結論
2026年4月22日、ゲームエンジン大手のUnity Technologies(Unity)とグローバルSSP(サプライサイドプラットフォーム)のIndex Exchangeが提携を発表した。Unityが保有するモバイルゲーム内のファーストパーティデータが、初めてゲーム内という枠を越えてCTV(コネクテッドTV)・モバイル・オープンウェブの広告ターゲティングに使えるようになり、「ゲーム内データを他チャネルの広告在庫に紐づけて売買する」という新しい取引の形が、米国の広告エコシステムの中で一つの現実解として動き始めたことを意味する。
発表の内容
発表は米国ニューヨークで行われた。UnityのファーストパーティのゲームデータとモバイルインベントリがIndex ExchangeのキュレーテッドマーケットプレイスIndex Marketplacesに統合され、これまでUnityプラットフォーム内に閉じていたゲーマーのオーディエンスデータが、モバイル・CTV・オープンウェブ(プレミアムWeb面)を横断して広告ターゲティングに利用できるようになった。Unity側はこれを「オムニチャネル・アクティベーション」と呼んでいる。
技術的な骨格は、Unityのデータクリーンルーム「Unity Audience Hub」で生成されたゲーム内行動データを、UID2・RampIDといった業界標準の共通IDに接続し、Index Exchange側のIndex SSP上でキュレーテッドディールとして取引可能にする仕組みである。Unityのキュレーションパートナーである Livewire が、Index SSP経由でターゲティング可能なディールIDを生成する役割を担うとAdExchangerは報じている(この点はUnity公式プレスリリースには明記がなく、報道ベースの情報として扱う)。
注目すべきは、UnityがDSP(デマンドサイドプラットフォーム)ではなくSSPであるIndex Exchangeとの統合を選んだ点だ。AdExchangerの取材に対しUnityのChris Feo氏(SVP Sales & Partnerships, Programmatic)は、ゲーミングデータを単独のデータ商品として切り売りするのではなく「データは常にメディア(インベントリ)に紐づいた状態を保つ」という方針を理由に挙げている。

確定している数値は以下の通り。
項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
発表日・発表地 | 2026年4月22日、New York, NY | Index Exchange公式プレスリリース |
提携内容 | UnityのファーストパーティゲームデータとモバイルインベントリをIndex Marketplacesに統合。モバイル・CTV・オープンウェブでの横断ターゲティングを実現 | Index Exchange公式プレスリリース、Unity公式ブログ |
グローバル月間アクティブユーザー数 | 29億人(2.9 billion) | Index Exchange公式プレスリリース |
Unityエンジンが支えるモバイルゲームの規模 | 世界のトップ1,000モバイルゲームタイトルの71%がUnityエンジン上に構築 | Index Exchange公式プレスリリース |
米国月間アクティブデバイス数 | 2025年12月時点で約2億5,600万ユニークデバイス(Unity公式ブログ。AdExchangerの要約記事では「2億5,000万人超」との表記もあり、算出方法の差異は未確認) | Unity公式ブログ、AdExchanger |
デジタル広告予算のゲーミング配分 | 「デジタル広告予算全体のわずか3%しかゲーミングに配分されていない」(Chris Feo氏発言、報道ベース) | AdExchanger |
Unity幹部のChris Feo氏はプレスリリースの中で次のように述べている。
"In today's environment, everyone is a gamer. The old idea of a narrow, 'legacy' audience just doesn't hold up anymore."
(訳: 「今の時代、誰もがゲーマーです。『ゲーマーは限られた層』という従来の考え方は、もはや成り立ちません」)
Index ExchangeのAlex Gardner氏(最高収益責任者/CRO)も次のコメントを寄せている。
"Gaming has become the heartbeat of consumer attention, and marketers deserve frictionless access to this momentum."
