ゲームコミュニティ施策とは、Discord・Twitch・ゲーム空間など、Z世代が日常的に集まり会話している場にブランドが入り込み、認知とファンを育てる取り組みだ。成果を出すには「Twitchで話題を作る」「ゲーム内広告で想起を積み上げる」「Discordでファンを育てる」と役割を分け、ひとつのチャネルに頼らないことが条件になる。

Z世代の約80%がゲームを日常的にプレイし、ゲームは「遊ぶ場所」から「コミュニケーションの基盤」へと変わった。食品・飲料・日用品のような一見ゲームと関係のないブランドでも、正しい入り方をすれば、SNS広告では届きにくい層との接点を作れる。広告手法全体の中での位置づけから押さえたい場合は、先に広告とは?意味・種類・効果・媒体選びをわかりやすく解説を読むと全体像がつかみやすい。

この記事では次のことがわかります:

  • ゲームコミュニティがZ世代にとってどんな場所なのか
  • Z世代ゲームプレイヤー3タイプ別の施策の分け方
  • Discord広告(Quests・Video Quests)の仕組みと、企業公式サーバー運営の違い
  • Twitchの企業向け広告メニューとストリーマー選びのポイント
  • Discord・Twitch・ゲーム内広告の費用・KPI・向き不向きの比較
  • 食品・飲料メーカーが稟議で使える数値の揃え方と、始める手順

対象読者: 若年層(10代後半〜30代)への認知拡大・ファン化施策を検討しているマーケティング担当者・ブランドマネージャー。


ゲームコミュニティとは?Z世代にとってSNSと同等のコミュニケーション基盤

Z世代がオンラインゲームでコミュニケーションしている様子

ゲームコミュニティとは、同じゲームや配信者を軸に人が集まり、ボイスチャット・テキストチャット・配信のコメント欄などで交流する場の総称だ。代表的な場所は次の3つである。

場所

代表的なサービス

何が起きているか

ゲームの中

マルチプレイゲーム、スマホゲーム

一緒に遊びながら会話する。ゲーム空間そのものが待ち合わせ場所になる

配信の場

Twitch、YouTube Live

配信者を中心に視聴者がコメントで盛り上がる

交流の場

Discord

ゲーム仲間・ファン同士が常設のサーバーで日常的に会話する

Z世代(1996〜2012年生まれ。2026年時点で14〜30歳)の約80%がゲームを日常的に利用し、1日平均プレイ時間は約100分に達している(SHIBUYA109 lab.「Z世代のゲームに関する意識調査」2023年7月公表。15〜24歳対象)。重要なのは「遊んでいる」だけでなく「ゲームを通じて会話している」点だ。

同調査によれば、他者と一緒にプレイしているZ世代の82.8%が「プレイ中に何らかのコミュニケーションをとっている」と回答している。博報堂センタードットの調査でも、Z世代はゲームをSNSと同等の「コミュニケーションプラットフォーム」として使っていることが示されている。

なぜ従来のSNS広告ではZ世代に届きにくいのか

Z世代の動画広告スキップ率は69%に上る(Z-SOZOKEN調査、2025年8〜9月。18〜24歳268名対象)。「広告らしい広告」を避ける傾向は強く、TikTokやInstagramへの出稿だけではブランドとの関係づくりが難しくなっている。

一方で同調査では、没入型の体験でブランド好感度が上がると答えた割合は65%(大きく上昇31%・少し上昇34%)だった。Z世代に届くのは「押しつける広告」ではなく「コミュニティの中で自然に目にする接触」だ。ゲームコミュニティはその自然な接触が起きる場所であり、多くのブランドが「ゲームは自社と関係ない」と参入を見送っている分、先に入った企業が目立ちやすい。


Z世代ゲームプレイヤーの3タイプ——施策を分ける前提

スマートフォンでカジュアルにゲームをプレイするZ世代の若者(暇つぶし勢のイメージ)

