アップラビン(AppLovin Corporation)は2026年11月4日に第3四半期決算を発表し、売上高は21億8,482万ドルで前年同期比55%増、第4四半期の売上高見通しは23億6,500万〜23億9,500万ドルでした。伸びているのは購入やインストールを計測して買う広告なので、日本の広告主にとっては、ECなどで成果を追える企業の検討材料になる一方、認知を目的とする企業の予算の置き先を変える話ではないと考えられます。
発表の内容
2026年第3四半期の業績
対象期間は2026年7〜9月です。数値は米証券取引委員会(SEC)に提出された決算リリースによります。
項目 | 2026年第3四半期 | 前年同期 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
売上高 | 21億8,482万ドル | 14億505万ドル | +55% |
営業利益 | 17億897万ドル | 10億7,901万ドル | +58%(計算値) |
純利益 | 14億3,890万ドル | 8億3,555万ドル | +72% |
調整後EBITDA | 18億4,223万ドル | 11億5,765万ドル | +59% |
調整後EBITDAマージン | 84% | 82% | ― |
純利益率 | 66% | 59% | ― |
調整後EBITDAは株式報酬などを除いた非GAAP指標なので、84%は純利益率とは別の数字です。純利益率は上の表のとおり66%でした。
出典: AppLovin 決算リリース(Form 8-K Exhibit 99.1)
見通しとの差と第4四半期の予想
売上高は自社の見通しの上限を約1億ドル上回りました。
項目 | 第3四半期の見通し(2026年8月5日) | 第3四半期の実績 | 第4四半期の見通し |
|---|---|---|---|
売上高 | 20億5,500万〜20億8,500万ドル | 21億8,482万ドル | 23億6,500万〜23億9,500万ドル |
調整後EBITDA | 17億1,000万〜17億4,000万ドル | 18億4,223万ドル | 19億9,500万〜20億2,500万ドル |
マージン | 83% | 84% | 84〜85% |
第4四半期の売上高見通しは前年同期比で42.6〜44.5%増にあたります(計算値)。四半期ごとの売上高は次のように推移しています。
2025年Q3 | 2025年Q4 | 2026年Q1 | 2026年Q2 | 2026年Q3 | |
|---|---|---|---|---|---|
売上高(百万ドル) | 1,405.0 | 1,657.9 | 1,842.4 | 1,923.7 | 2,184.8 |
前四半期比 | ― | +18.0% | +11.1% | +4.4% | +13.6% |
2025年Q4と2026年Q1の売上高、および前四半期比は、公式の累計値などから計算した値です。
出典: AppLovin 2026年第2四半期決算リリース、2025年度 Form 10-K
増収の中身
四半期報告書(Form 10-Q)は、増収の主な理由を AppLovin Ads の性能向上と説明しています。同じ資料によると、第3四半期のインストール数は2%増にとどまり、インストールあたり純売上が55%増でした。この説明に沿えば、増収の中心はインストールの数よりも1件あたりの売上にあります。なお、この指標の詳しい定義は確認できていません。
出典: AppLovin Form 10-Q(2026年9月30日終了四半期)
ゲームと消費財向けの伸び

決算リリースにはゲームに関する記述がなく、事業別の数字は決算説明会で語られました。説明会の発言は本記事ではザ・モトリーフール(The Motley Fool)の書き起こしに基づいて紹介します。同サイトは LLM の使用と誤りの可能性を明記しており、公式の録画とは照合できていません。
書き起こしによると、アダム・フォルギ(Adam Foroughi)CEOは「当社のゲーム事業は前年同期比で50%近く伸び、モデルの展開とともに再び加速しました」と述べました。マット・スタンプ(Matt Stumpf)CFOは、消費財向けの広告主の支出が前四半期比で2桁、前年同期比で3桁増えたと説明しています。
ゲームと消費財向けの売上額と構成比は開示されていません。スタンプCFOも「具体的な比率もお伝えしません」と述べています。
出典: The Motley Fool 決算説明会の書き起こし(2026年11月5日掲載)
アップラビンとはどんな会社か

