ブランドアイデンティティとは、企業が「顧客にこう認識されたい」と自ら定めるブランドの理想像です。ロゴや色だけでなく、価値観・性格・顧客との約束までを言葉にしたもので、策定の5ステップで作り、広告や店頭などのあらゆる接点で同じように見せることで定着します。

まずは全体像を早見表で確認してください。

知りたいこと

答え(要点)

意味

企業側が定める「こう見られたい」ブランドの理想像

ブランドイメージとの違い

イメージは顧客が実際に抱く印象。両者の差を埋めるのがブランディング

構成要素

本質(エッセンス)・提供価値・パーソナリティ・ビジュアル・トーン・約束

策定の流れ

現状分析 → ターゲット理解 → コアの言語化 → 優先順位付け → ガイドライン化

企業事例

味の素「Eat Well, Live Well.」、キリン「よろこびがつなぐ世界へ」ほか

浸透させる方法

社内浸透 + 広告・SNS・店頭・体験施策などで一貫した接触を積み重ねる

ブランドアイデンティティとは?意味をわかりやすく解説

ブランドアイデンティティ——企業が顧客にどう認識されたいかを主体的に設計するブランディングの概念

ブランドアイデンティティ(Brand Identity)は、企業や製品が「顧客にどのように認識されたいか」を定めた理想像です。ブランド研究で知られるデービッド・アーカーは、ブランドアイデンティティを「ブランド戦略の長期ビジョンの核となり、ブランドに一体性を与え、マーケティングの方向性と内容を決めるもの」と位置づけています(出典: 電通マクロミルインサイト「ブランドアイデンティティとは?」)。

身近な例で考えると分かりやすくなります。たとえば朝食向けの食品ブランドが「忙しい朝でも、家族が笑顔で食卓を囲める」を理想像に定めたとします。すると、パッケージの色は明るく、CMは家族の朝の場面、SNSは時短レシピ、という具合に、すべての発信の判断基準がそろいます。これがブランドアイデンティティの役割です。

ポイントは次の3つです。

  • 企業側が主体的に決めるもの:顧客の印象(ブランドイメージ)とは別物
  • 見た目だけではない:ロゴ・色に加えて、価値観・性格・顧客との約束まで含む
  • 判断基準として使うもの:広告・商品開発・接客で「らしいか、らしくないか」を決める物差しになる

ブランドアイデンティティは、広告やPR、店頭体験などの上流にある考え方です。最終的には広告などを通じて顧客に届くため、広告の種類や役割の全体像は広告とは|定義・種類・役割を体系的に解説で整理しておくと、媒体選びまで一貫して考えやすくなります。

ブランドイメージ・ブランドエクイティ・CI/VIとの違い

ブランドアイデンティティと混同されやすい用語を整理します。

用語

誰の視点か

内容

ブランドアイデンティティとの関係

ブランドアイデンティティ

企業(発信する側)

「こう認識されたい」という理想像

―

ブランドイメージ

顧客(受け取る側)

顧客が実際に抱いている印象

理想像との差を測る対象

ブランドパーソナリティ

企業(発信する側)

ブランドを人に例えたときの性格

構成要素の1つ

ブランドエクイティ

市場全体

認知・連想・知覚品質・ロイヤルティを合わせた資産価値

理想像が定着した結果として高まる

CI(コーポレート・アイデンティティ)

企業(発信する側)

企業全体の理念と、それを表すシンボル

企業単位で定めるもの。ブランドアイデンティティは商品・事業単位でも定める

VI(ビジュアル・アイデンティティ)

企業(発信する側)

ロゴ・色・書体など見た目のルール

理想像を目に見える形にした一部

ブランディングは「アイデンティティ(企業が目指す姿)とイメージ(顧客の実際の認識)の差を埋める活動」と捉えると分かりやすいでしょう。どれだけ丁寧に定めても、顧客に届かなければイメージとして定着しません。策定と浸透はセットで考える必要があります。

資産価値の測り方はブランドエクイティとは?構成要素・高める施策・測定方法、企業の存在意義から設計する考え方はパーパスブランディングとはで詳しく解説しています。

ブランドアイデンティティの企業事例|食品・飲料など4社

実際の企業は、ブランドの核をどのような言葉で示しているのでしょうか。各社の公式サイトに掲載されている言葉をもとに、そこから読み取れる考え方を整理します(解釈は編集部によるものです)。

