UGCマーケティングとは、企業ではなく一般ユーザーが自発的に作成・投稿したコンテンツ(口コミ・SNS投稿・レビュー・動画等)をブランド認知拡大・購買促進・顧客エンゲージメント向上に活用するマーケティング施策の総称です。企業制作の広告よりも消費者からの信頼度が高く、低コストで継続的な認知拡大が期待できる点が最大の特徴です。
この記事では以下がわかります:
- UGCとは何か、なぜ企業広告よりも信頼されるのか
- 消費行動モデルの変化(AISAS→ULSSAS)とUGCの位置づけ
- 「良いブランド体験がUGCを自然に生む」という設計思想とその根拠
- 主な施策7種類の特徴・費用感の比較
- 食品・飲料・EC・ゲーム空間での成功事例
- UGCに向いている企業・向きにくい企業の判断基準
- ステルスマーケティング規制(2023年10月〜)の実務チェックポイント
食品・飲料・日用品・外食・EC等のBtoC企業でUGC施策の導入・強化を検討しているマーケティング担当者・ブランドマネージャー向けの記事です。
UGCとは何か—企業広告との本質的な違い

UGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)とは、企業や公式チームではなく、一般ユーザーが自発的に作成・公開したコンテンツの総称です。インスタグラムへの商品体験投稿、ECサイトの購入レビュー、YouTubeに投稿された実況動画など、「生活者の声」として機能するコンテンツ全般が該当します。
企業が制作・発信する広告コンテンツ(OGC:Owned Generated Content)や、報酬を支払って制作を依頼するインフルエンサーコンテンツ(IGC)とは根本的に異なり、「利害関係のない第三者が自ら体験して発信している」という点が信頼性の源泉です。
UGCに含まれるコンテンツの種類
コンテンツ種別 | 具体例 | 主な拡散先 |
|---|---|---|
SNS投稿 | 商品写真・食レポ・使用レビュー | Instagram / X / TikTok |
動画コンテンツ | 開封動画・使ってみた・ゲーム実況 | YouTube / TikTok / Twitch |
テキスト口コミ | 購入レビュー・ブログ・note | EC / 食べログ / Google |
スクリーンショット | ゲームプレイ中の撮影・バーチャル空間での体験 | X / Discord / Instagram |
Q&A・星評価 | 評価・質問回答 | Amazon / 楽天 / Google |
UGC・IGC・CGMの違いを整理する
IGC(Influencer Generated Content) は、企業がインフルエンサーに報酬・サンプルを提供して制作させるコンテンツです。フォロワーへのリーチは大きい一方、「広告感」が出やすく、2023年10月以降はステルスマーケティング規制の対象となる場合があります。
CGM(Consumer Generated Media) は、口コミサイト・掲示板・評価プラットフォームなど、消費者が主体となって運営・投稿するメディアそのものを指す概念です。UGCが「コンテンツ単位」の概念であるのに対し、CGMは「プラットフォーム・メディア単位」の概念です。
UGCの最大の強みは「利害関係のなさ」と「実体験に基づくリアルさ」にあります。Yotpoの調査では、約77%の消費者がプロが撮影した商品写真よりユーザー自身が撮影した写真を好むと回答しています(出典:Yotpo「UGCとは?マーケティングで重要な理由と活用事例」)。
UGCマーケティングが今重要になった背景
広告不信時代における消費者の変化
スマートフォンの普及により、現代の消費者は1日に数千本の広告に触れています。その結果、企業からの一方的なメッセージへの不信感・疲弊感が高まり、「同じ生活者の声」に重きを置く傾向が強まっています。
Yotpoの調査によると、購入前にUGCを閲覧するユーザーは約2人に1人に達しており、UGCの有無でCVR(購買転換率)が2.7倍異なるというデータも報告されています(UGCあり5.6% vs なし2.1%)(出典:Yotpo「UGCとは?マーケティングで重要な理由と活用事例」)。
