Discordは2026年9月29日、初のキャンペーン管理ツール「Discord Ads Manager」と、約15秒の視聴で報酬が出るリワード動画広告「Video Quests」を発表し、営業経由の予約型だった広告をオークション型の運用型でも買えるようにした。ただし現時点では一部の広告主向けの提供で、日本の広告主が使えるかは公表されていないため、日本では代理店経由の従来型Questsか、別の国内媒体を選ぶことになる。
発表の内容
一次情報は、Discord Inc.(ディスコード)が2026年9月29日にサンフランシスコで出したプレスリリース「Discord Opens Advertising to Brands of All Sizes With Ads Manager and Video Quests」である。発表は次の3点からなる。

Discord Ads Manager
Discordとして初めてのキャンペーン管理プラットフォームで、配信量の予測、目的別の入札、成果のレポートを1か所で扱える。これまでDiscordに広告を出すには営業担当とのやり取りが必要だったが、Ads Managerは予算の大小にかかわらず、小さなゲームスタジオやマーケターが自分でキャンペーンを運用できるようにするための道具である。
価格は固定CPMではなく、オークションで決まる。入札はリアルタイムに調整でき、ファネル下層の指標(down-funnel metrics)を見ながら配信量と成果のバランスを取る設計になっている。1st partyと3rd partyのレポートで成果をリアルタイムに追い、事後レポートを待たずに予算を動かせるとしている。
提供範囲は限られている。現在は一部の広告主向けの「managed access」で、完全なセルフサーブは2027年初頭の予定とされる。対象国の記載はない。
新しいVideo Quests
モバイルを優先したパフォーマンス型のリワード動画広告である。ユーザーはタップして動画を見ると、約15秒でDiscordの仮想報酬「Orbs」を受け取れる。どれだけ長く見続けたかは、購買意向を示すシグナルとして扱われる。配信はAds Managerで行い、現在の最適化目的はインプレッションとクリックの2つ。ほかの目的は「coming soon」と書かれている。
従来のVideo Questsは「Video Quests Reserve」へ
これまでのVideo Questsは、予約型(reservation-based)のプレミアム商品「Video Quests Reserve」に移る。配信と報酬は動画を最後まで見ることにひもづき、ブランドにとって大きな告知の場面で使う想定である。
整理すると、Discordの動画広告は「営業経由で予約して買う、完全視聴型のブランド広告」だけだったところに、「入札で買う、15秒視聴のパフォーマンス広告」が加わり、2本立てになった。
リリースはQuests全体の広告完了率を中央値97%(Discord社内データ、2026年6月30日時点)、DAUを9,000万超(2026年第2四半期時点)としている。97%はVideo Quests単体ではなくQuests全体の数値である。
発表者はDiscordのVP of Product, Businessであるナビブ・エル=ラーマン(Nabib El-Rahman)氏で、「Discord Ads Manager puts more control directly in advertisers' hands.(Discord Ads Managerによって、広告主はより多くのコントロールを直接手にできる)」とコメントした。同氏は、初めてゲームを出すスタジオにも最大級の広告主にも同じように機能するプラットフォームを目指すこと、Video QuestsはDiscordらしい自然な形で注目を行動に変えることも述べている。
なお、このリリースには計測パートナー名、広告主の事例、広告売上、日本やアジア太平洋地域への言及がない。
Discord Adsの広告事業とQuestsの仕組み

Discordはゲーマーを中心に使われるコミュニケーションアプリとして知られている。ここでは会社そのものではなく、広告事業「Discord Ads」と、その主力商品「Quests」を解説する。Discordというコミュニティの場でブランドがどう接点を持つかの基本は、Z世代×ゲームコミュニティ ブランド施策ガイド|Discord・Twitchを活用した認知拡大とファン化の実践法で扱っている。
会社の基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
正式社名 | Discord Inc. |
初版リリース | 2015年5月 |
創業者 | ジェイソン・シトロン(Jason Citron)、スタニスラフ・ヴィシュネフスキー(Stanislav Vishnevskiy、CTO・共同創業者) |
本社 | 米国カリフォルニア州サンフランシスコ |
CEO | フマム・サクニーニ(Humam Sakhnini)。2025年4月就任。シトロン氏は取締役兼アドバイザーに |
従業員数 | 公式ページに記載なし |
利用規模 | DAU 9,000万超(2026年第2四半期)。2025年のリリースではMAU 2億超と表記 |
収益モデル | 無料アプリに任意加入のサブスクリプション「Nitro」を組み合わせる。広告売上は非開示 |
出典: Discord Company、今回のプレスリリース、CEO就任のリリース
資金調達の履歴は、今回確認したDiscordの公式ページには載っていないため、本記事では扱わない。上場については、2026年1月に非公開でIPOを申請したと米Digidayが報じているが、Discordはコメントしておらず、その後の状況も確認できていない。

