体の比較は家族層に届く広告7種類を比較が参考になります。


こんな企業におすすめ

以下に当てはまる企業は、子供向けプロモーションの費用に見合う成果を得やすい傾向があります。

  • 繰り返し買われる商品を持つ企業:食品・飲料・日用品など。子どもの頃の好意が、将来の購買習慣につながりやすい
  • 家族単位で選ばれるサービスを持つ企業:外食チェーン、旅行・レジャー、交通など。子どもの「行きたい」が家族の行き先を決める
  • 若年層との接点を作り直したい企業:テレビCMだけでは10代〜20代に届きにくくなっているブランド
  • 安全・安心・学びの価値を伝えられる企業:保護者が積極的に選ぶ理由を示せるカテゴリ
  • 1〜2年は継続できる企業:単発ではなく、季節ごとに企画を重ねられる体制がある

おすすめしない企業

  • 子どもに向けて広告できない商品を扱う企業:酒類・たばこ・医薬品など、法律や業界の自主基準で子どもへの訴求が制限される領域
  • 1回のキャンペーンで売上を回収したい企業:子供向けプロモーションの主な効果は、好意と想起の積み上げ。即日の購買増だけを求めると評価が合わない
  • 保護者への説明を用意できない企業:子どもにだけ強く訴求する企画は、保護者の不信やクレームにつながりやすい
  • 体験型の運営体制がない企業:イベントや工場見学は、会場・人員・安全管理の負担が大きい。まずは配布物やデジタル型など、運営負担の軽い施策から始めるほうが現実的

効果の測り方(KPI)

マーケティングダッシュボードで子供向けプロモーションの効果測定データを分析する様子

子供向けプロモーションは、売上だけで評価すると「効果がなかった」と判断されやすい施策です。短期の指標と長期の指標を分けて設定してください。

期間

KPI

内容

主な計測方法

短期

参加者数・来場者数

イベントや企画に何人参加したか

受付数、応募数、アプリ計測

短期

期間中の売上・来店数

対象商品や店舗の変化

POSデータ、前年同期比

中期

広告想起率・ブランド認知率

施策やブランドを覚えているか

ブランドリフト調査(接触者と非接触者の比較)

中期

好意度・購入意向

「好き」「買いたい」の変化

施策前後のアンケート

長期

第一想起率

カテゴリで最初に思い浮かぶブランドか

純粋想起調査

長期

リピート購買

家族単位での継続購入

会員データ、購買パネル

施策タイプ別には、体験型イベントは「参加者数と好意度」、特典型は「期間中の売上とリピート率」、ゲーム内広告は「広告想起率とCPM(1,000回表示あたりの費用)」を主な指標にすると判断しやすくなります。


食品・飲料メーカーが稟議で使える数値の揃え方

子供向けプロモーションを社内で通すには、「いくら使って、何人に、どれだけの変化を起こすか」を数字で示す必要があります。施策の種類が違っても比べられるよう、1,000人(1,000回)に届けるための費用に揃えるのが実務的です。

1,000接触あたりの費用で比べる

施策

費用の例

届く人数・回数の例

1,000接触あたりの費用

数値の根拠

ゲーム内広告(Ad-Virtua)

30万円/週

約100万回再生

約300円

Ad-Virtua公表の料金と再生回数の目安から計算

親子向け体験イベント

300万円

来場者2,000人

約150万円

仮定に基づく試算(会場・運営費込み)

おまけ付きキャンペーン

景品原価200円×5万個=1,000万円

購入者5万人

約20万円

仮定に基づく試算(景品原価のみ)

体験イベントは1人あたりの費用が高い代わりに、記憶に残る深さがあります。ゲーム内広告は1人あたりの費用が低く、広く認知を作るのに向いています。「深く体験させる施策」と「広く知ってもらう施策」を組み合わせると、稟議でも役割分担を説明しやすくなります。

ブランドリフトとROIの示し方

  • ブランドリフト:施策に接触した人と接触していない人で、認知率・好意度・購入意向の差を比べます。Ad-Virtuaのゲーム内広告では、広告想起率が通常広告の約1.8倍、注目度が約1.7倍、好感度が約85%という結果が出ています(Ad-Virtua調べ)。
  • ROI:「施策によって増えた購入者数 × 1人あたりの年間購入額 × 粗利率 ÷ 施策費」で試算します。子供向けプロモーションは効果が数年にわたるため、単年と3年の2通りで示すと、長期の価値を説明しやすくなります。