Z世代のゲームユーザーを一括りにした施策は失敗しやすい。SHIBUYA109 lab.の調査は、Z世代のゲームプレイヤーを次の3タイプに分けている。

タイプ

構成比

特徴

主な接触場所

ゲームガチ勢

23.8%

長時間プレイ・eスポーツ観戦・コミュニティ活動に深く関わる

Twitch・Discordの専門サーバー・大会会場

コミュニティ重視勢

21.2%

友人との交流が目的。ゲームは会話の手段

Discord・LINEグループ・マルチプレイゲーム

暇つぶし勢

55.1%

スキマ時間に1人でプレイ。ゲームへの熱量は高くない

スマホゲーム内の広告・SNS

施策の出発点は「どのタイプに・どのチャネルで・何を届けるか」を分けることだ。

  • ガチ勢:Twitchのスポンサーシップ・eスポーツ協賛
  • コミュニティ重視勢:Discordのコミュニティ運営・Discord広告(Quests)・マルチプレイゲーム内のブランド体験
  • 暇つぶし勢:スマホゲーム内のサイネージ型広告・リワード広告

多くのブランドはガチ勢向けの施策から検討しがちだが、人数では暇つぶし勢が55%を占める。認知拡大が目的なら、ガチ勢だけを狙うのはリーチ効率が低い。eスポーツ協賛の手法はeスポーツマーケティングとは?企業向け手法比較と活用ガイドで詳しく比較している。


Discord広告とは?企業が使えるQuestsの仕組みと出稿の考え方

オンラインコミュニティのチャット画面とデジタルコミュニケーション基盤のイメージ(Discordブランド施策のイメージ)

Discordで企業がブランドを届ける方法は、大きく「Discord広告(Quests)に出稿する」と「公式サーバーを自分で運営する」の2つに分かれる。以前はサーバー運営が中心だったが、現在はDiscord公式の広告メニューとしてQuestsが提供されている。

Discord Questsの仕組み

Discord公式の広告ページ。ゲームプレイヤー向けの広告としてQuestsを案内している(出典:Discord公式サイト)

Questsは、ユーザーが「動画を見る」「ゲームをプレイする」などのお題(クエスト)を達成すると、アバターの装飾やゲーム内アイテムなどの報酬がもらえる広告だ(Discord公式広告ページ)。ユーザーが自分から参加する形式のため、会話の邪魔をする割り込み型の広告とは性格が異なる。

メニュー

内容

向いている目的

Video Quests

モバイル・PCで表示される動画のクエスト。公式は「100%視聴可能」な形式と説明

商品紹介・新商品告知・予告編

Play Quests

対象ゲームを一定時間プレイすると報酬がもらえる

ゲームの新規獲得・休眠ユーザーの呼び戻し

Discord公式によれば、日次アクティブユーザーは9,000万人以上、ユーザーの90%以上がゲームをプレイしている。広告主の事例にはゲーム会社だけでなく、Wendy's(ハンバーガーチェーン)やMountain Dew(飲料)、Paramount Pictures・Universal Pictures(映画)も並んでおり、非ゲーム業種でも使える広告になっている。

Discord広告と公式サーバー運営の違い

比較項目

Discord広告(Quests)

公式サーバー運営

目的

認知・商品理解

ファン化・ロイヤルティ向上

必要なもの

動画素材・報酬の設計・予算

専任の運営担当・企画・継続投資

効果が出るまで

配信期間中

6〜12か月が目安

届く相手

ブランドをまだ知らない層も含む

すでにブランドに関心がある層

注意点

日本の広告主向けの販売条件・最低出稿額は公式ページに明記されておらず、個別の問い合わせが必要

集客できないと「誰もいないサーバー」になる

まだブランドを知られていない段階ならDiscord広告やゲーム内広告で認知を作り、ある程度知られてから公式サーバーでファンを育てる、という順番が現実的だ。


Discordコミュニティ運営の実践法——「居場所」を設計する

Discordの日本国内の月間アクティブユーザーは約800万人、日次アクティブユーザーは約400万人とされる(CEDEC2025でのDiscord登壇などの公開情報)。ユーザーの約70%が男性で、Z世代・ゲーマーが中心だが、近年は教育・趣味・ビジネス用途にも広がっている。