Questsの仕組みと広告が表示される場所
Questsは、ユーザーが自分から受ける(オプトイン)報酬型の広告である。ユーザーは「動画を見る」「ゲームを遊ぶ」といったQuestを受け、達成するとOrbs、アバターデコレーション、ゲーム内アイテムなどを受け取る。Questを受けたことはフレンドにも見え、フレンドが参加することもできる(Discord Ads)。
広告が出るのは、Discordアプリ内のQuestsホーム、クエストバー、モバイルの全画面動画などである。ゲームの画面の中に広告が出るのではなく、ゲームの外側にあるコミュニケーションアプリの中の面に出る。この点は、ゲーム空間の看板などに広告を出すサイネージ型とは仕組みが違う。広告の種類の全体像はゲーム内広告とはで整理している。
「見たら報酬」という構造は、リワード動画広告と同じ考え方である。基本はリワード動画広告とは?仕組み・効果・ゲーム内サイネージとの違いを企業向けに解説を参照してほしい。Questsの完了率が中央値97%と高いのは、ユーザーが報酬のために自分から選んで見る広告だからだと考えられる。

現在の商品ラインナップ
今回の発表を加えた2026年10月27日時点の商品を、公式情報から並べ直すと次のようになる。新しいVideo Questsだけがオークション型で、ほかは営業経由で買う(Video Quests Reserveの買い方は明記されていない)。
商品 | 中身 | 買い方 | 提供状況 |
|---|---|---|---|
Video Quests(新) | モバイル優先。約15秒の視聴でOrbsを付与。最適化目的はインプレッションとクリック | Ads Manager(オークション) | 2026年9月29日発表。一部の広告主のみ |
Video Quests Reserve | 完全視聴を条件にするプレミアムな動画Quest | 予約型(営業経由とみられるが明記はない) | 従来のVideo Questsから移行 |
Play Quests | 新規・休眠プレイヤーに、指定時間のプレイで報酬を出す | 営業経由 | 2024年開始 |
Play Quest+ | アカウント連携で、チュートリアル完了などゲーム内の行動に報酬を出す | 営業経由 | 2026年8月発表 |
Arena Quests | 指定されたゲーム群から1本を一定時間遊ぶと報酬 | 営業経由 | 2025年10月にアルファ版として発表 |
Instant Play Quests | クラウドストリーミングで、インストールなしに試遊できる | 営業経由 | 2026年3月発表 |
Missions(Mission Quest) | ミニゲーム、インタラクティブ動画、クイズなどの体験型広告 | 営業経由 | 提供中 |
Hero | Questホーム上部の大型アニメーション枠 | 営業経由 | 提供中 |
なお、Discord Adsの公式ページ(2026年10月27日時点)は、商品をPlay Quests、Video Quest Reserve、Missions、Heroの4つとして掲載し、購入方法は「営業チーム経由のみ」のままである。リリースとページの更新には時間差があるとみられる。
インベントリ規模
- DAU 9,000万超(2026年第2四半期、今回のリリース)
- ユーザーの90%以上がビデオゲームを遊ぶ(2025年Discordユーザー調査、Discord Ads)
- PCプレイヤーの約40%が1時間以内にゲームを始める(2025年平均、同上)
- Quests完了率の中央値97%(2026年6月30時点、Discord社内データ)
- 提供開始から数百件のキャンペーンを実施し、数百万件の報酬が受け取られた(2025年10月2日のリリース)
主要パートナー
計測では、2025年10月2日にAppsFlyer(アップスフライヤー)とGamesight(ゲームサイト)との提携を発表している。AppsFlyerはモバイル計測の初のパートナーでモバイル版Video Questsの計測を担い、GamesightはPC・コンソール向けにインストール、ログイン、購入のイベントをサーバー間で連携する。今回のAds Managerがどの計測ベンダーと連携するかは、リリースに書かれていない。
