通信・キャリア企業が若年層のブランド好感度と顧客ロイヤルティを高めるには、テレビCMや料金施策だけでは限界があり、ゲーミングやeスポーツを軸にした体験型ブランド接点の設計が実効性の高い選択肢になっています。

この記事では、通信・キャリア業界のマーケティング担当者向けに、以下の内容を整理します。

  • 業界固有の3つのブランド課題とその背景
  • 若年層リーチに使える施策の種類と費用感の比較
  • eスポーツ協賛とゲーム内広告の違い・使い分け
  • 認知→関与→ロイヤルティのファネル別施策設計
  • 各施策のKPIと測定の考え方
  • ゲーム内広告が通信企業にフィットする条件

料金プランで横並びになりやすい市場で、どの施策が「ブランドで選んでもらう」基盤をつくるかを判断するための参考にしてください。

通信・キャリア業界が直面する3つのブランド課題

若年層へのリーチが頭打ちになる通信・キャリア企業のブランド課題

通信・キャリア企業のマーケティング担当者が共通して抱える課題は、大きく3つに整理できます。

課題1:若年層への広告リーチが頭打ちになっている

テレビ視聴時間が短い10代・20代には、従来のテレビCMが十分に届かなくなっています。「10代・20代は最もアプローチしにくい世代」という認識は、NTTドコモのマーケティング担当者も言及しており(日経クロストレンド)、業界共通の課題として認識されています。

スマートフォンへの移行以降、若年層の時間は動画配信・SNS・ゲームなどの分散したメディアに移っており、テレビCMのようにブランドを一斉に届ける手段が機能しにくくなりました。デジタル広告で補完しようとしても、SNS広告はスクロールでスキップされやすく、リーチできても記憶に残りにくいという実態があります。

課題2:料金競争が激化し、ブランドへの情緒的ロイヤルティが形成されにくい

携帯電話はブランドスイッチが起きやすい商品の代表格です。総務省の端末販売規制以降、各社の料金・端末構成が近づき、差別化の軸が価格・ポイント施策に集中しています。

J.D. Power「2024年携帯電話サービス顧客満足度調査」によると、通信品質(29%)と各種費用(27%)が総合満足度に最も強く影響しており、ブランドの感情的な魅力よりも機能的評価が先行しています。料金に不満がなければ継続するが、ブランドに積極的な愛着があって継続しているわけではない——これが通信キャリアが直面する顧客構造です。

課題3:「お得感」から「体験・感情」への転換が求められている

EY Japan(2024年)の調査では、ロイヤルティプログラムにおける「パーソナライズ」「体験価値」の重要性が高まり、ポイント・値引きだけのプログラムは顧客の期待を超えにくくなっていると指摘されています。

Z世代は商品やサービスの「消費」より「体験・経験」に価値を見出す傾向があります(電通マクロミルインサイトほか複数調査)。ブランドの「姿勢・信念」への共感がロイヤルティに直結するこの世代を早期に取り込むには、機能訴求や価格訴求ではなく、ブランドが媒介する「体験の記憶」を設計することが重要です。

若年層ブランド体験施策の選択肢を俯瞰する

通信キャリア向け若年層ブランド体験施策の比較選択肢

通信・キャリア企業が若年層向けのブランド体験施策として選べる手段は複数あります。各施策の特性を理解した上で、自社の課題・予算・KPIに合った組み合わせを選ぶことが重要です。

通信キャリア向け:若年層ブランド体験施策の比較表

施策カテゴリ

主なアプローチ

費用感の目安

対象ファネル

Z世代へのリーチ効率

ブランドリフト効果

テレビCM

地上波・BS・CS広告

数千万〜数億円/本

認知

△ 低下傾向

◯ 即効性あり

SNS広告

Instagram/X/TikTok広告

数十万〜数百万円

認知・興味

◯ 高い

△ 記憶残存率が低い

eスポーツ協賛

チームスポンサー・大会協賛

数百万〜数億円(要問い合わせ)

認知・共感

◎ 高エンゲージメント

◯ 高い

ゲーム内広告(サイネージ型)

ゲーム空間内の看板・モニターに動画広告を表示

CPM約400円・最低10万円〜

認知・好感度形成

◎ Z世代中心

◎ 広告想起率1.8倍(Web広告比)

