ゲーム内広告のCPMは、フォーマットによって約300円〜8,000円超まで20倍以上の開きがあります。本記事では、サイネージ・リワード・インタースティシャル・プログラマティック・プレイアブルなど主要フォーマットの2026年時点のCPM相場を一枚の比較表に統合し、目的・予算・KPIに応じた選び方まで解説します。

この記事でわかること

  • ゲーム内広告の媒体別CPM相場(日本国内・買付側)を横並びで比較
  • 認知拡大/UA刈り取り/ブランドリフトなど目的別の最適フォーマット
  • 30万円〜1,000万円の予算帯ごとの組み合わせ設計
  • CPMだけでは見えない視認率・想起率・好感度を含めた総合評価
  • 2026年のグローバル市場・プログラマティック動向の最新情報

こんな方におすすめ

  • ゲーム内広告への出稿を検討中で、フォーマット選定と予算配分に迷っている広告主・代理店プランナー
  • TVCMやSNS広告の補完として、若年層・ファミリー層への新しい認知接点を探しているブランドマネージャー
  • 媒体ごとのCPM・CPV・CPI・CPCVが混在していて、自社のKPIにどれが合うか判断できない実務担当者

ゲーム内広告のCPM相場は「フォーマット別」で大きく変わる

ゲーム内広告のフォーマット別CPM相場の概要イメージ

結論として、ゲーム内広告のCPMはフォーマットごとに役割と単価レンジがまったく異なるため、単純な「安い・高い」で比較しても意思決定できません。

一般的に、能動的にユーザーが関与するフォーマットほどCPMが上がり、受動的に視聴されるフォーマットほどCPMが下がる傾向があります。たとえばゲーム空間内の看板に動画を流すサイネージ型は約300〜500円のCPMで広域リーチを確保しやすい一方、ユーザーが任意で動画を最後まで視聴するリワード広告は完視聴の質が高いため、CPMが1,000円〜(日本国内目安)と相場が上がります。

つまり、CPMの数字を見るときには「何のために買う指標か」を必ず併記して比較する必要があります。本記事では以下の前提で表記を統一しています。

  • 単位は原則「円・CPM(1,000インプレッション単価)」に揃える
  • リワード等は補助的にCPV(視聴単価)/CPI(インストール単価)を併記
  • 海外eCPM(USD建て)はパブリッシャー収益側の参考値として別枠で提示
  • 日本国内のプログラマティック型は公式公開値がないため、グローバルベンチマーク(USD 4〜12)を参考値として提示

媒体別CPMマスター比較表(2026年版)

ゲーム内広告フォーマット別CPM比較表のイメージ

主要フォーマットを一覧化したのが下表です。日本国内・広告主買付側の目安レンジで統一しています。

フォーマット

CPM/単価レンジ(日本目安)

主な課金軸

主目的

最低出稿の目安

ゲーム内サイネージ(intrinsic in-game)

CPM 約300〜500円

CPM

ブランド認知・想起・好感度

30万円/週〜

リワード広告(動画)

CPM 約1,000円〜(CPV 5〜20円/CPI 100〜300円)

CPV/CPI/CPM

アプリインストール・完視聴

50万円〜

インタースティシャル広告(全画面)

CPM 300〜1,000円(動画は1,000円超も)/CPI 100〜400円

CPM/CPI

UA・即時CV

50万円〜

アプリ内バナー広告

CPM 200〜800円

CPM/CPC

補完リーチ

30万円〜

プレイアブル広告

CPM 2,000〜8,000円+制作費

CPM

UA定着・体験訴求

100万円〜(制作費別)

PPL/ゲーム内コラボ

数十万〜数百万円/案件+制作費

期間保証

ブランド世界観・PR

案件単位

アドバゲーミング(自社ゲーム制作)

数百万〜数千万円/案件

制作費ベース

体験・SNS拡散

数百万円〜

プログラマティック intrinsic(PC/コンソール)

参考:USD 4〜12(約600〜1,800円)

CPM

海外プレミアム面リーチ

個別商談

CPD(期間保証型・デジタルビルボード)

50万〜500万円/月

期間保証

ブランド・話題化

50万円/月〜

CPCV(動画完了課金)

800〜3,000円/視聴完了

CPCV

ブランドリフト・完視聴重視

50万円〜

CPE(エンゲージメント課金)

50〜300円/engagement

CPE

インタラクティブ施策

案件単位

※レンジは媒体各社・代理店の公開情報および実務での出稿事例から推計しています(確認日:2026年4月30日)。各レンジは目安であり、案件規模・素材尺・配信地域・タイトル選定によって個別交渉で変動します。プログラマティック型の日本国内CPMは公式公開値がないため、グローバル参考値を併記しています。