企業

公式に掲げている言葉

読み取れるブランドの核

策定で参考になる点

味の素グループ(食品)

パーパス「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」/スローガン「Eat Well, Live Well.」

おいしさと健康の両立

自社の強み(技術)と顧客の価値を1つの文でつなげている

キリングループ(飲料)

コーポレートスローガン「よろこびがつなぐ世界へ」/CSVパーパス(健康・コミュニティ・環境・酒類事業としての責任)

人と人のつながり、社会への貢献

貢献する領域を具体的に挙げ、言葉だけで終わらせていない

スターバックス(飲食)

ミッション「『最高』のコーヒー体験を届けるかけがえのない存在となり、人々の心を豊かで活力あるものにするために ひとりのお客様、この一杯、そしてひとつのコミュニティから」

一杯ごと・一人ごとの体験

大きな理念を「一杯」「ひとりのお客様」という現場の単位まで落とし込んでいる

ナイキ(スポーツ)

「If you have a body, you are an athlete」(体があれば、誰もがアスリート)

すべての人をアスリートとして扱う

誰を顧客とみなすかという定義そのものをブランドの核にしている

(出典: 味の素グループ、キリンホールディングス、スターバックス コーヒー ジャパン、NIKE, Inc. の各公式サイト)

味の素グループ公式サイトの企業情報ページ——「アミノサイエンスで、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」というパーパスとスローガン「Eat Well, Live Well.」を掲げている(出典: 味の素グループ公式サイト)
キリンホールディングス公式サイトのCSVパーパスのページ——ロゴにコーポレートスローガン「よろこびがつなぐ世界へ」を添え、健康・コミュニティ・環境などの重点課題を示している(出典: キリンホールディングス公式サイト)

4社に共通するのは、「何を売っているか」ではなく「顧客や社会にとって何者でありたいか」を短い言葉にしている点です。この言葉があるから、CM・パッケージ・店舗・SNSのどこで接しても同じブランドだと感じられます。

スターバックス コーヒー ジャパン公式サイトのミッションページ——「ひとりのお客様、この一杯、そしてひとつのコミュニティから」という現場単位の言葉でブランドの核を示している(出典: スターバックス コーヒー ジャパン公式サイト)
NIKE, Inc.公式サイト(About Nike)——「WE SERVE ATHLETES」と「If you have a body, you are an athlete」を掲げ、すべての人をアスリートと定義している(出典: NIKE, Inc.公式サイト)

食品メーカーがこうした理想像を体験施策に落とし込んだ例は、食品メーカーのブランド体験施策事例10選でまとめています。

ブランドアイデンティティの構成要素|2つの代表的なフレームワーク

Aaker(アーカー)モデル:4つの視点と12の要素

アーカーのモデルは、ブランドアイデンティティを4つの視点から整理します。

視点

主な要素

製品としてのブランド

製品分野・属性・品質と価値・用途・ユーザー・原産国

組織としてのブランド

組織の特徴(革新性・顧客志向・信頼性)、地域性とグローバル性

人としてのブランド

パーソナリティ(誠実さ・活発さなど)、顧客との関係

シンボルとしてのブランド

ロゴ・ブランドカラーなどの見た目、ブランドの歴史や伝統

(出典: LISKUL「ブランドアイデンティティとは?構成要素から作り方まで一挙解説」)

すべての要素を同じ重さで扱う必要はありません。「変えてはいけない部分(コア)」と「時代に合わせて変えてよい部分(拡張)」に分けることが実務上のコツです。

Kapferer(カプフェレ)のブランドアイデンティティ・プリズム:6つの要素

フランスの研究者ジャン=ノエル・カプフェレのモデルは、企業から見た側面と顧客から見た側面を1つの図で確認できる点が特徴です。

要素

内容

主に見る視点

フィジーク(Physique)

ロゴ・色・パッケージなど五感でとらえる特徴

企業

パーソナリティ(Personality)

ブランドを人に例えたときの性格

企業

カルチャー(Culture)

価値観・創業の精神・社会への姿勢

企業

リレーションシップ(Relationship)

顧客とブランドの関係・接し方

顧客との間

リフレクション(Reflection)

