ミドルファネル(MOFU:Middle of the Funnel)とは、商品やブランドをすでに知っている顧客が、他の候補と比べながら購入を検討している「比較検討段階」のことです。KPIはCV数やCPAではなく、広告想起率・好意度・購買意向といったブランドリフト指標と、指名検索数の変化で測るのが基本です。

この段階で記憶と好感を積み上げないと、認知広告に投資しても購買の場面で競合に選ばれてしまいます。そのためミドルファネルは、「知っている」を「選ばれる」に変える段階として設計する必要があります。

項目

ミドルファネル(MOFU)の要点

意味

認知済みの顧客が「他と比べたい」「もっと知りたい」と考えている比較検討段階

目的

自分事化してもらい、記憶と好感を残して購買の候補に入る

主なKPI

広告想起率・好意度・購買意向(ブランドリフト)、指名検索数、VTNQ

主な施策

ストーリー動画、コンテンツマーケティング、メールナーチャリング、リターゲティング、インフルエンサー・UGC、ウェビナー・体験イベント、ゲーム内広告などの体験型デジタル施策

この記事では、アッパー・ロワーとの違いを比較表で整理したうえで、施策7選・媒体の比較・KPI設計・よくある失敗・予算の考え方までを解説します。食品・飲料・日用品・外食など、生活者との接点が広いブランドのマーケティング担当者向けの内容です。

ミドルファネル(MOFU)の意味とアッパー・ロワーとの違い

マーケティングファネルの中間段階(ミドルファネル)における顧客の比較検討プロセスのイメージ

ミドルファネルは、マーケティングファネル(認知から購買までの顧客の流れを漏斗に見立てたモデル)の中間段階です。消費者が商品を「知っている」状態から「試してみたい」「これを選ぼう」という意思決定に移るまでのプロセス全体を指します(出典:Musubuライブラリ「ミドルファネル(MOFU)とは」)。

ファネル段階

別名

顧客の状態

主な課題

代表的な施策

アッパーファネル(TOFU)

認知・興味段階

ブランドを知らない/知ったばかり

存在を知ってもらう

TVCM、OOH、SNS・動画のリーチ広告

ミドルファネル(MOFU)

比較・検討段階

認知済みで他と比べている

自分事化させ、記憶と好感を残す

ストーリー動画、比較コンテンツ、リターゲティング、ゲーム内広告

ロワーファネル(BOFU)

購買・意思決定段階

購入意欲が高い

背中を押す/障壁を取り除く

検索広告、クーポン、店頭販促

英語ではそれぞれTOFU(Top of the Funnel)、MOFU(Middle of the Funnel)、BOFU(Bottom of the Funnel)と略され、日本語でもアッパーファネルは「トップファネル」、ミドルファネルは「ミッドファネル」、ロワーファネルは「ボトムファネル」と呼ばれることがあります。本記事では「アッパー」「ミドル」「ロワー」に統一します。

博報堂グループは、ミドルファネルを「『知る』と『買う』をつなぐための、広告を含めたすべての体験」と捉え直しています(出典:博報堂マガジン「ミドルファネル起点の統合プランニングWAY」)。つまりミドルファネルは、特定の広告メニューの名前ではなく、認知から購買までの接点をどうつなぐかという設計の話です。広告の種類や媒体の全体像から整理したい場合は「広告とは?意味・種類・効果・媒体選びをわかりやすく解説」から読むと、本記事の位置づけがつかみやすくなります。

入口は「レリバンシー(関連性)」

MarkeZineの整理では、ミドルファネルで最初に必要なのはレリバンシー(relevancy/関連性)です(出典:MarkeZine「ミドルファネルをどう定義するか」)。「このブランドは自分に関係がある」と感じてもらうことが出発点で、生活者が自分事化できる文脈と、それを届ける接点(メディア)を同時に設計します。

認知率は高いのに指名買いや比較の候補入りにつながらないブランドは、多くの場合このレリバンシーの設計が弱い状態です。

なぜミドルファネルは抜け落ちるのか

多くの企業でミドルファネルが機能しない理由は、組織と評価の仕組みにあります。認知から刈り取りまでを一気通貫で捉える考え方は「パフォーマンスマーケティングとは?ブランド認知から刈り取りまで施策設計と媒体選定ガイド」でも解説しています。