認知KPIの設計方法は食品・飲料の認知KPI設計、ゲーム内広告の投資対効果は食品・日用品メーカーのゲーム内広告ROIガイドで詳しく解説しています。


よくある失敗と注意すべき規制

子供向けプロモーションは、ブランドの信頼に直結する領域です。企画の前に、よくある失敗と主な規制を確認してください。法規制の詳細は子ども向けマーケティングの注意点(法規制・倫理・実務リスク)と子ども向け広告の規制と注意点で解説しています。

よくある失敗

失敗

起きること

防ぎ方

子どもにだけ訴求して保護者向けの説明がない

盛り上がっても購入につながらない。クレームになる

保護者が納得する理由を企画書に必ず書く

対象年齢と媒体が合っていない

幼児向けの企画が中高生の媒体に出るなど、届かない

年齢ごとの接点を先に決めてから媒体を選ぶ

キャラクターだけが記憶に残る

商品名やブランド名が覚えられていない

特典・パッケージ・店頭でブランド名を一緒に見せる

単発で終わる

一時的な売上だけで、好意が積み上がらない

季節ごとに企画を続ける年間計画を作る

主な規制と確認ポイント

  • 景品表示法の景品規制:おまけや抽選プレゼントには上限額があります(本記事の「イベント特典の決め方」参照)。
  • ステルスマーケティング規制:2023年10月から、広告であることを隠した表示は景品表示法の不当表示にあたります。インフルエンサーに依頼した投稿には「広告」「PR」などの表示が必要です。
  • 個人情報の取り扱い:応募フォームや会員登録で子どもの情報を集める場合は、保護者の同意を得る流れを設計してください。
  • SNSの利用年齢:主要なSNSの多くは13歳以上を利用条件にしています。小学生を対象にしたSNS投稿キャンペーンは避け、保護者のアカウントからの参加にするなどの工夫が必要です。
  • プラットフォームの広告ポリシー:Google広告では、子ども向けコンテンツに対するパーソナライズド広告が認められていません。デジタル施策では各プラットフォームのポリシーを確認してください。

イベント運営で確認したい安全対策

子ども向けのイベントは、1件の事故やトラブルがブランドの信頼を大きく損ないます。運営会社に任せる場合でも、次の項目は企画書の段階で決めておいてください。

項目

事前に決めておくこと

保護者の同伴

未就学児は保護者同伴を参加条件にする。受付で保護者の連絡先を確認する

迷子・はぐれ対応

受付でのリストバンドや名札、迷子の待機場所と呼び出し方法

食品の取り扱い

試食・調理体験ではアレルギー表示と事前申告の受付、衛生管理の担当者

混雑と動線

定員と整理券、待ち時間の目安、非常口までの動線

けが・体調不良

救護担当と近くの医療機関の確認、イベント保険への加入

写真・SNS投稿

撮影した子どもの写真を公開する場合の保護者の同意の取り方


ゲーム内広告を子供向けプロモーションに組み込む場合

スマートフォンを操作する若者:中高生〜20代に届くゲーム内広告のイメージ

ゲーム内広告は、ゲーム空間の看板やモニターに動画広告を表示する手法です。プレイを止めないため嫌われにくく、中高生〜20代のゲームユーザーに広く認知を作るのに向いています。一方で、幼児や小学校低学年を主な対象とする企画には向きません。

子供向けプロモーションの中では、次のような使い方が考えられます。

  • 季節キャンペーンの告知:夏休みやクリスマスの特典企画を、中高生やその兄弟姉妹に広く知らせる
  • 体験イベントの前後の認知づくり:参加できる人数が限られるイベントを、ゲーム内の動画で広く伝える
  • 将来の顧客との接点づくり:10代のうちから、テレビCMとは別の場所でブランドに触れてもらう

ゲーム内広告の仕組みや種類はゲーム内広告とは?仕組み・種類・効果・費用を徹底解説、費用はゲーム内広告の費用・料金相場で詳しく解説しています。


Ad-Virtuaが合う企業の条件

スマートフォンでモバイルゲームを楽しむ若者:Ad-Virtuaの主な接触層のイメージ

Ad-Virtuaは、600以上のゲームタイトル(2026年4月時点)の空間内にある看板・モニターへ動画広告を配信するアドネットワークです。ゲームプレイヤーのうちZ世代が約80%を占め、料金は1週間30万円から、100万回再生が目安です(出典:Ad-Virtua公式サイト)。