世間が思い浮かべる典型的な利用者像

顧客

セルフイメージ(Self-image)

ブランドを使うことで顧客がなりたい自分

顧客

(出典: crexgroup.com「ブランドアイデンティティプリズムとは?」)

このモデルの価値は、企業の意図と顧客の受け取り方の食い違いを見つけやすい点にあります。企業が「革新的なブランド」と定めていても、顧客のセルフイメージが「堅実な人が使うもの」であれば、浸透には時間がかかります。

ブランドアイデンティティ策定の5ステップ

ブランドアイデンティティの策定ステップ——現状分析からブランドガイドライン策定まで5段階のプロセス

ブランドアイデンティティの策定は、一般的に次の5ステップで進めます(出典: reiro.co.jp、rhcnet.com)。

ステップ

やること

主な手法

成果物

1. 現状分析

今どう見られているかを把握する

社内ヒアリング、顧客インタビュー、SNSの口コミ分析

現状のイメージと理想の差の整理

2. ターゲット・市場の理解

誰に届けたいかを決める

アンケート、インタビュー、競合の調査

ターゲット像、競合との違い

3. コアの言語化

ブランドを一言で表す

ワークショップ、経営陣インタビュー

ブランドエッセンス、ブランドプロミス

4. 優先順位付け

変えない部分と変えてよい部分を分ける

構成要素の評価

コアと拡張の一覧

5. ガイドライン化

誰が作っても同じ表現になる仕組みにする

ロゴ・色・書体・言葉づかいのルール化

ブランドガイドライン

ステップ1:現状分析 最初に行うのは、理想を語ることではなく「今どう見られているか」の把握です。社内の認識と顧客の認識が大きくずれているブランドは少なくありません。

ステップ2:ターゲット・市場の理解 誰の生活のどの場面で選ばれたいかを決めます。数値で傾向をつかむ調査と、インタビューで理由を深掘りする調査を組み合わせると精度が上がります。

ステップ3:コアの言語化 ブランドを一言で表す「エッセンス」と、顧客への約束(ブランドプロミス)を決めます。ここが曖昧だと、後のすべての表現がぶれます。

ステップ4:優先順位付け 構成要素を「変えない部分」と「時代に合わせて変える部分」に分けます。これにより、新しい施策に挑戦しながらもブランドらしさを保てます。

ステップ5:ガイドライン化 ロゴ・色・書体・言葉づかい(トーン・オブ・ボイス)をまとめ、社内外の誰が制作しても同じ表現になる状態を目指します。

そのまま使える策定テンプレート(記入例つき)

ワークショップで使える項目を一覧にしました。記入例は架空の朝食向けシリアルブランドです。

項目

考えるための問い

記入例

ブランドエッセンス

ブランドを一言で表すと?

朝を、家族の時間に

機能的な価値

顧客の何の手間・不便を解消するか?

1分で栄養バランスのよい朝食がそろう

情緒的な価値

使うとどんな気持ちになるか?

慌ただしい朝に余裕が生まれる安心感

パーソナリティ

人に例えるとどんな性格か?

明るく、面倒見のよい近所のお姉さん

トーン・オブ・ボイス

どんな言葉づかいで話すか?

やさしく前向き。専門用語を使わない

ビジュアル

どんな色・形で表すか?

朝日のオレンジ、丸みのある書体

主なターゲット

誰の、どんな場面か?

共働き世帯の平日の朝

ブランドプロミス

顧客に必ず守る約束は?

子どもが自分で準備できる手軽さ

やらないこと

ブランドらしくない行動は?

不安をあおる広告表現、過度な値引き

「やらないこと」まで決めておくと、広告表現や販促企画の判断が速くなります。

ブランドアイデンティティが浸透しない5つの失敗パターン

策定したのに顧客に届かない、社内で使われない、というケースはよく見られます(出典: ageha.tv、asakonet.co.jp、paddledesign.co.jp)。