消費行動モデルの変化:AISASからULSSASへ
従来のデジタルマーケティングで使われてきた「AISAS」モデル(Attention→Interest→Search→Action→Share)は、SNSの発達により変容しています。現在主流化しつつあるのが、UGCが消費行動の「入口」になるULSSASモデルです。
UGC → いいね(Like) → 検索(Search) → 購買(Purchase) → 拡散(Share) → 口コミ(Advocate)このモデルでは、友人の投稿や実況動画が購買の最初のきっかけになり、消費者が自ら検索行動に移ります。企業が「認知させる」のではなく、ユーザーが自然に「見つけてくれる」流れを設計することが、現代マーケティングの核心になりつつあります(出典:ホットリンク「UGCが今後のマーケティングに絶対欠かせない理由」)。
UGC市場の成長性
UGCプラットフォーム市場は急拡大しており、GIIの調査では2025年に約120億ドル(約1.8兆円)→ 2034年に約1,058億ドル(約16兆円)に達する見通しです(年平均成長率27.32%)。スマートフォン普及とSNS利用の深化、そしてゲームや仮想空間というUGCの新しい発生源が成長を後押ししています(出典:GII調査レポート「User Generated Content Platform Market」2024年版)。
UGCとブランド体験が連動する仕組み
ここが、多くのUGC解説記事が見落としているポイントです。UGCは「キャンペーン施策として増やすもの」ではなく、「優れたブランド体験の結果として自然に生まれるもの」という設計思想が、成功の分水嶺になります。
体験の質がUGCの量と質を決める
Teslaは、国内外の競合ブランドが大規模な広告出稿を続ける中で、長年にわたってほぼゼロの広告予算で圧倒的なブランド認知を獲得してきました。オーナーが自ら熱狂的なレビュー・試乗動画・開封動画をSNSや動画プラットフォームに投稿し続けてきたからです。
これは「UGCを促すキャンペーンをやった」結果ではありません。「語りたくなる体験」を製品・サービス・購入体験そのものに設計した結果として、UGCが自然に生まれています(出典:Commune「UGCマーケティングとは何か?」)。
ブランド体験設計の観点からUGCを捉えると、施策の優先順位が変わります:
- ❌ 「キャンペーンでUGCを増やす」(コスト・管理工数が高く、キャンペーン終了後に止まりやすい)
- ✅ 「体験の質を上げてUGCを自然に生む設計をする」(持続可能・ブランドへの信頼感が高い)
もちろん両者を組み合わせるのが現実的なアプローチですが、「体験起点」の発想があるかどうかで施策全体の設計思想が変わります。
ブランド体験設計の詳細については、「ブランド体験とは?顧客の感情を動かす設計の考え方」も参照してください。
ゲーム空間・バーチャル空間という新しいUGCの発生源
UGCの発生源は、SNSやECサイトのレビューだけではありません。ゲーム空間・バーチャル空間が、UGCの重要な新領域として台頭しています。
Roblox(ロブロックス):月間アクティブユーザー1.5億人以上を擁するプラットフォームで、ユーザーがゲームコンテンツ自体を制作するUGCゲームの代表例。Nike・GUCCIなど大手ブランドが仮想空間でのブランド体験(バーチャルストア・イベント)を展開し、その体験がSNSに拡散するUGCエコシステムが形成されています(出典:メタバース情報局 by transcosmos「Robloxとは?」)。
フォートナイト(Epic Games):全世界5億人のプレイヤーを持ち、UEFN(Unreal Editor for Fortnite)リリース後は本格的なUGCゲームプラットフォームに進化。プレイヤーが制作したブランドコラボ空間が、ゲーム実況・TikTok・Xを通じて広範囲に拡散します(出典:note「バトロワだけじゃない!フォートナイトが"世界最大のUGCプラットフォーム"になるまで」)。