コミュニティ設計の3要素

CEDEC2025のDiscord×NAVICUS共同登壇(Discord副社長ロス・ラジュネス氏)では、成功するコミュニティの要素として次の3点が挙げられた。

  1. 共創の余白を残す:ブランドが一方的に発信するのではなく、メンバーが自分で投稿・共有できるチャンネルを設ける
  2. 情緒的な価値を届ける:「役立つ情報」よりも「ここにいると楽しい・つながれる」という体験を優先する
  3. 信頼を重ねる:短期の商品訴求より、コミュニティを続けるための投資がブランドロイヤルティにつながる

業種別のDiscord活用パターン

ゲーム・アニメ・アパレル(相性:高)

  • ファン同士の交流チャンネルを設ける
  • 新製品の先行公開・先行体験をメンバー限定で提供する
  • ファン参加型のコンテストで投稿(UGC)を増やす

食品・飲料・日用品(相性:中)

  • 「料理・ライフスタイル × ゲーム」をテーマにしたチャンネル(例:ゲーム中のおやつ報告)
  • ゲームイベント・大会のスポンサーとして、既存の公式サーバーに参加する
  • 配信者と共同でコミュニティを運営する

事例:CASIO G-SHOCKのDiscordコミュニティ

CASIOはG-SHOCKの公式ファンコミュニティをDiscord上に作り、製品情報の共有とファン同士の交流を軸に運営している。熱心なファンがもともと多いブランドの特性と、Discordの熱量の高さがかみ合った例だ。

運営コストの目安

サーバーの立ち上げは無料だが、続けるには専任のコミュニティマネージャーが必要になる。株式会社ニューピースが「Discordを活用したブランド/マーケティング施策の統合的効果検証サービス」を提供するなど(PR TIMES、2023年)、運営・効果検証の外部委託も選択肢になっている。コミュニティ運営の考え方全般はコミュニティマーケティングとは?意味・事例・KPI設計を解説も参考になる。


Twitch×ブランド施策の実践法——配信者の文脈に乗る

ゲーミングモニターとネオン照明の配信環境(Twitchストリーミングセットアップのイメージ)

Twitchの日本国内の月間アクティブユーザーは約400万人(Amazon Ads公式資料)。2024年の日本の総視聴時間は前年比17%増、VTuberコンテンツの総視聴時間は前年比30%増と伸びている。Amazon Adsは、Twitch視聴者の65%は主要なソーシャルメディアでは届かない層だとしており、TVCMやInstagram広告で届いていない若年層に接触できるのが特徴だ。

Twitchで使える企業向け広告メニュー

Twitchの広告主向け公式サイト「twitch ads」のトップページ(出典:Twitch Advertising公式サイト)

Amazon Adsが提供する主なメニューは次のとおり。

メニュー

特徴

向いている目的

Homepage Headliner

トップページを1日占有する大型枠

大規模な認知拡大・キャンペーン告知

プレミアムインストリーム動画広告

フルスクリーン・スキップ不可

ブランド認知・リーチ最大化

Twitchメディア

動画・ディスプレイ広告をトップページやチャンネルに掲載

継続的な認知接触

クリエイターアクティベーション

配信者が主導するスポンサーシップ

コミュニティとの関係づくり

Twitch Creator Sponsorships

企業と配信者のマッチングを容易にする仕組み(2025年5月開始)

配信者コラボの効率化

ブランドパートナーシップスタジオ

オリジナルのブランドコンテンツ・参加型の仕掛けを制作

深いブランド体験の設計

最重要なのは「配信者とブランドの組み合わせ」

Twitchが2025年4月に実施した日本初のユーザー意識調査(16〜25歳503名対象)では、次の結果が出ている(MoguLive・Web担当者Forum 2025年報道)。

