本記事は、ゲーム内広告(インゲーム広告)の導入実務を担う担当者向けの詳細ガイドです。出稿前準備〜クリエイティブ要件〜運用設計〜効果検証〜稟議資料化までを実務手順ベースで解説します。「ゲーム内広告とは」という基礎の網羅解説は別途用意していますので、概要を把握済みの方が読む前提でまとめています。
📚 ゲーム内広告全般の基礎・仕組み・好感度85%の理由・市場規模など全体像は → ゲーム内広告とは?好感度85%・CPM300円・視認率96%の仕組み・費用・効果を完全解説【2026年版】
📚 広告全体の俯瞰(媒体・種類・選び方)は → 広告とは?意味・種類・効果・媒体選びをわかりやすく解説【2026年版】
ゲーム内広告 導入プロジェクトの全体像(実務フロー)
ゲーム内広告(サイネージ型)の導入プロジェクトは、以下の7ステップで進行するのが標準です。出稿開始までの実務リードタイムは最短2〜3週間、平均6〜8週間です。
フェーズ | 主な作業 | 所要期間 | 主担当 |
|---|---|---|---|
① 目的・KPI設計 | 目的の言語化/KPI候補抽出/予算合意 | 1〜2週間 | マーケ/ブランド |
② 媒体選定・打診 | 媒体社RFI/配信タイトル確認/提案受領 | 1〜2週間 | マーケ/メディア |
③ 稟議・予算承認 | 提案資料化/稟議申請/決裁 | 2〜4週間 | マーケ/経営企画 |
④ クリエイティブ準備 | 素材選定/媒体仕様適合/審査素材納品 | 1〜2週間 | クリエイティブ |
⑤ 配信前テスト | 媒体側審査/プレビュー確認/配信タイトル最終確認 | 3〜5営業日 | 媒体社/マーケ |
⑥ 配信・運用 | 配信開始/レポート確認/クリエイティブ差替判断 | 1〜8週間 | マーケ/媒体社 |
⑦ 効果検証・レポーティング | ブランドリフト調査/指名検索分析/社内報告 | 2〜3週間 | マーケ |
初出稿の最大の難所は③稟議です。ナショナルクライアントでは「ゲーム内広告という新規媒体への投資の妥当性」を経営層に説明できる資料が必要になります。後段で稟議資料化の項目を解説します。
出稿前準備:目的・KPI・予算の設計

目的の言語化(5パターン)
稟議で最初に問われるのが「なぜこの媒体なのか」です。ゲーム内広告の導入目的は実務上、以下5パターンに集約されます。
- パターンA:若年層リーチ補完 — TVCMが届かなくなったZ世代・α世代へのブランド接点を確保
- パターンB:第一想起獲得 — カテゴリー想起・指名検索数の継続底上げ
- パターンC:新商品発売の認知拡大 — 発売前後の集中的な認知刺激
- パターンD:TVCM素材の二次活用 — 制作済み動画素材を低コストで横展開
- パターンE:ブランドセーフティ重視のデジタルブランディング — 出稿先を事前確認できる媒体への切替
KPI設計(認知ファネルに沿って3階層)
ゲーム内広告は認知ファネル上部の施策のため、CPA・CVを直接KPIにすると評価が難しくなります。認知→想起→指名検索の3階層で目標を設計してください。
階層 | KPI | 目標目安 | 計測手段 |
|---|---|---|---|
① 認知 | 視認率/インプレッション | 視認率90%以上 | 媒体レポート |
② 想起 | 広告想起率/ブランド認知率 | 接触vs非接触で+10%以上 | ブランドリフト調査 |
③ 行動 | 指名検索数/公式サイト直接流入 | キャンペーン期間中+20% | Search Console/GA4 |
予算規模の設計
テスト出稿の最低ラインは「1週間 30万円〜」(Ad-Virtuaの場合)。ただし、ブランドリフト調査を含めて効果検証まで実施する場合は、以下の予算配分を推奨します。
- 媒体費:250〜500万円(4〜8週間配信)
- ブランドリフト調査費:80〜150万円
- クリエイティブ調整費(媒体仕様への適合):30〜80万円
- 合計:360〜730万円程度
各媒体の費用相場を網羅的に押さえたい場合は 広告費用の相場と決め方【2026年版】 を参照してください。

クリエイティブ要件と素材準備の実務
ゲーム内広告のサイネージ型は、ゲーム空間内の「壁面・看板・大型モニター」に動画/静止画を表示します。媒体特性に合わせたクリエイティブ要件があり、TVCM素材をそのまま使えるケースとそうでないケースがあります。