失敗パターン

起きること

対策

抽象的すぎる

「革新的で誠実」だけでは現場が何をすべきか判断できない

行動レベルの例とNG例まで書く

ロゴと色だけ整えた

接点ごとに言葉づかいや印象がばらばらになる

価値観・性格・言葉づかいも定める

社内に共有せず外に発信した

社員の言動とブランドの約束が一致しない

先に社内浸透の仕組みを作る

作って終わり

市場や顧客の変化とずれていく

年1回程度のブランド監査を行う

顧客の印象を測っていない

社内の思い込みと顧客の印象の差に気づけない

ブランドリフト調査などで定点観測する

2026年のブランドアイデンティティ策定トレンド

ブランドアイデンティティの作り方と届け方は、次の3点で変わってきています(出典: asakonet.co.jp、shopify.com)。

1. 一方的な発信から、顧客や社会と共につくる形へ 自社の良さを伝えるだけの発信は支持されにくくなっています。キリンが貢献する領域を具体的に掲げているように、「顧客や社会をどう良くするか」を理想像に組み込むことが共感の出発点になります。

2. 見た目は、シンプルさと強いコントラストへ ロゴや画面デザインは、シンプルさを保ちながらも、はっきりした配色や大胆な書体を使う方向に移っています。Appleが2025年に発表した「Liquid Glass」のような、質感や奥行きのある表現も増えており、ガイドラインには動きや手ざわりを含む体験まで含めて定めるのが望ましくなっています。

3. AI検索の時代は、どこで調べても同じ答えになることが大切 生成AIが自社サイト・SNS・第三者メディア・ECのレビューを横断して回答をまとめる時代になりました。発信ごとに言っていることが違うと、AIの回答もぶれます。すべての発信で語り口をそろえることが、浸透の前提になりつつあります。

ブランドの世界観をコンテンツとして届ける方法はブランデッドコンテンツとは?体験型広告との違いと活用事例も参考にしてください。

社内浸透(インターナルブランディング)の進め方

社内浸透(インターナルブランディング)——チームがブランド価値観を共有し体現するためのワークショップや研修の様子

社員一人ひとりがブランドを体現して初めて、顧客体験に一貫性が生まれます。主な施策は次のとおりです(出典: paddledesign.co.jp、sofia-inc.com)。

  • ブランドブック・ブランドムービーと発表の場:理念を目と感情で理解してもらう入口になる
  • 部門別ワークショップ:「自分の仕事ではどう行動するか」に落とし込む
  • 行動指針(クレド)の整備:日々の判断基準として使えるようにする
  • 社内報・朝礼などでの継続的な発信:一度きりのイベントで終わらせない
  • 社員の理解度調査:理解度と実践度を定期的に測る

社内浸透は費用ではなく、顧客体験の品質への投資と位置づけると社内の合意を得やすくなります。

顧客への浸透方法|チャネル別の比較

策定したブランドアイデンティティを顧客に届けるには、接点(チャネル)の選び方が重要です。どの接点で触れても同じブランド体験になるよう、複数のチャネルを組み合わせるのが基本になっています(出典: jsaas.jp「2026年版:顧客体験(CX)で企業が押さえるべき6つのトレンド」)。

大阪・道頓堀の街頭に並ぶ屋外広告——OOHは日常の動線の中でブランドに繰り返し触れてもらう接点になる

チャネル

伝えやすいこと

若年層へのリーチ

費用の目安

向いている商材

テレビCM

広い範囲への認知、世界観の一括形成

テレビ離れで低下傾向

高い(制作費+放映枠で数千万円〜)

ナショナルブランド全般

SNS広告(Instagram・TikTokなど)

世界観・トーンの伝達、話題化

高い

中程度(数十万〜数百万円)

食品・化粧品・アパレル

ゲーム内広告(サイネージ型)

プレイを邪魔しない自然な接触、好感度の維持

高い(Z世代の約80%がゲームをプレイ)

中程度(Ad-Virtuaは週30万円〜)

食品・飲料・日用品・交通

体験型イベント・ポップアップ

世界観の体験、ファン化

高い(実際に会える接点)

高い(数百万〜数千万円)

生活雑貨・高単価商品

OOH(屋外・交通広告)

日常の中での認知と想起の積み重ね

場所しだい

中〜高(場所・期間で変動)

交通・流通・インフラ

検索広告・SEO記事

検討中の人への信頼形成

普通(検索するかどうかしだい)

低〜中

BtoB・比較検討される商品

(ゲーム内広告のプレイ率・費用はAd-Virtua公式サイト掲載値)

チャネルを選ぶときは「誰に」「どんならしさを」「どう体験させるか」の3点で考えます。接点の全体設計はブランド接触点設計とは、顧客体験としての組み立て方はブランド体験とはで解説しています。