体験型イベント

ゲーム大会・ポップアップ

数百万〜数千万円

関与・ファン化

◯ 来場者限定

◎ 高い・長期記憶

アプリゲーム連携

ポイントプログラムのゲーミフィケーション

開発費数百万〜

関与・継続

インフルエンサー施策

ゲーム・eスポーツ系YouTuber等

数十万〜数百万円

認知・共感

△ 再現性にばらつき

※費用感は一般的な相場・公開情報を基にした参考値。ゲーム内広告(Ad-Virtua)の数値は公式サイト(2026年4月確認)。eスポーツスポンサー費用は規模・契約内容により大きく異なるため要問い合わせ。

この比較表が示すように、施策によって「リーチできる若年層の規模」「ブランドへの感情的インパクト」「費用の入り口の低さ」が大きく異なります。特にeスポーツ協賛とゲーム内広告は混同されやすいですが、ターゲット・形式・費用・期待効果が全く異なる施策です。それぞれの特性を次のセクションで整理します。

eスポーツ協賛とゲーム内広告——2つの施策の違いと使い分け

eスポーツ協賛とゲーム内広告を活用したブランドロイヤルティ設計

国内通信キャリア各社がゲーミング領域への接点として活用してきた主要な2施策について、特性の違いを解説します。

eスポーツ協賛の特性

KDDIはプロeスポーツチーム「DetonatioN Gaming」のスポンサーを2017年から継続しており、日本eスポーツ連合のオフィシャルスポンサー、日本代表ユニフォームへのロゴ掲載なども行っています。NTTドコモはeスポーツリーグ「X-MOMENT」を主催し、ドコモショップでのゲーム大会開催を通じてユーザー以外の来店を促進、dポイントの普及にも活用しています。

eスポーツ協賛の特徴は、既存のeスポーツファンコミュニティへのブランド露出・共感形成にあります。観戦者・プレイヤーが関心を持つコンテンツに自然にブランドが存在することで、押しつけがましさなく認知・好感度を高められます。

一方で、費用が高額(規模・内容によって数百万〜数億円規模と幅広く、公開情報での確認が困難)、リーチできるのがeスポーツ関心層に限定される、KPIの測定が難しい、という側面もあります。大手キャリアが行うような規模の協賛は、一定の予算規模が前提となります。

ゲーム内広告(サイネージ型)の特性

ゲーム内広告(サイネージ型)は、ゲームの世界観を壊さない形でゲーム空間内の看板・モニターに動画広告を表示する手法です。eスポーツ観戦者だけでなく、日常的にスマートフォンゲームをプレイしている幅広いZ世代ゲーマーにリーチできます。

ゲームに没入している状態での自然な広告接触であるため、強制視聴型の広告と異なり好感度を維持しやすい点が特徴です。Ad-Virtuaのゲーム内サイネージ広告では、接触者の好感度が約85%(公式サイト、2026年4月確認)と報告されています。

eスポーツ協賛 vs ゲーム内広告:使い分けの基準

比較項目

eスポーツ協賛

ゲーム内広告(サイネージ型)

リーチ対象

eスポーツ関心層(観戦ファン含む)

スマホゲームプレイヤー全般(Z世代中心)

費用の入り口

高い(要問い合わせ水準)

低い(最低10万円〜、CPM約400円)

主な効果

ブランド共感・コミュニティ存在感

広告認知・ブランドリフト

測定のしやすさ

難しい(露出評価が中心)

計測しやすい(CPM・ブランドリフト調査)

向いている目的

中長期のブランドポジション確立

認知・好感度の補完・TVCMの代替

向いていない目的

短期の即効性・費用対効果の測定

eスポーツコミュニティへの深いコミット

ファネル別のブランド体験設計——認知・関与・ロイヤルティの3段階

通信キャリアがブランド体験施策を設計する際に有効なのが、顧客ファネルの段階に合わせた施策の使い分けです。単一施策に依存するのではなく、段階を意識した組み合わせが長期的なロイヤルティ形成につながります。

認知獲得フェーズ:「知ってもらう」段階

このフェーズでは、まだブランドへの関与が薄い若年層にリーチし、好意的な印象を持ってもらうことが目標です。

有効な施策:

  • ゲーム内広告(サイネージ型):ゲームプレイ中の自然な広告接触で好感度を維持しながらブランドを認知させる。Z世代のゲームアプリ利用率は約80%が毎日プレイ、平均プレイ時間1日約100分(Ad-Virtua公式記事)とされており、リーチ機会が多い
  • eスポーツ協賛・大会協賛:大会配信での露出を通じてeスポーツコミュニティへのブランド存在感を高める
  • ゲーム系インフルエンサー施策:ゲームプレイ動画・配信での自然な文脈でのブランド紹介

