「ゲーム内広告に興味はあるが、費用の見当がつかない」「代理店に問い合わせる前に相場感を把握しておきたい」と感じているマーケター担当者は多いのではないでしょうか。ゲーム内広告は課金モデルが複数存在し、プラットフォームや広告形式によって費用感が大きく異なるため、一般的な相場がわかりにくいのが実情です。
本記事はゲーム内広告の「費用相場と予算設計」に絞った実務ガイドです。CPM・CPCV・CPD・CPEの単価レンジ、月次予算の試算式、最低出稿額の目安、媒体費以外にかかる制作費・運用費まで、見積もりを取る前に把握しておきたい数字を一通り押さえます。媒体としての全体像や効果指標を先に知りたい方は、ゲーム内広告とは?仕組み・費用・効果を完全解説もあわせてご覧ください。費用対効果(ROI)の計測設計に踏み込みたい方はゲーム内広告のROI実務ガイドを参照してください。
結論から言うと、ゲーム内広告はCPMベースで月30〜100万円のテスト出稿から始めることができ、テレビCMや大手デジタル媒体と比べてZ世代・若年層へのリーチ単価を抑えやすい媒体です。
ゲーム内広告の費用は「課金モデル」で大きく異なる

ゲーム内広告の料金体系を理解するうえでまず押さえるべきは、課金モデルの違いです。テレビCMのような「放映費用」という概念はなく、表示回数・視聴完了・エンゲージメント・期間保証という軸でモデルが分かれます。広告手法ごとの基本的な考え方を知りたい場合は広告とは?意味・種類・効果・媒体選びもあわせて確認してください。
主要な課金モデルは以下の4種類に整理できます。
- CPM(Cost Per Mille):1,000インプレッションごとに課金。最も一般的
- CPCV(Cost Per Completed View):動画の視聴完了ごとに課金。リワード型で多用
- CPD(Cost Per Day):掲載期間で課金。デジタルビルボード型に多い
- CPE(Cost Per Engagement):クリック・タップ・インタラクションごとに課金
どのモデルが自社に合うかは、認知拡大・想起強化・費用の予測しやすさのどれを優先するかによって変わります。次章で各モデルの費用相場を詳しく解説します。
課金モデル別の費用相場【2026年実勢】

CPM(インプレッション課金)
ゲーム内の看板・バナー型広告で最も多く採用される課金形式です。ゲーム内フィールドや競技場のフェンス広告など、視認性が高い面ほどCPMが上昇します。
- 相場: ¥200〜¥800 / 1,000インプレッション
- 月間100万インプレッションを確保する場合: 約20〜80万円
- 特徴: 費用の予測が立てやすく、予算管理しやすい
なお、ゲーム空間内のサイネージ広告ネットワークでは、視認性の高い面でもCPM300円前後に抑えられる事例が出ています。一般的な動画広告のCPMが500〜1,500円であることを踏まえると、若年層リーチ単価を抑えやすいのがこのモデルの強みです。
CPCV(動画視聴完了課金)・リワード型
リワード動画広告はゲーム内アイテムと交換にユーザーが自発的に視聴する形式です。視聴完了率が90%以上と非常に高く、ゲーム内広告の中でもブランド認知・想起への効果が最も高いとされています。
- 相場: ¥800〜¥3,000 / 視聴完了
- 月10万視聴完了を目指す場合: 約80〜300万円
- 特徴: 能動的視聴のため広告への好意度が高く、ブランドリフトが得やすい
CPD(期間保証型・デジタルビルボード)
特定のゲームタイトル内に一定期間独占掲載する形式です。露出量の予測がしやすく、ブランディング目的での利用に向いています。タイトルのMAU(月間アクティブユーザー数)と掲載面の視認性によって価格が大きく異なります。
- 相場: ¥50万〜¥500万 / 月(タイトル・面によって変動)
- 大型タイトルへの独占掲載は別途見積もりが必要
- 特徴: 出稿量より「ブランドとゲームの世界観合致」が成果を左右する
CPE(エンゲージメント課金)・インタラクティブ型
ユーザーが広告に触れる(タップ・スワイプ・AR体験)たびに課金される形式です。エンゲージメント率が計測でき、ブランドとの接触深度が高い点が特徴です。
- 相場: ¥50〜¥300 / エンゲージメント
- 特徴: 記憶残存率が高い。制作コストはバナーより高め
比較表:ゲーム内広告の種類別 費用・特徴まとめ

