発表の内容

米スーパーリーグ(Super League Enterprise, Inc.、Nasdaq: SLE)は2026年5月20日、職場スキルをインディード(Indeed)のプロフィールで示せるロブロックス(Roblox)上のゲーム「Job City by Indeed」を発表した。ただし、2026年11月7日時点で公開状態にないことを確認しており、理由は発表されていない。日本の広告主にとっては、遊びの成果を自社サービスの利用につなげる設計例であると同時に、作ったあとの更新と運営まで考える必要を示す例でもある。

スーパーリーグは2026年5月20日12時(米国東部夏時間。日本時間5月21日1時)、GlobeNewswireを通じてJob City by Indeedを発表した(出典: スーパーリーグ公式IRリリース)。インディードとの提携で、ゲーム型のアセスメントを通じて職場スキルを養う体験と説明している。

Job City by Indeedの公式イメージ。Indeedのロゴが映るオフィスと街並みの2分割
出典: Super League(

項目

発表された内容

対象スキル

整理整頓、優先順位付け、注意力など

舞台

小売店、病院、学校など、現実に近い環境(リリース上の例示)

遊び方

職務を模したミニゲームに取り組む

ゲーム内の報酬

完了して能力を示すと、ロブロックスのプロフィール用バッジを獲得できる

ゲーム外での使い道

養ったスキルをインディードのプロフィールで示せる

今後の予定

2026年末まで、新しいクイズ、機能、スキル評価を追加する計画

スーパーリーグのマット・エデルマン(Matt Edelman)CEOはリリースで、次のように述べている(訳は当サイト)。

「学びの未来は、参加を通じた指導にある」
「Job City by Indeedは、没入型のゲーム環境が実社会で使える職場スキルと自信を育てられることを示しており、キャリア準備を、次世代の求職者にとってより引き込まれる、取り組みやすく身近なものにする」

リリースには成果指標と予算の記載がなく、インディード担当者のコメントもない。同社の第1四半期と第2四半期の決算リリースにも、インディードとJob Cityへの言及はない。

2026年11月7日時点の公開状況

ロブロックスの公開データでは、この体験(登録名は「Indeed: Job City」)の公開設定は非公開(Private)、稼働状態は無効(isActive: false)と返る(出典: Roblox公開API)。公開サーバーは0件で、ロブロックスの検索で「Job City by Indeed」「Job City」「Indeed Job City」「Indeed」と調べても該当しなかった。比較のために確かめた別の体験「Adopt Me!」は公開と返るため、データの取得不具合とは考えにくい。

非公開になった日付と理由は確認できない。データ上の最終更新は2026年7月1日21時7分(協定世界時)だが、これが非公開にした日かどうかはわからない。終了の公式発表も見つからず、現時点で提供中とも終了したとも言い切れない。年末までの追加更新が実施されたかも未確認である。

本記事は公式IR、公式サイト、ロブロックスの公開データをもとにしており、業界メディアの報道とは照合していない。実機でのプレイも確認していない。

スーパーリーグとはどんな会社か

Super Leagueの企業ロゴ
出典: Super League(

スーパーリーグはゲームをする層とブランドをつなぐ広告とブランドコンテンツの会社である。社歴全体は「スーパーリーグの企業解説」にまとめており、ここではJob Cityを理解するために必要な範囲を扱う。この章の基本情報と提供内容は、年次報告書(10-K)と公式サイトで2026年10月24日に確認した内容である。

基本情報

項目

内容

正式社名

Super League Enterprise, Inc.(公式の日本語表記は未確認で、本記事のスーパーリーグは便宜上の表記)

設立

2014年10月1日(Nth Games, Inc. として)

本社

米カリフォルニア州サンタモニカ

創業者

公式資料で確認できず

経営

マット・エデルマン氏(会長兼CEO兼社長)

従業員

34名(2025年12月31日時点)

上場市場

Nasdaq(SLE)

提供プロダクトと広告の表示方法

広告主に提供する手段は、ゲーム内に体験を作るものと、広告枠に配信するものに分けて考えるとわかりやすい。

分類

内容

体験を作る

ロブロックス、フォートナイト(Fortnite)、マインクラフト(Minecraft)内のカスタム体験

ゲーム内外に広告を出す

プレイアブル広告、リワード動画、ゲーム内ビルボード、CTV(ネット接続テレビ)