  • 69%が、お気に入りの配信者が使っているブランドを検討する傾向が高い
  • 76%が、配信者とブランドの組み合わせが重要と回答

人気だけで配信者を選んでも、そのコミュニティとブランドの文脈が合わなければ逆効果になりうる。

Twitch活用事例

KITKAT(海外):「休憩・ブレイク」というブランドコンセプトが、長時間配信の合間の「ひと休み」文化と自然にかみ合い、新しい視聴者層の開拓につながったとAmazon Ads公式ブログが紹介している。食品ブランドがゲーム配信に入る際の参考になる例だ。

murphy(日本):中長期のブランド資産づくりを目的にTwitch広告へ出稿した事例が、宣伝会議2024年5月号で紹介されている。

Twitchだけに頼らない

Digiday Japanが「Twitchがストリーマーやコミュニティを放棄しつつある」と報じるなど、広告事業の拡大とコミュニティ文化のぶつかり合いを指摘する声もある。単一チャネルに依存せず、Discordやゲーム内広告と組み合わせて施策を分散させることが大切だ。


Discord・Twitch・ゲーム内広告を組み合わせる設計

ゲームイベントの会場で照明に照らされたステージを見つめる若者たち(ゲームコミュニティで話題が広がる場のイメージ)

Discord・Twitchをそれぞれ単独で使っても、ファン化の効果は限られやすい。「Twitchで話題を作り、ゲーム内広告で想起を積み上げ、Discordでファンを育てる」という組み合わせが、費用対効果の高い進め方になる。

段階

主なチャネル

起こしたいこと

認知・話題化

Twitchの配信者コラボ、Discord Video Quests

視聴者がブランドを自然に知る。チャットでの言及やスクリーンショットが広がる

想起の強化

ゲーム内のサイネージ型広告(看板・モニター)

プレイ中に何度もブランドを目にする。プレイを中断しないため好感度を保てる

ファン化・口コミ

Discordの公式サーバー・既存コミュニティへの参加

ブランド体験が共有され、投稿が積み上がる

ゲーム内広告が組み合わせの土台になる理由

動画広告のスキップ率が69%に達する一方、ゲームの世界観に溶け込むサイネージ型広告(ゲーム空間の看板・モニターに表示)はプレイを中断しない。Z-SOZOKEN調査では「ゲームの世界観を壊す」ことに不快感を示した人は25%にとどまり、自然に配置された広告への拒否感は低い。

TwitchやDiscordが「特定のゲームや配信者のファン」に深く届くのに対し、ゲーム内広告は多数のタイトルにまたがって「暇つぶし勢」を含む幅広い層に届く。ゲーム内広告の仕組みと種類はゲーム内広告とは?仕組み・種類・効果・費用を徹底解説で詳しく解説している。


Discord・Twitch・ゲーム内広告の比較

比較項目

Discord(広告・サーバー運営)

Twitch

ゲーム内広告(サイネージ型)

主な目的

認知(Quests)/ファン化(サーバー運営)

認知拡大・話題化

認知接触・想起の強化

規模

日本の月間利用者 約800万人

日本の月間利用者 約400万人

Ad-Virtuaの場合、600以上のタイトルに配信

広告の自然さ

ユーザーが自分で参加する報酬型

配信者しだい

高い(ゲームの世界観に溶け込む)

費用感

Quests:要問い合わせ/運営:人件費・外部委託費

Amazon Ads経由で要問い合わせ

30万円/週〜(約100万回再生の目安)

1,000回表示あたりの費用

非公開

非公開

約300円

主なKPI

クエスト完了数・サーバー参加者数・発言量

リーチ・視聴時間・チャット言及数

広告想起率・注目度・再生回数

効果が出る早さ

Quests:早い/運営:遅い(中長期)

早い

中(繰り返し接触で積み上がる)

運用の難しさ

運営は高い(継続管理が必須)

中(配信者選びが鍵)

