ゲーム内広告は「認知・好感度の向上」に強い媒体であり、TVCM・SNS広告・OOHと組み合わせることで効果が最大化する。代替か補完かは、目的・ターゲット・予算の3軸で判断するのが実務上の基本だ。
この記事では、広告媒体の選定に悩むマーケティング担当者に向けて、以下の内容を解説する。
- 主要6媒体(TVCM・SNS・YouTube・OOH・CTV・ゲーム内広告)の特性比較表
- 「代替」が合うケース・「補完」が合うケースの具体的な判断基準
- 目的別(認知拡大・好感度向上・CV獲得)の媒体選択ガイド
- 予算規模(月30万円未満 / 30〜100万円 / 100万円以上)別の現実的な組み合わせ提案
- ゲーム内広告が活きる企業・合わない企業の条件
- 媒体選定でよくある失敗パターン
TVCMやSNS広告の予算配分を見直したい方、若年層リーチに課題を感じている方、複数媒体の組み合わせで迷っている方に特に役立つ内容だ。
「代替」か「補完」か—まず判断すべき前提

媒体を選ぶ前に、「ゲーム内広告を既存媒体の代わりに使うのか、追加するのか」という方向性を定めておく必要がある。この判断を曖昧にしたまま予算を動かすと、KPI設計がずれて効果測定が難しくなる。
代替が合うケース
「代替」とは、現行の媒体予算を削減・停止し、ゲーム内広告に振り替えることだ。以下の条件が重なる場合に検討に値する。
- 若年層(10〜30代)が主なターゲットで、テレビ視聴率の低下を感じている
- TVCMの素材が既にあり、新規クリエイティブ制作費を抑えたい(ゲーム内広告はTVCM素材の流用が可能)
- 強制視聴型の広告(インタースティシャル等)に対するユーザーの反発が課題になっている
- 広告ブロッカー対策として、スキップ不可の接触面を確保したい
一般的に、TVCM予算のうち若年層向けの一部をゲーム内広告に振り替えるケースが多い。全面代替より、ターゲット年代別の予算最適化として部分的に切り替える形が現実的だ。
補完が合うケース
「補完」とは、既存の媒体運用を継続しながらゲーム内広告を追加する形だ。以下のような場合に有効な選択肢になる。
- TVCMやSNS広告を運用しているが、若年層の認知・想起が伸びない
- SNS広告への不快感が課題で、好感度の高い接触面を加えたい(Z世代のSNS広告不快感は78.9%、2025年調査)
- 「第一想起」を特定の生活シーン(ゲームプレイ中)で獲得したい
- 既存施策はCV獲得に注力しており、認知・ブランドリフト層への補強が不足している
クロスメディア運用が主流となった現在(2025〜2026年)、「どちらか一方を選ぶ」より「目的・タイミングに応じて組み合わせる」視点が実務では重要だ。
主要6媒体の特性比較(先出し)
まず主要6媒体の特性を一覧で把握しておこう。
媒体 | 主な強み | 課題 | 費用目安(CPM) | 若年層リーチ | 好感度・不快感 |
|---|---|---|---|---|---|
テレビCM | 40代以上への高リーチ・信頼性 | 若年層のテレビ離れ・費用高・ターゲティング精度低 | 数百〜数千円(GRP換算) | △ | ○ 信頼性高 |
SNS広告(Instagram/TikTok/X) | 精密ターゲティング・拡散性 | Z世代の78.9%が不快感を感じる(2025年調査) | TikTok: 800〜1,000円程度 | ◎ | △ 不快感大 |
YouTube広告 | TVCM素材流用可・データ確認容易 | スキップ率が高い・好感度向けには不向きな場合あり | 200〜600円(バンパー) | ○ | △ スキップ多 |
OOH・DOOH(屋外・サイネージ) | 信頼性高・不快感が低い(Z世代29.9%) | リアルタイム計測困難・全国展開はコスト高 | 月50万円〜(ローカル) | ○ 都市部 | ○ 不快感低 |