媒体仕様(一般的な要件)
項目 | 推奨仕様 | 備考 |
|---|---|---|
解像度 | 1920×1080px 以上 | 低解像度はゲーム内で潰れる |
アスペクト比 | 16:9 を基本/媒体ごとに縦横変則あり | 看板・モニター形状による |
動画長 | 15秒/30秒 | ループ再生される場合あり |
音声 | 無音または BGMのみ推奨 | ゲーム音と競合しないため |
ファイル形式 | MP4(H.264)/JPEG/PNG | 媒体側で再エンコードあり |
テキスト視認性 | 最重要メッセージは画面中央に | 看板の見え方が遠近で変化するため |
TVCM素材を転用するときの注意点
TVCM素材の二次活用は最大の利点ですが、そのまま流すと効果が出にくいことがあります。以下の調整を推奨します。
- 音声依存をなくす:ナレーション中心の素材はテロップ追加で補強
- ロゴ・商品名を画面中央に集約:看板表示で視認時間が短いため
- 引きの絵を活用:ゲーム内では小さく見えるため、寄りの絵だけだと潰れる
- 15秒版を作成:ループ再生に適したテンポ
運用設計:配信タイトル選定とローテーション

配信タイトル選定の3軸
Ad-Virtuaは400タイトル以上の配信先を保有しており、商材とユーザー属性のマッチングが運用の中核です。選定軸は以下の3つです。
- ジャンル軸:カジュアル/RPG/パズル/アクション/スポーツ/レーシング
- 年齢層軸:F1・M1中心(18〜34歳)/F2・M2(35〜49歳)/全年代
- 世界観軸:日常系/ファンタジー/SF/スポーツ/街並み系(生活密着商材は街並み系が馴染む)
ローテーション設計
同一クリエイティブを長期間出稿し続けると「広告疲れ」が発生します。実務では以下のローテーションを推奨します。
- 4週間以上の配信は2バリエーション以上のクリエイティブを準備
- 新商品発売時は発売2週間前〜発売後4週間の集中配信が最も効果的
- ブランドリフト調査の中間結果を見て2週目以降にクリエイティブ差替判断
効果検証手順:ブランドリフト調査の設計
ゲーム内広告の効果は「認知・想起・好感度」で評価するのが鉄則です。ブランドリフト調査の標準設計は以下の通りです。
ブランドリフト調査の標準設計
項目 | 推奨設計 |
|---|---|
調査タイミング | 事前(出稿前2週間以内)/事後(出稿終了後1〜2週間) |
サンプル数 | 接触群・非接触群 各 600〜1,000サンプル |
調査項目 | 広告想起/ブランド認知/購買意向/好感度/推奨意向 |
分析手法 | 接触群 vs 非接触群の差分(リフト幅) |
有意水準 | 95%信頼区間で +5〜10pt 以上のリフトを目標 |
指名検索数の補完計測
ブランドリフト調査と並行して、Google Search Console での指名検索数推移を計測します。キャンペーン期間中の+20%以上の指名検索増加が認知拡大の補完証拠になります。インクリメンタルリフトの実務的な測り方は ゲーム内広告 インクリメンタルリフト測定ガイド を参照してください。
稟議資料化:経営層を説得する4つの数値
ゲーム内広告の稟議で経営層が最も気にするのは「新規媒体への投資の妥当性」です。以下4つの数値をそろえると稟議通過率が大幅に上がります。
- 市場規模の伸び:グローバルゲーム内広告市場は 2025年 約1,103億ドル → 2026年 約1,250億ドル(CAGR 13.3%)。日本のモバイルゲーム広告市場は約4,400億円規模。
- 媒体特性の優位性:広告想起率約1.8倍/視認率約96%/好感度約85%(Ad-Virtua自社調査)
- CPM単価の相対比較:ゲーム内広告 約300円 vs 一般デジタル動画広告 500〜1,500円
- 競合・先進事例:ROBLOXメディアROI 平均4.5倍/TV×デジタル重複接触で購買率+41%(SMN×True Data)
食品・飲料メーカー向けの稟議用データセットは FMCGメーカーのゲーム内広告活用プレイブック にまとめています。
業界別の運用設計ポイント
食品・飲料・日用品(FMCG)
- 街並み系・日常系ゲームへの出稿が世界観に馴染みやすい
- 新商品発売時の集中投下とTVCMとの重複接触設計が効果的