ゲーム空間内にサイネージ広告として配信されるブランドの動画広告は、ゲーム実況配信者(ストリーマー)が配信中に「自然に映す」ことでブランド認知が拡散します。プレイ体験を阻害しない形で空間に溶け込む広告は好感度の高いブランド体験を生み、「そのゲームにこのブランドが出てた」というSNS投稿のきっかけにもなります。
体験型マーケティングとUGCの関係については、「体験型マーケティングとは?施策の種類・事例・効果測定の方法」も参照してください。
UGCマーケティングの主な施策7選と特徴比較

UGCを創出・活用する施策は複数あり、ゴール・予算・社内リソースによって最適な組み合わせは異なります。以下の比較表を判断材料としてください。
施策 | 主な目的 | コスト感(月額目安) | 効果が出るまでの期間 | 難易度 |
|---|---|---|---|---|
ハッシュタグキャンペーン | UGC量の増加・認知拡大 | 5〜30万円(ツール・運用費) | 1〜3か月 | 低〜中 |
フォト/動画コンテスト | 高品質UGCの収集 | 30〜100万円(賞品・運用含む) | 1〜2か月 | 中 |
アンバサダープログラム | 継続的UGC生産者の育成 | 30〜100万円(育成・管理含む) | 3〜6か月 | 高 |
ギフティング | 体験機会の提供・口コミ喚起 | 10〜50万円(製品コスト中心) | 1〜2か月 | 低 |
ECサイト・LPへのUGC掲載 | CVR向上・信頼感付与 | 5〜20万円(ツール連携費) | 即時〜1か月 | 低 |
公式SNSリポスト | 既存UGCの活用・二次拡散 | ほぼゼロ(許諾作業のみ) | 即時 | 低 |
コミュニティ形成 | ブランドファンの醸成・長期UGC | 20〜80万円(運営費) | 6か月〜1年 | 高 |
※費用は自社運用の目安。施策の規模・外注の有無により大きく異なります。
施策ごとの特性と選び方
ハッシュタグキャンペーンは参加ハードルが低く、短期間で投稿数を増やしやすいのが強みです。ただし、クオリティのコントロールが難しく、単発で終わりがちな点に注意が必要です。キャンペーン期間外でも継続的に使われる「汎用ハッシュタグ」(例:「#シャトレーゼ」)の育成が、長期的なUGC蓄積につながります。
アンバサダープログラムは、ブランドへの深い共感を持つユーザーを継続的なUGC生産者として育てる施策です。単なる投稿数増加ではなく、「ブランドストーリーを自分の言葉で語るファン」を育てることが目的であり、長期視点の投資として位置づけるべきです。
ECサイト・LPへのUGC掲載は即効性と費用対効果の高さが魅力です。購入ページに実際のユーザーレビュー・写真を掲載するだけで、CVR向上が期待できます。Yotpoの調査ではUGC有無でCVR 2.7倍の差が報告されており、既存のUGCを活用する最も費用効率の高い施策のひとつです(出典:Yotpo「UGCとは?マーケティングで重要な理由と活用事例」)。
業界別・成功事例

食品・飲料業界
シャトレーゼ(菓子メーカー):X(Twitter)を活用したアカウント運用と参加型コンテンツの実施により、UGC投稿数が1年間で約8倍に増加。店舗売上増加にも貢献したとされています(出典:s--line.co.jp「UGCマーケティング成功事例10選」2026年版)。
永谷園:「#永谷園」ハッシュタグを軸に、ユーザーが多様なレシピ活用法を共有するUGCエコシステムを構築。料理という「体験」を起点に自然なUGCが継続的に生まれる設計です(出典:トライバルメディアハウス「UGC活用の成功事例12選」)。
くら寿司:ファンコミュニティプラットフォーム「くらトーク」を運営し、顧客間のコンテンツ交流を促進。外食チェーンにおけるコミュニティ型UGC活用の先行事例です(出典:トライバルメディアハウス「UGC活用の成功事例12選」)。
EC・通販業界