低い(動画素材があれば出稿できる)

相性の良い業種

ゲーム・アニメ・映画・飲料・外食

ゲーム・飲食・デジタル系

業種を問わず認知拡大に使える

ゲーム内広告の数値はAd-Virtua公表の料金・再生回数の目安。費用の考え方はゲーム内広告の費用・料金相場で課金モデル別に整理している。


食品・飲料メーカーが稟議で使える数値の揃え方

会議室でノートPCを開き施策の数値を検討するマーケティングチーム(稟議に向けた数値整理のイメージ)

ゲームコミュニティ施策を社内で通すには、「いくら使って、何人に、どれだけの変化を起こすか」を数字で示す必要がある。チャネルごとに課金の仕組みが違うため、1,000回(1,000人)に届けるための費用に揃えて比べるのが実務的だ。

1,000接触あたりの費用で比べる

施策

費用の例

届く回数・人数の例

1,000接触あたりの費用

数値の根拠

ゲーム内広告(Ad-Virtua)

30万円/週

約100万回再生

約300円

Ad-Virtua公表の料金と再生回数の目安から計算

一般的な動画広告

—

—

約500円

Ad-Virtuaが比較に用いている通常のCPMの目安

Twitch配信者コラボ

100万円

視聴5万回

約2万円

仮定に基づく試算(配信者への報酬・企画費込み)

Discord公式サーバー運営

月40万円 × 6か月

参加者2,000人

約120万円

仮定に基づく試算(運営人件費込み。1,000人あたり)

コミュニティ運営や配信者コラボは1人あたりの費用が高い代わりに、深い関係と口コミを生む。ゲーム内広告は1人あたりの費用が低く、まだブランドを知らない層にまで広く届く。「広く知ってもらう施策」と「深く熱量を生む施策」を分けて予算を置くと、稟議で役割の違いを説明しやすい。

ブランドリフトとROIの示し方

  • ブランドリフト:施策に接触した人としていない人で、認知率・好感度・購入意向の差を比べる。Ad-Virtuaのゲーム内広告では、広告想起率が通常の広告の約1.8倍、注目度が約1.7倍、好感度が約85%という結果が出ている(Ad-Virtua調べ)。調査の設計はブランドリフト測定とは?で解説している。
  • ROI(投資対効果):「施策で増えた購入者数 × 1人あたりの年間購入額 × 粗利率 ÷ 施策費」で試算する。コミュニティ施策はリピート購入や口コミの効果が遅れて出るため、単年と3年の2通りで示すと価値を小さく見積もらずに済む。

認知KPIの決め方は食品・飲料の認知KPI設計、ゲーム内広告の投資対効果は食品・日用品メーカーのゲーム内広告ROIガイドで詳しく扱っている。


こんな企業におすすめ / おすすめしない企業

こんな企業におすすめ

  • 10代後半〜30代を狙っているが、TVCMやSNS広告だけでは届きにくくなっている企業
  • ゲーム・eスポーツ・アニメ・音楽など、熱量の高いファンがいるジャンルと接点を持つブランド
  • ゲームをしながら口にする商材を持つ企業(飲料・スナック・エナジードリンク・カップ麺など)
  • 短期の購入よりも、中長期のブランドロイヤルティ向上を重視している企業
  • まず小さく始めて、効果を見てから広げたい企業(ゲーム内広告やQuestsから始められる)

おすすめしない企業

  • 3か月以内に購入数などの成果を数字で出す必要がある企業(特にDiscordの公式サーバー運営は中長期型)
  • Z世代・若年層がターゲットではない商材(高齢者向けサービス・BtoB専業など)
  • ゲーム文化への理解や投資意欲が低い企業(「広告枠を買えば終わり」という姿勢では逆効果になる)
  • コミュニティを続けて運営する人員を確保できない企業(その場合はサーバー運営ではなく広告型の施策から始める)

