結論
マイクロソフトの広告事業全体を統括するMicrosoft Advertisingのトップに、LinkedIn広告を率いてきたマット・デレラ氏(Matt Derella)が就任した。検索広告とLinkedIn広告を合わせた年間売上が200億ドル(1ドル=150円換算で約3兆円、2026年8月27日レート参考)規模に達したタイミングでの経営統合であり、その傘下にあるXbox広告(Xbox Media Solutions)が今後どう位置づけられるかが、業界の関心事になっている。
発表の内容
2026年5月中旬、Microsoft Advertising(Bing検索広告・MSN・LinkedIn広告・Xbox/ゲーム広告を含むマイクロソフトの広告事業全体)のトップを務めていたカイア・サインズベリー=カーター氏(Kya Sainsbury-Carter、マイクロソフト在職約20年、広告部門トップとしては約3年在職)が退任した。後任には、2024年12月頃にLinkedInへ入社しグローバル広告営業責任者を務めていたデレラ氏が就いた。デレラ氏はLinkedIn AdsとMicrosoft Advertisingの両方を統括するSVP(シニア・バイスプレジデント)となったが、両事業は組織としては引き続き別法人・別組織のまま運営される(出典: LinkedIn公式ニュースルーム、2026年5月19日付、https://news.linkedin.com/2026/matt-derella-expands-leadership-across-linkedin-ads-and-microsof)。

その約1ヶ月後の2026年6月25日、Adweek編集長のライアン・ジョー氏(Ryan Joe)がデレラ氏への単独インタビュー記事「Meet the New Executive Running Microsoft's $20B Ad Empire, Right as AI Rewrites the Rules」を公開した(https://www.adweek.com/brand-marketing/meet-the-new-executive-running-microsofts-20b-ad-empire-right-as-ai-rewrites-the-rules/)。副題では「なぜブランド構築が復権しているか」「なぜウェブサイトの80%が未来をブロックしているのか」「Xbox広告が何になり得るか」という3つの論点が示されている。ただし本記事は有料会員限定であり、デレラ氏本人によるXbox広告への具体的な発言原文は本稿執筆時点で確認できていない。
確定している数値は次の通りである。
項目 | 内容 |
|---|---|
検索広告+LinkedIn広告の合算年間売上 | 2025年春時点で200億ドル突破(前任ロブ・ウィルク氏が2022年に掲げた「倍増」目標の達成に相当) |
マイクロソフト広告事業全体の売上 | FY2025(2025年3月期決算)で過去12ヶ月ベース初の200億ドル突破(報道ベース) |
LinkedIn単体の年間売上 | FY2025で初の170億ドル突破(報道ベース) |
LinkedIn会員数 | 累計10億人超(LinkedIn公式)。FY2025で世界1.2億人に到達という報道もあるが、対象期間・一次資料は未確認 |
LinkedIn広告の成長率 | 前年比+14%、うち動画広告+20%超、イベント広告+50%超(対象期間の明記なし・未確認) |
Microsoft検索・ニュース広告の成長率 | +12%(為替調整後+9%、対象期間の明記なし・未確認) |
Xbox広告事業単体の売上規模はマイクロソフトがセグメント別に開示していないため非公開である。
Microsoft Advertisingの広告事業

Microsoft Advertisingは、マイクロソフトの広告事業を横断で統括する部門であり、検索広告(Bing・MSN・Edge等)、ネイティブ広告、LinkedIn広告、Xbox・ゲーム内広告を包含する。対応プラットフォームはBing、MSN、Edge、Copilot、Outlook、Windows、Xbox、LinkedIn(会員10億人超)に及び、Microsoft AdvertisingとLinkedIn Marketing Solutionsは組織としては別体だが、デレラ氏の下で戦略の統合が進みつつある(出典: LinkedIn公式ニュースルーム)。
Xbox Media Solutionsの広告事業
Xboxコンソールおよびマイクロソフト傘下のゲームタイトルに広告インベントリを提供する組織が「Xbox Media Solutions」である。旧称は「Activision Blizzard Media」で、2023年10月にマイクロソフトがアクティビジョン・ブリザード(Activision Blizzard)を買収したことに伴い、Xboxおよびマイクロソフトのゲームフランチャイズを含む形に再編された(出典: about.ads.microsoft.com公式プロフィールページ)。