以下の表は主要な広告形式の費用と特性を比較したものです。テレビCMを参照値として末尾に掲載しています。動画広告全体での費用対効果を横並びで見たい場合は動画広告の費用対効果比較もあわせて確認するとイメージしやすくなります。
広告形式 | 課金モデル | 費用目安 | 視聴完了率の傾向 | Z世代リーチ | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|---|
ゲーム内看板・バナー | CPM / CPD | CPM ¥200〜800 | 中(視認型) | 高 | 認知拡大・ブランド露出 |
リワード動画 | CPCV | ¥800〜3,000/完視 | 非常に高(90%超) | 非常に高 | ブランド認知・想起強化 |
インタラクティブ広告 | CPE | ¥50〜300/EG | 高(能動操作) | 高 | エンゲージメント・体験 |
プレイアブル広告 | CPE / CPI | ¥100〜500/EG | 高 | 高 | ゲームアプリ獲得 |
ブランドコラボ(衣装・アイテム) | 固定 / レベニューシェア | ¥300万〜(要相談) | ―(体験型) | 非常に高 | ブランドエクイティ向上 |
メタバース広告(参考) | CPM / 固定 | CPM ¥500〜1,500 | 中〜高 | 高 | 没入体験型認知 |
テレビCM(参照用) | GRP単位 | ¥1,000万〜/クール | 低(ザッピングあり) | 低 | マス認知 |
ゲーム内広告とメタバース広告は「没入型のブランド体験」という観点では近接した媒体です。違いを整理したい場合はメタバース広告とは?仕組み・種類・費用・事例を徹底解説を参照してください。
ゲーム内広告の予算設計:3ステップで考える

「いくらあれば始められるか」という問いに対して、実務的な回答は「目的とKPIを先に決め、そこから逆算する」です。以下の3ステップで整理してみましょう。
ステップ1:目的からKPIと必要リーチ数を逆算する
「なぜゲーム内広告を使うのか」を明確にすることが予算設計の起点です。目的によって適した課金モデルと必要なボリューム感が変わります。
- Z世代への認知拡大が目的 → CPM型でインプレッション数を最大化
- ブランド想起の強化が目的 → リワード動画のCPCVで視聴完了数を積む
- TVCMの若年層補完が目的 → TVCMと同期したゲーム内広告でリーチ穴を埋める
ステップ2:CPMを基準に月次予算を試算する
実務での試算はCPMを基準にすることが多いです。以下は簡易試算の例です。
- 月間インプレッション目標: 500万imp
- CPM目安: ¥400
- 推計広告費: 500万 ÷ 1,000 × ¥400 = 200万円/月
テスト出稿であれば月30〜50万円程度から始め、効果測定後にスケールさせるのが一般的な進め方です。
ステップ3:テスト出稿の期間と最低予算の目安
ゲーム内広告を初めて実施する場合、最低3ヵ月間のテスト期間を設けることを推奨します。短期では季節性やクリエイティブの影響を切り分けにくく、最適化の余地が見えにくいためです。
- 最小テスト予算の目安: 月30〜100万円 × 3ヵ月(合計90〜300万円)
- この規模で効果測定データを取得し、次期予算計画の根拠にする
- 食品・飲料など季節性の高いカテゴリは繁忙期前の3ヵ月が最も効率的
広告費以外にかかるコスト
ゲーム内広告の総コストは「媒体費」だけではありません。予算計画では以下のコストも含めて検討することを推奨します。
クリエイティブ制作費
ゲーム内広告では「広告がゲームの世界観に馴染んでいるか」が効果に直結します。クリエイティブの質を下げると、ユーザーの離脱や広告への嫌悪感につながるリスクがあるため、制作費を削りすぎないことが重要です。
- バナー・静止画: ¥5万〜30万
- 15〜30秒リワード動画: ¥30万〜150万
- インタラクティブ・プレイアブル: ¥100万〜(要相談)
代理店手数料・運用費
DSP(デマンドサイドプラットフォーム)経由または専任代理店を通じて出稿する場合、媒体費の15〜20%程度が手数料として発生するのが一般的です。自社運用の場合は削減できますが、専門知識が必要です。
効果測定・ブランドリフト調査費
DSP管理画面でインプレッション・CPMなどの基本指標は確認できますが、ブランド認知率・好意度の変化を可視化するにはブランドリフト調査が必要です。費用の目安は¥50万〜200万程度で、予算の10〜15%を確保しておくと社内稟議も通りやすくなります。
費用対効果を高める3つのポイント