このフェーズでのKPI: リーチ数・インプレッション数、広告認知率、ブランドリコール率、CPM

興味・関与深化フェーズ:「好きになってもらう」段階

認知を得た後、ブランドへの感情的な関与を深めるフェーズです。通信キャリアの場合、乗り換え検討タイミングより前にブランドへのポジティブな記憶を植え付けることが目的になります。

有効な施策:

  • 体験型イベント(ゲーム大会・ポップアップ):ドコモショップのゲーム大会のように、実際の体験がブランドと紐づく記憶を作る
  • コラボ型キャンペーン(ゲームとのコラボ):限定アイテム・特典でゲームプレイヤーとブランドの接点を作る
  • SNS参加型キャンペーン:Z世代が好む「参加・共感・シェア」の動線を作る

このフェーズでのKPI: イベント参加者数・満足度、SNSエンゲージメント率(コメント・シェア)、ブランド好感度スコア変化

ロイヤルティ維持フェーズ:「ファンになってもらう」段階

既存顧客の離反防止と積極的推奨(NPS向上)に向けたフェーズです。ソフトバンクの宮川社長が「ファンのユーザーにお金をかけるべき」と述べているように、顧客の質を高める投資として捉える視点も重要です。

有効な施策:

  • ポイントプログラムのゲーミフィケーション:ミッション達成・ランキングなどのゲーム的要素でポイントへの関与を高める
  • 継続特典のブランド体験化:「お得」から「体験」への転換(例:コンテンツサービス優待、eスポーツ観戦優待)
  • コミュニティ設計:ゲームやeスポーツを軸にしたブランドコミュニティの形成

このフェーズでのKPI: 継続率・解約率、NPS(推奨意向)、ロイヤルティプログラム参加率・利用頻度

各施策の評価指標と測定の考え方

ブランド体験施策は「即効性が見えにくい」という理由で予算承認が難しくなりがちです。ここでは各施策で測定しやすいKPIと測定方法を整理します。

ゲーム内広告で測れる指標

ゲーム内広告(サイネージ型)は、デジタル広告ならではの計測性とブランドリフト調査を組み合わせることで、認知・好感度への効果を定量化できます。

Ad-Virtua公式サイト(2026年4月確認)が示す主要KPIは以下のとおりです。

指標

数値

測定方法

広告想起率

約1.8倍(未補助想起48%/補助想起58%)

ブランドリフト調査(Web広告比)

視認率

最大96%

アドビューアビリティ計測

注目度

約1.7倍

業界平均比(視線追跡調査)

好感度

約85%

ゲーム内サイネージ接触後アンケート

CPM(1,000インプレッションあたりコスト)

約400円

実績値(公式サイト記載)

出典:ad-virtua.com 公式サイト(2026年4月確認)

CPM約400円というのは、同様の若年層リーチを狙うプレイアブル広告(CPM 2,000〜8,000円)や、テレビCMと比較して費用対インプレッション効率が高い水準です。

eスポーツ協賛で測れる指標

eスポーツ協賛は、広告としての直接計測よりもブランド調査での評価が中心になります。

  • 露出量: 大会配信の視聴者数、ユニフォーム・バナーの露出時間・露出面積
  • SNS言及量: 大会タグ・チームタグへのロゴ/ブランド名の出現数
  • ブランド認知調査: 協賛前後でのブランド認知率・好感度の変化(調査費別途必要)
  • コミュニティ評価: eスポーツコミュニティ内でのブランド好意度

ただし、eスポーツ協賛は単発の認知数値より「継続的なコミュニティ内ブランドポジション」の形成が主目的であるため、KPIは中長期視点で設計することが現実的です。

体験型イベントで測れる指標

  • イベント参加者数・来場者のブランド好感度アンケート
  • SNSシェア数・UGC(ユーザー生成コンテンツ)発生量
  • イベント後の購買行動変化(乗り換え率等)

体験型イベントは、参加者1人あたりのブランド接触コストは高くなりやすい一方で、体験した人の記憶残存率が高いという特性があります。規模より深度を取る施策として位置づけることが重要です。

通信・キャリア企業のゲーミング領域活用事例

ここでは、公開情報をもとに通信各社のゲーミング・eスポーツ領域への施策事例を整理します。

NTTドコモの事例

ドコモは「X-MOMENT」ブランドでeスポーツリーグ主催・支援事業を展開し、「10代・20代は最もアプローチしにくい世代」(日経クロストレンド)への接点として活用してきました。ドコモショップでのゲーム大会開催は、ユーザー以外の来店促進・dポイント普及という実務的な目的とも接続した施策です。