周辺施策と計測

インフルエンサー施策、ブランドリフト計測

ゲーム内ビルボードはゲーム空間の看板に広告を表示する手法で、プレイアブル広告は広告の中で実際に遊んでもらう手法である。手法ごとの違いは「ゲーム内広告とは」で整理している。Job Cityはこの分類では体験を作る手法にあたる。

対応プラットフォームと規模

対応面として、ロブロックス、モバイル、フォートナイト、PC、クレイジーゲームズ(CrazyGames)、サムスン(Samsung)、ビジオ(Vizio)、LG、ロク(Roku)などを挙げている。ロブロックスの在庫では、ミスフィッツ・ゲーミング・グループ(Misfits Gaming Group)の合計月間アクティブユーザー1億人超のゲーム群を扱う(出典: 公式IRリリース)。

2026年第2四半期の決算では、子ども向けの配信面を扱う「Youth and Family Marketplace」の開始を公表した(出典: 第2四半期決算リリース)。ゲーム領域の子ども向けに安全なメディアへ、プログラマティックとマネージドの両方で出稿できるという。対象年齢、COPPA(米国の児童オンラインプライバシー保護法)への対応、第三者認証の記載はなく、Job Cityとの関係も未確認である。

主要パートナー

分野

パートナー

心理データ

ソルステン(Solsten)

プレイアブル広告

アドアーケード(AdArcade)

CTV

プレイワークス(Play.Works)

ロブロックスの在庫

ミスフィッツ・ゲーミング・グループ

効果調査

ニールセン(Nielsen)がパンダエクスプレスの調査を実施

出典: ソルステン、アドアーケード、プレイワークス、ミスフィッツ、ニールセン調査の各公式IRリリース。

Job Cityの仕組み

ロブロックスに登録された説明文によると、プレイヤーは空き地から始め、ボタンで建物を建て、収入を得てアップグレードする流れを繰り返す。タグには「tycoon」「city builder」があり、外枠は建てて稼いで拡張するタイクーン型の街づくりである。

Robloxに登録されたJob Cityのアイコン。校舎の前で手を振るキャラクター
出典: Indeed Careers(Roblox上のグループ。所有者はSuperLeagueStudios)(
Job Cityの街に並ぶ病院や校舎など4種類の建物
出典: Indeed Careers(Roblox上のグループ。所有者はSuperLeagueStudios)(

リリースは「ゲーム型のアセスメント」と説明しており、街づくりの中に職場ごとのスキル課題を組み込んだ設計と読める。ただし実機では確認しておらず、これは説明文からの解釈である。

Job Cityの病院エリアを紹介するサムネイル。医療用スクラブ姿のキャラクター2人
出典: Indeed Careers(Roblox上のグループ。所有者はSuperLeagueStudios)(
Job Cityの小売店エリアを紹介するサムネイル。衣料品店に立つキャラクターと紙幣
出典: Indeed Careers(Roblox上のグループ。所有者はSuperLeagueStudios)(

バッジはOrganization(整理整頓)、Prioritization(優先順位付け)、Attention To Detail(注意力)の3スキルに、Bronze、Silver、Goldの3段階がある。説明文は、ゲームでスキルを試したあとインディードのプロフィールへ移動または新規作成し、スキルを追加して現実の雇用主に見つけてもらう流れを示している。アカウント連携か自己申告かという方式と、スキル評価の妥当性は公表されていない。

ロブロックス上の公開データ

次の数値はロブロックスの公開カウンターを2026年11月7日に確認したもので、スーパーリーグやインディードが成果として発表した数字ではない(出典: 訪問数、お気に入り、評価、運営グループ)。

項目

値

累計訪問数

2,197,963回(人数ではない)

お気に入り

25,778

評価

高評価3,332、低評価2,638(高評価率は当サイトの計算で約55.8%)

運営グループのメンバー

10,764

バッジの発行数は次のとおりである(出典: Roblox公開API)。Gold÷Bronzeは当サイトの計算である。

スキル

Bronze

Silver

Gold

合計

Gold÷Bronze

Organization

282,541

83,972

78,661

445,174

27.8%

Prioritization

130,156

40,829

29,830

200,815

22.9%

Attention To Detail

50,242

25,062

3,383

78,687

6.7%

計

462,939

149,863

111,874

724,676

24.2%

確認時点で、過去24時間の発行はどのバッジも0だった。発行数は人数ではなく、同じ人が複数のバッジを持つ。Gold÷Bronzeも同じ人の進み具合を追ったものではなく、発行数の比にすぎない。インディードのプロフィールに追加された件数は未公表で、バッジの発行数から推し量ることはできない。