アップラビンはモバイルアプリ、主にゲームの広告枠に、機械学習で自動的に広告を割り当てて届ける会社です。ゲーム空間の看板に広告を描き込む会社ではありません。
基本情報
項目 | 内容 |
|---|---|
正式社名 | AppLovin Corporation |
設立 | 2012年。パフォーマンスマーケターのチームが自己資金で創業 |
本社 | 米カリフォルニア州パロアルト(1100 Page Mill Road) |
上場 | ナスダック(ティッカー: APP)。2021年に評価額280億ドルでIPO |
共同創業者、CEO | アダム・フォルギ氏 |
取締役会議長 | クレイグ・ビリングス(Craig Billings)氏(2026年4月2日就任) |
従業員 | 898人(2025年12月31日時点)。15か国に所在し、約6割が米国外 |
2025年通期の業績 | 売上高54億8,072万ドル、調整後EBITDA 45億1,245万ドル(マージン82.3%) |
広告主の出稿額 | 年110億ドル超(公式サイトの記載。集計期間の記載なし) |
出典: AppLovin「About」、2025年度 Form 10-K、Form 8-K(2026年4月)
4つのプロダクト
プロダクト | 内容 | 売上の取り方 |
|---|---|---|
AppLovin Ads | 広告主の目標ROAS(広告費用対効果)に合わせて広告費を配分する。推薦エンジンは Axon | 売上の大部分を占める |
MAX | アプリ開発者向けの収益化基盤。単一のリアルタイムオークションで広告枠を販売する | 落札された広告費の一定割合 |
Adjust | 計測、アトリビューション、不正防止 | 主に年間サブスクリプション |
Wurl | CTV(コネクテッドテレビ)向けの配信と広告支援 | CTVは初期段階 |
広告がゲームに表示される仕組み
同社の日本語サイトによると、広告はゲームの自然な切れ目に全画面で表示されるか、ユーザーが報酬と引き換えに自ら選んで視聴します。ウェブの広告主向けの仕様では、動画は全画面の縦型(9:16)で、最大60秒スキップできません。再生後にインタラクティブな画面を表示することもできます。
ウェブの広告主が始める手順は、アカウントの作成、ピクセルの設置、CPL、CPP、ROASの目標設定の順です。ピクセルはショッピファイ(Shopify)のアプリかグーグルタグマネージャーで設置します。購入などの成果をデジタルで測ることが前提になります。
これらの形式は当サイトの分類では全画面のインタースティシャルとリワード広告にあたり、ゲーム空間の看板やモニターに表示するサイネージ型とは別のものです。形式の違いはゲーム内広告とは?仕組み・種類・効果・費用を徹底解説で、報酬型の詳細はリワード動画広告とは?仕組み・効果・ゲーム内サイネージとの違いを企業向けに解説で整理しています。
出典: AppLovin 日本語サイト、広告仕様、開始時のチェックリスト
対応プラットフォームとインベントリ規模