(訳: 「ゲーミングは今や消費者の注目を集める中心になっている。マーケターは、この勢いに摩擦なくアクセスできてしかるべきだ」)
Unity Grow Solutionsの広告事業

Unityは2004年8月にデンマーク・コペンハーゲンで創業し(当初社名はOver the Edge Entertainment、2007年にUnity Technologiesへ改称)、現在は米カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くゲームエンジン企業である。世界最大級のリアルタイム3D開発プラットフォーム「Unity」を提供し、NYSEに上場している(ティッカー: U、従業員数4,412名・2025年12月31日時点)。事業は大きく、ゲーム・3Dコンテンツの開発ツール群「Create Solutions」と、開発者向けのマネタイズ・ユーザー獲得・広告配信ツール群「Grow Solutions」の2本柱で構成される。今回の提携はGrow Solutionsに属する広告事業の一部だ。
Unityの広告事業の骨格は、2022年7月にイスラエルのアプリマネタイズ企業ironSourceを約44億ドル(全株式取引)で買収したことで作られた。買収後、以下のプロダクト群が広告事業の中核を担っている。
- Unity LevelPlay: 25以上の広告ネットワークを束ねるアドメディエーションプラットフォーム
- Unity Ads / ironSource Ads Exchange: プログラマティック広告取引の場(インベントリ側のマーケットプレイス)
- Unity Audience Hub: 2025年6月11日ローンチ。ゲーム内行動データをプライバシー配慮型の識別子(UID2、RampID、ID5等)に接続し、ブランド広告主がモバイル・CTVを横断して高関心オーディエンスにリーチできるようにするデータクリーンルーム型の基盤。今回のIndex Exchange統合の元になっているプロダクトである
- Tapjoy: オファーウォール型マネタイズ
- Aura: デバイス内のユーザーエンゲージメントツール
- Supersonic: ゲームパブリッシング事業
Unity Audience Hubは、技術基盤パートナーのOptable、データ拡張パートナーのExperian(3,400以上のオーディエンスセグメントを提供)、CTV配信パートナーのRokuと連携してローンチした。対応インベントリの規模は、世界のトップ1,000モバイルゲームタイトルの71%がUnityエンジン上で構築されているという点に表れている。2025年10月には、元Tapad・元Experian(Audigent買収に関与)のChris Feo氏をSVP Sales & Partnerships, Programmaticに招聘し、Audience Hubを含むプログラマティック広告事業の成長を統括させる体制を作った。
今回のIndex Exchange提携は、この一連の体制強化の延長線上にある動きと位置づけられる。
Index Exchangeとはどんな会社か

Index Exchange(正式社名: Index Exchange, Inc.)は、パブリッシャー(メディア企業)側に立つグローバルSSPである。広告在庫をリアルタイム入札(RTB)でDSP・広告主に販売する取引基盤を提供しており、IAB Tech Labの設立メンバーとしてOpenRTB仕様の共同策定にも関わってきた業界内での古参プレイヤーだ。
起源は2003年、当時ティーンエイジャーだったAndrew Casale氏が創業した広告ネットワーク「Casale Media」にさかのぼる。2015年に「Index Exchange」へブランド変更・事業再編し、現在はカナダ・トロントを拠点にグローバルへ展開している。Casale氏は現在も同社のCEOを務める。従業員規模は第三者データベースの推定で約683名(2026年時点、公式の正確な人数は非公開のため参考値)。
主力プロダクトは「Index Marketplaces」と呼ばれるキュレーテッドマーケットプレイスだ。データプロバイダーやキュレーターが広告在庫にオーディエンスデータやブランドセーフティ基準を重ね掛けし、単一のディールIDとして買い手に提供する仕組みで、今回のUnityのゲームデータもこのIndex Marketplacesの中に組み込まれる。対応チャネルはディスプレイ、動画、CTV/ストリーミングTV、モバイルアプリ、政治広告など幅広く、近年はCTV・ストリーミング領域とキュレーション型ディールに注力している。
主要パートナーには、コンテンツメタデータを提供するGracenote、プレミアムCTVインベントリを持つDIRECTV、キュレーション技術を提供するAudigent、生成AIを使ったキュレーションを手がけるCognitivなどが名を連ねる。Unity以外にも複数のデータ・キュレーションパートナーとIndex Marketplacesの統合を進めており、今回の提携はその一つという位置づけになる。