Discord Adsのページには、広告主としてUniversal、Capcom、Blizzard、Paramountのロゴが並ぶ。日本では、CARTA ZEROが2026年5月28日に日本初の代理店パートナーになったと発表している(CARTA ZEROの発表。Discord側の発表は確認できていない)。
ここまでの歩み
DiscordがQuestsを始めたのは2024年で、広告事業としての歴史はまだ短い。この2年で、商品の種類と配信先を広げ、計測を整え、最後に買い方を変えてきた。
時期 | 出来事 |
|---|---|
2015年5月 | Discordの初版リリース |
2024年 | Quests開始(Play Quests / Video Quests)。最初のVideo QuestはMaxの『Dune: Prophecy』のトレーラー(2分38秒、完了率85%) |
2025年3月20日 | Discord初のモバイル広告として、モバイル版Video Questsを発表(2025年6月にパイロット開始予定) |
2025年4月 | フマム・サクニーニ氏がCEOに就任 |
2025年7月14日 | 仮想報酬Orbsを全世界で提供開始 |
2025年10月2日 | Arena Questsをアルファ版で発表。モバイル版Video Questsを正式ローンチ。AppsFlyer、Gamesightと計測で提携 |
2026年3月9日 | Instant Play Questsを発表。高度なターゲティングと計測の拡張で、広告をパフォーマンスの仕組みに育てると表明 |
2026年5月28日 | CARTA ZEROが日本初の代理店パートナーに |
2026年7月22日 | 『Resident Evil』のMission QuestとComic-Conで、Questを現実のイベントに広げる施策 |
2026年8月20日 | Play Quest+を発表(第1弾はEA『Battlefield 6』) |
2026年9月29日 | Ads Managerと新Video Questsを発表。従来のVideo QuestsはReserveに移行 |
2027年初頭(予定) | Ads Managerを完全セルフサーブで提供開始。発表された予定であり、確定ではない |
出典: Discord公式プレスリリース各本、Discord Company、CARTA ZEROの発表
報酬の共通通貨「Orbs」の導入(2025年7月)
2025年7月14日に全世界で提供が始まったOrbsは、Shopの限定アイテムやNitroクレジットと交換できるDiscordの仮想報酬である。これによって、広告主が自前で報酬を用意しなくてもQuestを出せるようになった(Orbsのリリース)。配れるゲーム内アイテムを持たない、ゲーム会社以外の広告主にとっては、Questを使う準備が軽くなった変更と考えられる。今回の新Video Questsも、報酬はOrbsになっている。

モバイル展開と計測の提携(2025年10月)
2025年10月2日、モバイル版Video Questsの正式ローンチと同時に、AppsFlyer、Gamesightとの計測提携を発表した。Questsの成果を、Discordの社内データだけでなく、外部の計測ツールで確かめられるようにした動きである。同日にはArena Questsもアルファ版で発表された。詳細はDiscord「Arena Quests」と計測提携の解説で扱っている。

行動を成果にする商品(2026年8月)
2026年3月9日のリリースで、Discordは広告をパフォーマンスの仕組みに育てる方針を示した。その流れで8月20日に発表したのがPlay Quest+で、アカウント連携によってチュートリアル完了などゲーム内の行動に報酬を出す。視聴やプレイ時間ではなく、広告主が求める行動そのものを成果にする商品である(Discord「Play Quest+」の解説)。