Xbox Media Solutionsは自らを「200カ国以上、数億人のプレイヤーにリーチする、トップクラスのクロスプラットフォームゲーム企業への広告主向けゲートウェイ」と説明している。ポートフォリオには、モバイルの「Candy Crush Saga」「Solitaire」、コンソール/PCの「Call of Duty」「World of Warcraft」「Halo」「Minecraft」「Doom」「Diablo」「Forza」などが含まれ、「13の10億ドル規模フランチャイズを保有する」と公式に主張している。
提供する広告フォーマットは以下の通りである。
- Rewarded Video(報酬型動画広告)
- Playables(プレイアブル/インタラクティブ広告)
- Rewarded Portal(レベル画面等に組み込む常設の報酬ポータル)
- Xbox Landing Experiences
- Click-to-Engage on Xbox
- Run of Gaming Video
- Cross-Screen(CTV連携)
公式が主張するパフォーマンス指標は、視聴可能率98%、購買意向2.3倍、広告想起4.3倍。認証としてIAB UK Gold Standard 2.1、TAG Brand Safety、TAG Fraud Certifiedを自己申告している(第三者検証は未確認)。計測・アトリビューションでは電通(Dentsu)と共同でアテンション指標の調査を実施したことがXbox Media Solutions公式ブログで言及されている。
マイクロソフトは2024年9月、公式ブログで2025年中にXboxコンソール向け広告販売をインハウス化する方針を明言している(出典: about.ads.microsoft.com、2024年9月付)。Xbox Media Solutionsのマーケティング・コミュニケーション責任者はクレア・ナンス氏(Claire Nance、Senior Director, Marketing & Communications)で、同氏が公式ブログやAdweekポッドキャストでゲーム広告の意義を発信している。
主要パートナーとして確認できたのは、計測面での電通、ゲームパブリッシャーとしてはアクティビジョン・ブリザード(自社傘下)と同傘下のキング(King、Candy Crush開発元)、広告出稿ブランドとしてはハーシー(Hershey's)、プラダ(Prada、ロレアル傘下)である。
ここまでの歩み
マイクロソフトのゲーム空間への広告展開は今回が初めてではない。過去の撤退を含めて時系列で見ると、少なくとも3つの時代に区分できる。
- 2006年5月: Massive Incorporated買収
コンソール・PCゲーム内にリアルタイムで広告を配信するスタートアップ、Massive Incorporatedを約2〜4億ドル(報道額に幅あり、公式非開示)で買収。Xbox Liveを含む広告配信基盤として期待された。
- 2010年末: Massive Inc.閉鎖(撤退)
Massiveは2010年末に事業終了。ゲームパブリッシャーとの収益分配モデルが、パブリッシャー側の関心(広告収益よりゲーム販売収益を優先)と噛み合わず、主要顧客だったエレクトロニック・アーツ(Electronic Arts)が同年に自社インハウス化して離脱したことが要因として報じられている(出典: 報道ベース、Digiday)。この失敗は、今回の経営統合を評価するうえでも重要な前例である。
- 2009年5月: Xbox LIVE AD開始(日本含む)
Xbox Live上で全画面スポンサードプログラム・デジタルアイテム提供による広告商品「Xbox LIVE AD」を開始。日本でのパイロット展開は映画『GOEMON』『ザ・スピリット』の広告で実施され、アジア地域で初の同種取り組みとされた(出典: ascii.jp、2009年5月13日付。マイクロソフト公式リリースは未確認)。
- 2022年1月〜2023年10月: アクティビジョン・ブリザード買収
買収発表は2022年1月、完了は2023年10月(報道ベースでは約687億ドル)。Candy Crush・Call of Duty・World of Warcraftなどの広告インベントリがマイクロソフト傘下に入った。
- 2023年〜: Activision Blizzard MediaからXbox Media Solutionsへの統合
買収後、旧Activision Blizzard MediaがXboxおよびマイクロソフトのゲームフランチャイズを含む形で再編され、現在の「Xbox Media Solutions」となった。