主な配信面はキャンディ系、ソリティア、麻雀、ワードパズルなどのカジュアルなモバイルゲームです。リーチは同社の説明では毎日10億人超とされます。ただし、公式サイトには「毎日10億人以上がプレイするモバイルゲーム」という表現もあり、モバイルゲーム市場全体の規模とも読めます。対応アプリ数、MAU、DAUは今回確認した資料では分かりませんでした。
出典: AppLovin 日本語サイト、AppLovin サポート文書
ゲームと消費財向けの2本柱
広告主はゲーム会社と、ECなどで商品を売る消費財ブランドの2つに分かれます。書き起こしによると、第3四半期の上振れの主因はゲームで、消費財向けについてCFOは継続的な拡大と説明しました。一方で10-Qはモバイルゲームへの依存をリスクとして記しています。
出典: The Motley Fool 決算説明会の書き起こし、AppLovin Form 10-Q
主要パートナー
- 計測は自社の Adjust を持っています。他社の計測パートナーは確認できていません。
- EC基盤ではショッピファイ向けアプリとグーグルタグマネージャー連携を導入手段として案内しています。
- トリプルドット(Tripledot)は同社がゲームスタジオ群を売却した先で、同社が約22%の株式を持つ関連会社です。広告の顧客でもあり、第3四半期の関連当事者売上は180万ドルでした。
- 10-Qはメタ(Meta)、グーグル(Google)、アマゾン(Amazon)、ユニティ(Unity)、リフトオフ(Liftoff)を競合に挙げ、一部は提携先や顧客でもあると記しています。
出典: AppLovin Form 10-Q、開始時のチェックリスト
ここまでの歩み

同社の歩みは、ゲームスタジオを買って学習データを集める段階から、広告事業に絞る段階へ移っています。2018年以降はモデルの学習に使う自社データを得るためにスタジオを買い集め、2020年と2023年に Axon の新版を公開しました。2022年にはアプリ事業を見直してスタジオの売却や閉鎖を進め、2025年にアプリ事業を売却してゲーム開発から撤退しました。この間の2024年にEC向け広告のパイロットを始め、2025年の招待制を経て、2026年には AppLovin Ads をすべての広告主に開放しています。
時期 | 出来事 |
|---|---|
2012年 | 設立。自己資金で創業 |
2015年 | 全額現金6億ドルの買収提案を断る |
2018年 | ゲームスタジオの買収を開始。目的はモデルの学習に使う自社データの確保 |
2018〜2022年 | 29件の戦略的な買収と提携に約40億ドルを投じる |
2020年 | Axon 1.0を公開。マシンゾーン(Machine Zone)を買収(金額は未確認) |
2021年4月 | Adjustを買収(金額は未確認) |
2021年 | 評価額280億ドルでIPO |
2022年1月 | モパブ(MoPub)を買収(金額は未確認) |
2022年4月 | Wurlを買収(金額は未確認) |
2022年 | アプリ事業を見直し、スタジオの売却、閉鎖、人員削減を実施。減損など1億2,790万ドル、全従業員の約15%を削減 |
2022年8月 | ユニティに175億ドルの合併を提案し、拒否される(Game World Observer の報道ベース) |
2023年 | Axon 2.0を公開 |
2024年 | EC向け広告のパイロットを開始 |
2025年2〜3月 | 空売りレポートが相次ぎ、同社は否定。3月から証券訴訟 |
2025年 | 招待制でセルフサービスの広告基盤を開始 |
2025年6月30日 | アプリ事業をトリプルドットに売却。対価は現金4億3,060万ドルと株式2億8,500万ドルで総額7億1,560万ドル |
