Discord は2026年7月22日、Sony Pictures の映画『Resident Evil』(日本題『バイオハザード』)のプロモーションとして、アプリ内の参加型広告「Mission Quest」と、サンディエゴ・コミコン期間中のファン向け会場を組み合わせた施策を発表しました。映画や映像作品の宣伝に Discord の報酬付き広告を使う例は2024年から続いており、今回はそれが初めてアプリの外のリアル会場まで広がりました。日本の広告主にとっては「ゲーマーが長く過ごす場所で、公開や発売の前に認知をつくる」設計の参考になりますが、Discord の広告を日本から買えるかは現時点で公式に確認できません。

発表の内容
Discord Inc.(ディスコード)は2026年7月22日、公式ニュースルームで「Discord and Zach Cregger's Resident Evil Bring the First-Ever Quest Activation to Life」と題した発表を出しました(出典: Discord 公式発表)。対象はザック・クレッガー(Zach Cregger)監督の映画『Resident Evil』で、米国では2026年9月18日に劇場のみで公開されています。
施策はオンラインとオフラインの2本立てです。
項目 | オンライン | オフライン |
|---|---|---|
名称 | 『Resident Evil』の Mission Quest | Resident Evil Fan Experience |
期間 | 2026年7月23日にデビューし、その後世界に向けて公開 | 2026年7月23〜25日(サンディエゴ・コミコン期間中) |
場所 | Discord アプリ内(Quest ホーム) | Quartyard(1301 Market Street, San Diego) |
内容 | Mission Quests の形式(ブランドが作るストーリー仕立ての課題などに参加し、遊ぶと報酬がもらえる)。具体的な課題と報酬は発表に記載なし | 予告編の視聴、限定コンテンツ、賞品、会場内の Discord Shop のプロモーショングッズ、ファン同士の交流 |
制作 | 発表に記載なし | Discord と Sony Pictures の共同制作 |
Discord によると、Quest をプラットフォームの外に広げてリアル会場と連動させたのは今回が初めてです。原文では "the first time Discord has extended a Quest beyond the platform through a physical activation" と書かれています。

発表には、Mission Quests 全体の数値として次の3つが添えられています。いずれも Discord 社内データ・社内調査で、第三者の計測ではありません。
- Quests の広告完了率の中央値は96%(2026年3月31日時点)
- Mission Quests の1ミッションあたりのエンゲージメント時間の中央値は7分(ベータ開始以降)
- 体験を完了したユーザーのブランド想起率は平均90%(Mission Quest 利用者約2,500人への調査、2025年12月)
完了率はその後の発表で97%(2026年6月30日時点)に更新されています(出典: 2026年9月29日の Discord 発表)。90%の想起率は「最後まで遊んだ人」の平均で、広告を目にした全員の数字ではありません。
Discord の広告ソリューション担当 VP、アダム・バウアー(Adam Bauer、VP of Advertising Solutions)は、発表の中で次のように述べています。
「Sony Pictures との協業は、メディア・エンターテインメントのブランドがファンを体験の一部として招き入れたとき、何ができるのかを示しています。Mission Quests は、リワード型広告である Quests のポートフォリオに加わる次の一手です。発見や参加、そして長く続くエンゲージメントにつながる体験を通じて、ブランドが Discord の熱量の高いコミュニティとつながれるようにします」(筆者訳)
公表されていないこともあります。Quest の具体的な課題と報酬の種類、会場の開場時間・入場料・来場者数、本件の成果指標は、2026年10月30日時点で公式には出ていません。Sony Pictures 側のコメントも発表に含まれていません。
Discordの広告事業「Quests」
Discord は日本でも知られたコミュニケーションサービスです。ここでは会社そのものより、今回の施策で使われた広告事業「Quests」を中心に整理します。
会社の基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
正式社名 | Discord Inc. |
サービス開始 | 2015年5月(前身のスタジオ Phoenix Guild、のちの Hammer & Chisel は2012年4月設立) |
本社 | 会社ページに記載なし。プレスリリースの所在地表記はサンフランシスコ |
創業者 | ジェイソン・シトロン(Jason Citron)、スタニスラフ・ヴィシュネフスキー(Stanislav Vishnevskiy、CTO) |
CEO | フマーム・サフニーニ(Humam Sakhnini、元 Activision Blizzard 副会長)。2025年4月に就任し、シトロンは取締役兼アドバイザーに |
ユーザー規模 | DAU 9,000万人超(2025年第4四半期・2026年第2四半期の社内データ)、MAU 2億人超(2025年の各発表) |
ゲームとの関係 | ユーザーの90%以上がゲームをプレイ(2025年ユーザー調査)。MAU の合計プレイ時間は月19億時間(2025年3月の発表ではPCのみの数値) |
従業員数・資金調達・上場 | 今回の調査では一次情報で確認できず |
出典: Discord 会社ページ、Discord Ads、CEO 就任の発表
資金調達の履歴と上場の状況は、公式の一次情報で裏付けが取れなかったため、この記事では扱いません。
Questsとはどんな広告か
Quests はユーザーが自分で選んで参加する報酬付きの広告です。ユーザーは Discord の「Quests」タブや Quest ホームで広告を見つけ、動画を見る、指定のゲームを遊ぶ・配信する、ミニゲームを遊ぶといった課題をこなします。終えると、仮想通貨の Orbs、アバター装飾、ゲーム内アイテム、有料プラン Nitro の体験などがもらえます。