インディードとリクルートの関係

スーパーリーグのリリースはインディードを世界第1位の求人サイトと説明しており、リクルートホールディングスの公式サイトは「世界No.1」の根拠をcomScoreのTotal Visits(2026年3月)と脚注で示している。同社の公式サイトはHR Technology欄にIndeed, Inc.を掲載しており、日本の運営会社としてIndeed Japan株式会社ほか2社が示されている。

規模は採用企業350万社超、60か国以上と公表されている(出典: Indeed公式)。求職者プロフィール数はインディード公式が6億8,500万、リクルート公式が6億6,500万超で一致していない。集計時点の差の可能性はあるが、確認できていない。

インディードはリクルートグループの企業だが、Job Cityへのリクルート側の関与は確認できていない。

ここまでの歩み

資金調達の振り返り

スーパーリーグは上場企業のため、主な節目だけを並べる。累計調達額の公式値はない。

時期

手段

金額

主な投資家

そのときの会社の動き

2017年6月

シリーズC

1,500万ドル

ニコロデオン(Nickelodeon)、DMG Entertainmentほか

アマチュアeスポーツを事業の中心にしていた時期

2019年2月

IPO

約2,500万ドル(引受手数料控除前)

公募

Nasdaqに上場。自社をアマチュアeスポーツのコミュニティ・コンテンツ基盤と説明していた

2025年10月

私募増資

確認した資料で2,000万ドルと1,790万ドルに分かれ、本記事では断定しない

エボ・ファンド(Evo Fund)ほか

同年5月の人員削減に続き、借入の返済と上場基準の純資産の回復を進めていた

2026年第4四半期に完了予定

第三者割当

約1億3,460万ドル(2,100BTCと現金250万ドル)

メタプラネット

BTCトレジャリー(企業が財務資産としてビットコインを持つ戦略)へ軸を移す

シリーズCのリード投資家はリリースに明記されていない。出典は、シリーズC、IPO、メタプラネットの出資の各リリースである。2025年10月の金額は年次報告書(10-K)が2,000万ドル、公式リリースが1,790万ドルと記載している。

日本とのつながりは2か所ある。シリーズCのDMG Entertainmentはリリース上、ソフトバンク(SoftBank)が運用するファンドと記載されている(具体的な実体は未確認)。もう1つが日本の上場企業メタプラネットで、取引条件は「メタプラネットによる出資の解説」、最新の進捗は「株主総会での承認の解説」で扱っている。

この履歴は、資金の出し手の関心がゲームを軸にした事業から財務戦略へ移ってきた記録とも読める。事業の主軸もeスポーツ、配信、メタバース、プレイアブル広告、BTCと変わってきた。

教育系の取り組みとJob City

時期

内容

2025年3月11日

教育系の非営利団体AVIDとAVID Creator Planetを発表。Roblox Community Fundの助成金で制作し、13歳以上の生徒を対象に問題解決や協働などの力を育てる。教室向けの無料教材も提供

時期未確認

グーグル(Google)のBe Internet Awesomeのロブロックス体験。Job Cityのリリースに実績として記載があるだけで、同社の役割は未確認

2026年5月20日

Job City by Indeedを、教育ポートフォリオの拡張と位置づけて発表

助成金による教育案件から、民間のサービス企業が名前を出す案件へ広がった例と読める。ただしインディード案件の資金の出どころは未公表で、インディードが広告主として費用を負担したかも確認できない。

同時期の会社の動き

時期

内容

2025年5月

従業員の35%を削減し、モブクラッシュ(Mobcrush)を解散

2025年7月

パンダエクスプレス施策を開始

2026年5月1日(発表は5月6日)

ミスフィッツの広告部門を買収

2026年5月20日

Job City by Indeedを発表(買収の発表から2週間後)

