ゲーム内音声広告を主力とするイスラエルのOdeeo(オディーオ)が、2026年6月22日にUnityとの提携を発表し、Unityのエコシステムにあるモバイルゲームの広告在庫へOdeeo経由で配信できるようになりました。ゲームを止めない広告が大手の流通網に組み込まれつつあることを示す発表ですが、この提携で日本の在庫も買えるのかは発表されていません。日本の広告主が今すぐ試すなら、国内の事業者を使うことになります。
発表の内容:Odeeo経由でUnityの在庫に配信できるようになった
Odeeoは2026年6月22日付の公式ブログ(Expanding Access to Premium Mobile Gaming Supply: Odeeo's Partnership with Unity)で、Unityとの提携を発表しました。この章の事実関係は、とくに断りがない限りこのブログを出典としています。なお、Unity側の公式プレスリリースは確認できていません。

発表の要点は次の3つです。
- 配信できる在庫が増えた: Odeeoを使う広告主は、今使っているプログラマティック取引の流れのまま、Unityのエコシステムにあるモバイルゲームの広告在庫(ブログの表現では「Unity's supply」)にも配信できる
- 対象は音声・ディスプレイ・動画の3形式: Odeeoは自社を音声専業ではなく「マルチフォーマットのプラットフォーム」と位置づけている
- Unityにとっては広告需要を呼び込む提携: Unity側はこの提携を、マルチフォーマットのアプリ内広告の需要をUnityのエコシステムに呼び込むものだと説明している
ブログに載っているUnityの規模
Odeeoのブログは、Unityの規模として次の数値を挙げています。
指標 | Odeeoのブログの記載 | Unity公式の会社概要ページの記載 |
|---|---|---|
リーチ | Made with Unityのアプリは月間30億台超のユニークアクティブデバイスに届く | Unity製モバイルゲームのダウンロード数は月30億件(2024年12月までの12か月) |
トップ1,000モバイルゲームのシェア | 71%がUnity製 | 70%がUnity製(2025年1月時点) |
トップ100ゲームのシェア | 86%がUnity製 | 記載なし |
2つの資料で数値と集計の基準が違います(デバイス数とダウンロード数、71%と70%)。社内資料に引用するなら、Unity公式の「70%/月30億ダウンロード」を使うほうが安全です。
発表されていないこと
提供開始日、対象の国や地域、取引の形(特定の買い手に限った取引か、オープンオークションか)、金銭的な条件は、ブログに書かれていません。Unityの在庫のうち日本向けの在庫が含まれるかどうかも、現時点では分かりません。
3者のコメント
Unityのクリス・フェオ(Chris Feo)氏(ブログに肩書きの記載なし)は次のように述べています。
「Odeeoと提携し、マルチフォーマットのin-app広告需要をUnityエコシステムにさらに呼び込むとともに、ほかのチャネルですでに成果を上げている革新的な音声フォーマットをモバイルゲームの領域へ加速させられることをうれしく思います」
Odeeoの共同創業者でCEOのアミット・モンハイト(Amit Monheit)氏は、Unityの在庫へのアクセスが「音声・ディスプレイ・動画にまたがる当社のマルチフォーマット基盤にもう一つの層を加える」とコメントしました。共同創業者でプレジデントのエラド・スターン(Elad Stern)氏は、Unityとの提携を「成長の重要なマイルストーン」と呼び、「ブランドやエージェンシーが革新的な音声体験を通じてプレミアムなゲームオーディエンスにアクセスしやすくなる」と述べています。
Odeeoとはどんな会社か