広告が置かれる場所はゲームの画面の中ではありません。ゲーマーが集まるコミュニケーションアプリの中にある、報酬付きの広告枠です。ゲーム内広告の分類でいえばリワード広告に近い位置づけで、ゲーム空間の看板に動画を流すサイネージ型とは方式が違います。ゲーム内広告の種類の全体像は「ゲーム内広告とは」、リワード広告の仕組みは「リワード動画広告とは」で整理しています。
報酬に使われる Orbs は2025年7月14日に世界で提供が始まりました。Quest を終えると獲得でき、Discord の Shop で期間限定の Nitro クレジット、プロフィールバッジ、エフェクト、アバター装飾と交換できます。7週間のベータで数百万 Orbs が獲得・使用され、Shop の初回購入者は16倍になったと Discord は公表しています(出典: Orbs 提供開始の発表)。
Mission Questsの位置づけ
今回使われた Mission Quests(広告ページ上の名称は Missions)は、Discord 内で完結するインタラクティブ広告です。ミニゲーム、インタラクティブ動画、クイズなどをブランドごとに作り、ユーザーは遊び終えると報酬を受け取ります。Discord はこれを「プレミアムな Quests フォーマット」と呼んでいます。

2026年10月30日時点で Discord の広告ページに載っているフォーマットは次のとおりです。
フォーマット | 内容 | 提供開始 |
|---|---|---|
Play Quests | 新規・休眠プレイヤーに、ゲームを遊ぶと報酬を出す | 2024年 |
Video Quests Reserve | 予約型のプレミアム動画枠。完全視聴で報酬 | 2024年(モバイル版は2025年6月にパイロット) |
Video Quests(Ads Manager 版) | モバイル中心のリワード動画。約15秒の視聴で Orbs。オークション型 | 2026年9月29日発表 |
Missions(Mission Quests) | ミニゲーム、インタラクティブ動画、クイズなど | ベータ開始日は公式情報で確認できず。公式事例で最も古いのは2025年10月 |
HERO | Quest ホーム上部の大型アニメーション枠 | 公式情報で確認できず |
Arena Quests | 広告主が選んだ複数のゲームから好きなものを遊ぶと報酬 | 2025年10月2日発表(当時はアルファ版) |
Instant Play Quests | クラウドストリーミングでインストールせずに試遊 | 2026年3月9日発表 |
Play Quest+ | プレイ時間ではなく、チュートリアル完了などゲーム内の行動に報酬 | 2026年8月20日発表 |
出典: Discord Ads および各発表
購入方法と主要パートナー
Discord の広告ページには「営業チーム経由でのみ購入可能」と書かれています。2026年9月29日には運用型の Discord Ads Manager を発表しましたが、当面は一部の広告主に限った提供で、誰でも使えるセルフサーブは2027年初めの予定とされています。オークション型で固定CPMではなく、最低出稿額や料金は公開されていません。Ads Manager の詳細は「Discord Ads Managerの解説」で扱っています。