2026年6月9日

プレイワークスの米国広告販売パートナーに

2026年8月14日

第2四半期決算。総売上約300万ドル、粗利率41%

2026年8月18日

メタプラネットが2,100BTCと現金250万ドルの出資を発表

2026年10月5日

パンダエクスプレスのニールセン調査を公表

2026年10月19日

株主総会の全議案承認を発表

出典: 人員削減、モブクラッシュの解散(10-K)、パンダエクスプレス施策の開始、ミスフィッツ、プレイワークス、第2四半期決算、メタプラネットの出資、ニールセン調査、株主総会。

Job Cityの制作の時系列

ロブロックスの管理情報から、運営グループ内で体験やバッジが作られた順序をたどれる。作成日と公開日は別で、一般公開の開始日は未確認である。

日付(協定世界時)

出来事

2026年3月6日

運営グループ内に「Indeed Campus」を作成

2026年4月20日

「HospitalTycoon」を作成

2026年4月21日

「Indeed: Job City」を作成

2026年5月1日

バッジ9種を作成

2026年5月20日

リリース発表。同日「Indeed: Dev branch」を作成

2026年7月1日

Job Cityの最終更新日時

2026年11月7日

非公開であることを確認

広告出稿事例

Job Cityは成果を公表していないため、効果の比較材料としてスーパーリーグの別の事例を挙げる。4件のうちパンダエクスプレス以外の数値は同社の公式ケーススタディの公表値で、第三者の調査結果としては確認していない。

チポトレ「Boorito Maze」

チポトレ(Chipotle)はロブロックスでハロウィン施策「Boorito Maze」を実施した。ユニークプレイヤーは350万人を超え、モバイル売上が過去最高の日を記録し、アプリのダウンロードとデジタル取引も単日の記録を更新したと公表されている。

Roblox内のChipotleのハロウィン施策「Boorito Maze」。店舗の前に立つ骸骨のキャラクター
出典: Super League(

メイベリン「Sunkisser Blush」

メイベリン(Maybelline)はロブロックスのロールプレイ空間で「Sunkisser Blush」を訴求した。公表値はバーチャル試着2,500万回超、3,850万インプレッション、平均9分である。

Roblox内に作られたメイベリン「Sunkisser Blush」の店舗空間
出典: Super League(

ランチャブルズ「Playables」

ランチャブルズ(Lunchables)はバーチャルワールド「Playables」を展開し、エンゲージメント1,000万時間、購入率+6.3%を公表している。

Lunchablesのバーチャル空間。「This is an AD」と表示した看板とUGC配布のカウントダウン
出典: Super League(

パンダエクスプレスのフォートナイトとロブロックス施策

パンダエクスプレス(Panda Express)はフォートナイトとロブロックスで施策を行い、2026年後半に常時展開へ移ると発表した。ニールセン調査(18〜34歳、信頼水準90%)では、キャンペーン想起+9ポイント、認知+3ポイントで、接触群の短期の来店(意向)は対照群より5%高かった(出典: スーパーリーグ公式IRリリース)。5%が相対値かポイント差か、来店の数値が実データか調査回答かはリリースに明記されていない。詳しくは「パンダエクスプレスのブランドリフト調査の解説」で扱っている。

Super LeagueがFortnite・Robloxで制作したPanda Expressのゲーム内空間。提灯と花火の中にマスコットのPei Peiが立つ
出典: Super League(

Job Cityとの違い

比較ポイント

4件の事例

Job City

狙い

認知や購買

サービス利用(プロフィールへのスキル追加)を組み込む

公式の成果

公表あり

公表なし

確認できた現状

パンダエクスプレスは常時展開へ移行すると発表

2026年11月7日時点で非公開

これらの違いだけで施策の成否を比べることはできない。Job Cityは非公開の理由も成果も公表されていないためである。

なぜこの動きが起きたのか

スーパーリーグ側については、教育ポートフォリオの延長という説明がリリースにある。Job Cityの発表は広告部門の買収を公表した2週間後で、同社が広告の商品を広げていた時期と重なる。ただし両者の関係を同社は説明しておらず、因果は断定できない。

インディード側の狙いは公表されていない。エデルマン氏の「次世代の求職者」という言葉と、説明文の「Indeedのプロフィールへ移動または作成」という流れから見ると、就職前後の層との接点づくりが目的の一つと考えられる。ただしインディード自身のコメントがないため、現時点ではスーパーリーグ側の資料からの推測にとどまる。インディードの英語版と日本語版のAboutページにもJob Cityの言及はなく、同社のプレスページは取得できなかったため、発信の全体は確認できていない。