- 業界別の活用詳細は 食品・飲料の若年層リーチを増やす施策7選
外食・小売チェーン
- 来店誘引KPIと併用するため、Web広告(位置情報型)と組み合わせる
- ファミリー層向けキャンペーンはカジュアルゲーム中心の出稿が定石
自動車・耐久消費財
- レーシング・スポーツ系ゲームへの出稿で世界観マッチが取れる
- 商談化を見越して、ブランドリフト→指名検索→公式サイト動線を設計
こんな企業におすすめ/おすすめしない企業
こんな企業におすすめ
- 稟議の通る数値根拠を必要とする大手ナショナルクライアント(食品・飲料・日用品・外食)
- TVCM素材の二次活用で投資効率を高めたい企業
- ブランドリフト調査の運用ノウハウを持つマーケティング部門
- 若年層リーチ補完を中長期施策として位置づけたい企業
- ブランドセーフティを最重視する商材を扱う企業
おすすめしない企業
- 即時CV刈り取りのみを評価軸にする企業(リスティング広告/SNS運用型に特化を)
- BtoB SaaSなど意思決定者へのピンポイントリーチが主目的の企業
- クリエイティブ素材を保有しておらず、新規制作予算もない企業
- テスト予算(30〜100万円)も確保困難な小規模事業者
導入時のよくあるトラブルと対処法
トラブル | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
稟議が通らない | 新規媒体への投資根拠が薄い | 市場規模・CPM比較・先進事例を含む4データセットを揃える |
クリエイティブが審査落ち | 媒体仕様非適合(音声依存/低解像度) | 媒体審査仕様書に沿って事前調整 |
効果が見えない | CPA/CVのみで評価している | ブランドリフト調査を必ず併設する |
配信先がブランドに合わない | ジャンル選定が不十分 | 事前にタイトルリスト確認、世界観軸での選定 |
指名検索が増えない | クリエイティブのブランド可読性が低い | ロゴ・商品名を画面中央に集約 |
FAQ:実務担当者からよくある質問
Q. 出稿開始までの最短リードタイムは?
A. クリエイティブが媒体仕様に適合していて即納品できる場合、稟議完了から最短2〜3週間で配信開始できます。新規制作が必要な場合は素材完成後+2〜4週間を見込んでください。
Q. テスト出稿の最小予算は?
A. Ad-Virtuaは1週間 30万円からテスト出稿可能です。ただしブランドリフト調査まで含めると合計100〜200万円程度を推奨します。
Q. TVCM素材はそのまま使えますか?
A. 動画ファイル形式が合えば技術的には可能ですが、ナレーション中心の素材はゲーム内で効果が下がります。ロゴ・商品名の中央配置と15秒尺への編集を推奨します。
Q. 配信タイトルは事前に確認できますか?
A. はい、Ad-Virtuaでは出稿前に配信先タイトルリストを確認できます。ブランドセーフティを重視する商材で評価されている特徴です。
Q. 効果検証レポートは何が含まれますか?
A. 標準レポートは「インプレッション・視認率・配信タイトル別実績」を含みます。オプションでブランドリフト調査の設計・実施・分析もサポートしています。
Q. 競合排他は可能ですか?
A. キャンペーン期間内の競合排他はカテゴリー単位で対応可能です。詳細は個別相談で調整します。
まとめ:実務担当者が押さえるべき5つのポイント
- 導入リードタイムは平均6〜8週間。稟議に最大4週間を確保する
- KPIは認知→想起→指名検索の3階層で設計し、CPA/CVは追わない
- クリエイティブはロゴ・商品名の中央集約と無音化が鉄則
- 稟議では市場規模・媒体優位性・CPM比較・先進事例の4データをそろえる
- 効果検証はブランドリフト調査と指名検索数推移の2系統で評価
📚 ゲーム内広告の基礎・全体像は → ゲーム内広告とは?好感度85%・CPM300円・視認率96%の仕組み・費用・効果を完全解説【2026年版】
📚 広告全体の俯瞰は → 広告とは?意味・種類・効果・媒体選びをわかりやすく解説【2026年版】
Ad-Virtuaのゲーム内広告は1週間 30万円〜のテスト出稿に対応しており、稟議用の数値資料・ブランドリフト調査の設計サポートも含めてご相談を承っています。


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