1. 予算がアッパーとロワーの二択で割り振られる

認知広告(TVCM・OOHなど)と購買施策(検索広告・クーポン・ポイントなど)は、担当部署も代理店も分かれがちです。その結果、間にある「記憶の定着」「自分事化」「好感度の維持」を担う施策が、誰の管轄にもならなくなります。

2. KPIを設定しにくい

ブランドリフト、広告想起率、指名検索数の変化といったミドルファネルの成果は、売上との因果関係を示しにくい指標です。CV数やCPAなど測りやすいロワーの指標だけで評価する組織では、「効果が見えない」という理由で真っ先に削られます。

3. 単発施策を繰り返す「焼畑式マーケティング」

話題性のある施策を単発で打ち、短期の数字だけを追い続けると、ナレッジも顧客の記憶も蓄積されません。マテリアルデジタル取締役の川端康介氏は、単発施策の寄せ集めから脱却する必要性を指摘しています(出典:note「単発施策の寄せ集め『焼畑式マーケティング』からの脱却」)。

ミドルファネルを動かす施策7選

ミドルファネルを動かす動画広告・コンテンツマーケティングなど主要施策7カテゴリのイメージ

ミドルファネルで使われる施策は、次の7つに整理できます。

1. ストーリー性のある動画

商品の使用シーンや情緒的なメッセージを映像で伝える手法です。文字や静止画よりも「なぜ自分に必要か」を伝えやすく、購買意向を育てる役割に向いています。YouTubeのインストリーム広告やSNSのフィード動画などで実装します。

アンファーの事例では、購買寄りのミドルファネルを動画広告で狙った結果、動画からの検索リフト効果が7倍以上に改善したと報告されています(出典:MarkeZine「購買寄りのミドルファネルを攻め、動画からの検索リフト効果が7倍以上改善」)。

2. コンテンツマーケティング(オウンドメディア)

課題解決記事・事例・比較コンテンツを発信し、検索で情報を探している検討層を自社サイトに呼び込みます。無料体験やサンプル提供もこのカテゴリです。一度作ったコンテンツが検索流入を生み続けるため、中長期で費用対効果が高まりやすい施策です。

3. メールナーチャリング(MAツール活用)

検討の進み具合に合わせて、適切なタイミングで情報を届ける手法です。BtoBの定番ですが、BtoCでもECや会員基盤があれば機能します(出典:List Finder「ナーチャリングとは?顧客育成につながる9つの施策例」)。

4. リターゲティング広告

一度サイトを訪れた人に再度広告を届け、「思い出してもらう」手法です。ディスプレイ・SNS・動画広告で実装でき、配信対象が絞られるぶん無駄打ちを抑えられます。一方で、接触頻度が高すぎると「追いかけられている」という不快感につながる点に注意が必要です。

5. インフルエンサー・UGC活用

信頼できる第三者の発信によって、ブランドへの共感と安心感を高める手法です。前出の川端氏の記事では、インフルエンサーへのギフティングとUGCの広告活用を組み合わせたブランドで、指名検索が210%増加した例が紹介されています(出典:note「単発施策の寄せ集め『焼畑式マーケティング』からの脱却」。企業名は非公開)。

6. ウェビナー・体験型イベント

専門的な情報提供や実体験を通じて、「このブランドは信頼できる」という認識をつくる手法です。BtoBではウェビナー、BtoCでは試飲・試食会やポップアップストアが代表例です。

7. 体験型デジタル施策(ゲーム内広告・インタラクティブ動画・AR)

ゲーム内広告、インタラクティブ動画、ARなど、「見せられる」のではなく生活の時間の中で自然に出会う接点をつくる手法です。コンテンツ体験を邪魔しにくいため、繰り返し接触しても好感を損ないにくい点が特徴です。

ミドルファネルで使える媒体の比較表

ミドルファネルで活用できる各媒体・チャネルの比較とデジタル戦略の全体像

ミドルファネルでよく使われる媒体・チャネルを、役割・KPI・向いている商材・費用感で比較します。予算配分や媒体選定のたたき台として使ってください。

媒体・チャネル

ミドルファネルでの役割

主なKPI

相性のよい業種・商材

費用感

注意点

YouTube・動画広告

ストーリーで想起・購買意向を高める

視聴完了率、ブランドリフト、指名検索

食品・飲料、日用品、外食

中〜高

スキップされる前提の冒頭設計が必要

Instagram・SNS広告

自分事化、エンゲージメント獲得

エンゲージメント率、保存数、UGC数

若年層向け消費財、コスメ、外食

中

フィードに埋もれやすい

TikTok広告

若年層へのストーリー訴求

視聴完了率、ブランド連想

Z世代向けブランド、新商品

中

トレンドに合わせた素材の作り直しが必要

ディスプレイ広告(リターゲティング)