基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
社名 | Odeeo(オディーオ)。事例画像のフッターの表記は「Sonic ODEEO Ltd.」 |
設立 | 2021年 |
本社 | イスラエル(テルアビブ近郊のヘルツリーヤ) |
拠点 | イスラエル・欧州・米国 |
創業者 | アミット・モンハイト(共同創業者・CEO)、エラド・スターン(共同創業者・プレジデント) |
経営陣 | リアット・バラー(Liat Barer、CPO)、エアド・アビノアム(Eado Avinoam、COO)、アンドレイ・シュミゲルスキー(Andrey Shmigelsky、CTO) |
従業員数 | 非公開 |
ミッション | 「音声のイノベーションによって、ゲーマー・開発者・ブランドをつなぐ、より良いゲーム内広告体験をつくる」 |
出典: Odeeo公式 About
本社の所在地は、Odeeo公式サイトではヘルツリーヤ、出資者のカヤックの発表などではテルアビブとされています。ヘルツリーヤはテルアビブの北に隣接する市で、この記事では公式サイトの表記に合わせています。
提供しているもの:プレイを止めない「ゲーム内音声広告」
Odeeoの主力は、モバイルゲームのプレイ中に流す音声広告です。仕組みは次のとおりです。
- ゲームの開発者が、Odeeo独自のSDK(アプリに組み込む開発キット)をゲームに実装する。SDKは今も更新が続いており、ブログではバージョン3.5や3.7の告知が出ている
- プレイ中、画面の隅にブランドのロゴと音声マークを組み合わせた小さな広告アイコンが表示され、ラジオCMのような音声広告が流れる
- ゲームは止まらず、プレイヤーは遊びながら広告を聞く
インタースティシャル広告(画面切り替え時の全画面広告)と違い、プレイを中断しないのが特徴です。ゲーム内広告全体のなかでの位置づけは「ゲーム内広告とは」で整理しています。
Odeeoは、ゲーム開発者向けの収益化の手段と、広告主向けのリーチの手段の両方を提供しています。ターゲティングには「Game Emotions」という、ゲーム中の感情状態をもとに狙う機能があるとしています(詳しい仕様は確認できていません)。2026年時点では、音声に加えてディスプレイ広告と動画広告も扱うマルチフォーマットのプラットフォームを名乗っています。
広告主が買う経路と、配信できる在庫の広がり
区分 | 内容 | 開始時期 |
|---|---|---|
広告主が買う経路 | Odeeoの直販 | — |
広告主が買う経路 | Amazon DSP | 2026年3月 |
広告主が買う経路 | Walmart DSP | 2026年8月 |
配信できる在庫 | Odeeo SDKを組み込んだゲーム | 2021年のサービス開始以来 |
配信できる在庫 | Googleのパートナー在庫へのリアルタイム入札(Google Authorized Buyerとして) | 2026年4月 |
配信できる在庫 | Unityのエコシステムの在庫(今回) | 2026年6月 |
このほか、公式サイトのトップページにはXandr、Magnite、AdsWizz、DAXのロゴが並んでいます。ただし、それぞれとの取引の中身は確認できていません。
インベントリの規模(公表値)
指標 | 値 |
|---|---|
月間アクティブユーザー | 3億人超 |
月間ビッドリクエスト | 120億件超 |
導入ゲーム数 | 1,000本超のプレミアムなモバイルゲーム |
対応国 | 150か国超 |
支援した広告主 | 2021年のサービス開始以来「数万」 |
出典: Odeeo公式 About、Claritas提携のブログ
導入ゲーム数は、2023年12月のオトナル提携時は「1,000本近く」でした。2025年9月のカヤックの発表では「1500タイトル以上」とされていますが、Odeeo公式サイトの現在の表記は「1,000本超」です。
主要パートナー
分野 | パートナー |
|---|---|
ゲームパブリッシャー(公式サイト掲載) | Gameloft、SayGames、Supersonic、PlaySimple、AzurGames、TapNation、MondayOFFほか |
取引・流通(DSP/SSPなど) | Amazon DSP、Walmart DSP、Google(Authorized Buyer)、Xandr、Magnite、AdsWizz、Azerion、DAX |
効果計測 | Claritas(2025年8月提携。ゲーム内音声広告で初のフルファネル計測をうたう)、Oracle MOAT(公式サイトに検証パートナーとして掲載) |
認証・加盟団体 | TAG認証、IAB、IAB UK |
音声の制作 | Wondercraft(AIで音声広告を作る。2025年8月提携) |
地域パートナー | オトナル(日本、2023年12月)、Verben Solutions(中南米、2025年11月)、Lagardère Publicité News(フランス、2026年6月) |
2025年12月には、米広告業界誌ADWEEKの「2025 Tech Stack Awards」でポッドキャスト/音声プロダクト・プラットフォーム部門を受賞したと発表しています。
ここまでの歩み:資金調達とつながり先の広がり
資金調達の振り返り
Odeeoは、ラウンドごとの時期・金額・リード投資家を公式サイトやブログで公開していません。確認できたのは次の範囲です。
時期 | ラウンド・投資家 | 金額 | そのときの会社の状況 |
|---|---|---|---|
公式には非開示 | シード。Play Venturesがポートフォリオに「Seed」として掲載 | 公式には非開示 | 時期が非開示のため特定できない |
公式には非開示 | 韓国のベンチャーキャピタル、Atinum Investmentが既存投資家として参加 | 公式には非開示 | ラウンド名・時期とも確認できていない |
2025年9月4日 | 面白法人カヤック(東証グロース上場) | 100万米ドル | 計測(Claritas)や音声制作(Wondercraft)のパートナーを増やし、広告商品としての形を整えていた時期 |
出典: Play Ventures ポートフォリオ、カヤックのプレスリリース(PR TIMES)
カヤックの発表によると、この出資は日本企業として初めてのOdeeoへの出資です。カヤックは目的として、自社のハイパーカジュアルゲームへのOdeeoの導入を広げることと、日本市場での普及を支援することを挙げています。同社の柳澤大輔CEOは、次世代の広告体験と収益モデルの可能性に大きな期待を寄せているとコメントしました。
累計調達額は、カヤックの発表によると1,500万米ドルです。Odeeo自身の発表ではこの金額を確認できていません。
出資者のカヤックは、ゲームを作る側として自社タイトルへの導入を目的に挙げています。Odeeoは広告主向けの商品であると同時に、ゲームの開発者にとって「プレイを止めずに収益化できる手段」でもあります。
年表:音声専業からマルチフォーマットへ
時期 | 出来事 |
|---|---|
2021年 | 創業・サービス開始 |
2023年12月20日 | 日本のオトナルと提携。日本の約7,000万人のモバイルゲーマーに音声広告を届けると発表 |
2024年10月21日 | 英国労働年金省の出稿事例を公開 |
2025年8月5日 | Claritasと提携し、ゲーム内音声広告のフルファネル計測に対応 |
2025年8月21日 | Wondercraftと提携し、AIによる多言語の音声広告制作に対応 |
2025年9月4日 | カヤックが100万米ドルを出資 |
2025年11月4日 | マクドナルドの出稿事例を公開 |
2025年11月26日 | Verben Solutionsと中南米で提携 |
2025年12月9日 | ADWEEK「Tech Stack Awards」受賞を発表 |
2026年3月11日 | Amazon DSPで在庫を購入できるようになる |
2026年4月17日 | GoogleのAuthorized Buyerになる |
2026年6月22日 | Unityと提携(今回) |
2026年6月23日 | フランスのLagardère Publicité Newsと提携 |
2026年8月13日 | Walmart DSPで在庫を購入できるようになる |
出典: Odeeo公式ブログの各記事、カヤックのプレスリリース(PR TIMES)
年表を見ると、2025年までは計測・制作・地域の代理店といった広告商品として売るための部品をそろえていました。2026年に入ってからは、広告主が買える経路(Amazon DSP・Walmart DSP)、配信できる在庫(Googleのパートナー在庫・Unity)、地域の販売網(フランスのLagardère)を短い期間に増やしています。