浸透度の測り方|ブランドリフト調査と主なKPI

ブランドアイデンティティがどこまで伝わったかは、次の指標で測ります(出典: 株式会社プリンシプル「認知目的Web広告の効果測定」)。

マーケティング担当者がノートPCと資料を前に施策の結果を確認・議論している様子

指標

何がわかるか

主な測定方法

ブランド認知率

ブランド名や商品を知っているか

ブランドリフト調査

広告想起率

広告に触れたことを覚えているか

ブランドリフト調査

メッセージ連想率

「らしさ」を表す言葉と結びついているか

ブランドリフト調査、自由回答の分析

ブランド好意度

好ましく思っているか

ブランドリフト調査、NPS

購入意向

買いたい・使いたいと思っているか

ブランドリフト調査

ブランドアイデンティティの浸透を測るうえで特に重要なのがメッセージ連想率です。たとえば「朝を、家族の時間に」と定めたなら、「このブランドから連想する言葉」を聞き、「家族」「朝の余裕」が挙がる割合を施策の前後で比べます。認知率だけを追うと、知られてはいるが「らしさ」は伝わっていない状態を見逃します。

調査の設計方法はブランドリフト測定とは?評価指標・手法・費用、広告効果全般の指標は広告効果とは|測定方法・KPI設計を参照してください。

ゲーム内広告でブランドらしさを伝えた事例

スマートフォンゲームをプレイする様子——Z世代の多くがゲームをプレイしており、ゲーム内広告は若年層にブランドらしさを伝える接点になっている

若年層にブランドアイデンティティを届ける接点として、ゲーム内広告を使う企業が増えています。Z世代の約80%がゲームをプレイし、プレイ時間は約100分とされます(出典: Ad-Virtua公式サイト)。ゲーム空間の看板やモニターに表示されるサイネージ型の広告はプレイを中断させないため、ブランドの印象を損ないにくいのが特徴です。仕組みや種類はゲーム内広告とはで詳しく解説しています。

ブランド

施策

伝えたかった「らしさ」

ネスカフェ(ネスレ)

2023年秋の新ブランドコンセプト「Make your world」発表に合わせてゲーム内広告を活用

若年層が「自分の世界をつくる」ためのブランド

ペプシコ × EA FC

サッカーゲーム内でブランドと連動したイベントを展開

プレイヤーが好きなものと一緒にいるブランド

メルセデス・ベンツ × マリオカート8

車のキャラクタースキンを無料で提供

特別感・プレミアム感

(出典: Digiday Japan)

共通しているのは、ゲームに広告を「貼り付ける」のではなく、ブランドの価値観をゲームの体験と一致させていることです。理想像が言葉になっていないと、こうした体験への落とし込みはできません。

こんな企業におすすめ / おすすめしない企業

ここでは、ブランドアイデンティティの浸透策としてゲーム内広告を組み合わせるべきかの目安を整理します。

こんな企業におすすめ

  • 若年層・Z世代・α世代にブランドの「らしさ」を届けたい食品・飲料・日用品・外食・交通の企業
  • テレビCMのリーチが下がり、新しい認知の接点を探している企業
  • 嫌われにくい接触で、好感度を保ちながら接触回数を増やしたい企業
  • 手元に動画素材があり、少ない追加費用で新しいチャネルを試したい企業
  • 「身近さ」「楽しさ」「先進性」をブランドの理想像に含む企業

おすすめしない企業

  • ブランドの核がまだ言葉になっていない段階の企業(先に策定の5ステップを進めるのが近道)
  • 主なターゲットが50代以上で、ゲームの利用者と重なりにくい企業
  • 短期間での直接購入(コンバージョン)が主な目的の企業
  • 一般の消費者に知ってもらう必要が小さいBtoB商材の企業

Ad-Virtuaが合う企業の条件と稟議で使える数値

Ad-Virtua(アドバーチャ)は、ゲーム空間内の看板・モニターに動画広告を配信する国内のアドネットワークです。600以上のゲームタイトルに配信でき(2026年4月時点、Ad-Virtua公式サイト)、手持ちの動画素材をそのまま使えます。