また、2021年にはスローガンを「あなたと世界を変えていく。」に刷新し、押し付けがましくないZ世代向けブランドコミュニケーションの設計に取り組んでいます。

出典:日経クロストレンド「ドコモのリブランディング」「ドコモ・auのeスポーツ参入」

KDDI auの事例

KDDIは2017年からプロeスポーツチーム「DetonatioN Gaming」をスポンサーし、eスポーツ領域で最も長期・継続的に活動している通信キャリアのひとつです。日本eスポーツ連合のオフィシャルスポンサーや日本代表ユニフォームへのロゴ掲載で、コアなeスポーツファン層へのブランド浸透を図っています。

KDDIは全体として「既存顧客の囲い込み」重視の戦略を取っており(Business Insider Japan、2025年11月)、eスポーツ協賛も長期ファン化投資として位置づけられています。

出典:Business Insider Japan「ドコモと楽天は『顧客獲得の沼』へ。KDDIとソフトバンクは『囲い込み』シフト」(2025年11月)

ソフトバンクの事例

ソフトバンクはグループ会社BBIX経由で「Fukuoka SoftBank Hawks Gaming」スポンサー(2021年〜)に参加。宮川社長が「ファンのユーザーにお金をかけるべき」と発言したように、既存顧客のファン化を中心に据えた戦略のもとでゲーミング領域との接点を設けています。

他業種での参考事例:ネスレ日本(食品)

通信業ではありませんが、ゲーム内広告(サイネージ型)の活用事例として参考になるのがネスレ日本です。レースゲームの背景に「ネスカフェ」の看板を表示することで、テレビCMをあまり観ない若年層へのリーチを補完するアプローチを取りました(Ad-Virtua関連記事)。通信キャリアでも同様の手法——テレビCMが届きにくい若年男性層へのブランド接触——として活用可能です。

施策選択の判断基準:この施策はどんな企業に向いているか

ゲーム内広告(サイネージ型)が向いている通信・キャリア企業

  • テレビCM・SNS広告だけでは若年男性(特に10〜30代)へのリーチが不足していると感じている
  • 既存のクリエイティブ(動画素材)を活用できる予算規模で新しい接点を試したい
  • ブランドリフト(認知・想起・好感度)を数値で把握したい
  • まず少額から効果を検証し、スケールを判断したい(最低出稿額10万円〜)
  • ゲームの世界観を壊さない形でブランドを届けたいという意向がある
  • ゲーム内広告と他のデジタル施策の組み合わせ効果を検証したい

ゲーム内広告が向いていない通信・キャリア企業

  • 短期的な乗り換え獲得(コンバージョン)を主目的にしている
  • ゲーム以外のコンテンツで若年層に届きたいという方向性がある
  • ブランドリフト測定よりも即効性のある指標(申込数・来店数)のみで評価したい
  • ターゲットが女性・シニア層中心で、ゲームプレイヤー層との一致が低い

eスポーツ協賛が向いている通信・キャリア企業

  • eスポーツコミュニティへの継続的なブランド存在感を構築したい
  • 若年層(特にコアゲーマー・eスポーツファン)への深いコミットを中長期で設計できる
  • ブランドの「革新性・先進性」イメージの向上を狙っている
  • 一定の協賛予算と期間(複数年)を確保できる
  • 協賛を通じた「採用ブランディング」(若い技術者・デジタル人材への訴求)も副次目的にある

eスポーツ協賛が向いていない通信・キャリア企業

  • 予算規模が限られており、費用対効果を定量的に測りたい
  • eスポーツ観戦コミュニティに特化せず、より広いゲームプレイヤー層にリーチしたい
  • 短中期での施策効果を重視している

通信・キャリア企業のブランド体験施策でよくある疑問

Q1. テレビCMとゲーム内広告を組み合わせる場合、どう使い分ければよいですか?

テレビCMは幅広い年齢層への一斉認知形成に強みがあります。一方、ゲーム内広告はテレビCMが届きにくい若年男性(Z世代・10〜30代)へのブランド接触補完として機能します。「テレビCMで全体のリーチを確保しつつ、テレビを観ない若年層をゲーム内広告でカバーする」という補完設計が実効性の高いアプローチです。ゲーム内広告の場合、テレビCMと同じ動画素材を流用できることも導入ハードルを下げる要因です。

Q2. ゲーム内広告は即効性(乗り換え獲得)に使えますか?

現時点では、ゲーム内広告(サイネージ型)は認知・好感度形成に強みがあり、直接的な申込・乗り換えの即効性は期待しにくい施策です。スポーツスタジアムの看板や電車内広告に近い役割と捉えると分かりやすく、「ブランドを知ってもらう・好きになってもらう」段階の施策として設計することが適切です。短期的なCV獲得が目的なら、リワード広告や検索連動型広告の方が向いています。

Q3. ゲーム内広告のターゲティングはどの程度できますか?