- 2024年9月: 「Press Start」ブログでゲーム広告戦略を体系化
Rewarded Video・Interstitial等のフォーマットと視聴完了率等の指標を公式に整理し、2025年中のXboxコンソール向け広告販売インハウス化を表明した。
- 2026年4月: 「The Future Is In Play」ブログでゲーム広告を\"最強の広告エコシステム\"と位置づけ
ナンス氏名義で、モバイル週次プレイヤーの86%が毎週ゲームをプレイし、73%が2プラットフォーム以上でプレイしていること、ゲーム内広告の完全視聴率が100%(オンライン動画86%、ソーシャル77%との対比)であることなどを公式発表した。

- 2026年5月〜: サインズベリー=カーター氏退任、デレラ氏がSVPに就任
広告部門トップとして約3年(マイクロソフト在職通算約20年)を経て退任。LinkedIn広告を率いていたデレラ氏がLinkedIn AdsとMicrosoft Advertising双方を統括する体制に移行した(出典: LinkedIn公式ニュースルーム、2026年5月19日付)。
- 2026年5月: ハーシーのケーススタディ公開(詳細は後述の事例1)
- 2026年6月25日: Adweekがデレラ氏の単独インタビューを掲載
「200億ドル規模の広告帝国」「AIがルールを書き換える中で」というテーマで、デレラ氏の戦略観を特集。副題で「Xbox広告が何になり得るか」に言及した。
Xbox広告は、2006年のMassive買収とその撤退という失敗、2009年のXbox LIVE AD、2023年のアクティビジョン・ブリザード買収による大型インベントリ獲得、2025年のインハウス化という積み上げの上に、2026年にMicrosoft Advertising全体(200億ドル規模)の経営統合の一部として位置づけ直された段階にある。単発の実験ではなく、BingやLinkedInと並ぶ主要事業として経営トップ(SVP)の直轄管掌下に入ったことが、今回の人事の核心といえる。
広告出稿事例
Xbox Media Solutionsが公式に公開しているケーススタディのうち、効果指標が明記されている2件を紹介する。いずれもモバイルゲーム「Candy Crush Saga」への統合事例である。
事例1: ハーシー「Holiday Bells」× Candy Crush Saga

2025年ホリデーシーズン、ハーシーはKISSES「Holiday Bells」をCandy Crush Sagaのゲームプレイに複数フォーマットで統合した。認知段階でSponsored Gift、再認知段階でRewarded Video、インタラクティブ段階でCandy-fied Playablesを展開し、中核施策としてレベル画面にアニメーション化したHershey's Kissを組み込むRewarded Portalを実装している。

公表されている効果指標は次の通り。
- ブランドリフト(全体): 広告想起 +55ポイント、Top-of-Mind認知 +11ポイント、比較検討意向 +13ポイント、購入意向 +7ポイント
- Rewarded Portal実装による増幅効果: 広告想起1.2倍、Top-of-Mind認知2.3倍、比較検討意向2.1倍、購入意向2.5倍
- パフォーマンス: インプレッション4,000万以上、クリック数167万、CTR 4.32%、日次エンゲージメント1.7倍
ハーシーのVP of Consumer Connectionsであるビニー・リナルディ氏(Vinny Rinaldi)は「このパートナーシップの成果に満足している」という趣旨のコメントを寄せている(全文は非公開、出典: 公式ケーススタディ、2026年5月26日付)。
事例2: プラダ キャンディ(ロレアル)× Candy Crush Saga

2022年11月から実施されたこの事例は、Candy Crush SagaのIP(知的財産)を使ったマッチングミニゲーム内にプラダ キャンディ(Prada Candy)香水を統合したもの。プレイヤーがミニゲームをクリアすると香水サンプルを無料請求できる導線を設計しており、Candy Crushが自社IPをブランドとの統合に使った初の事例とマイクロソフトは説明している。
公表されている効果指標は次の通り。
- サンプル4万個が公開24時間以内に完売
- 週間トラフィック +1,813%
- ミニゲーム完了プレイヤーのCTR 6.6%、エンゲージメント率98.9%
- 広告想起 +52ポイント、認知度 +24ポイント、好感度 +3.5%、完了率96.2%