フォーマット別の特徴と向き不向き

ゲーム内広告フォーマット別の特徴と適した使い方を示すイメージ

サイネージ型(ゲーム内広告/intrinsic in-game)

ゲーム空間内の看板・モニター・モビリティ等に動画広告を配信するフォーマットです。CPMは約300〜500円と比較的低位で、広域リーチを確保しやすいのが特徴です。

ユーザーはゲームを中断されることなく自然な視界で広告に接触するため、好感度が高く(Ad-Virtua調べ:好感度約85%、視認率最大96%)、ブランド認知や想起を狙う施策に向いています。一方で、即時のクリック誘導やインストール獲得には向かないため、UAを主目的にする場合は他フォーマットとの組み合わせが必要です。

リワード広告

ゲーム外フォーマット(アプリ内動画)で、ユーザーが任意で動画を視聴する代わりにゲーム内アイテム等の報酬を得る形式です。視聴完了率が80〜90%超と高く、CPMは日本国内で約1,000円〜(過去の業界記事ベース)が目安です。

ユーザーが能動的に視聴を選ぶため完視聴ベースのリーチが強く、UAやブランドリフト施策で採用されることが多いフォーマットです。CPVは5〜20円、CPIは100〜300円が目安レンジで、案件によってはCPM換算でリワード動画が最も高くなる傾向にあります。

インタースティシャル広告

ゲームの画面遷移時に全画面で表示される広告で、CPMは300〜1,000円(動画版は+40〜60%プレミアム)。CPIは100〜400円が目安です。

短時間で強制的にユーザーの視界を専有するため、UAや即時CVに向く一方、ゲームを一時中断するのでユーザー体感としてはやや負荷が高めです。素材のクリエイティブ品質が成果に直結するフォーマットでもあります。

バナー広告(アプリ内)

CPMは200〜800円と最も低位ですが、視認率も限定的です。主要フォーマットの補完として、リーチ量を底上げする目的で組み込まれることが多くなっています。単体で認知・UAを狙うには厳しく、他フォーマットと併用するのが基本です。

プレイアブル広告

ユーザーがゲームのミニ体験を実際に操作してから本編へ誘導するインタラクティブ広告で、CPMは2,000〜8,000円+制作費がかかります。UAの「定着率」を上げる効果が高く、特にゲームアプリの広告主が利用する典型フォーマットです。BtoCの非ゲーム商材でも体験訴求型として採用されつつあります。

PPL/コラボ/アドバゲーミング

ゲームタイトルやキャラクターと組んで世界観を共創するフォーマット群です。CPMでは語れず、案件単位の費用(数十万〜数千万円)で見積もるのが通常です。ブランドのPR・話題化・SNS拡散を狙うキャンペーン系の施策で、認知数値というより文脈価値を取りに行く用途に向いています。

プログラマティック intrinsic in-game(PC/コンソール)

Anzu/Bidstack/Frameplay/Gadsme などのプラットフォームを通じ、PCやコンソールゲームのゲーム空間内広告枠をRTBで買い付けるフォーマットです。

日本国内のCPM公式値は公開されていませんが、グローバルベンチマークでUSD 4〜12(約600〜1,800円)が参考値として確認できます。海外プレミアム面のゲーマーリーチや、グローバルブランディングの一手として位置付けるとよいでしょう。なお、Steam面は2025年のValveガイドラインでプログラマティックゲーム内広告が原則禁止されており、対象外となります。

国内の窓口としては ARROVA 等が言及されており、日本市場での個別相談ベースが基本です。


目的×CPMでフォーマットを選ぶ意思決定マトリクス

CPMだけを見て選ぶと、目的とのミスマッチが起きやすくなります。下表は目的・KPIごとに推奨されるフォーマットをまとめた選定マトリクスです。

目的・KPI

推奨フォーマット

CPM目安

補足

広域認知(Z世代・ファミリー層)

ゲーム内サイネージ

約300〜500円

視認率最大96%・好感度約85%

第一想起・ブランドリフト

サイネージ+CPCV動画

300〜500円/800〜3,000円(CPCV)

完視聴比率を担保したい場合に併用

UA短期刈り取り(インストール獲得)

リワード/インタースティシャル

CPM 300〜1,000円/CPI 100〜400円

クリエイティブの差で成果が大きく動く

UAの定着・LTV重視

プレイアブル

CPM 2,000〜8,000円+制作費

制作費ありきで見積もる

PR・SNS拡散・話題化

PPL/コラボ/アドバゲーミング

案件単位(数十万〜数千万円)

KPIを「想起」「言及」「来店」等で再設計

海外プレミアム面・グローバル

プログラマティック intrinsic

USD 4〜12(約600〜1,800円)