次の条件に当てはまる企業には、有力な選択肢になります。

  1. 主な対象が中高生〜20代前半:幼児・小学生向けではなく、自分のスマホでゲームをする世代に届けたい
  2. テレビCMやSNS広告とは別の接点がほしい:既存の施策を補う新しい場所でブランドを見せたい
  3. 嫌われにくい形で認知を積み上げたい:プレイを止めない形で、好意を損なわずに覚えてもらいたい
  4. 少ない予算から試したい:大規模なイベントやキャラクターコラボより、初期費用を抑えて始めたい
  5. 食品・飲料・日用品・外食・交通など、若年層の認知が中期の課題になっている:第一想起を早めに取りたい

自社の商品やキャンペーンにゲーム内広告が合うかどうかは、無料相談・資料請求フォームからお気軽にご相談ください。

次に読むべき記事

検討の段階に合わせて、次の順で読み進めると判断しやすくなります。

  1. 広告全体の中での位置づけを知る:広告とは?意味・種類・効果・媒体選びをわかりやすく解説
  2. ゲーム内広告の仕組みと効果を知る:ゲーム内広告とは?仕組み・種類・効果・費用を徹底解説
  3. 業界ごとの使い方を知る:食品・飲料の若年層リーチを増やす施策7選、飲料メーカーの若年層認知施策7選、外食チェーンの来店促進施策8選
  4. 自社に合うか相談する:無料相談・資料請求フォーム

よくある質問(FAQ)

Q1. 予算50万円程度でできる子供向けプロモーションはありますか?

あります。塗り絵コンテスト、店頭のスタンプラリー、季節の配布物など、運営負担が小さいアイデアは数十万円規模から実施できます。デジタルでは、ゲーム内広告は1週間30万円から配信できます。まず小さく試し、参加者数や想起率の結果を見てから翌年の予算を組むと、社内の合意も得やすくなります。

Q2. 子供向けプロモーションを実施するのに良い時期はいつですか?

子どもが自由に使える時間が増える春休み・夏休み・冬休みと、ハロウィン・クリスマス・入園入学などの行事の時期が中心です。ただしこの時期は他社の企画も集中するため、告知は1か月ほど前から始めるのが目安です。自由研究キットのように、学校の予定に合わせて配布時期が決まる企画もあります。

Q3. 応募や会員登録で子どもの名前や住所を集めてもよいですか?

集めること自体は可能ですが、保護者の同意を得る流れを設計するのが基本です。応募フォームは保護者が入力する形にし、利用目的を明記して、必要な情報だけを集めてください。景品の発送が目的なら、発送後の保管期間や削除の方針も決めておくと安心です。

Q4. 学校で企業のチラシやサンプルを配ってもよいですか?

学校や教育委員会ごとに判断が異なり、商品の宣伝を目的とした配布は断られることが多いのが実情です。出前授業や教材提供のように、学びを目的とした形で相談するのが一般的です。進め方の詳細は学校・教育機関×企業マーケティング完全ガイドをご覧ください。

Q5. ファミリー向けマーケティングとは何が違いますか?

子ども向けは子ども本人の好みや体験を中心に設計し、ファミリー向けは保護者と子どもを含む家族全体を対象にします。実務では重なる部分が多いものの、「誰の行動を主に変えたいか」で企画の中心が変わります。詳しくはファミリー向けマーケティングとはをご覧ください。

Q6. 自社のキャラクターがなくても子供向けプロモーションはできますか?

できます。工場見学、料理教室、自由研究キット、出前授業のように、自社の商品や仕事そのものを体験にするアイデアは、キャラクターがなくても成立します。むしろ人気キャラクターを借りるよりも、ブランド名が記憶に残りやすいという利点があります。

Q7. 子どもを広告やイベントに出演させるときに気をつけることは?

民放連の放送基準では、児童を出演させる場合に「児童としてふさわしくないことはさせない」と定めています。テレビ以外でも、危険をまねされる演出や、子どもに商品をねだらせる演出は避けるのが無難です。出演する子どもの保護者には、撮影した素材をどの媒体で、いつまで使うかを事前に書面で伝えておくと、公開後のトラブルを防げます。