主なパートナーは次のとおりです。
- 計測: AppsFlyer(初のモバイル計測パートナー)、Gamesight(PC・コンソール向けのサーバー間イベント API、ベータ)。2025年10月2日発表
- ブランドリフト調査: Kantar(後述の『ブラック・フォン2』『Obsession』『The Odyssey』で使用)
- 広告ページの「Trusted by Top Partners」欄: Universal、Capcom、Blizzard、Paramount ほか
原作ゲーム『バイオハザード』の権利元である Capcom のロゴは広告ページに載っていますが、Capcom が今回の施策に関わったかどうかは発表に書かれていません。
ここまでの歩み
Quests は2024年に、ゲームの発見を助ける広告として始まりました。同時に始まった Video Quests は、ゲーム会社以外のメディア・エンタメへ広告主を広げる役割を持っていました。2025年にはモバイル展開、報酬通貨 Orbs、計測パートナーとの提携を整え、2025年10月ごろから映画会社が「遊べる広告」の Mission Quest を使い始めます。今回のリアル会場連動はその延長にあり、2026年9月には運用型の Ads Manager で「あらゆる規模のブランド」に広告を開く段階に進みました。
時期 | 出来事 |
|---|---|
2024年 | Quests 開始。Play Quests と Video Quests の2種類。初の Video Quest は Max『Dune: Prophecy』 |
2025年3月20日 | Video Quests のモバイル展開を発表(初のモバイル広告、2025年6月パイロット) |
2025年4月 | フマーム・サフニーニが CEO に就任 |
2025年7月14日 | 報酬用の仮想通貨 Orbs を世界で提供開始 |
2025年 | Paramount『Mission: Impossible – The Final Reckoning』の Play Quest |
2025年10月2日 | Arena Quests(アルファ版)を発表。AppsFlyer・Gamesight と計測で提携 |
2025年10月 | Universal『ブラック・フォン2』で、映画として初の複数 Quest キャンペーン。Mission Quest の公式事例で確認できる最も古いもの |
2026年3月9日 | Instant Play Quests を発表 |
2026年5月 | Focus Features『Obsession』の3段階 Quest |
2026年7月22日 | 今回の発表。『Resident Evil』の Mission Quest と、初のリアル会場連動 |
2026年8月20日 | Play Quest+ を発表。EA『Battlefield 6』で9月に初実施 |
2026年9月29日 | Discord Ads Manager と新しい Video Quests を発表。「あらゆる規模のブランド」に広告を開く方針 |
2026年(9月時点のデータ) | Universal『The Odyssey』で22市場の大型 Mission Quest キャンペーン |
出典: Discord 公式ニュースルーム、各事例ページ