コネクテッドTV(CTV) | テレビ信頼性+デジタル精度・幅広い層 | 普及率59.6%・チャンネルは限定的 | 参考:市場規模1,695億円(2025年国内) | ○ | ○ |
ゲーム内広告(サイネージ型) | 非強制視聴・広告ブロック回避・好感度約85% | 認知・ブランドリフト向け。CV直接最大化には不向き | 約400円(Ad-Virtua公式、2026年4月確認) | ◎ 10〜30代 | ◎ 最高水準 |
※費用はおおよその参考値。各社の料金体系・在庫状況により変動する。CPMは比較の目安として使用。
全体的な傾向として:
- 認知拡大・到達率を重視するなら: TVCM・OOH・CTV
- 若年層リーチ・好感度を重視するなら: ゲーム内広告・OOH
- CV・刈り取りを重視するなら: SNS広告・リスティング
- データ精度・最適化を重視するなら: SNS広告・YouTube・CTV
目的別の媒体選択ガイド

若年層(10〜30代)への認知拡大を狙う場合
Z世代の約80%が毎日ゲームアプリをプレイしており、平均プレイ時間は約100分/日とされる(2025年時点)。テレビを見ない若年層に確実に接触するには、ゲームやデジタル動画の活用が不可欠だ。
推奨構成:
- メイン: ゲーム内広告(非強制で認知を積み上げる)
- 補完: YouTube広告(動画接触の強化)
- 強化: SNSコンテンツ型(UGC・コンテンツ訴求)
ゲーム内広告はゲームプレイの妨げにならないサイネージ型のため、「広告への不快感」が生じにくい点が特徴だ。広告想起率は業界平均の約1.8倍(180%)という実績値も出ている(Ad-Virtua公式、2026年4月確認)。
ブランド好感度・第一想起を獲得したい場合
好感度向上を目的とする場合は、強制視聴を避けた接触設計がポイントになる。強制的に見せる広告は短期的な認知には寄与するが、嫌悪感とセットになるリスクがある。
推奨構成:
- メイン: ゲーム内広告(非強制・好感度約85%)
- 補完: OOH(不快感最低水準・信頼性)
- 補完: CTV(信頼性のある映像接触)
OOHのZ世代不快感は29.9%と全媒体中最低水準(2025年調査)であり、ゲーム内広告と組み合わせることで「嫌われない認知設計」を実現しやすい。
CVを直接最大化したい場合
購買・申し込み・アプリインストールなどの直接CVを最大化する局面では、ゲーム内広告は主力媒体ではない。リスティング・SNS広告(リターゲティング)との使い分けが前提になる。
推奨構成:
- メイン: リスティング広告・SNS広告(リターゲティング)
- ファネル上部: ゲーム内広告(認知獲得)で母集団を形成 → リターゲティングで回収
ゲーム内広告の位置づけは「認知を広げて後工程のCVを下支えする」役割だ。CVを直接測るKPIで評価すると過小評価になる点に注意が必要だ。
予算規模別の現実的な組み合わせ

月30万円未満
限られた予算では「媒体の選択と集中」が原則だ。複数媒体に薄く分散すると、どの媒体でも印象に残るレベルの接触頻度を確保できなくなる。
推奨:
- 若年層向け: ゲーム内広告に集中(Ad-Virtuaの最低プラン: 100,000円〜、1週間300,000円プランあり)
- 刈り取り優先: リスティング・SNS広告に集中
月30万円以下の場合、ゲーム内広告の1週間トライアル(素材流用で即日配信可能)から始めて効果を確認するアプローチが実務的だ。
月30〜100万円
認知 × 刈り取りの組み合わせが現実的に設計できる予算帯だ。
推奨構成例:
- ゲーム内広告(月30〜50万円): 若年層への認知・好感度積み上げ