スノーピーク(アウトドア用品):ブランドへの強いアイデンティティを持つユーザーが自発的にキャンプレポートを投稿し続けるエコシステムを形成。売上の約2割がUGC経由と報告されています(出典:Yotpo「UGCとは?マーケティングで重要な理由と活用事例」)。
オルビス(化粧品):LPへの口コミ掲載によりCVRが1.21倍向上(出典:さくらインターネット ImageFlux「UGCとは?」)。既存レビューの活用という低コスト施策で成果を出した事例です。
ラヴィジュール(アパレル):Instagram活用で4か月でCVR 150%改善(出典:Yotpo「UGCとは?マーケティングで重要な理由と活用事例」)。ビジュアル訴求力の高いアパレル×Instagramという組み合わせの典型例です。
ライフスタイル・インテリア業界
Francfranc:UGC紹介専用のSNSアカウントを運営し、ユーザーがFrancfrancを使ったインテリアコーディネートを投稿するサイクルを形成。1億1,500万件超のUGC獲得という規模を実現しています(出典:Commune「UGCマーケティングとは何か?」)。
ゲーム・バーチャル空間での事例
タリーズコーヒー × トムとジェリーAR:ARを活用したキャンペーンで5万人以上がAR体験を実施、13万PVを記録。AR体験自体がSNS投稿・UGCとして拡散した事例です(出典:n2p「UGCに関連するキャンペーン・プロモーション事例まとめ」)。
ゲーム実況エコシステム:TikTok・YouTube Gaming・Twitchなどのゲーム配信プラットフォームでは、ストリーマーがゲームプレイ中に映り込んだブランド露出を自然に紹介するケースが増えています。これはブランドが「UGCを生む場」としてゲーム空間を活用する最前線の形です。
こんな企業はUGCに向いている・向きにくい
UGCマーケティングに向いている企業の条件
1. BtoC商材で体験・ビジュアルを伴う場合
食品・飲料・アパレル・コスメ・インテリア・旅行・アウトドアなど、「使ってみた」「行ってきた」「食べた」という体験をビジュアルで伝えやすい商材は、UGCが自然に生まれやすいです。
2. 若年層・アクティブSNSユーザーがターゲットの場合
10〜30代のSNS利用率が高い層がメイン顧客の場合、UGCの発生頻度・拡散力が大きくなります。Z世代(現在20代前半)は「コンテンツを消費する」だけでなく「発信する」ことへの心理的ハードルが低い世代です。
3. 既存ブランドファンが存在する場合
ある程度の顧客基盤があり、ブランドへの愛着・こだわりを持つユーザーがいる企業は、UGCの「種」が既に存在しています。まず既存顧客のUGCを発見・活用するところから始めると、費用対効果が出やすいです。
4. 継続購入・リピート率向上が課題の場合
UGCは単発の購買促進だけでなく、コミュニティ形成による長期的なロイヤルティ向上に効果的です。「何度もリピートするファン」を育てるフェーズにある企業に適しています。
5. 制作コスト削減が課題の場合
月額50万〜200万円かかる自社コンテンツ制作の代替・補完として、ユーザーのリアルな投稿を活用できます。初期コストを抑えながら、多様な視点のコンテンツを蓄積できます。
UGCマーケティングに向きにくい企業の条件
1. 高単価BtoBで実名発信が難しい場合
法人向けシステム・コンサルティング・医療機器など、顧客が実名での体験発信をしにくいBtoB商材は、SNS型のUGCが自然に発生しにくいです。顧客事例インタビュー・業界コミュニティでの推薦など、BtoB版UGCへのアプローチが適します。
2. 立ち上げ初期で顧客基盤がない場合
ブランド認知がゼロに近い段階では、UGCの「種」となる顧客が少なく、短期間での成果は見込みにくいです。まず一定の顧客基盤とブランド認知を作ることが先決です。
3. ネガティブUGCのリスクが高い場合
品質問題・クレーム・炎上のリスクが高い状況にある場合は、UGCを促進する前にブランド品質と対応体制を整えることが先です。UGCはポジティブな体験を拡散する一方、ネガティブな体験も同様に拡散します。
UGC活用で絶対守るべき法的ルール