2025年10月の発表では、それまでに「数百の Quest キャンペーン、数百万件の報酬受け取り」があったとされています。Arena Quests と計測提携の詳細は「Discord Arena Questsの解説」、Play Quest+ は「Discord Play Quest+の解説」で扱っています。
公式ニュースルームの範囲では、Quests のフォーマットが終了したり、広告事業から撤退したりした記録は見当たりません。
この流れの中で今回の発表を見ると、二つの点が読み取れます。一つは、映画会社による Mission Quest の利用が『ブラック・フォン2』『Obsession』に続くもので、単発の試みではなくなっていることです。もう一つは、これまでアプリ内で完結していた Quest に、プラットフォーム側が共同制作するリアル会場が加わったことです。その後 Discord は運用型の Ads Manager で小口の出稿にも広告を開いており、現時点では、作り込んだ大型施策と運用型の小口出稿の二層に分かれつつあると考えられます。
映画・映像作品のQuests出稿事例
今回の『Resident Evil』の成果は公表されていません。比べる材料として、映画・映像作品の Quest 出稿の公式事例を古い順に並べます。
Max『Dune: Prophecy』(2024年)
初の Video Quest です。2分38秒の予告編を配信し、完了率85%を記録しました(出典: 2025年3月20日の Discord 発表)。
Paramount Pictures『Mission: Impossible – The Final Reckoning』(2025年)
Play Quest の事例です。制作会社 Those Beyond と組んで、ミッション・インポッシブルの世界観の謎解きゲームを作りました。第1レベルをクリアすると、より難しい第2レベルが解放されます。報酬は Discord Nitro 1日分です。
Discord 社内データ(2025年)によると、参加プレイヤーは100万人超(うち Quest 経由は48.5万人)、平均プレイ時間は11分超、チケット購入リンクのクリック率は3.99%でした。セッション数は100万超、自然流入を含めると200万超です(出典: 事例ページ)。
Universal Pictures『ブラック・フォン2』(2025年10月)
映画として初の複数 Quest キャンペーンで、Mission Quest を含みます。次の3段階で組まれました。
- 予告編の Video Quest で作品を知ってもらう
- Mission で、冬の湖 Alpine Lake を舞台に謎を解き、悪役グラバーから逃げる
- チケット購入に向けた Video Quest
報酬は Orbs と、グラバーのマスクのアバター装飾です。

Kantar のブランドリフト調査(2025年)では、広告認知 +30.7%、好意度 +4.8%、行動意向 +2.7%、第一想起 +1.9%でした(いずれも信頼度90%)。Discord 社内データでは、Mission の平均エンゲージメントは8分、プレイ総数は100万超です(2025年10月1〜9日)(出典: 事例ページ)。
Focus Features『Obsession』(2026年5月)
予告編の Video Quest、Mission Quest(主演イン・ナヴァレットの役柄の音声入り)、公開週の Video Quest という3段階の連続 Quest です。各段階で Orbs が報酬として出ており、Quest カードには700 Orbs と表示されています。

Discord 社内データ(2026年5月)では、Mission のプレイ数は170万、Mission からチケットページへの遷移率は27%、平均滞在は6分23秒でした。Kantar の調査(2026年5月)では、広告認知 +12.9%、行動意向 +5.2%です(出典: 事例ページ)。
Universal Pictures『The Odyssey』(2026年、今回の発表の後)
22市場で実施した大型キャンペーンです。Video Quest、Mission Quest 3本(Trojan Horse/Telemachus's Journey/Contest of Axes)、HERO バナー、Discord 初のブランド専用 Quest タブを組み合わせました。Contest of Axes はデスクトップとモバイルの両方で遊べる初の Mission Quest です。
Discord 社内データ(2026年9月)では、ユニークリーチ2,240万人、インプレッション約8,200万、Mission のプレイ数500万、チケット購入クリック67.4万でした。Kantar の調査(2026年)では、Discord 上の広告認知 +25.5%、助成想起 +8.1%です(出典: 事例ページ)。
事例から見える共通点と、数値の読み方
映画会社の使い方は、「予告編の動画で知ってもらう → 遊べる Mission で作品の世界に触れてもらう → チケット購入に誘導する」という公開前の流れがほぼ共通しています。今回の『Resident Evil』は、この流れにリアル会場を加えた形と整理できます。
数値を比べるときは、誰が測ったかを分けて見る必要があります。発表にある完了率96%や想起率90%は Discord の自社データです。一方、第三者の Kantar が測った広告認知の上昇幅は、事例によって +12.9%から +30.7%でした。どちらも事実ですが、何を測った数字かが違います。
なぜこの動きが起きたのか