2026年1月 | 新たな空売りレポートに、停止要求書で反論 |
2026年 | AppLovin Adsをすべての広告主に開放 |
2026年4月2日 | フォルギ氏が議長を退任し、CEOは継続。CTOと法務責任者の交代も発表 |
2026年8月5日 | 第2四半期決算。売上は53%増ながら見通しに届かず、株価は20%以上下落と報道 |
2026年9月16日 | モデル改善のペースの説明を巡り、株主が証券訴訟(主張の段階) |
2026年9月下旬 | ユニティに対し差止めを申し立てたと報道 |
2026年10月5日 | サンディエゴ郡が提訴(主張の段階) |
2026年11月4日 | 第3四半期決算を発表 |
出典: AppLovin「About」、2022年度 Form 10-K、Form 10-Q、Form 8-K(2026年4月)、サンディエゴ郡の発表、mobilegamer.biz(第2四半期決算)、mobilegamer.biz(空売りレポート)、Digiday(ユニティとの係争)
撤退と未達
決算の数字だけでは見えない点が4つあります。
1つ目はゲーム開発からの撤退です。モデルの学習データのために買い集めたスタジオ群を2025年に手放し、広告専業になりました。売却額は報道により8億ドルや9億ドルの表記もありますが、確定値は10-Qの総額7億1,560万ドルです。
2つ目は第2四半期の見通し未達です。フォルギCEOは原因を需要ではなくモデル改善の「タイミング」と説明しました。今回も、改善は四半期の予定どおりに来るものではないという趣旨を述べています(書き起こし)。今回の好調は同じ変動の裏返しでもあります。
3つ目はCTVです。2022年に Wurl を買収しましたが、10-Qは市場を初期段階とし、フォルギCEOは「CTVが近いうちに業績へ上乗せされるとは、まったく当てにしないほうがよい」と述べました(書き起こし)。
4つ目はセルフサービスの限界です。2026年に全広告主へ開放したものの、小規模事業者の完全なセルフサーブについてフォルギCEOは「当社にとってまだ先の話」と答え、チームを通す顧客のほうが成功の可能性はずっと高いとも説明しました(書き起こし)。
今回の発表の位置づけ
第2四半期の決算が見通しに届かなかった後、第3四半期にはゲーム事業が次世代モデルの部分展開とともに再加速した、というのが会社の説明です。書き起こしによると、フォルギCEOは「これは部分的な展開でした。移行はまだこれからです」と述べており、モデルの移行は途中です。同CEOは「この事業は長期的に年率約30%で複利成長できる」とも述べ、現在の伸び率より低い数字を長期の見方として示しました。この伸びが続くかは、現時点では分かりません。
2026年の証券訴訟は「広告モデルの改善ペース」などの説明を巡るもので、10-Qに記載があります。一方、サンディエゴ郡の訴訟は10-Qに社名付きの記載がなく、書き起こしの説明会でも話題になっていません。いずれも主張の段階で、今回の決算の数字と訴訟を結びつける根拠はありません。郡の訴訟の内容はサンディエゴ郡の提訴を解説した記事にまとめています。
広告出稿事例
以下の効果の数字はいずれも同社のサイトに載っている広告主の発言です。期間や比較条件は書かれておらず、第三者の検証もありません。「公式サイトでこう紹介している」という範囲で読んでください。
immi(ラーメンのDTCブランド)
同社の公式サイトは、immi がDTCの売上全体を32%伸ばしたと紹介しています。共同創業者のケビン・リー(Kevin Lee)氏は「AppLovin は、他では取れない注文をもたらしてくれます」と述べています。
日本の食品メーカーに最も近い例ですが、ECで直販する企業の話なので、小売店での販売が中心の企業には当てはまりにくいと考えられます。