検討層への再接触

CTR、再訪率

幅広い業種

低〜中

頻度過多で不快感を与えやすい

ゲーム内広告(サイネージ型)

嫌われにくい繰り返し接触で記憶と好感を積み上げる

広告想起率、好感度、CPM

食品・飲料、日用品、外食、動画素材を持つ企業

低〜中

クリック獲得には向かない

メール・MAナーチャリング

検討プロセスへの継続的な寄り添い

開封率、クリック率、CV率

BtoB、会員基盤のあるBtoC

低

リスト(配信先)がないと始められない

オウンドメディア

検索する検討層の受け皿

流入数、滞在時間、CV率

幅広い業種

中(制作費)

成果が出るまで時間がかかる

ウェビナー・イベント

専門性や体験による信頼醸成

参加率、アンケート回答

BtoB、体験価値のある消費財

中〜高

1回あたりのリーチが限られる

媒体ごとの特徴をさらに詳しく比較したい場合は、「第一想起を獲得する方法|施策比較・測定KPI・失敗パターンを実務向けに解説」も参考になります。

ミドルファネル(MOFU)のKPI設計と測り方

ミドルファネルのKPI設計に使うマーケティング分析ダッシュボードのイメージ

ミドルファネルは売上への貢献が直接見えにくいため、「意識の変化」と「行動の変化」の両面から、次の5種類の指標を組み合わせて評価します。

指標の種類

具体的な指標

測定方法

見ている変化

ブランドリフト

広告想起率、好意度、購買意向

接触者・非接触者へのアンケート調査(Google Brand Liftなど)

意識

エンゲージメント

視聴完了率、CTR、保存数、UGC数

各媒体のレポート

行動(媒体内)

指名検索

指名キーワードの検索数、VTNQ

Search Console、Googleトレンド、媒体計測

行動(検索)

便益の認識

「この商品は○○に役立つ」と答える割合

ブランド定量調査

意識

間接効果

広告接触後の自然検索流入・店頭売上の変化

アトリビューション分析、MMM

行動(購買)

ブランドリフト調査の具体的な手法や費用は「ブランドリフト測定とは?評価指標・手法・費用を実務で使える形で解説」で詳しく解説しています。

指名検索とVTNQ(ビュースルーナビゲーションクエリ)

VTNQ(View Through Navigation Query)は、動画広告などを見たユーザーが、その後に指名検索を経てサイトを訪れた件数を測る指標です(出典:LINEヤフー for Business)。指名検索数だけでは「検索したがサイトには来ていない」ケースを見落としますが、VTNQは来訪まで追えるため、ミドルファネル施策が次の行動につながったかを確認しやすくなります。

予算配分は「ブランド構築:短期施策=6:4」を出発点に

広告効果研究で知られるレス・ビネ氏とピーター・フィールド氏(英国IPA)の分析をもとに、長期的なブランド構築に約60%、短期的な販売促進に約40%を配分する考え方が広く参照されています。

  • 約60%:長期的なブランド構築(アッパー〜ミドルファネル)
  • 約40%:短期的な購買促進(ロワーファネル)

ただし最適な比率は、カテゴリ・ブランドの成長段階・販売チャネルによって変わります。まずは現状の配分を6:4と比べ、ミドルファネルが極端に薄くなっていないかを確認する使い方がおすすめです。

カレンダーデータで測る「未来行動リフト」

新しい測り方の例として、カレンダーシェアアプリ「TimeTree」の広告事業と電通の取り組みがあります。広告に接触したユーザーが、その後に商品・サービスに関する予定をカレンダーに登録したかを計測するもので、これまで捉えにくかった「購買前の意向」を行動データで可視化する試みです(出典:AdverTimes「カレンダーアプリでミドルファネルを捉える! TimeTreeと電通の未来志向マーケティング」2025年12月1日)。

「自分事化」を進める4ステップとブランド体験の設計

顧客の自分事化プロセスを議論するマーケティングチームのイメージ

ミドルファネルを施策の一覧としてではなく、顧客の気持ちの変化として捉えると、どこに何を置くべきかが明確になります(参考:博報堂マガジン「認知と購買をつなぐ『ミドルファネル』の設計力」)。