広告を見せるだけでなくサービスの一部を体験してもらう考え方は、「体験型マーケティングとは」で扱う施策の延長にある。

日本市場ではどうか

国内で同じ動きがあるか

ロブロックス上で採用や職業スキルを扱う日本企業の事例は、今回の調査では確認できていない。国内を網羅的に調べた結果ではないため、事例が存在しないという意味ではない。

近い例として、キッズスターの「ごっこランド」がある。累計1,300万ダウンロード以上、利用企業・団体・自治体120以上と公表しており(時点の記載なし)、2026年11月5日には東光電気工事の「でんきのプロになってみよう!」の登場を掲載している(出典: キッズスター公式サイト)。ただし公式には知育アプリという位置づけで、スキルを外部サービスに連携する機能は確認していないので、Job Cityと同じ種類の施策とは言えない。

日本語対応と発注窓口

Job Cityの対応言語18種には日本語が含まれていた。一方、登録された日本語タイトルは「確かに:ジョブシティ」で、ブランド名のIndeedが「確かに」と訳されている(出典: Roblox公開API)。自動翻訳と見られるが、推測である。確認できたのはタイトルと説明文だけで、ゲーム内の日本語の品質や、日本からインディードにスキルを追加できるかはわかっていない。

スーパーリーグの日本法人と日本語窓口も確認できていない。日本の広告主が同様の専用体験を発注する場合、考えられる障壁は発注窓口と言語、日本語の品質、自社サービスとの連携開発、公開後の更新と運営の体制である。これは公式の説明ではなく、当サイトの整理である。

日本企業が検討すること

論点

Job Cityで確認できること

日本企業が検討すること

対象年齢

推奨年齢は未確認。Indeedの規約は原則16歳以上で、日本は日本法で認められる最低年齢に従う旨の記載

遊ぶ層とサービスを使える層が一致するか。未成年の個人情報の扱いを法務と確認する

成果の持ち出し方

プロフィールへ移動または作成してスキルを追加。ロブロックス側にはバッジが残る

アカウント連携か自己申告か。外部サイトへの誘導はロブロックスの規定で確認する

成果の信頼性

検証方法と妥当性の公表なし

ゲーム内の成績を「スキルの証明」と呼ぶ根拠はあるか。採用判断に使われる場合の説明責任をどうするか

継続更新の負担

年末までの更新を予告。最終更新は2026年7月1日で、現在は非公開(両者の因果は不明)

予告した更新を誰が担うか。終了時に、獲得した成果とページをどう扱うか

継続を促す設計

3スキル×3段階のバッジ、コード、5,000いいねの目標(到達は未確認)

人気ジャンルの型と学習要素のどちらを優先するか

翻訳

自動翻訳と見られる日本語タイトル

社名とサービス名の翻訳を固定し、公開前に確認する

子ども向け施策の注意点は「子ども向けマーケティングとは」でも扱っている。

日本で同じ広告を実施する選択肢

Job Cityと同じ形をそのまま再現するかどうかの前に、目的が到達か体験かで手段を分けて考えると選びやすい。日本国内の選択肢の一つとして、Ad-Virtua(アドバーチャ)が提供するゲーム内広告とPRゲーム制作のゲームバズがある。

比較ポイント

ゲーム内広告(Ad-Virtua)

PRゲーム(ゲームバズ)

専用体験(Job City型)

目的

認知、到達

体験、話題化、サービス理解

サービス利用までの接続

素材

動画

ゲーム開発

ゲーム開発と外部サービスとの連携

費用と期間

30万円/週から、初期費用なし

企画立案は無料、見積もり制、制作は2か月が目安

非公開

運用

配信期間で完結

原則ランニングコストなし(常時通信が必要なものはサーバー代がかかる場合あり)