日本には「Index Exchange Japan株式会社」が存在し、電通ジャパン・インターナショナルブランズやサイバーエージェントのAJA SSP(ヘッダービディング対応)との連携実績がある。SSPとしての基盤自体はすでに日本にも存在する。


ここまでの歩み
Unityの広告事業は、単発の思いつきではなく数年がかりで積み上げられてきた。過去には大きなつまずきもあった。
- 2022年7月: ironSourceを約44億ドルで買収し、モバイルゲームのマネタイズ・広告事業基盤を統合。ここから「Grow Solutions」としての広告事業拡大が本格化した
- 2023年: ゲームインストール数に応じて開発者へ課金する「Unity Runtime Fee」を発表し、開発者コミュニティから猛反発を受けて計画を大幅に縮小・修正。当時のCEO John Riccitiello氏はこの年に退任している
- 2024年5月: 前Zynga COOのMatthew Bromberg氏がUnityの新CEOに就任
- 2025年6月11日: Unity Audience Hubを正式ローンチ。Optable・Experian・Rokuと連携し、ゲーム内ファーストパーティデータを共通IDに接続する仕組みを構築。ベータテストではクリックスルー率(CTR)が102.6%増、エンゲージメントが103.6%向上したと公表している
- 2025年10月: Chris Feo氏がSVP Sales & Partnerships, Programmaticに就任し、Audience Hubを含むプログラマティック広告事業の成長を統括
- 2026年4月22日(今回): Index Exchangeとの提携を発表。Audience Hubで作られたオーディエンスデータを、SSP側のキュレーテッドマーケットプレイスに接続し、モバイル・CTV・オープンウェブを横断した「ゲーム外チャネルでのゲーマーオーディエンス活用」を実現した
- 2026年4月30日(今回発表とほぼ同時期): ironSource Ads(iAds)ネットワークの直接需要(direct demand)向け配信を終了。広告インベントリの供給体制を並行して再編している最中である
2023年のRuntime Fee騒動は開発者向けの課金体系を巡る失敗であり、今回のIndex Exchange提携が扱う「広告データの越境活用」とは領域が異なる。この経緯を踏まえると、その後の広告事業強化(Audience Hubローンチ・専任SVP招聘・SSP提携)は、開発者コミュニティとの摩擦を経たうえでの着実な積み上げと位置づけられる。
現在Unityが提供する広告メニューを整理すると、LevelPlay(メディエーション)、Unity Ads / ironSource Ads Exchange(インベントリ取引)、Tapjoy(オファーウォール)、Aura(エンゲージメント)に加えて、Audience Hub(データ基盤)が最も新しいレイヤーとして存在する。今回のIndex Exchange提携は、このAudience Hubをゲーム外の広告エコシステムに接続する、データレイヤーの拡張にあたる。
広告出稿事例
Index Exchangeの公式ブログには、Index Marketplacesを使った直近のケーススタディが複数公開されている。いずれも今回のUnity統合そのものの事例ではなく、Index Marketplaces全般のキュレーテッドディールの成果として公表されているものである点には注意が必要だ。
Dos Equis × dentsu X × Gracenote
ビールブランドDos Equisが代理店dentsu Xとともに実施した統合キャンペーン「Go for Dos」の一環。プログラマティックのストリーミングTV枠で、College Football Playoff(CFP)の試合およびその周辺番組にのみ配信されるよう、GracenoteのコンテンツメタデータをIndex Marketplaces上でキュレーションした。
- インプレッションの84%がCFPライブ試合中に配信
- CPMはベンチマーク比7%低減
- NFLなど対象外コンテンツへの配信は0%
出典: Index Exchange公式ブログ(2026年4月27日公開)

Vyde × Starcom Media
グローバル自動車ブランド向けキャンペーン。インタラクティブなリッチメディア広告とIndex Marketplacesのキュレーテッド在庫を組み合わせた。
- アクティブエンゲージメント時間がベンチマーク比176%増
出典: Index Exchange公式ブログ(2026年5月5日公開)
Matterkind × FMCGブランド
プレミアムオーディエンスのキュレーションによるショートフォーム動画キャンペーン。
- 動画完了率(VCR)が全キャンペーンで8%増
- CPM効率34%改善
- 同一予算で35,000件の追加インプレッションを獲得
- 完了視聴あたりコストを50%削減
出典: IAB Australia掲載のケーススタディ(Index Exchange・Matterkind共同)
Unity Audience Hubのベータ導入結果