Ad-Virtuaのゲーム内広告では、年齢・性別・地域・ゲームジャンル指定が可能です(公式サイト確認値)。たとえば「20代男性・アクション系ゲームプレイヤー・首都圏」といったターゲティングが設定でき、より若年層や特定地域に絞ったリーチ補完が可能です。

Q4. 通信業界は景品表示法などの規制があると聞きましたが、施策設計に制約はありますか?

通信業界は電気通信事業法による端末販売・料金規制が存在しています。特典・キャンペーン施策は景品表示法の制約も受けるため、詳細な施策設計は弁護士や専門家への確認を推奨します。ゲーム内広告・eスポーツ協賛等のブランド認知施策は一般的にこれらの規制とは直接関係しませんが、施策全体の設計段階で法務確認を行うことが重要です。

Q5. KDDIやドコモがすでにeスポーツ協賛をしているなら、ゲーム内広告で競合と差別化できますか?

大手キャリア各社のeスポーツ協賛は、コアなeスポーツファンコミュニティへのアプローチが中心です。ゲーム内広告(サイネージ型)は、eスポーツ観戦者に限らず幅広いカジュアルゲーマーへのリーチが可能で、接触者数・コスト効率の面で異なる戦略的位置づけを持ちます。「eスポーツ協賛で深度を持たせつつ、ゲーム内広告で量的リーチを補完する」という組み合わせも検討できます。

Ad-Virtuaのゲーム内広告が通信・キャリア企業にフィットする条件

ここまで施策全体を俯瞰してきた上で、Ad-Virtuaのゲーム内広告(サイネージ型)が通信・キャリア企業のブランド体験施策として特に機能しやすい条件を整理します。

Ad-Virtua公式サイトでも「リテール・通信・金融(認知維持目的)」はゲーム内広告が向いている業種として明示されています(2026年4月確認)。サイネージ型の特性——没入感を阻害しない自然な広告接触——は、「直接購買よりブランド親しみ形成を優先したい」通信業に適合します。

次の条件に当てはまる通信・キャリア企業は、ゲーム内広告の活用が検討に値します。

  1. テレビCMが届きにくい若年男性層(Z世代・10〜30代)へのリーチを補完したい
  2. 既存のCM動画素材を活用して新しい接点を試したい(撮り下ろし不要でスタートできる)
  3. ブランドリフト(広告認知・想起・好感度)を指標に施策効果を評価できる
  4. まず少額(最低10万円〜)で効果を検証してからスケールを判断したい
  5. 料金・機能訴求ではなく、ブランド体験の観点から若年層の感情的ロイヤルティを育てたい

ゲーム内広告は「認知・好感度」の補完施策であり、テレビCMやeスポーツ協賛と対立する施策ではありません。大規模なeスポーツ協賛の予算がなくても、若年ゲーマー層へのブランド接触を継続的に積み上げられる手段として機能します。

→ 通信・キャリア業界向けのゲーム内広告活用について詳しくは、Ad-Virtuaのサービス概要またはゲーム内広告の費用・効果の詳細をご覧ください。

また、ゲーム内広告全体の仕組み・種類・費用相場については以下の記事もあわせてご参照ください。

まとめ:通信・キャリア企業のブランド体験施策を設計するポイント

通信・キャリア企業が料金競争を超えてブランドで選ばれるためには、Z世代・若年層への体験型ブランド接点の設計が欠かせません。

この記事で整理した主要ポイントを振り返ります。

  • 業界課題は3つ:若年層へのリーチ困難、ブランドスイッチへの対処、ポイント中心からの脱却
  • 施策の選択肢は多様:eスポーツ協賛・ゲーム内広告・体験イベント・アプリゲーミフィケーションなど、目的・予算・KPIで使い分ける
  • eスポーツ協賛とゲーム内広告は別物:協賛はコアファンへの深度重視、ゲーム内広告はZ世代広範リーチ・費用効率重視
  • ファネル別設計が重要:認知(ゲーム内広告・eスポーツ協賛)→ 関与(体験イベント・コラボ)→ ロイヤルティ(ゲーミフィケーション・コミュニティ)の3段階で考える
  • 測定可能性を確保する:ブランドリフト調査・CPMなど施策に合ったKPIを事前に設計する

若年層の体験・感情への投資は、乗り換えが容易な市場で中長期の競争優位を生む基盤になります。まず小さく試せる施策から始め、データをもとにスケールを判断するアプローチが現実的です。