よくある失敗パターン

失敗

何が起きるか

防ぎ方

ゲームらしくない広告を無理に差し込む

世界観を壊し、視聴者・プレイヤーが離れる

ゲームや配信の流れに溶け込む形でブランドを「置く」

配信者をフォロワー数だけで選ぶ

視聴者とブランドの文脈が合わず反応が薄い

視聴者層・配信スタイル・過去の案件を確認して選ぶ

単発で終わらせる

認知が積み上がる前に施策が終わる

最低でも数か月の継続を前提に予算を組む

KPIを決めずに始める

「上がった気がする」で次の予算が取れない

チャネルごとに指標を事前に決める

担当者レベルの小さな予算で進める

規模が小さすぎてコミュニティが育たない

決裁者に「ゲームはZ世代の生活インフラ」という前提から説明する

継続の重要性はeスポーツのスポンサー調査にも表れている。株式会社XENOZの調査では、9割以上の視聴者が応援を通じてスポンサー企業の名前を認知し、6割以上が製品を購入した経験を持つと回答した(XENOZプレスリリース)。これらは継続的な露出で積み上がる効果であり、「1回試してみる」では成果が出にくい。

KPIはチャネルごとに次のように分けておく。

  • Twitch:リーチ人数・視聴時間・チャットでのブランド言及数・クリック率
  • Discord:クエスト完了数(広告)、サーバー参加者数・アクティブ率・投稿数(運営)
  • ゲーム内広告:広告想起率・注目度・再生回数

食品・飲料メーカーがゲームコミュニティ施策を始める手順

ホワイトボードに付箋を貼ってチャネル別の施策スケジュールを整理する担当者(段階的な施策計画のイメージ)

ゲームと関係の薄い業種ほど、いきなり公式サーバーを作るのではなく、次の順で段階的に進めると失敗しにくい。

  1. 目的とターゲットのタイプを決める:認知拡大なら暇つぶし勢を含む幅広い層、ファン化ならコミュニティ重視勢に絞る
  2. 広く認知を作る:ゲーム内広告やDiscord Video Questsで、既存のテレビCM・SNS用の動画素材を流用して出稿する
  3. ブランドリフトを測る:接触者と非接触者で想起率・好感度を比べ、次の予算の根拠にする
  4. 話題を作る:商品と相性の良い配信者とTwitchでコラボし、配信中の「ひと休み」などの場面に商品を置く
  5. ファンを育てる:反応の良かったコミュニティに、大会スポンサーや公式サーバーの形で長く関わる

業界ごとの詳しい進め方は、食品・飲料の若年層リーチを増やす施策7選や飲料メーカーの若年層認知施策で解説している。


ゲームコミュニティ施策でAd-Virtuaが合う企業の条件

Ad-Virtua公式サイト。ゲーム内の看板に動画広告を配信する広告枠のイメージが並ぶ(出典:Ad-Virtua公式サイト)

ゲームコミュニティ施策のうち、Ad-Virtuaのゲーム内広告(サイネージ型)が特に合うのは次のようなケースだ。

  1. 若年層への認知接触が必要だが、Discord・Twitchの運営体制を用意できない企業

→ 動画素材があれば1週間30万円(約100万回再生が目安)から出稿できる。コミュニティ運営のような継続的な人件費はかからない。

  1. TVCMが届きにくい「ゲームをしている時間」に接触したい企業

→ Z世代の1日平均約100分のプレイ時間に、プレイを邪魔しない形で繰り返し接触できる。Ad-Virtuaの配信先ユーザーの約80%はZ世代。

  1. TwitchやDiscordに入る前に、認知の土台を作りたい企業

→ コミュニティにはブランドをある程度知っている人が集まりやすい。先に「見たことがあるブランド」にしておくと、その後のコミュニティ施策が進めやすい。

  1. 3タイプのうち「暇つぶし勢(55.1%)」に届けたい企業

→ ガチ勢・コミュニティ重視勢はTwitch・Discordに集まるが、半数以上を占める暇つぶし勢にはスマホゲームの中で接触するのが効率的だ。


よくある質問(FAQ)

Q1. Discord広告(Quests)は日本の企業でも出稿できますか?