ステップ

顧客の状態

狙い

相性のよい施策

1. レリバンシー

「自分に関係がある」と感じる

生活シーン・価値観と商品の接点を見つける

SNS、インフルエンサー、オウンドメディア

2. 好感度の維持

繰り返し見ても嫌にならない

「知っていて、嫌いではない」状態を保つ

ゲーム内広告、ネイティブ広告

3. 便益の認識

「○○のときに使える」と覚えている

使用シーンと便益を記憶に結びつける

ストーリー動画、体験イベント

4. 比較優位

候補の中で最初に思い浮かぶ

購買の場面で第一想起をとる

リターゲティング、比較コンテンツ、店頭施策

顧客接点の設計全体については「ブランド体験とは?施策の種類・設計ステップ・成功事例を解説」も参考にしてください。

業界別に見るミドルファネル施策の選び方

食品・飲料など生活接点の広い業界の店頭商品棚のイメージ

最適な施策の組み合わせは、業種によって異なります。

食品・飲料メーカー

店頭で数秒のうちに選ばれるカテゴリのため、「売り場で思い出されるか」が勝負になります。若年層に自分事化してもらうシーン訴求の動画と、ゲームプレイ中など日常の時間で繰り返し記憶に残す接点を組み合わせ、ブランドリフト調査で効果を確認するのが基本形です。若年層向けの施策の選択肢は「食品・飲料の若年層リーチを増やす施策7選|TVCMの限界とデジタル補完戦略」で詳しく解説しています。

日用品・消費財メーカー

認知率はすでに高く、「他ブランドとの違い」を覚えてもらうことが課題になりやすいカテゴリです。UGCで使用感を伝える施策と、比較検討期のリターゲティングの組み合わせが効果的です。

外食チェーン

「今日どこで食べるか」の場面で思い出してもらう、シーン想起が重要です。食欲を刺激する動画と、地図アプリ・検索広告を組み合わせるのが定石で、エリアを絞った配信も有効です。

交通・インフラ・ホテル

購入頻度が低く、検討期間が長い業種です。検討期間中に記憶が薄れないよう、リターゲティングやメールで定期的に接触する設計が求められます。

通信・IT・BtoB製品

ウェビナー、導入事例、ホワイトペーパー、メールナーチャリングが基本です。意思決定者が複数いるため、それぞれの立場に合わせた情報を用意します。

食品・飲料メーカーが稟議で使える数値の揃え方

ミドルファネル施策の予算を社内で通すには、「なぜこの媒体か」を数値で説明する必要があります。食品・飲料メーカーが稟議資料で求められやすい数値と、その揃え方を整理します。

稟議で問われること

用意する数値

取得方法

参考値の例

費用に対してどれだけ届くか

CPM(1,000回表示あたりの費用)

媒体資料、見積もり

ゲーム内サイネージ広告:30万円/週・約100万回再生の場合、CPM約300円(Ad-Virtua公式プランより算出)

記憶に残ったか

広告想起率のリフト

ブランドリフト調査

ゲーム内サイネージ広告の広告想起率は約1.8倍、注目度は約1.7倍(Ad-Virtua調べ)

ブランドへの印象を損なわないか

広告への好感度

接触者アンケート

約85%が好意的に受容(Ad-Virtua調べ)

売上につながるか

指名検索数・店頭売上の変化

Search Console、POSデータ、MMM

自社の過去施策と同条件で比較

投資対効果はどうか

ROI

(施策による粗利増加額−施策費用)÷施策費用

短期売上だけでなく、想起率の変化とセットで評価

媒体社が公表する数値は、調査条件がそろっていない場合があります。社内の稟議では、自社商品で小規模なテスト配信とブランドリフト調査を行い、自社データで判断する流れにすると説得力が高まります。食品・飲料向けの調査設計は「食品・飲料のブランドリフト調査|設問設計・実施手順・インクリメンタリティ測定の進め方」、ゲーム内広告の媒体別の単価は「ゲーム内広告の費用相場と単価一覧」で詳しく解説しています。

ミドルファネルでよくある失敗5パターン

ミドルファネル施策の課題を議論するビジネスミーティングのイメージ

失敗1:アッパーとロワーだけを設計している

認知広告と購買施策を別々に設計し、その間の「記憶の定着」「自分事化」を誰も担っていないケースです。「広告は出しているのに指名検索が増えない」状態の多くがこれに当てはまります。