今回の発表の位置づけ
報酬型の広告(2024年)、報酬の共通通貨(2025年7月)、モバイル展開と計測(2025年10月)、行動を成果にする商品(2026年8月)と、ここまでは商品と計測を増やしてきた。今回のAds Managerは商品の追加というより、売り方の変更である。営業経由の予約型だけだった買い方に、オークション型の運用型が加わった。
確認できた範囲では、広告商品の撤退はない。ただし商品の再編はあった。これまで標準だったVideo Questsは「Reserve」という予約型のプレミアム枠に移り、標準のVideo Questsは15秒のオークション型に置き換わった。リリースは「昨年導入された従来のVideo Quests」と書くが、Video Quests自体は2024年からあり、モバイル版の正式ローンチは2025年10月である。どちらを指すかははっきりしない。
広告出稿事例
以下はすべてDiscord公式の成功事例ページから取った。最後のParamountを除く3件は従来型(完全視聴型)のVideo Questsの事例で、今回の15秒・オークション型の新フォーマットを使った事例はまだ公表されていない。
Second Dinner『MARVEL SNAP』:休眠プレイヤーの呼び戻し
Second Dinner(セカンドディナー)は、『MARVEL SNAP』の大型アップデートに合わせて、新規プレイヤーと離脱したプレイヤーを呼び戻すため、3週間の間隔をあけて2本のVideo Questを配信した。報酬は1本目がアバターデコレーション、2本目がゲーム内アイテムで、2本目はAppsFlyerとサーバー間で連携して計測した。
- リーチ:800万ユーザー超
- インプレッション:1,800万超(1本目、有料と自然流入の合計)
- CPI:1本目から2本目で30%低下(クライアント申告)
- 動画完了率95%、報酬受け取り率99%(Discord社内データ)
報酬をゲーム内アイテムに変えた2本目では、外部の計測ツールとつないでインストール単価まで追っている。

Supercell『Brawl Stars』:アップデートの告知
Supercell(スーパーセル)は、『Brawl Stars(ブロスタ)』のMOBA風アップデートを告知する90秒のトレーラーを7日間配信した。報酬はSpikeのアバターデコレーションである。
- リーチ:730万人(Discord社内データ)
- 18〜24歳の広告認知リフト:9.1%(Discord社内データ)
- 新規・復帰プレイヤー:1万6,000人超(クライアントが共有したMMPデータ)
報酬つきで90秒の動画を配信し、若年層の認知とプレイヤー獲得の両方について数値が出ている事例である。

Wendy's × Netflix『ウェンズデー』:ゲーム以外の業種
クイックサービスレストラン(QSR)チェーンのWendy's(ウェンディーズ)は、Netflix作品『ウェンズデー』シーズン2の公開前に、10代のファンに届けるため「Meal of Misfortune」Questを実施した。報酬はコラボの限定アバターデコレーションである。Discordは、Questを実施した初のQSRブランドと説明している。
- 60秒動画の完了率:83%(主要KPI。ベンチマークより12%高い)
- CPCV(完全視聴1回あたりの費用):0.21ドル
- Discord上での広告認知リフト:1.30%
数値はいずれもDiscord社内データ(2025年)である。日本の食品・外食ブランドにとって、最も参考になる事例である。ゲームを売る広告ではなく、エンタメ作品とのコラボを若年層に届ける使い方になっている。CPCVを一般的な動画広告の費用と比べる際の考え方は、動画広告 費用 相場で解説している。

参考:Paramount『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』
動画ではなく、パズル型のPlay Questの事例である。参加プレイヤーは100万人超(うちQuest経由48.5万人)、平均プレイ時間は11分超、チケットリンクのCTRは3.99%だった(Discord社内データ、2025年。事例ページ)。映画の告知でも、遊ばせる形のQuestが使われている。
なぜこの動きが起きたのか
背景は大きく2つあると考えられる。
1つ目は出稿できる広告主の数を増やすためである。営業経由の予約型だけでは、営業が直接やり取りできる広告主の数に限りがあると考えられる。リリースが「予算に関係なく」「小さなスタジオやマーケターも」と強調しているのは、Discordを使うゲーマーに届けたいが、営業と直接やり取りするほどの予算はない広告主を取り込む狙いを示している。
2つ目はパフォーマンス広告への移行である。2026年3月に広告をパフォーマンスの仕組みに育てると表明し、8月には行動を成果にするPlay Quest+を出した。今回のAds Managerは、オークション、リアルタイムの入札調整、ファネル下層の指標と、検索広告やSNS広告に近い買い方に寄せてある。完全視聴を条件にした従来型をReserveとして残し、新しいVideo Questsを約15秒の視聴で報酬が出る形にしたのも、短い接触で数を取りやすくするためだとみられる。
価格の決まり方が固定CPMからオークションに変わると、同じ枠でも時期や競合の数で単価が動く。ゲーム内広告の媒体ごとの価格の決まり方は、ゲーム内広告 媒体別CPM比較ガイド 2026年版|サイネージ・リワード・インタースティシャル・プログラマティックの相場と選び方で比べている。
日本市場ではどうか