日本国内は個別商談

エンゲージメント施策

CPE型インタラクティブ

50〜300円/engagement

KPIをクリック・参加に置く場合

「認知を取りに行きたいのにプレイアブル中心で組む」「UAを取りたいのにサイネージだけで配信する」といったミスマッチを避けるため、KPIの主軸を1つ決めてから単価レンジを照らし合わせる順序で検討するのが安全です。


予算帯別の組み合わせシナリオ

予算帯別のゲーム内広告フォーマット組み合わせ設計のイメージ

実務では、単一フォーマットだけで完結することは少なく、目的に応じて複数フォーマットを束ねる設計が一般的です。代表的な予算帯ごとのシナリオを以下に示します。

30万円/週(最小スタート)

  • 設計例:ゲーム内サイネージ(CPM約300〜500円)単体
  • 狙い:若年層・ファミリー層に対する認知・想起の初期検証
  • 期待値:約100万広告動画再生/週(Ad-Virtua公式 公開値・確認日2026年4月30日)
  • 適用シーン:新商品発売前の認知ティザー、ブランドリフト計測のパイロット

100万円帯(認知+効果検証)

  • 設計例:サイネージ70万円+CPCV動画30万円
  • 狙い:認知リーチを取りつつ、完視聴ベースのブランドリフトを並行計測
  • 適用シーン:TVCMの補完として若年層を厚めに取りたい時、SNSとは別の接点を増やしたい時

300万〜500万円帯(認知+UA同時)

  • 設計例:サイネージ200万円+リワード/インタースティシャル100〜200万円+クリエイティブ予備費
  • 狙い:認知の上澄みを取りながらUAも回す。指標を分けて評価できるようKPI設計を分割する
  • 適用シーン:自社アプリの拡大期、ECや店舗送客と並走するキャンペーン

1,000万円以上(統合キャンペーン)

  • 設計例:サイネージ+プレイアブル+PPL/コラボ、加えて海外向けにプログラマティック intrinsic
  • 狙い:ブランド世界観の共創 × 認知 × UAを同時に走らせ、SNS/PRを巻き込む
  • 適用シーン:周年キャンペーン、グローバルブランディング、新カテゴリ参入時のフラッグシップ施策

予算帯ごとに「主役のフォーマットは1つ」「補完で1〜2つ」を意識すると、評価軸がぶれません。


CPMだけで決めない総合評価軸

CPMが安いから良い、高いから悪い、という単純比較は実務的には危険です。視認率・完視聴率・想起率・好感度・アテンション時間を含む総合評価で見る必要があります。

評価軸

サイネージ

リワード動画

インタースティシャル

バナー

プレイアブル

CPM水準

低(300〜500円)

高(1,000円〜)

中(300〜1,000円)

低(200〜800円)

最高(2,000〜8,000円)

視認率

最大96%(Ad-Virtua調べ)

高(任意視聴)

高(強制全画面)

低〜中

高(操作前提)

完視聴率

80〜90%超

ユーザー受容性

高(好感度約85%/Ad-Virtua調べ)

中〜高(任意視聴)

低〜中(中断あり)

中(操作前提)

認知・想起効果

インストール獲得

制作工数

動画素材を流用可

動画素材+誘導設計

動画/静止画

静止画中心

プレイアブル制作必須

※視認率・好感度の数値はAd-Virtua公式公表値、その他の単価レンジは公開情報および実務事例から整理(確認日:2026年4月30日)。

特にサイネージ型は、CPMの低さに加えて視認率と好感度が他フォーマットより構造的に高いため、認知・想起KPIで設計する場合は単純なCPM比較を超える費用対効果が期待できます。


グローバルeCPMベンチマーク(参考)

参考値として、グローバル市場での「パブリッシャー側eCPM」のベンチマークも見ておくと、海外案件や為替を踏まえた検討の補助になります。

フォーマット

Tier 1 eCPM(USD)

グローバル平均(USD)

バナー

$0.50〜$1.50

$0.20〜$0.80

インタースティシャル

$5.00〜$8.00

$2.50〜$5.00

リワード動画

$15.00〜$30.00(米ゲームアプリiOS $19.63/Android $16.49)

出典:Tenjin Ad Monetization Benchmark 2025Business of Apps Mobile CPM 2025(確認日:2026年4月30日)

注意点として、これらはパブリッシャー側の収益(eCPM)であり、日本の広告主が出稿する際の買付CPMとは構造が異なります。日本市場と直接同列で比較せず、フォーマット間の「相対的な高低差」のベンチマークとして扱うのが妥当です。