- SNS広告/リスティング(月10〜30万円): リターゲティング・CV獲得
- YouTube広告(月10〜20万円): 動画接触の補強
役割分担を明確にすることが重要だ。同じ媒体で認知とCVの両方を追うと、どちらも中途半端になりやすい。
月100万円以上
複数媒体を目的別に組み合わせるクロスメディア戦略が有効になる。
推奨構成例:
- TVCM(40代以上向け)+ ゲーム内広告(若年層向け): 年代別到達を設計
- OOH(リアル接触・信頼性)+ ゲーム内広告(デジタル接触): メディアタッチポイントの多様化
- CTV(幅広い年齢層)+ ゲーム内広告(若年層特化): スクリーン別の補完
TVCM素材をゲーム内広告にそのまま流用できる点は、制作コスト削減の大きなメリットだ。新規クリエイティブを作らずに若年層向け配信を追加できる。
ゲーム内広告が活きる企業・合わない企業
こんな企業・商材に向いている
以下の条件が多く当てはまるほど、ゲーム内広告(特にサイネージ型)との相性が良い。
ターゲット層:
- 主なターゲットが10〜30代(Z世代・ミレニアル世代)
- ファミリー層(子育て世代・親子)にもリーチしたい
- テレビをほとんど見ない若年層に接触できていない
マーケティング目標:
- 認知拡大・ブランド想起・好感度向上が主目的
- 「第一想起」を日常生活の接点で積み上げたい
- 「広告らしくない自然な接触」でブランドイメージを守りたい
素材・予算:
- 既存のTVCM素材がある(新規クリエイティブ費用なしで開始できる)
- 月10万円〜から小さくテストして効果検証したい
業種・商材:
- 食品・飲料・日用品・外食・小売(生活接点が広い消費財ブランド)
- 交通・ホテル・レジャー(認知→来店/予約ファネルの入口強化)
- アプリ・エンタメ・ゲーム関連(ゲーム利用者との親和性が高い)
こんな企業・商材には合わない
以下の場合はゲーム内広告が主力になりにくい。他の媒体を中心に設計したほうがよい。
- 即時CVを最大化したい場合: リスティング・リターゲティングSNS広告が適切。ゲーム内広告はCV直接効果が弱い
- 40〜60代がメインターゲットの場合: TVCM・OOH・CTVの方が到達効率が高い
- 高単価B2Bサービス: ゲームユーザー属性との乖離が大きく、費用対効果が出にくい
- 製品リリース直前の短期集中施策: ゲーム内広告はブランドリフトに時間がかかる。短期の売上直結施策には不向き
媒体選定でよくある失敗パターン

① 認知施策なしで刈り取り広告に集中する
「成果が見えやすいからリスティングだけで戦う」という判断は、認知の母集団がないと機能しない。リスティング流入の前提には「ブランド名 or カテゴリを知っている」ユーザーの存在が必要だ。認知施策(ゲーム内広告・TVCMなど)を並走させないと、リスティングの効率が下がる。
② 媒体ごとの役割を決めずにKPIを設定する
「ゲーム内広告のCVRが低い」という評価は、認知施策にCV最大化を求めている場合に起きやすい。媒体ごとに「認知・ブランドリフト測定」か「CV・ROAS測定」かを事前に分けておくことが重要だ。
③ 若年層向けをSNS広告だけに頼る
SNS広告は精密ターゲティングが可能だが、Z世代の78.9%が「不快感」を覚えるとされている(2025年調査)。ブランドイメージを守りながら若年層に接触するには、不快感の低い媒体(ゲーム内広告・OOH)との組み合わせが有効だ。
④ 全媒体に予算を均等に分散する
予算が限られているのに5〜6媒体に分散すると、それぞれで印象に残るレベルの接触量を確保できない。媒体を絞り、目的に合ったものに集中する方が効果は出やすい。
⑤ クリエイティブを媒体に合わせず流用だけで済ます