2026年3月のAmazon DSP対応で、Amazon DSPを使う広告主がOdeeoのゲーム内音声広告の在庫を購入できるようになりました。

2026年4月にはGoogleのAuthorized Buyerとなり、Googleのパートナー在庫にリアルタイム入札で直接入札できるようになりました。このときの発表で、扱う形式として音声・ディスプレイ・動画が並んでいます。

Unity提携の翌日には、フランスのLagardère Publicité Newsとの提携を発表しました。フランスでの規模は、月間アクティブユーザー300万人、2,500本のゲーム、月2,000万インプレッション超とされています。

2026年8月には、Walmartの広告事業(Walmart Connect)のDSPにも対応しました。Amazonに続き、小売大手の広告基盤から買える経路が2つになっています。
広告出稿事例
事例1:マクドナルド(米国のアジア系消費者向け)
米国のマクドナルドが、エージェンシーのAdmerasiaを通じて、アジア系米国人に向けた「McValue」キャンペーンでゲーム内音声広告を使いました。狙いは、アプリのインストール、会員登録、注文を増やすことでした。
指標 | 結果(Claritasによる検証) |
|---|---|
注文数(広告による上積み分) | +15% |
アプリのインストール | +50% |
会員登録 | +50% |
出典: Odeeo公式 マクドナルド事例(2025年11月4日公開。実施期間の記載なし)