ロレアルのConsumer Activation担当VPであるノーブルズ・クロフォード氏(Nobles Crawford)は「今回のキャンペーンによってプラダ キャンディの売上が反発し、下降トレンドを覆すことができた。サンプリング要素は、この香水の売上を押し上げる上で特に重要だった」とコメントしている(原文: “Our campaign led to a bounce in Prada Candy sales, which reversed its downtrend. The sampling aspect was especially crucial for driving sales for the fragrance.”、出典: 公式ケーススタディ、2023年2月9日付)。具体的な売上数値は非公開である。
なぜこの動きが起きたのか
背景には、少なくとも2つの要因がある。
第一に、Microsoft Advertising自体の事業規模の到達点である。前任のロブ・ウィルク氏(現Yahoo CRO)が2022年に掲げた「広告事業売上を200億ドルへ倍増させる」という目標が、検索広告とLinkedIn広告の合算売上ベースで2025年春に達成された。目標達成の節目で、成長を主導したLinkedIn側のトップにグループ全体の指揮を委ねる人事は、事業の主軸がどこにあるかを示す判断といえる。
第二に、Adweekインタビューの副題が示す「AIが広告のルールを書き換えている」という業界文脈である。副題では「なぜブランド構築が復権しているか」「なぜウェブサイトの80%が未来をブロックしているのか」という論点が並べられており、検索連動型広告への依存度を下げ、AIによる情報接触の変化に対応する必要性が背景にあると考えられる。そのなかで、検索広告のように生成AIの回答生成に代替されにくいゲーム内広告・LinkedIn広告が、ポートフォリオ上の重みを増している可能性がある。ただし、デレラ氏本人がXbox広告の将来像について具体的にどう語ったかは、Adweek本文が有料会員限定のため確認できていない。
日本市場ではどうか
Microsoft Advertising自体は、2022年5月31日に検索広告・ネイティブ広告を国内の全代理店・ブランドに開放する形で日本展開を本格化させたと公式発表している(出典: News Center Japan、https://news.microsoft.com/ja-jp/2022/05/31/220531-information/)。
一方、Xbox向けゲーム内広告の日本展開は状況が異なる。2009年にXbox LIVE ADとして映画広告のパイロット展開実績はあるものの、アクティビジョン・ブリザード買収後に整備されたCandy Crush等の現行フォーマット(Rewarded Video・Rewarded Portal等)が日本のプレイヤー・広告主に対して現在提供されているかどうかは確認できなかった。2022年報道時点で「日本展開の計画はない」との見解が示されたとする報道もあるが、発言者・日付を特定できておらず未確認として扱う。
Xbox Media Solutionsが扱うインベントリは英語圏中心のグローバルタイトルが主体で、購入はセルフサーブまたはグローバル代理店経由が中心と推測される。日本語での出稿サポート体制や国内代理店経由の取り扱いの有無は、本稿執筆時点では確認できていない。
参考までに、日本のモバイルゲーム広告市場は2025年に約4,400億円(31.2億ドル)規模とされ(出典: DOMAIN.md記載)、日本のモバイルゲームダウンロード数は2020年のピーク以降横ばいで年6億件以上、ARPUの高さが特徴とされる(出典: Sensor Tower『2025年日本のゲーム市場インサイト』)。ゲーム内広告の考え方そのものについては、下記の解説記事も参考にしてほしい。
関連記事: ゲーム内広告とは
日本で同じ広告を実施する選択肢
Xbox Media SolutionsのRewarded Portal・PlayablesのようなフォーマットをCandy Crushなどのグローバルタイトルで実施する場合、日本の広告主にとっては言語・代理店網・最低出稿規模といったハードルがあると推測される(いずれも未確認のため、あくまで推測として扱う)。実際に問い合わせて条件を確認する必要がある。
国内で同種の「ゲームプレイに溶け込む広告」を試したい場合の選択肢の一つが、国内ゲームタイトルに特化したアドネットワークであるAd-Virtuaである。Ad-Virtuaはゲーム空間内の看板・モニターに動画広告を配信するサイネージ広告型のアドネットワークで、対応タイトルは400タイトル以上、累計再生数8,000万回超(2025年後半時点)、料金は1週間30万円のプランから利用できる。