対策:媒体を決める前に、「認知した顧客にどう気持ちが変わってほしいか」を先に言語化する。

失敗2:測りやすい指標だけでKPIを決めている

ブランドリフトや指名検索を測る仕組みがないと、ミドルファネル施策は「効果なし」と判断されます。しかも、止めてもすぐには売上が落ちないため、予算削減の対象になりがちです。

対策:施策開始前にKPIを定義し、ブランドリフト調査などの計測方法を先に決めておく。

失敗3:TVCMをそのまま他の媒体に流用している

TVCMの素材をSNSやゲーム内にそのまま配信するケースです。媒体ごとに視聴環境(縦型か横型か、音声の有無、スキップの可否など)が違うため、合わない素材は効果が大きく下がります。

対策:素材を活用する場合も、尺・画角・音声なしでの伝わり方を媒体ごとに調整する。

失敗4:単発の話題施策を繰り返している

コラボやイベントを単発で繰り返すだけで、学びも顧客の記憶も積み上がらないパターンです。

対策:施策の時間軸を設計し、効果が遅れて出る分も含めて測る。単発施策でも次に活かす振り返りの仕組みをつくる。

失敗5:事業のゴールから逆算していない

個々の指標を伸ばすことが目的化し、売上やブランド価値といった事業のゴールとのつながりが見えなくなるケースです。

対策:事業ゴールからKPIを逆算し、ミドルファネルが全体の中で何を担うのかを明確にする。

ミドルファネル施策がおすすめな企業・おすすめしない企業

こんな企業におすすめ

  • 認知率は高いのに指名買いや比較の候補入りが少ないブランド:「知っているけど選ばれない」は典型的なミドルファネルの課題です
  • TVCMなどの動画素材を持っているのに、放映後に活用できていない企業:素材を調整して展開すれば、制作費を抑えて接触を増やせます
  • 新規認知よりも、既存の認知層を温め直したい企業:購買意向を育てる施策の効果が出やすい状況です
  • 若年層との接点がSNS広告だけになっている企業:SNS以外の日常接点で補完する余地があります
  • 媒体ごとに成果を管理していて、全体の流れが見えていない企業:ファネル全体で設計し直すことで無駄が減ります

こんな企業にはおすすめしない

  • 認知率がまだ非常に低い企業:知られていない段階でミドルファネルに投資しても成果が出にくく、まずはアッパーファネルが優先です
  • 購買の受け皿(EC・店頭・問い合わせ導線)が整っていない企業:比較検討まで進んでも、最後で取りこぼしてしまいます
  • 意思決定者がごく少数に限られるBtoB企業:広告よりも直接営業や展示会のほうが費用対効果が高いことが多いです

ゲーム内広告がミドルファネルで機能するケース

スマートフォンでゲームをプレイするユーザーのイメージ

ここまで媒体横断でミドルファネル施策を整理しました。ここからは、選択肢の一つであるゲーム内広告がミドルファネルでどう機能するかを解説します。ゲーム内広告の仕組みや種類の基本は「ゲーム内広告 導入完全ガイド|事業者向け実務手順・運用設計・効果検証」で解説しています。

嫌われにくい繰り返し接触で記憶に残す

Web広告やSNS広告は、同じ広告に何度も接触すると不快感を生みやすいという課題があります。ゲーム内のサイネージ型広告は、ゲーム空間の看板や街頭モニターとして表示されるため、プレイを中断させずに繰り返し目にしてもらえます。

Ad-Virtuaの調査では、ゲーム内サイネージ広告の好感度は約85%、広告想起率は約1.8倍、注目度は約1.7倍とされています(Ad-Virtua調べ)。好感を損なわずに記憶を積み上げるという、ミドルファネルの「好感度の維持」「便益の認識」の段階と相性のよい特性です。

若年層の日常の時間に接点をつくる

Ad-Virtuaの公式サイトによると、Z世代の約80%がゲームをプレイし、ゲームに使う時間は1日約100分です。テレビ視聴が減った若年層に対して、日常の時間の中でブランドに触れてもらえる接点になります。ゲームユーザーの約64%が男性という傾向もあるため、ターゲットに応じてSNS広告など他の媒体と組み合わせるのが現実的です。

動画素材を活用して始めやすい

ミドルファネル施策の悩みの一つが、媒体ごとの素材制作コストです。ゲーム内サイネージ広告は動画素材を活用しやすく、Ad-Virtuaでは1週間30万円(約100万回再生)から出稿できます。まず小さく配信し、ブランドリフト調査で効果を確かめてから拡大する進め方をとりやすい媒体です。