2026年最新トレンド:プログラマティックと体験型へのシフト

2026年のゲーム内広告市場トレンドを象徴するグローバル成長のイメージ

現時点で押さえておきたい、2026年の構造変化を整理します。

  • 市場成長:グローバルゲーム内広告市場は2026年にUSD 131.03 billion → 2031年にUSD 217.16 billion(CAGR 10.63%)まで拡大見込み(Mordor Intelligence /確認日:2026年4月30日)
  • 能動エンゲージメント型へのシフト:ブランド予算が「受動的バナー」から intrinsic in-game/プレイアブル/リワードへと配分転換
  • プログラマティック拡張:PubMatic × Adverty/Roblox の RTB 連携拡張(2025年)など、PC/コンソール/メタバース面の自動化が進展
  • Steam面の制限:2025年のValveガイドラインによりSteamタイトル内のプログラマティックゲーム内広告は原則禁止のため、PC配信は対象タイトルの確認が必須
  • 計測標準の整備途上:MRC認定など視認性計測の標準化が進む過渡期にあり、プログラマティック intrinsic は構造的に「buyer discount」が乗ってCPMが本来より低めに抑えられている

これらを踏まえると、2026年は「CPMの絶対値だけで比較する時代」から、「フォーマット特性 × 計測基準 × 目的KPIの整合」で買い付けを判断するフェーズに移ったと言えます。


こんな企業におすすめ/おすすめしない

おすすめ

  • 若年層・ファミリー層への認知拡大を、TVCMやSNS広告以外の接点で増やしたい食品・飲料・日用品・小売・外食・インフラ等のナショナルクライアント
  • 動画素材を二次活用しながら、嫌われにくい接点でブランドリフトを取りたいブランドマネージャー
  • TVCM補完として広域リーチを比較的低CPMで確保したい広告主
  • 目的別にフォーマットを束ねた統合キャンペーンを設計したい代理店プランナー

おすすめしない(または工夫が必要)

  • 即時の売上直結KPIだけを見たい広告主(リテール広告/検索広告のほうが向く場合がある)
  • CPMの絶対値だけで媒体を選びたい担当者(評価軸が単一だと判断を誤りやすい)
  • クリエイティブ素材の用意・調整に工数を割けないケース(プレイアブル等は制作費・期間が前提)
  • Steam面のPCゲーマー単体だけを狙いたい広告主(プログラマティックゲーム内広告は原則対象外)

ゲーム内広告の媒体選定で迷ったら

ゲーム内広告のフォーマット選定は、KPI主軸・予算規模・素材の有無が決まれば、おのずと選択肢が絞られます。Ad-Virtuaは国内最大級のゲーム内サイネージ型広告プラットフォームとして、認知・想起・好感度KPIに強みを持ち、1週間30万円〜の最小プランで導入検証も可能です。

媒体ごとの相場感を踏まえたうえで、自社のKPIに合うフォーマットの組み合わせを設計したい場合は、以下のハブ記事も参考にしてください。


FAQ

Q1. ゲーム内広告の最小予算はいくらから始められますか?

サイネージ型なら1週間30万円プランから出稿可能です(Ad-Virtua公式・確認日:2026年4月30日)。リワードやインタースティシャルでも50万円前後から検討できる案件が多く、最小スタートはどのフォーマットでも「数十万円から」が一つの目安です。

Q2. CPMが高いフォーマットほど効果が高いのですか?

一概には言えません。CPMが高いフォーマット(プレイアブル等)は、単価が高い分だけ求められるKPIも限定的(UA定着・体験訴求等)になります。CPMが低いサイネージ型でも、視認率・好感度・想起率を含めた総合評価では費用対効果が高く出るケースが少なくありません。KPIから逆算して評価軸を決めるのが原則です。

Q3. サイネージ型とリワード広告を併用する意味はありますか?

あります。サイネージで広域認知と好感度を作り、リワードで完視聴ベースのリーチを補完する設計は、認知とブランドリフトの両方を取りたい場合に有効です。100万円以上の予算がある場合は併用が選択肢に入ります。

Q4. 広告効果はどう測定すればよいですか?

KPIごとに測定軸を分けます。認知・想起KPIならブランドリフト調査(広告想起率・好意度)、UAならCPI/インストール数、ブランドリフトならCPCV/完視聴率を主指標にします。サイネージ型では視認率・アテンション時間も併せて評価することが推奨されます。

Q5. プログラマティックゲーム内広告は日本でも買い付けられますか?

可能ですが、日本国内のCPMは公式公開値がないため、ベンダーごとに個別商談ベースになります。Anzu/Bidstack/Frameplay/Gadsme 等のプラットフォーム、または国内窓口の ARROVA 等を通じての買い付けが現状の主な選択肢です。Steam面は2025年のValveガイドラインで原則対象外となっている点に注意してください。

Q6. 広告動画素材はTVCMの素材を流用できますか?

サイネージ型・リワード型・インタースティシャル型ともに、TVCM素材の流用は可能な場合が多く、ゲーム内広告は二次活用しやすいフォーマットです。ただし秒数・縦横比・冒頭3秒の演出など、媒体特性に合わせた微調整は推奨されます。プレイアブルだけは専用制作が必須です。