この選択肢が合うのは、Xbox Media Solutionsのようなグローバルインベントリへの直接出稿にハードルを感じている企業や、まずは国内の若年層接点で「ゲーム内広告のブランドリフト効果」を小規模に検証したい企業である。一方、すでにグローバル展開しているブランドで、Candy CrushやCall of Dutyのような海外の大規模プレイヤー基盤に直接リーチしたい企業にとっては、Ad-Virtuaは代替にならない。国内タイトル中心のインベントリという性質上、規模・タイトルラインナップの前提が異なる点は理解しておく必要がある。
広告主が取るべき判断
今回の人事・インタビュー単体は、広告主が即座に行動を変える性質のニュースではない。ただし、次の条件に当てはまる企業は動きを検討する価値がある。
- グローバル展開しており、すでにMicrosoft Advertising経由で検索広告・LinkedIn広告を出稿している企業: 担当営業を通じてXbox広告メニューの最新条件(日本語対応・最低出稿規模)を確認する価値がある
- TVCM・SNS広告の補完として、若年層への「嫌われにくい広告接触」を国内で探している企業: Ad-Virtuaのような国内アドネットワークで小規模に検証を始められる
TVCM・SNS広告との役割分担そのものを整理したい企業は、以下の記事もあわせて参考にしてほしい。
関連記事: テレビCMの代替・補完施策
一方、次の条件の企業は様子見でよいと考えられる。
- ゲーム内広告のKPI設計・アトリビューション体制がまだ整っていない企業(まずは基礎知識の整理から始めるべき)
- 国内ローカライズされたゲーム内広告の提供状況が未確定な海外プラットフォームに、初手から予算を寄せる企業(Xbox Media SolutionsのCandy Crush等のフォーマットは、日本語での出稿体制が本稿執筆時点で確認できていない)
なお、マイクロソフトは2006年のMassive Incorporated買収から2010年の撤退という失敗を経験している。撤退の要因はゲームパブリッシャーとの収益分配モデルの不一致とされ、「ゲーム内広告は出せば当たる施策ではない」ことを示す前例である。今回の経営統合が過去の失敗と異なるのは、インベントリを自社で保有(アクティビジョン・ブリザード買収)した上でインハウス化を進めている点だが、この違いが実際の成果につながるかは今後の実績で判断する必要がある。
関連する基礎知識への導線
Rewarded Video・Playables・Rewarded Portalといったフォーマットの位置づけを理解するには、まずゲーム内広告全体の分類を押さえておくと理解しやすい。
- ゲーム内広告とは — ゲーム外広告(インタースティシャル・リワード広告)とゲーム内広告(サイネージ広告・コラボ型広告)の違いを整理した基礎解説
FAQ
Q. Microsoft Advertisingとマイクロソフトの広告事業全体は同じものか。 A. ほぼ同義で使われるが、正確にはMicrosoft Advertisingは検索広告・ネイティブ広告・Xbox広告を含む部門を指し、LinkedIn広告(LinkedIn Marketing Solutions)は組織としては別体である。デレラ氏の就任により両者は同一人物の統括下に入ったが、法人・組織構造自体は別のままである。
Q. マット・デレラ氏はゲーム業界の出身か。 A. いいえ。ジョージタウン大学英文学BA出身で、Twitter(現X)でChief Customer Officer、Googleでデジタルアドバイザー、LinkedIn入社直前はCatalyte社CEOを務めた広告・営業畑の経歴である。ゲーム業界での直接の経歴は確認できていない。
Q. サインズベリー=カーター氏の退任理由は何か。 A. 本人の退任コメントとして「新しい発想と新しいリーダーに手綱を譲るべき時が来た」という趣旨の発言が報道されているが、一次ソース(本人のLinkedIn投稿本体)は未確認で、報道の孫引きの可能性がある。具体的な退任理由は公表されていない。
Q. Xbox広告事業だけの売上規模はどれくらいか。 A. マイクロソフトは公表していない。目安を知りたい場合は、本稿で紹介したハーシー・プラダのケーススタディのような個別の効果指標を参照する方が実態に近い。非開示のセグメント売上に投資判断の根拠を求めるより、実施企業が公開している効果データを積み上げて判断する方が現実的である。
Q. 今回のインタビューでXbox広告の具体的な将来計画は語られたのか。 A. Adweek記事の副題は「Xbox広告が何になり得るか」という論点を掲げているが、有料会員限定の本文までは本稿執筆時点で確認できていない。現時点で確認できるのは、Xbox広告がBing・LinkedInと並ぶ経営陣直轄の事業として位置づけ直されたという体制面の変化であり、具体的な商品戦略の中身は今後の一次情報を待つ必要がある。


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