パズルゲームの盤面の横に、マクドナルドのロゴと音声マークの小さなアイコンが出ています。画面の大部分はゲームのままです。公表されている指標が認知ではなく注文やインストールといった成果の数値で、第三者の計測会社が検証している点が、この事例の特徴です。
事例2:コスタコーヒー(英国)
英国最大のコーヒーチェーン、コスタコーヒー(Costa Coffee)が、DAXのモバイルゲーム部門(DAX Mobile Gaming)と組んでゲーム内音声広告を配信しました。事例ページには効果の数値が載っておらず、詳しい資料はダウンロード形式で提供されています。

事例3:英国労働年金省(公共機関の告知)
英国の労働年金省(DWP)が、同じくDAXと組んで、ユニバーサル・クレジットの受給者や50歳以上の失業者に向けて求職支援を告知しました。公開ページには、信頼・サービスの認知・サイトへの流入が「大幅に伸びた」とだけ書かれており、数値は載っていません。
出典: Odeeo公式 英国労働年金省事例(2024年10月21日公開)

3つの事例のうち、効果の数値を公開しているのはマクドナルドだけです。飲食チェーン2社と公共機関という組み合わせから、ゲーム内音声広告は日常的な来店・利用を促したい業種や、特定の層に情報を届けたい用途で使われていると考えられます。食品・飲料ブランドが若年層に届ける施策の全体像は「食品・飲料の若年層リーチ」で比べています。
なぜこの提携が起きたのか
Odeeo側:自社SDKだけでは届かない規模を取り込む
Odeeoが自社SDKで持つ在庫は、公表値で1,000本超・月間アクティブユーザー3億人超です。一方、Unity製のゲームは、Unity公式の数値でトップ1,000モバイルゲームの70%を占めます。すべての開発者にSDKを入れてもらわなくても、Unity側の在庫に配信できれば、広告主に出せる規模を広げられます。
公式にそう説明されてはいませんが、今回の提携は、Amazon DSPなどで広告主が買える経路を増やしたのに合わせて、配信できる在庫を広げるための動きと考えられます。買える経路が増えても在庫が足りなければ、配信量は伸びないためです。
音声専業からマルチフォーマットへ
提携の対象は音声・ディスプレイ・動画の3形式で、Odeeo自身も「マルチフォーマット」を前面に出しています。GoogleのAuthorized Buyer対応の時点から同じ3形式を挙げており、Unity提携はその延長線上の動きです。音声を差別化の軸として残しつつ、広告主が一つの窓口でゲーム内の複数形式を買えるようにする方向に進んでいると読めます。
Unity側:広告の需要を呼び込む
Unityのフェオ氏のコメントは「マルチフォーマットのin-app需要をUnityのエコシステムに呼び込む」という内容でした。フェオ氏はモバイルゲームを「エージェンシーやブランドが一日を通じた遊びの瞬間に消費者へリーチできる、拡張性が高く堅牢なチャネル」とも表現しています。Unityから見ると、エージェンシーやブランドの広告予算を自社のエコシステムに呼び込む窓口を増やす提携と読めます。
市場の見通し
Odeeoは2026年2月の自社ブログで、調査会社Market.usの予測を引用し、ゲーム内広告の市場が2035年に84億米ドル(約4倍)になるとしています。予測の前提は調査会社ごとに異なるため、ひとつの目安として扱うのが妥当です。
日本市場ではどうか
Odeeoと日本の接点は2つある