Ad-Virtuaが合う企業の条件

  • 認知率はあるが、比較検討の段階で埋もれている課題を持つブランド
  • 若年層へのリーチがTVCMやSNS広告だけでは足りていない企業
  • TVCMなどの動画素材を保有し、追加の制作費を抑えたい企業
  • 食品・飲料・日用品・外食など、好感を保ちながら繰り返し接触したい商材
  • 小規模なテスト配信とブランドリフト調査で、自社データをもとに判断したい企業

食品・飲料ブランドでの具体的な進め方は「食品・飲料ブランドのゲーム内広告 実務ガイド|TVCM素材転用・ブランドリフト測定・KPI三層設計」で解説しています。

よくある質問

Q. ミドルファネル施策は、どのくらいの期間で効果を判断すべきですか?

1週間程度の短期配信でも、広告想起率などの意識の変化はブランドリフト調査で確認できます。一方、指名検索や店頭売上への影響は遅れて出ることが多いため、配信終了後の数週間も含めて見るのが一般的です。「意識指標は配信直後、行動指標は数週間後」と、指標ごとに判断のタイミングを分けておくと、早すぎる打ち切りを防げます。

Q. BtoB企業でもミドルファネルの考え方は使えますか?

使えます。BtoBでは検討期間が長く、複数の担当者が関わるため、むしろミドルファネルの設計が成果を左右します。ただし使う施策はBtoCと異なり、ウェビナー・導入事例・メールナーチャリングが中心になります。広告で「覚えてもらう」よりも、「比較の資料に載せてもらう」ための情報提供が重要です。

Q. 少ない予算でもミドルファネル施策はできますか?

できます。既存顧客へのメール配信や、比較・活用シーンを伝えるオウンドメディアの記事は、少額から始められます。広告を使う場合は、配信期間とターゲットを絞ったテスト配信から始め、効果を確認してから予算を増やすと無駄を抑えられます。

Q. 広告代理店にミドルファネル施策を相談するときは、何を伝えればよいですか?

「認知率」「指名検索数」「購入率」など、現在どの段階で顧客が離脱しているかがわかるデータを伝えると、提案の精度が上がります。あわせて、社内で成果として認められる指標(ブランドリフトを評価に使えるか、売上のみか)を事前に共有しておくと、施策後に評価の食い違いが起きにくくなります。

Q. ミドルファネルのKPIにCV数やCPAを使ってはいけませんか?

使ってかまいませんが、主な評価指標にはしないほうが安全です。ミドルファネル施策の効果は購入までに時間差があり、広告経由のCVとしては計測されにくいためです。CV数やCPAは補助指標として残し、ブランドリフトと指名検索の変化を主な指標に置くと、「CVが少ない」という理由だけで効果のある施策を止める判断を避けられます。

Q. ゲーム内広告はアッパーファネルとミドルファネルのどちらで使うべきですか?

どちらでも使えますが、強みが出やすいのはミドルファネルです。クリックを目的とする媒体ではないため、刈り取りには向きません。TVCMやSNS広告で認知を獲得した後、若年層に好感を保ったまま繰り返し接触して記憶を補強する役割で使うと、他の施策との役割分担が明確になります。

まとめ

ミドルファネル(MOFU)とは、認知済みの顧客が比較検討している段階であり、「知っている」を「選ばれる」に変えるための接点設計です。

  • ミドルファネルは、特定の広告メニューではなく「知る」と「買う」をつなぐ体験全体として設計する
  • 施策は、動画・コンテンツ・メール・リターゲティング・インフルエンサー・イベント・体験型デジタルの7つから、業種と課題に合わせて選ぶ
  • KPIは、ブランドリフト(意識)と指名検索・売上(行動)を組み合わせ、事業ゴールから逆算して決める
  • 稟議ではCPM・想起率・好感度などの参考値に加え、自社でのテスト配信とブランドリフト調査のデータで判断する
  • ゲーム内広告は、嫌われにくい繰り返し接触によって若年層の記憶と好感を積み上げる役割に向いている

広告の種類や媒体の全体像から見直したい場合は「広告とは?意味・種類・効果・媒体選びをわかりやすく解説」もあわせてご覧ください。

ゲーム内広告を使ったミドルファネル施策のテスト配信やブランドリフト調査の設計については、Ad-Virtuaへのお問い合わせからお気軽にご相談ください。