TVCMの素材はゲーム内広告に流用できるが、ゲーム空間内で自然に見える構成か否かは確認が必要だ。製品ロゴ・ブランドカラーが目立つシンプルな素材の方がゲーム内サイネージとの親和性が高い。
ゲーム内広告(Ad-Virtua)を選択肢に加える条件
ここまで媒体全体を俯瞰してきた。最後に、ゲーム内広告の中でもサイネージ型広告(Ad-Virtua)が特に選択肢になる条件を整理する。
Ad-Virtuaが適合しやすい条件:
確認項目 | 当てはまる場合 |
|---|---|
ターゲット年齢層 | 10〜30代が主力 |
既存素材 | TVCMまたは動画素材がある |
マーケティング目標 | 認知・ブランドリフト・好感度向上 |
予算 | 月10万円〜(1週間プラン: 300,000円〜) |
補完ニーズ | 若年層へのリーチが現状不足している |
Ad-Virtuaは国内最大級のゲーム内広告ネットワークで、400タイトル以上のゲームアプリに配信が可能だ(2026年4月時点)。広告想起率は業界平均の約1.8倍(180%)、視認率約1.4倍、好感度約85%という実績値が公開されている(公式サイト、2026年4月確認)。
最短で翌日配信が可能で、TVCM素材の流用によって新規クリエイティブ費用をかけずに開始できる点も実務的なメリットだ。
認知施策の費用対効果や他媒体との組み合わせについては、まずゲーム内広告の費用・料金相場で全体感を把握するとよい。
媒体比較や選び方全般について詳しくは、ゲーム内広告とは?種類・効果・活用法を完全解説も参照してほしい。
TVCMとの組み合わせ方法はテレビCMの代替・補完施策まとめで詳細を解説している。
よくある質問
Q. ゲーム内広告はSNS広告の完全な代替になりますか?
A. 用途が異なるため、完全代替ではなく役割分担が基本です。SNS広告は精密ターゲティング・拡散・CV獲得に強く、ゲーム内広告は非強制の認知・好感度形成に強い媒体です。若年層への認知施策としてSNS広告の一部をゲーム内広告に振り替えるケースはありますが、刈り取り(CV獲得)の役割はSNS広告の方が適しています。
Q. ゲーム内広告はテレビCMと予算を共有できますか?
A. 可能です。ゲーム内広告(サイネージ型)はTVCM素材をそのまま流用できるため、新規クリエイティブ費用をかけずにテレビでリーチできない若年層向けの配信を追加できます。「TVCM+ゲーム内広告」でターゲット年代の補完関係を作る活用が一般的です。
Q. ゲーム内広告のCPMは他媒体と比べて高いですか?
A. 媒体・ターゲティング設定によります。Ad-Virtuaのゲーム内広告のCPMは約400円(2026年4月公式確認)です。YouTube広告(バンパー)の200〜600円、SNS広告(TikTok: 800〜1,000円程度)と比較すると中間水準ですが、広告ブロック回避・強制スキップなしの接触面である点を考慮すると、到達コスト当たりのブランドリフト効率は高い傾向があります。
Q. 効果測定はどのように行いますか?
A. ゲーム内広告(認知・ブランドリフト施策)の主な評価指標は「広告想起率・視認率・好感度・第一想起率」です。直接CVではなくブランドリフト調査、または「ゲーム内広告配信前後の指名検索数・Web流入の変化」で測定するのが現実的なアプローチです。
Q. 小規模企業でもゲーム内広告は使えますか?
A. 月10万円〜のプランから始められるため、予算規模は大企業でなくても対応可能です。ただし、既存のTVCM素材や動画素材がない場合は新規クリエイティブ制作費が別途必要になります。まずはTVCM素材が流用できる状況で小規模テストから始めるのが費用対効果の観点から現実的です。


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