背景は三つに分けて考えられます。
一つ目は、Discord のユーザーの多くがゲーマーで、長い時間をアプリの中で過ごしていることです。ユーザーの90%以上がゲームをプレイし、MAU の合計プレイ時間は月19億時間に達します(Discord 公表値。2025年3月の発表ではPCのみの数値)。『Resident Evil』のように原作がゲームの映画にとっては、関心の近い層がまとまっている場所です。
二つ目は、Discord が2024年以降、ゲーム会社以外の広告主を取り込もうとしてきたことです。Video Quests はメディア・エンタメへ広告主層を広げるために始まり、『Dune: Prophecy』『Mission: Impossible』『ブラック・フォン2』『Obsession』と映画・映像作品の出稿が重なってきました。バウアー氏のコメントが「メディア・エンターテインメントのブランド」を名指ししているのも、この流れに沿っています。
三つ目は、オンラインの施策とリアルの体験を一つのキャンペーンにまとめる設計です。アプリ内の Quest で関心を持った人と、コミコン期間中に会場に来た人の両方に同じ作品を届けられ、Discord にとっては Quests をアプリの外に広げる初の試みになりました。この三つ目は発表文から読み取れる範囲の解釈で、Discord や Sony Pictures が目的として公表したものではありません。オンラインとリアルを組み合わせる考え方は「体験型マーケティングとは」でも扱っています。
日本市場ではどうか

今回の施策は日本で実施されたか
Discord の発表は Quest を "launches globally"(世界に向けて公開)と書いていますが、日本で配信されたかは確認できていません。映画『バイオハザード』の日本公式サイト(biomovie.jp)にも Discord 施策の記載はなく、国内では夢グループとのコラボ映像、「バイオの日」特別予告、cinecon のチケットキャンペーンといった独自の施策が中心です。公式サイトのフッターには SONY PICTURES ENTERTAINMENT (JAPAN) INC. の表記があり、2026年10月30日時点で「大ヒット上映中」と表示しています。
日本の広告主は今すぐ使えるか
現時点では、日本の広告主がすぐに使えるとは言い切れません。
- Discord Ads の購入は営業チーム経由に限られる
- 日本法人や日本の広告営業窓口は、公式情報で確認できない
- Ads Manager の提供地域は公表されておらず、日本への言及もない
- 日本国内のユーザー数は公表されていない
仮に出稿できたとしても、Mission Quest はブランドごとにミニゲームや課題を作る形式で、日本語のクリエイティブと報酬の設計が必要になります。ユーザー層がゲーマーに偏る点も、商材によっては合わない可能性があります。
日本の映画配給会社やエンタメ企業が、ゲームやコミュニティアプリのリワード広告で公開前の施策を行った事例は、今回の調査では確認できていません。
日本で同じ目的の施策を行う選択肢