1つ目は、音声広告の専門会社オトナルとの提携(2023年12月20日、Odeeo公式ブログ)です。オトナルは、ゲーム内音声広告「GainAds」をOdeeoの技術で提供すると発表しました。オトナル代表の八木太亮氏は「日本ではゲーム内音声広告は未開拓の市場」とコメントしています。このときのブログは、日本のモバイルゲーマーを約7,000万人としています。
ただし、オトナルが2023年10月25日に出したGainAdsの発表にはOdeeoの名前がありません。現在のGainAdsのページでは、開発者向けに「Audiomob・Odeeo等のアドテクで実装可能」と書かれており、GainAdsの配信のうちどこまでがOdeeoの在庫なのかは分かりません。
2つ目は、前述のカヤックによる出資(2025年9月)です。
日本の広告主は今すぐ使えるか
国内でゲーム内音声広告を出す経路はすでにあります。オトナルは2025年7月30日にGainAdsを運用型(プログラマティック)で提供し始め、Googleのディスプレイ&ビデオ360(DV360)とThe Trade Deskから買えるようにしました。リーチは「国内外で月間3億3千万人以上」、対象のゲームは500本以上です。国内だけの在庫量は公開されていません。GainAdsの過去の広告主には、明治、エーザイ、ヤマハミュージックジャパン、RIZAPの名前が挙がっています(Odeeoの在庫が使われたかどうかは不明)。
一方、今回のUnity提携で増えた在庫を、日本の広告主が日本向けに買えるかは分かりません。 ブログに対象地域の記載がないためです。
国内で使うときの壁
- 国内在庫の量が見えない: Odeeoもオトナルも、日本だけの在庫量を公開していない。配信計画を立てにくい
- 日本語の音声素材が必要: テレビCMや動画の素材はそのまま使えず、音声用に作る必要がある。国内ではオトナルが制作を請け負っている
- ミュートで遊ぶ人には音が届かない: Odeeoはアイコンを見える・押せる形で表示して補う設計だが、日本でミュートでプレイする人の割合を示すデータは見つからなかった
国内の同じ種類の動き
- オトナル「GainAds」: 2023年10月に開始、2025年7月に運用型へ
- ARROVA(博報堂DYグループ)×オトナル「IMASIVE」: 2025年4月17日に発表、2025年6月26日に共同提供を発表。ゲーム内の看板型広告(画像・動画)と音声広告を横断して配信する商品で、大手広告会社グループの事業者が「見せる」と「聞かせる」を組み合わせて売り始めている(ARROVAの発表、共同提供の発表)
- AdMel: 2024年6月設立、東京・渋谷のゲーム内音声広告の新しい事業者。2026年4月に「どアニメ宣言!JOYSOUND」の事例を公開(音声CMの制作はオトナル。Odeeoの関与は記載なし)
日本でもゲーム内音声広告の商品はそろい始めており、運用型で買える経路もできています。
日本で同じ広告を実施する選択肢
Odeeoの広告は「ゲームを止めずにブランドに接触させる」タイプです。日本で同じ種類の接触をつくる選択肢を、公開情報の範囲で比べます。
選択肢 | 形式 | 買い方 | 公表されている規模 | 合う目的 |
|---|---|---|---|---|
Odeeo(直接・海外DSP経由) | 音声+アイコン。ディスプレイ・動画も | 直販、Amazon DSP、Walmart DSPなど | 月間3億人超・150か国超(全世界) | 米国・英国など海外市場での配信、成果指標での評価 |
オトナル「GainAds」 | 音声 | 運用型(DV360、The Trade Desk)、オトナル経由 | 国内外で月3億3千万人以上、500本以上 | 国内で音声広告を運用型で試す |
ARROVA×オトナル「IMASIVE」 | 看板型(画像・動画)+音声 | 両社経由 | 公表値を確認できていない | 見せる広告と聞かせる広告の組み合わせ |
AdMel | 音声 | 同社経由 | 公表値を確認できていない | 国内での音声広告の個別相談 |
Ad-Virtua | ゲーム空間の看板・モニターに流す動画 | 直販(1週間30万円のプラン) | 国内400タイトル以上 | 動画素材を使った国内の認知施策 |
※各社の公表値。Ad-Virtuaの数値は自社公表値。
Ad-Virtuaが合う企業・合わない企業