今回のリリースには、日本、アジア太平洋地域、対象国への言及がない。Ads Managerと新しいVideo Questsを日本の広告主が使えるかは、2026年10月27日時点で公表されていない。managed accessは「一部の広告主」に限られ、日本の広告主が含まれるかもわからない。
一方で、従来型のQuestsには日本からの窓口がある。CARTA ZEROは2026年5月28日に日本初のDiscord代理店パートナーになったと発表し、デスクトップとモバイルのVideo Quests、Play Questsを紹介している。同社はUbisoft『レインボーシックス モバイル』の日本ローンチで、14日間のQuestsキャンペーンを支援した。シューターゲームを好む層の認知とインストールを狙ったものだが、具体的な数値は公表されていない。
日本の広告主が検討するときの障壁は4つある。
- Ads Managerの完全セルフサーブは2027年初頭の予定で、対象国は発表されていない
- 報酬のOrbsやアバターデコレーションはDiscordの中でしか価値がなく、Discordを使っていない層には届かない
- 日本のDiscordユーザー数は公式に発表されていない。CARTA ZEROも「α世代・Z世代やゲーマーを中心に国内で利用が拡大」と書くにとどまる
- 公開事例はゲームとエンタメに偏っている。ゲーム以外ではWendy'sやWalmartがあるが、日本の食品・日用品ブランドの事例はまだ見当たらない
現時点では、日本の広告主がDiscordに出稿するなら代理店経由の従来型Questsが現実的で、運用型のAds Managerは日本での提供が発表されるまで待つことになる。
日本で同じ広告を実施する選択肢
「ゲーマーの可処分時間に動画を届けたい」という目的で日本から今すぐ動くなら、選択肢は次の3つに整理できる。Discord Questsはゲームの外側(コミュニケーションアプリ内)で報酬と引き換えに見てもらう広告、Ad-Virtuaはゲームの中の看板やモニターに動画を出す広告で、接触する場所と役割が違う。
比較項目 | Discord Quests(代理店経由) | Discord Ads Manager | Ad-Virtua |
|---|---|---|---|
広告が出る場所 | Discordアプリ内(Questsホーム、クエストバー、モバイル全画面動画) | 同左 | ゲーム空間内の看板・モニター |
ユーザーの接触の仕方 | 報酬のために自分から選んで見る | 同左(約15秒の視聴で報酬) | プレイ中に目に入る。報酬はない |
買い方 | 営業・代理店経由の予約型 | オークション型の運用型 | 期間と予算を決めて買うプラン型(1週間300,000円プラン) |
価格の公表値 | 非公開(Wendy's事例でCPCV 0.21ドル) | オークションで変動 | CPM約300円 |
日本での提供 | CARTA ZEROが窓口 | 未発表 | 国内400タイトル以上に配信 |
公表されている主な指標 | 完了率、CPI、広告認知リフト | 最適化目的はインプレッションとクリック | 広告想起率約1.8倍、注目度約1.7倍、好感度約85% |
届く範囲 | Discordユーザー | Discordユーザー | 対応タイトルのプレイヤー |
Ad-Virtuaの数値はAd-Virtua公表値。Discordの数値は本記事で引用した公式情報による。
Ad-Virtuaが合う企業
- Discordを使っていない層も含めて、ゲームを遊ぶ若年層に広く認知を取りたい
- 報酬で行動を促すより、プレイを止めない接触で広告想起や好感度を残したい
- 入札の運用体制を持たず、期間と予算を先に決めて出稿したい
- 手持ちの動画素材を使って、導入の手間を抑えたい
Ad-Virtuaが合わない企業
- アプリのインストール数やCPIなど、獲得の数値を主な目標にしている
- Discordのコミュニティやフレンド間の広がりの中でブランドを見せたい
- 自社で入札を細かく運用し、配信量と単価を日々調整したい