UGCの活用は効果が高い一方、法的リスクを理解していないと景品表示法違反・著作権侵害につながります。実務担当者として把握すべきポイントを整理します。
ステルスマーケティング規制(2023年10月1日施行)
2023年10月1日から、景品表示法の改正によりステルスマーケティング(ステマ)が正式に違反行為と規定されました(出典:消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります」)。
✅ 実務でやるべきこと
- インフルエンサーや一般ユーザーに報酬・製品提供をして投稿させる場合は、「#PR」「#広告」「#プロモーション」等を必ず明示させる
- UGCを自社LP・ECページ・広告クリエイティブに転用する場合は、投稿者本人の許諾を取得し、その記録を残す
- ギフティング(サンプル提供)を行う場合も、「提供を受けた旨」の明示を投稿者に依頼する
❌ やってはいけないこと
- 「#PR」をハッシュタグの大量列挙の中に埋もれさせる(規制対象となりうる)
- 社内スタッフや関係者が一般ユーザーを装って投稿させる
- 広告である旨を知りながら投稿者に明示させずに拡散する
著作権・肖像権の処理
ユーザーが作成したUGCの著作権は投稿者本人に帰属します。無許諾での転載・広告活用は著作権侵害になります。ハッシュタグキャンペーン規約等で利用許諾を得る方法が一般的ですが、利用目的・期間・媒体を規約内に明示することが必要です。また、投稿内容に第三者が写り込んでいる場合は、肖像権の問題も発生します。
薬機法への配慮
化粧品・食品・サプリメントを扱う企業は、UGCの転用時に薬機法上の表現規制に注意が必要です。ユーザーの投稿に「効果・効能を過度に示す表現」が含まれる場合があり、そのまま広告素材として使うと法的リスクが生じます。転用前に法務確認を行うことを推奨します。
UGCマーケティングでよくある失敗と対策
ハッシュタグキャンペーンをやったが投稿が集まらなかった
主な原因:参加のハードルが高い、インセンティブが魅力的でない、ブランドとハッシュタグの一致感がない。
対策:まず「なぜ投稿してくれると嬉しいのか」を再定義する。フォロワーの少ない一般ユーザーでも参加できる「日常の小さな体験」を投稿テーマにする。大賞狙いよりも「参加してよかった」と感じる体験設計(抽選・掲載・コメント等)を重視する。
UGCを集めたが活用できていない
主な原因:収集と活用の設計が分離している。「UGCを増やすこと」が目的化し、使う場所が決まっていない。
対策:UGCの活用先(ECページ・LP・公式SNS・広告素材)を先に設計してから、必要なコンテンツの種類・量・品質の要件を決める。収集と活用を一気通貫で設計することが重要です。
口コミが増えたが購買に結びついていない
主な原因:UGCの露出が認知段階(SNS)で止まっており、購買検討段階(ECページ・LP)に届いていない。
対策:UGCをECページの商品レビュー欄・LP内に掲載することで、購買直前の背中押しとして機能させる。「SNSでのUGC創出」と「購買ページでのUGC活用」は役割が異なる別施策として設計することが大切です。
ネガティブ投稿が拡散してしまった
主な原因:UGCを促進したことでネガティブな体験投稿も増えた。モニタリング体制が整っていない。
対策:UGCを促進する前に、商品・サービス・対応品質の底上げをする。ネガティブUGCは「顧客の声」として真摯に対応し、対応内容自体をポジティブな発信につなげる。モニタリングツールを導入し、早期発見・対応体制を整えておく。
まとめ:UGCとブランド体験設計を組み合わせた次の一手
UGCマーケティングは、単なる「口コミキャンペーン」ではなく、ブランド体験の設計に取り組む企業が自然に生み出す、持続可能な認知拡大の仕組みです。
Teslaのように「体験から自然発生させる」アプローチ、スノーピークのようにブランドアイデンティティとファンの共感が重なるエコシステム、Francfrancのように「見せたくなる体験」を日常に溶け込ませる設計——これらの共通点は、「施策」の前に「どんな体験を提供するか」の設計があることです。