更新の予告あり。2026年11月7日時点で非公開

配信先

国内向けに配信できる既存タイトル

LP埋め込み、既存ゲームとのタイアップなど

ロブロックス

Ad-Virtuaのゲーム内広告は既存タイトルの看板やモニターに動画を配信する形で、体験を作らず、自社サービスとの連携もしない。料金の30万円/週は100万回再生が目安で、単純計算のCPM(1,000回表示あたりの費用)は約300円になる(料金と再生回数の目安の出典: Ad-Virtua公式サイト)。ゲームバズには、ゲーム内で不要な衣類を集めるとクーポンを得られる日本リユースシステムの事例があり、遊びと自社サービスをつないでいる点でJob Cityの考え方に近い(出典: ゲームバズ公式ページ)。ただし採用やスキル証明を目的とした実績は確認できていない。

こんな企業におすすめ

  • ゲーム内広告: 手元の動画素材を使い、TVCMやSNS広告の補完として国内の若年層への認知施策を週単位で試したい企業
  • ゲームバズ: 商品やサービスを遊んで理解してもらい、クーポンなど次の行動につなげたい企業

おすすめしない企業

  • ゲーム内広告: ゲームの中でサービス体験やスキル評価まで提供したい企業、施策の中で自社サービスの登録や利用まで完結させたい企業
  • ゲームバズ: 短期間で広く届けることが主な目的の企業、2か月を目安とする制作期間を取れない企業

ロブロックス内に専用体験を持つこと自体が目的なら、この2つでは目的を満たせない。その場合は、利用者層とロブロックスの利用層が重なるかを確かめたうえで、制作会社を別に探すことになる。国内でそうした制作を請け負う事業者は、今回の調査の対象に入れていない。

広告主が取るべき判断

今動いてよいのは、次の条件に当てはまる企業である。

  • 若年層の認知が課題で、すでに使える動画素材があり、ゲーム内広告を小さく試せる
  • サービスの価値が広告では伝わりにくく、遊びの成果を次の行動につなげる案を具体的に持っている
  • 外食、小売、交通などで、仕事の中身を知ってもらうことを認知施策の目的に含めたい(認知までならゲーム内広告、仕事の中身まで伝えるならPRゲームが候補になる)

様子見でよいのは、次の条件に当てはまる企業である。

  • Job Cityの成果を社内説明の根拠にしたい。公式の成果指標は未公表で、非公開の理由もわかっていない
  • 応募やスキル証明まで踏み込みたいが、対象年齢、個人情報、スキル評価の根拠を法務と人事で整理できていない
  • 公開後の更新担当と、終了時の成果やページの扱いを決められない
  • スーパーリーグへの直接発注を考えている。日本語窓口を確認できておらず、メタプラネットとの取引完了の発表も2026年11月7日時点で確認できていない

関連する基礎知識

よくある質問

Q. Job Cityを運営しているのはインディードとスーパーリーグのどちらか

公開情報からは分担を確定できない。ロブロックス上の運営グループ名は「Indeed Careers」で、説明文にも「Created by Indeed」とある一方、グループの所有者は認証済みアカウントのSuperLeagueStudiosで、リリースもスーパーリーグ名義である。スーパーリーグの公式サイトの取引ブランド一覧とケーススタディには、インディードもJob Cityも掲載されていない(2026年11月7日時点)。制作の分担と契約形態は未公表である。

Q. Job Cityは広告で集客していたのか

確認できない。訪問をどう獲得したかは公表されていない。運営グループ内には2026年6月22日に作成された「Job City : Ad Branch」という体験があるが、訪問数は0で用途も不明なので、ここから広告出稿を推定することはできない。

Q. 累計約220万回の訪問は多いと言えるのか

比較の基準がなく、評価できない。訪問数は同じ人の再訪も含みうる回数で、チポトレのユニークプレイヤー350万人超のような人数とは単位が異なる。公開期間も特定できないため、1日あたりの数字も出せない。

Q. スーパーリーグが掲げる35億人は配信できる人数なのか

配信できる人数ではない。Job Cityのリリースにある35億人は世界のゲーム人口全体の数字で、同社が広告を届けられる在庫の規模を示すものではない。2026年8月以降の主な資料と年次報告書(10-K)では33億人と書かれており、資料によって数字が異なる。

Q. スーパーリーグとSuperplanetは同じ会社か

メタプラネットとの取引が完了すると、Super League Enterprise, Inc.はSuperplanet, Inc.(ティッカーはSUPA)に社名を変える予定である。完了の予定は2026年第4四半期で、2026年11月7日時点のIR一覧では完了と社名変更の発表を確認できていない。