食品・飲料メーカーで社内稟議にかける際は、次の数値が判断材料になります。

項目

数値

補足

料金

週30万円〜

Ad-Virtua公式サイト掲載

再生数の目安

約100万回再生/30万円

同上

1,000回あたりの費用(CPM)

約300円

30万円÷100万回で算出。一般的なWeb動画広告の目安約500円との比較で約4割低い

広告想起率

通常の広告の約1.8倍

Ad-Virtua公表値

注目度

通常の広告の約1.7倍

Ad-Virtua公表値

好感度

約85%

Ad-Virtua公表値

費用対効果は「想起を1人獲得するのにいくらかかったか」で比べると、媒体の違いを並べて評価しやすくなります。計算式は費用 ÷(接触人数 × 想起率の上昇幅)です。業界別のROIの考え方は食品・日用品メーカーのゲーム内広告ROIガイド、費用の詳細はゲーム内広告の費用・料金相場で解説しています。

Ad-Virtuaが特に合う企業

  • ブランドの理想像が言葉になっており、それを若年層に「体験」として届けたい
  • テレビCM・SNS広告に加えて、プレイを邪魔しない接触を追加したい
  • 30秒以内の動画素材があり、まずは1週間単位で試したい
  • 施策の前後でブランドリフト調査を行い、効果を社内に説明したい

ブランドアイデンティティを若年層に届ける媒体の組み合わせについては、Ad-Virtua公式サイトからお気軽にご相談ください。

次に読むべき記事

ブランドアイデンティティを決めたあと、どの媒体で届けるかを検討する方は、次の順で読むと判断しやすくなります。

  1. 広告とは|定義・種類・役割を体系的に解説:広告の種類と役割の全体像をつかむ
  2. ゲーム内広告とは:若年層に届く新しい接点の仕組みを知る
  3. 食品メーカーのブランド体験施策事例10選:同じ業界の施策と成果を確認する
  4. Ad-Virtuaへのお問い合わせ:自社のブランドに合う配信計画を相談する

よくある質問(FAQ)

Q1. ブランドアイデンティティとミッション・パーパスはどう違いますか?

ミッションやパーパスは「企業が何のために存在するか」を示す言葉で、ブランドアイデンティティは「顧客からどう見られたいか」を示す理想像です。パーパスが土台にあり、それを顧客の目線で具体化したものがブランドアイデンティティと考えると整理しやすくなります。味の素グループのように、パーパスとスローガンを並べて示す企業も多くあります。

Q2. 策定は社内だけで進められますか?外部に依頼すべきですか?

現状分析とコアの言語化は、社内の経営層と現場が参加しないと形だけになりがちなので、社内主導で進めるのが基本です。一方、ロゴや色などのビジュアルづくりや、顧客調査の設計は専門性が高いため、デザイン会社や調査会社の力を借りるケースが一般的です。

Q3. 1つの会社が複数のブランドを持つ場合、ブランドアイデンティティはどう考えますか?

企業全体のアイデンティティ(CI)と、商品ブランドごとのアイデンティティを分けて定めます。商品ブランドは企業の価値観と矛盾しない範囲で、ターゲットに合わせた独自の性格を持たせます。どこまで企業名を前に出すかは、商品の信頼性を企業名で補いたいかどうかで判断します。

Q4. リブランディングでは、どこまで変えてよいのでしょうか?

策定ステップ4で分けた「コア」は残し、「拡張」の部分を変えるのが基本です。ロゴや色を一新しても、顧客が大切にしている価値(味、安心感など)まで変えてしまうと、既存の顧客が離れる原因になります。変更前に顧客調査でどの要素が支持されているかを確認しておくと安全です。

Q5. 若年層に浸透しているかどうかを、どう判断すればよいですか?

年代別にメッセージ連想率を比較するのが有効です。全体の認知率が高くても、10〜20代だけ「らしさ」を表す言葉が挙がらない場合は、その世代の接点が不足しています。若年層がよく使う媒体で接触を増やし、施策の前後で同じ質問を比べると変化をつかめます。

Q6. 予算が少ない場合、何から始めればよいですか?

まずは費用のかからない策定と社内浸透から始め、言葉とガイドラインを固めます。そのうえで、手持ちの動画素材を流用できる媒体で、小さく試して数値を取るのが現実的です。全媒体に広げる前に1つのターゲットと1つのメッセージに絞ると、効果の検証もしやすくなります。