ゲーム空間という新しい顧客接点が、UGCの発生源として台頭しているのも見逃せないポイントです。ゲーム実況・バーチャル空間でのブランド体験は、Z世代を中心とした生活者の「語りたくなる体験」として、SNSを通じた自然な拡散につながります。
ゲーム空間でのブランド体験×UGCに適した企業の条件
以下の条件に当てはまる企業は、ゲーム内広告を「ブランド体験設計」の一環として活用することで、UGCの自然発生につながる接点を作れる可能性があります:
- 若年層・Z世代・ゲームユーザーへのリーチが課題になっている
- TVCM・SNS広告の補完施策として新しい接点を探している
- 「嫌われない広告接触」でブランド好感度を高めたい
- ゲーム実況・バーチャル空間でのブランド露出を試したい
現時点で公式サイトに開示されているデータでは(2026年4月確認)、ゲーム内サイネージ広告の広告視認率96%(業界平均67%比)、広告想起率58%(補助あり、ベンチマーク33%比)という指標が報告されています。プレイ体験を阻害しない接触形態であるため、好感度の高いブランド体験を生みやすく、その体験がUGCとして拡散するサイクルを作りやすい媒体です(出典:Ad-Virtua公式サイト https://ad-virtua.com、2026年4月確認)。
ゲーム内広告の仕組み・費用・効果の詳細については、「ゲーム内広告とは?種類・費用・効果・活用事例を完全ガイド」をご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. UGCとインフルエンサーマーケティングはどう違うのですか?
A. インフルエンサーマーケティングは、企業が報酬・サンプル提供を行って特定のクリエイターに発信してもらう施策(IGC)です。UGCは報酬関係なく一般ユーザーが自発的に発信するコンテンツです。両者は補完関係にあり、インフルエンサーが初期認知を作り、一般ユーザーのUGCがそれに続く形で信頼性・量的な拡大を担うのが典型的な組み合わせです。なお、インフルエンサーへの報酬提供がある場合は2023年10月以降のステマ規制の対象となるため、「#PR」等の明示が必須です。
Q. BtoB企業にはUGCマーケティングは使えませんか?
A. 一般消費者のSNS投稿という形のUGCは発生しにくいですが、「顧客事例インタビュー(顧客自身の言葉)」「業界コミュニティでの推薦・口コミ」「G2やGoogleビジネスプロフィールへのレビュー」はBtoB版のUGCとして機能します。形は異なりますが、「第三者の声を活用する」という本質は同じです。
Q. 小規模ブランドでもUGCマーケティングは始められますか?
A. 始められます。むしろ小規模なコアファンが多い段階のほうが、UGCの熱量が高くなることもあります。まず公式SNSアカウントで既存顧客のUGCをリポストする(コスト:ほぼゼロ)ところから始め、ファンが「紹介すると反応してもらえる」という体験を作ることが第一歩として有効です。
Q. UGCを増やすためにどのくらいの予算が必要ですか?
A. 最小構成(ハッシュタグ運用+既存UGCのリポスト)であれば月数万円〜10万円程度のツール費用でスタートできます。アンバサダープログラムや本格的なコンテスト施策では月50〜100万円規模の投資が必要です。まずECページへのUGC掲載(即効性・低コスト)と公式SNSでのリポスト(無料)から始めることをお勧めします。
Q. ステマ規制に違反した場合、どうなりますか?
A. 消費者庁による措置命令(公開)および課徴金の対象となります。2023年10月の規制施行後、違反案件の調査が進んでいます。企業・広告主・インフルエンサー双方が対象になり得るため、UGC活用の社内ルール整備と委託先への明示依頼の文書化が実務上の必須対応です(出典:消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります」)。


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