「ゲーマーが長く過ごす場所で、公開や発売の前に認知をつくる」という目的を日本国内で実現する方法は、Discord Quests 以外にもあります。方式ごとに条件が違うため、目的に合わせて選ぶ必要があります。
比較ポイント | Discord Quests(Mission Quests) | リワード広告(モバイルゲーム内) | ゲーム内サイネージ広告(Ad-Virtua など) |
|---|---|---|---|
広告が出る場所 | コミュニケーションアプリ内の Quest ホーム | ゲームの中断時など | ゲーム空間の看板・モニター |
ユーザーの関わり方 | 自分から参加し、課題を終えて報酬を得る | 自分から動画を見て報酬を得る | プレイ中に自然に目に入る |
必要な素材 | ミニゲーム・課題の制作(Mission の場合) | 動画素材 | 既存の動画素材 |
日本からの出稿 | 窓口・提供地域は公式に未確認 | 国内の広告ネットワーク経由で可能 | 国内で可能 |
向いている目的 | 作品世界への深い接触、ファンの参加 | 視聴完了の確保 | 若年層への幅広い認知・想起 |
Ad-Virtua は、国内400タイトル以上のゲーム空間内の看板やモニターに動画広告を配信するアドネットワークです。1週間300,000円のプランがあります(料金はAd-Virtua 公式サイトで最新の内容を確認してください)。Discord の Mission Quest のように、ユーザーが自分から参加して報酬を受け取る形式ではありません。プレイを止めずに広告に触れてもらうサイネージ型で、専用のミニゲームを作らず手元の動画素材で始められる点が違います。
Ad-Virtua が合うのは、次のような企業です。
- 新商品や季節キャンペーンの開始前に、若年層を中心に認知をつくりたい
- テレビCMや SNS 広告用の動画素材がすでにある
- 国内で、少額・短期間から試したい
一方、ファンにミニゲームで作品の世界を体験してもらい、参加の深さを測りたい企業には合いにくいと考えられます。この目的には、Mission Quests のような参加型の設計が向いています。
広告主が取るべき判断
今動くべき企業
- 映画・アニメ・ゲーム関連の商品など、公開日や発売日が決まった商材を持ち、ゲーマー層との相性がよい企業。海外展開も視野に入るなら、Discord の営業窓口に日本からの出稿可否を問い合わせる価値があります
- 若年層向けの新商品を控え、TVCM や SNS 広告以外の接点を探している国内企業。動画素材があれば、ゲーム内サイネージで短期間に試せます
様子見でよい企業
- 主な顧客層とゲーマー層の重なりが小さい企業
- ミニゲームや課題の制作に予算と期間を割けない企業。Mission Quests は制作の手間がかかるうえ、日本での提供状況も未確認です
- 第三者の効果測定を必須とする企業。Discord の Kantar 調査は一部の事例に限られ、本件の成果も公表されていません。Ads Manager のセルフサーブ提供(2027年初めの予定)や日本での提供地域が明らかになってから判断しても遅くはありません
関連する基礎知識
- ゲーム内広告とは: ゲーム内広告の種類と仕組みの全体像
- リワード動画広告とは: 報酬付き広告の仕組みとゲーム内サイネージとの違い
- 体験型マーケティングとは: オンラインとリアルを組み合わせた体験設計
- Discord Ads Managerの解説: 運用型広告と15秒の Video Quests
- Discord Play Quest+の解説: ゲーム内の行動に報酬を出す新フォーマット
- Discord Arena Questsの解説: 複数ゲームから選べる Quest と計測提携
- Discord Mission Questsの別事例: 映画以外のブランドによる Mission Quests の記事
よくある質問
Discord Questsに参加するユーザーはお金を払う必要がありますか
Quests は広告主が出稿する広告で、ユーザーは参加して課題を終えると Orbs やアバター装飾などの報酬を受け取ります。Discord の発表に、参加にユーザーの支払いが必要だという記載はありません。
Orbsは現金に換えられますか
Discord の発表では、Orbs は Discord の Shop で Nitro クレジット、プロフィールバッジ、エフェクト、アバター装飾などと交換するものとされています。現金化についての記載はありません。
映画以外の業種でもQuestsは使われていますか
使われています。ファストフードの Wendy's は Netflix『ウェンズデー』シーズン2とのコラボで Video Quest を出し、Discord によると「Quest を出した初のファストフードブランド」です。動画完了率83%、完了視聴あたりの単価0.21ドルでした(Discord 社内データ、2025年)。Walmart Skyward も Video Quest を使い、完了視聴51.3万、報酬コードの引き換え率98%でした(広告主の自社データ)(出典: Wendy's 事例、Walmart Skyward 事例)。
日本の広告主がDiscordに出稿を相談するとき、何を確かめればよいですか
公開情報で分からない点を先に確かめると、検討を進めやすくなります。主に次の4点です。
- 日本から出稿できるか、Quest の配信地域に日本が含まれるか
- Ads Manager を使える国に日本が入るか、入るならいつからか
- 日本語のクリエイティブと報酬(Orbs やアバター装飾など)を用意できるか
- AppsFlyer や Gamesight での計測、Kantar のブランドリフト調査を日本向けのキャンペーンでも使えるか


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