Discord QuestsとAd-Virtuaは競合というより、ファネルの位置が違う手段と考えられる。Questsで報酬と引き換えに動画を見てもらって行動につなげ、ゲーム内のサイネージでプレイ中に目に触れさせて想起を残す、という併用も成り立つ。サイネージ型を含むゲーム内広告の種類と選び方は、ゲーム内広告とはで詳しく解説している。
広告主が取るべき判断
今動いてよい企業
- 海外でゲームやアプリを展開しており、Discord Adsの担当者と直接やり取りできる企業。managed accessの対象になれるかを問い合わせる価値がある
- 日本でDiscordユーザーに届けたいゲーム会社やエンタメ企業。CARTA ZERO経由の従来型Questsで、今から出稿できる
- 運用型広告の体制を持つ企業。2027年初頭の完全セルフサーブに向けて、計測の連携とクリエイティブの準備を始めておける
様子見でよい企業
- 日本国内だけで広告を出す食品・日用品メーカー。Ads Managerの日本での提供が発表されておらず、同業の国内事例もまだ見当たらない
- Discordを使う層と自社のターゲットが重なるかを確かめられていない企業。日本のユーザー数が公表されていないため、まず自社の顧客調査などで重なりを確認したい
- 認知や好感度を主な目的にする企業。新しいVideo Questsの最適化目的は現在インプレッションとクリックで、ほかの目的は「coming soon」の段階である
セルフサーブになると、クリエイティブの品質やブランドセーフティの確認を広告主自身が担うことになる。社内で入稿前の確認手順を決めておくとよい。動画クリエイティブの確認の進め方はAI動画広告の品質管理ガイド|ゲーム内広告での生成AI活用・ブランドセーフティ・承認フロー【2026年版】で扱っている。
関連する基礎知識
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- Z世代×ゲームコミュニティ ブランド施策ガイド:DiscordやTwitchでのブランド施策
- Discord「Play Quest+」の解説、Discord「Arena Quests」と計測提携の解説:Discord Adsの過去の発表
よくある質問
Video QuestsとVideo Quests Reserveは、どちらを選べばよいですか?
目的で分かれる。新しいVideo Questsは約15秒の視聴で報酬が出て、インプレッションとクリックを最適化目的にオークションで買う。Reserveは最後まで見ることが報酬の条件で、予約型のプレミアム商品として、ブランドにとって大きな告知の場面を想定している。長いトレーラーを最後まで見てほしい場合はReserve、短い動画で多くの人に触れたい場合は新しいVideo Questsが候補になる。ただし日本からどちらを買えるかは、代理店に確認が必要である。
動画素材は何秒のものを用意すればよいですか?
素材の長さの規定は公表されていない。新しいVideo Questsは約15秒の視聴で報酬が出る設計なので、最初の15秒で伝えたいことが伝わる構成にしておくのが無難と考えられる。従来型の事例では、Brawl Starsが90秒、Wendy'sが60秒、Dune: Prophecyが2分38秒の動画を使っている。
Ads Managerの最低出稿額や課金単位は決まっていますか?
公表されていない。リリースにあるのは「固定CPMではなくオークションで価格が決まる」という点までで、課金単位がCPM、CPCV、CPCのどれになるか、入札の最低単価、使えるターゲティングの項目は書かれていない。
Ads Managerの管理画面は公開されていますか?
2026年10月27日時点で、リリースにもDiscord Adsのページにも管理画面の画像は載っていない。
ゲーム会社でなくてもQuestsに出稿できますか?
できる。公開事例にはWendy'sやWalmartなど、ゲーム以外の業種がある。報酬にOrbsを使えるため、配れるゲーム内アイテムを持たない広告主でも報酬を自前で用意する必要がない。ただし日本の食品・日用品ブランドの公開事例は、まだ見当たらない。


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