Ad-Virtuaは、ゲーム空間の中の看板やモニターに動画広告を流す国内のゲーム内広告ネットワークです。Odeeoと同じくプレイを止めない広告ですが、「耳」ではなく「目」で接触させる点が違います。日本国内で同じ種類の接触を試す選択肢の一つとして、合う条件と合わない条件を整理します。
こんな企業におすすめ
- テレビCMやSNS用の動画素材がすでにあり、音声用に作り直さずに使いたい
- 日本国内のゲームユーザー、とくに若年層への認知を広げたい
- 音を出していない人にも接触させたい
- 1週間30万円から小さく試し、広告想起率や注目度などの認知の指標で評価したい(Ad-Virtuaの公表値では広告想起率約1.8倍、注目度約1.7倍)
おすすめしない企業
- マクドナルドの事例のように、注文やアプリのインストールといった成果の数値を直接追いたい(Ad-Virtuaが公表しているのは認知系の指標)
- ラジオCMなどの音声素材をすでに持っており、それを活かしたい(音声広告のほうが素材を活かしやすい)
- 米国・英国など海外の消費者に配信したい
- Amazon DSPなど、すでに使っているDSPの中でまとめて運用したい
看板型と音声型は、目的で使い分けるものです。国内ではIMASIVEのように両方を組み合わせる商品も出ています。
広告主が取るべき判断
今動いてよい企業
- 海外(とくに米国・英国)で販売している消費財・飲食ブランドで、Amazon DSPやWalmart DSPでの運用体制がある企業。Odeeoの在庫を既存の買い付け経路から試せる
- ラジオCMや音声広告の素材を持つ国内企業。オトナルのGainAdsで、運用型でゲーム内音声広告を試せる
- テレビCMの補完として、国内のゲームユーザーへの動画での認知施策を探している企業。ゲーム内サイネージで今すぐ試せる(テレビCMを補う手段の比較は「テレビCMの代替・補完施策」を参照)
様子見でよい企業
- 日本国内だけに配信したく、かつUnity提携で増えた在庫を当てにしている企業。対象地域が発表されるまで判断材料がない
- 国内在庫の量を見てから予算を決めたい企業。音声広告の国内在庫量は現時点で公開されていない
- 効果検証の仕組みを用意できない企業。マクドナルドの事例のように第三者の計測を組み合わせないと、音声広告の効果は社内で説明しにくい
関連する基礎知識
- ゲーム内広告とは|種類・仕組み・効果をまとめて解説 — 音声広告やサイネージ広告が、ゲーム内広告全体のどこに位置するかを整理した記事
- リワード動画広告とは — プレイを中断する広告・中断しない広告の違いを知りたい場合に
- テレビCMの代替・補完施策 — ラジオCMに近い音声広告を、マス広告の補完として検討する場合に
- 食品・飲料の若年層リーチ — 飲食ブランドの事例を自社の業界に当てはめて考える場合に
よくある質問
Unityで作られたゲームなら、すべてにOdeeoの広告が出るのですか?
そうとは発表されていません。今回の提携は、Odeeoの買い付けの仕組みからUnityの広告在庫にアクセスできるようにするものです。対象になる在庫の範囲、国・地域、取引の形はいずれも公表されていません。
日本語の音声広告は作ってもらえますか?
Odeeoは2025年8月にAI音声制作のWondercraftと提携し、50以上の言語にローカライズできるとしています。ただし日本語が含まれるかは確認できていません。国内では、オトナルが音声CMの制作を請け負った事例があります。
ゲームを開発・運営している企業も、Odeeoを使えますか?
Odeeoは開発者向けにSDKを提供し、組み込んだゲームの広告枠を収益化する事業も持っています。日本では、カヤックが自社のハイパーカジュアルゲームへの導入を広げる方針を示しています。
ブランドの安全性や第三者の検証はどうなっていますか?
OdeeoはTAG認証を取得し、IABとIAB UKに加盟しています。公式サイトには検証パートナーとしてOracle MOATのロゴも載っていますが、現在の提供状況は確認できていません。出稿前に、どの第三者ツールで計測・検証できるかを個別に確認するのが確実です。
音声広告の効果は、ほかのゲーム内広告と比べて高いのですか?
同じ条件で比べた公開データはありません。Odeeoが公表しているマクドナルドの事例は注文・インストールなどの成果の数値で、ゲーム内サイネージで公表されることが多い想起率・注目度といった認知の数値とは、測っているものが違います。比べるときは、自社の目的(認知か、来店・購入か)に合った指標で揃える必要があります。


.jpg)