今回の提携の元になったUnity独自のデータ基盤側でも、2025年6月のローンチ時に公式数値が公表されている。
- ベータテスト全体: CTR 102.6%増、エンゲージメント103.6%向上
- インタラクティブなプレイアブル広告+エンドカード活用テスト: サードパーティセグメントのベンチマーク比でCTR 290%増、エンゲージメント193%増
- 公共セクター向けキャンペーン(Sports・Actionジャンルセグメント使用): アプリベースのコンテキストターゲティング比でエンゲージメント140%増
出典: Unity公式プレスリリース(2025年6月11日)
これらの数値はすべてIndex ExchangeまたはUnityが自社発表したものであり、第三者による検証結果ではない。効果指標として参照する際はその前提を踏まえる必要がある。
なぜこの動きが起きたのか
背景として、AdExchangerの取材でUnity幹部が指摘している「デジタル広告予算のわずか3%しかゲーミングに配分されていない」という構造的なギャップがある。一方でゲームプレイに費やされる時間と注目度はTVやソーシャルに匹敵する規模になっているというのがUnity側の認識だ。この予算とアテンションのギャップを埋める手段として、ゲーム内データを既存の巨大なプログラマティック広告エコシステム(CTV・Web)に接続する、という発想が今回の提携の起点になっている。
もう一つの背景は、識別子(ID)技術の成熟だ。UID2やRampIDのような業界標準の共通IDが普及したことで、モバイルアプリ内で作られたオーディエンスをCTVやWeb上でも同一人物として認識し、ターゲティングに使うことが技術的に可能になった。AdExchangerの取材でChris Feo氏は「モバイルで作られたオーディエンスをクロスプラットフォームで展開しようとするとき、UID2やRampIDのような仕組みとの相互運用性、そしてコネクテッドTV上で認識できることが非常に重要だった」と述べている。
UnityがDSPではなくSSPと組んだ判断も、この文脈で理解できる。データを単体で切り売りするのではなく、常にメディア(インベントリ)に紐づけた状態で流通させるという方針は、Unity自身が持つゲーム内インベントリの価値を、ゲーム外のオーディエンスターゲティング需要と結びつけて維持しようとする戦略と考えられる。
日本市場ではどうか
今回のUnity×Index Exchangeの統合は米国中心の発表であり、発表地はニューヨーク、公表されている規模指標も米国の月間アクティブデバイス数がベースになっている。日本市場での提供開始や対象拡大についての公式発表は確認できていない。
Index Exchangeは「Index Exchange Japan株式会社」としてすでに日本に法人展開しており、電通ジャパン・インターナショナルブランズやサイバーエージェントのAJA SSPとの連携実績がある。SSPとしての取引基盤自体は日本にも存在する。しかし、今回組み込まれたUnityのゲームデータが日本のインベントリ・オーディエンスにも適用されるかどうかは、公式情報からは読み取れない。
現時点で日本の広告主が今回の仕組みをそのまま利用することは難しいと考えられる。前提となる米国のUnityファーストパーティデータや、UID2・RampIDというID基盤が日本国内でどの程度普及しているかは本リサーチでは確認できておらず、ゲーム内データをCTV・Web広告に越境活用する仕組み自体が、日本の広告主にとってはまだ実務上の選択肢になっていない。
参考情報として、日本のモバイルゲーム広告市場は2025年に約4,400億円、世界のゲーム内広告市場は2026年に約1.2兆円規模(年平均成長率約11%)に達するとされる。ただしこれらの数値の一次出典は本リサーチでは再確認していない。
なお、ゲーム内広告の種類や仕組みそのものの基礎についてはゲーム内広告とはで整理している。SSP・DSP・アドネットワークが絡むエコシステム全体の解説はモバイルゲーム広告の仕組みを企業向けに解説|種類・費用・出稿手順までにまとめている。
日本で同じ広告を実施する選択肢
Unity×Index Exchangeが実現しているのは「ゲーム内で得たオーディエンスデータを、CTV・Web広告に越境活用する」という高度なデータ連携である。これに対して、日本国内で現状すぐに実行できるのは「ゲーム内の接点そのものに広告を出す」というアプローチだ。両者は目的も仕組みも異なる。
比較ポイント | Unity×Index Exchange(米国) | 日本国内のゲーム内サイネージ広告 |
|---|---|---|
対象チャネル | モバイル・CTV・オープンウェブを横断 | ゲーム内の看板・モニター表示に限定 |
データ活用範囲 | ゲーム内データをゲーム外広告のターゲティングに使用 | ゲーム内接点への広告配信そのもの |
前提となるID基盤 | UID2・RampID等の共通ID | 個別プラットフォームの配信システム |
日本での利用可否 | 現時点で公式な提供表明なし | 国内アドネットワークを通じて既に実施可能 |