1. TVCMと掛け合わせてリーチを補完する
ゲーム内広告はTVCMが届きにくい15〜34歳男性層へのリーチに強みがあります。TVCM×デジタル統合での設計と組み合わせることで、リーチ効率が大きく向上します。TVCMのGRP投資に対してゲーム内広告を補完的に配置することで、若年層カバー率を高めながら総媒体費を抑制できます。
2. ゲームタイトルのユーザー層と自社商材を一致させる
出稿先ゲームのユーザー属性(年齢・性別・プレイスタイル・課金傾向)と自社のターゲットが一致しているかを事前に確認することが、CPAを下げる最大のポイントです。スポーツゲームと格闘ゲームでは同じ若年男性でも消費傾向が異なります。媒体社・代理店からオーディエンスデータを取得して確認しましょう。
3. リワード動画でブランドリフトを計測し社内に根拠を作る
リワード動画は視聴完了率が高く、かつ「自発的視聴」という形式のためブランド好意度への影響が大きいことが各種調査で示されています。費用効率だけでなくブランドリフトの計測値も評価軸にすることで、次期予算獲得のための社内エビデンスが蓄積されます。投下費用に対する成果指標の置き方や計測方法はゲーム内広告のROI実務ガイドで詳しく扱っています。
こんな企業におすすめ/合わないケース
ゲーム内広告は万能な媒体ではありません。費用の使い方を誤らないために、向いている/向いていないケースを整理します。
ゲーム内広告がハマりやすい企業
- 食品・飲料・日用品など、若年層〜ファミリー層のブランド第一想起を強化したいFMCG
- TVCMを継続出稿しているが、15〜34歳のカバー率に課題を感じているナショナルクライアント
- 新製品の認知期にCPM300〜500円台でリーチ単価を抑えたい広告主
- 派手なバナーで邪魔をするのではなく、ゲーム世界観に溶け込む「嫌われにくい接点」を探している企業
ゲーム内広告と相性が悪いケース
- 即時の獲得(CPA最適化)だけを評価軸にしている直販ECブランド
- 月予算が10万円台で、クリエイティブ制作を含めた最低テスト規模(90万円〜)を確保できない場合
- 全国主婦層・高齢層に短期で一気にリーチしたい商材(TVCMやチラシのほうが適合)
- 法律・年齢制限により若年層への配信そのものがNGなカテゴリ(タバコ等)
よくある質問
Q. ゲーム内広告の最低出稿金額はいくらですか?
A. プラットフォームや媒体によって異なりますが、国内主要DSP経由の場合は月30万円程度から出稿可能です。ゲーム空間内サイネージ型のネットワーク広告では1週間30万円のプランも提供されています。テスト出稿として少額から始め、効果を確認しながらスケールさせる進め方が一般的です。ブランドコラボや大型タイトルへの独占掲載は別途要相談となります。
Q. テレビCMと比べてコストはどうですか?
A. テレビCMは全国放映で1クール(3ヵ月)あたり制作費込みで1,000万円以上が一般的です。ゲーム内広告は月30〜100万円のテスト出稿から始められるため、初期投資を抑えながら若年層リーチの効果検証が可能です。ただし、マス認知のスピードはTVCMに劣るため、両者を補完関係として設計するのがベストプラクティスです。
Q. 費用の見積もりを取るにはどうすればよいですか?
A. ゲーム内広告の料金はプラットフォーム・タイトル・掲載面・時期によって変動するため、多くの媒体で「要相談・要見積もり」となっています。問い合わせ時には「ターゲット層・月間予算の目安・目的(認知/想起/行動)」の3点を伝えると、代理店からより精度の高い提案を受けられます。
Q. 制作費込みで100万円以下の予算でも実施できますか?
A. 静止画バナーを活用したCPM型であれば、制作費込みで100万円以内でのテスト出稿は現実的です。リワード動画は動画制作費が加わるため、予算規模によってはまず静止画からスタートし、効果確認後に動画制作へ移行するステップ設計を推奨します。
Q. 食品・飲料メーカーでのゲーム内広告活用事例はありますか?
A. 国内外のFMCGブランドがゲーム内広告を活用した事例は増えています。特にスポーツ・レーシング系ゲームへの看板広告や、リワード動画でのサンプリングキャンペーン告知は食品・飲料カテゴリとの相性が良いとされています。具体的な事例・費用感については専任コンサルタントへのご相談をお勧めします。
Q. メタバース広告とは費用感はどう違いますか?
A. メタバース広告は3D空間内での体験設計を含むためCPM単価・初期制作費ともゲーム内広告より高くなる傾向があります。CPMで比較するとメタバース広告が500〜1,500円、ゲーム内サイネージは200〜800円が目安です。詳細はメタバース広告の費用・事例を参照してください。
ゲーム内広告の費用・活用方法についてのご相談は、アドバーチャ株式会社までお気軽にお問い合わせください。専任のコンサルタントが、貴社の目的とターゲットに合わせた最適な広告戦略と予算設計をご提案します。
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