Discordの公式広告ページでは、ゲーム以外にも映画・外食・飲料ブランドの出稿例が紹介されている。ただし、日本の広告主向けの販売窓口・最低出稿額・報酬の設計ルールは公式ページに明記されていないため、Discordの広告窓口または取り扱いのある広告代理店に個別に確認する必要がある。検討段階では、報酬として何を渡せるか(アバター装飾などのデジタル特典を用意できるか)を先に社内で詰めておくと話が早い。

Q2. 配信者(ストリーマー)はどこで探せばいいですか?

THECOO株式会社などのインフルエンサーマーケティング会社が、ゲーム実況者・配信者のキャスティングを提供している。同社の調査では2022年1〜9月の間に645タイトルでYouTubeタイアップが行われており、ゲーム実況の案件市場は成熟しつつある。TwitchのCreator Sponsorships(2025年5月開始)も、配信者と直接つながる選択肢として使える。

Q3. 自社でDiscordサーバーを作るか、既存コミュニティに参加するか、どう判断すればいいですか?

判断の目安は「すでにブランドのファンが一定数いるか」だ。熱心なファンがいるなら公式サーバーを作る価値がある。まだファンが少ない、あるいは食品・日用品のようにゲームとの接点が薄い場合は、ゲーム大会や人気配信者の既存サーバーにスポンサーとして参加するほうが、集客の手間なく会話に入れる。

Q4. ゲームコミュニティで炎上しないために気をつけることは?

ステルスマーケティングと受け取られないよう、配信者との案件では「PR」「提供」表記を必ず入れる(2023年10月から景品表示法の規制対象)。また、コミュニティ内の言葉づかいやミームを企業が無理に真似すると反感を買いやすい。事前に配信者やコミュニティ運営者と、ブランドが使ってよい表現・避けるべき話題をすり合わせておくのが確実だ。

Q5. 未成年のユーザーが多いゲームで広告を出しても問題ありませんか?

酒類や一部の健康食品など、未成年への訴求に業界自主基準や法規制がある商材は注意が必要だ。配信するタイトルの年齢層や、プラットフォームの年齢制限の設定を事前に確認する。一般的な食品・飲料であれば問題になりにくいが、「過度な購買をあおる表現」は避けるのが無難だ。


まとめ:ゲームコミュニティ施策は「役割分担」で成果が決まる

Z世代にとってゲームはSNSと同等のコミュニケーションの場になっている。動画広告が避けられやすくなる中、ゲームコミュニティへの適切な入り方は、若年層への認知拡大とファン化において他の媒体にはない接触の質をもたらす。

  • タイプ分け:Z世代を「ガチ勢・コミュニティ重視勢・暇つぶし勢」に分けて施策を選ぶ
  • Discord:広告(Quests)は認知向け、公式サーバー運営は中長期のファン化向け
  • Twitch:話題化に強い。配信者とブランドの組み合わせが成否を決める
  • ゲーム内広告:暇つぶし勢を含む幅広い層に、1,000回あたり約300円で繰り返し接触できる
  • 組み合わせ:3つを段階ごとに使い分けることで、認知からファン化までをつなげられる

次に読むべき記事

検討の段階に合わせて、次の順で読み進めると判断しやすくなる。

  1. 広告全体の中での位置づけを知る:広告とは?意味・種類・効果・媒体選びをわかりやすく解説
  2. ゲーム内広告の仕組みと効果を知る:ゲーム内広告とは?仕組み・種類・効果・費用を徹底解説
  3. 業界ごとの使い方を知る:食品・飲料メーカーのブランド認知施策、食品メーカーのブランド体験施策事例10選
  4. 自社に合うか相談する:無料相談・資料請求フォーム

ゲーム空間でのファンづくりをさらに深めたい場合はメタバースブランドコミュニティ設計ガイドも参考になる。