想定される効果指標 | CTR・エンゲージメント・CPM効率等(米国発表値) | 広告想起率・注目度・CPM等(国内実績) |
日本国内でゲーム内接点への広告出稿を検討する場合の選択肢の一つが、Ad-Virtuaのようなゲーム内サイネージ広告のアドネットワークである。Ad-Virtuaはゲーム空間内の看板・モニターに動画広告を配信する国内最大級のアドネットワークで、累計再生数8,000万回、対応タイトル400以上、広告想起率約1.8倍・注目度約1.7倍・CPM約300円(通常500円比)という実績を公表している(Ad-Virtua公式)。
Unity×Index Exchangeが提供するようなCTV・Web横断のデータ活用とは仕組みが異なるため、「越境的なオーディエンスターゲティング」を求める企業にはそのまま代替にはならない。一方で、「まずゲーム内という接点で第一想起・ブランドロイヤルティを獲得したい」という目的であれば、国内で実績のある選択肢として検討に値する。ゲーム内音声広告など計測手法の違いを含めた比較はモバイルゲーム内音声広告の戦略ガイド|効果・費用・サイネージとの使い分けと企業向け導入法で詳しく解説している。
広告主が取るべき判断
今回のUnity×Index Exchangeの提携は米国発の動きであり、日本の広告主が今すぐアクションを起こす対象ではない。ただし、企業の状況によって取るべき対応は異なる。
今動くべき企業:
- 米国市場でCTV・Web広告を運用しており、UID2・RampIDのようなID基盤をすでに導入している企業は、Index Exchange経由でUnityのゲーミングオーディエンスへのアクセスを検討する余地がある
- 「デジタル広告予算のうちゲーミングへの配分が過小である」という指摘を自社の予算配分見直しの材料として使いたい企業
様子見でよい企業:
- 日本国内向けの広告予算が中心で、海外のID連携基盤を持たない企業。今回の仕組みは日本向けの提供表明がなく、前提条件が整っていない
- ゲーム内広告への出稿自体が初めてで、まずはゲーム内接点での認知・想起効果を確かめたい段階の企業は、越境データ活用よりも国内のゲーム内サイネージ広告のような選択肢から着手するのが現実的だ
関連する基礎知識への導線
- ゲーム内広告とは — サイネージ広告・インタースティシャル・リワード広告など、ゲーム内広告の種類と基礎を整理した記事
- モバイルゲーム広告の仕組みを企業向けに解説|種類・費用・出稿手順まで — SSP・DSP・アドネットワークが絡むエコシステム全体の解説
- モバイルゲーム内音声広告の戦略ガイド|効果・費用・サイネージとの使い分けと企業向け導入法 — 効果測定・計測手法の違いを含めた比較
FAQ
Q. UID2やRampIDとは何ですか?
A. どちらもCookie規制以降の業界で使われている共通ID規格で、複数のプラットフォーム間で同一ユーザーを識別してターゲティングやフリークエンシー管理を行うために使われる。Unity Audience Hubはこれらの識別子と連携することで、モバイルゲーム内で得たオーディエンスデータをCTVやWeb上でも同一人物として扱えるようにしている。
Q. Index Exchangeは日本の広告主が直接契約できますか?
A. Index Exchange自体は「Index Exchange Japan株式会社」を通じて日本でも事業展開しており、契約自体は可能だ。ただし今回発表されたUnityのゲームデータ統合は米国発の取り組みで、日本国内在庫への適用時期・有無は公式に説明されていない。日本の広告主が検討する場合は、まずIndex Exchange Japanに今回の統合が国内でも利用可能かを直接確認するのが現実的な進め方になる。
Q. ironSource Ads(iAds)の直接需要向け配信終了は、今回の提携とどう関係しますか?
A. 2026年4月30日付でironSource Adsの直接需要向け配信が終了することが公式に発表されており、今回のIndex Exchange提携の発表からわずか8日後というタイミングの近さがある。両者の間に公式な因果関係の説明はないが、直接的な広告主向け配信網を縮小する一方でSSP経由のキュレーテッドディールを拡大するという流れは、Unityが広告インベントリの流通を自社で直接売る方式からパートナーのSSPを介して売る方式へシフトしている兆候として読める。
Q. Unity Runtime Feeの騒動は、今回のような広告データ提携の信頼性に影響しますか?
A. Runtime Feeが対象としたのは開発者向けの課金体系であり、今回のIndex Exchange提携が扱う広告データ活用とは直接の対象が異なる。ただし2023年の混乱で当時のCEOが退任するという経営体制の変化があった。その後Unityは、2025年6月のAudience Hubローンチ、同年10月の専任SVP招聘、そして今回のSSP提携という順序で広告事業への投資を段階的に積み上げており、この時系列自体が広告パートナーとの関係構築を優先してきたことを示している。


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