メロウ(Mellow、寝具ブランド)
公式の創業者インタビューで、共同創業者のチャド・ケラー(Chad Keller)氏は同社への出稿について「報われました」と話しています。示されている数字は初年度の売上1億4,000万ドル、2年目の目標5億ドルです。これはブランド全体の売上で、アップラビン経由の成果を切り分けた数字ではありません。

GOODROID(モバイルゲーム)
CMOの Shohei Nagaoka 氏は「2人のチームだった頃に AppLovin と組みました。その後、売上は3,000倍、チームは30倍になりました」と述べています。開始時期は示されておらず、売上全体の話です。企業サイトの表記は「株式会社GOODROID」で、AppLovin の公式サイトに載る数少ない日本関連の例とみられますが、所在地は確認できていません。

ゲーム・ディストリクト(Game District、モバイルゲーム)
CEOのサード・ハミード・カーン(Saad Hameed Khan)氏は「MAX で収益化は前年比751%、AppLovin Ads でユーザー獲得は前年比416%伸びました」と述べています。ゲーム会社が広告枠の収益化とユーザー獲得の両方で同社のプロダクトを使っている例です。

このほか、朝食ブランドのホロス(HOLOS)の事例も公開されていますが、定量的な効果の記載はありません。
なぜこの動きが起きたのか
モデルの更新と業績の連動

10-Qが増収の主因に挙げるのは AppLovin Ads の性能向上で、説明会でもゲームの再加速はモデルの展開と結びつけて語られました。CFOは第4四半期の見通しの前提に、通常の季節性と稼働済みのモデル更新を挙げています(書き起こし)。同社の業績はモデルの更新時期に左右されやすいと考えられます。
出典: AppLovin Form 10-Q、The Motley Fool 決算説明会の書き起こし
増えた売上の約8割が営業利益に
増収額7億7,977万ドルに対して営業増益は6億2,996万ドルで、増えた売上の約81%が営業利益になりました(計算値)。売上が増えても人員や配信の費用があまり増えない構造を示す数字です。ただし費用が増えなかったわけではなく、10-Qにはネットワーク基盤の費用の5,360万ドル増と、株式報酬による研究開発費の増加が記されています。
出典: AppLovin 決算リリース、AppLovin Form 10-Q
消費財向けへの広がりと、ブランド予算の条件
フォルギCEOは新しいモデルについて「データが少ない領域、つまり新しい広告主、小規模な広告主、新しいカテゴリーで最も性能が上がります。まさに消費財向け事業がある領域です」と述べました(書き起こし)。
ブランド予算に関する質問には「成果が出ている以上、さらに多くの予算が続くと十分に見込んでいます」と答えています。これは購入などの成果を重視し、デジタルで計測できる広告主という条件付きの発言で、現在ブランド予算を獲得しているという説明ではありません。
出典: The Motley Fool 決算説明会の書き起こし
広告テック各社との差
ディジデイ(Digiday)の2026年11月6日の記事によると、アップラビンの売上は、ユニティ、マグナイト(Magnite)、クリテオ(Criteo)、タブーラ(Taboola)、ティーズ(Teads)の合計(約19.4億ドル)を上回りました。クリテオは11%減、タブーラは6.9%減、ティーズは26%減です。成果を測れる獲得型の広告に予算が集まっているという読み方はできますが、ザ・トレード・デスク(The Trade Desk)、パブマティック(PubMatic)、リフトオフなどの決算は翌週で、この比較に入っていません。市場全体の傾向とまでは言えません。
同じ週の11月5日に決算を発表したユニティでは、広告を含む Grow Solutions が44%増、広告AIの Vector が126%増でした。ユニティは Vector の成長の大半を既存の広告主によるものと説明しており、ゲーム広告全体に新しい資金が入っているとは言えません。なお、ユニティにはゲームエンジン事業があるため、比べられるのは伸び率までです。
出典: Digiday「By the numbers」、Unity 決算リリース。ユニティの広告事業の整理はアイアンソースの広告事業終了を解説した記事で扱っています。
日本市場ではどうか

決算リリースと説明会に日本への言及はありません。説明会でアジア太平洋地域の広告主とピクセル数に話が及んだ場面でも、経営陣は数を深読みしないよう述べるにとどまりました(書き起こし)。
同社には日本語サイトがあり、日本向けのX(AppLovin_JP)とFacebook(axonadsjapan)も運営しています。ウェブ広告主向けの案内は配信地域について「西ヨーロッパ以外の利用可能な全地域」を推奨しており、日本の個別の記載はありません。日本法人の名称、国内の導入数と売上、日本向けの提供条件、日本語サポート、国内の在庫量は確認できませんでした。
現時点で言える範囲で、日本の広告主との相性を整理すると次のようになります。
広告主 | AppLovin Ads との相性 |
|---|---|
ゲーム、アプリ事業者 | 目的に合う。GOODROIDの例がある(所在地は未確認)。国内の導入数は未確認 |
自社ECを持つD2C | ピクセルとROAS目標で運用する仕組みに合う。日本向けの提供条件は未確認 |
小売店販売が中心の食品、日用品 | 購入をデジタルで追えないとROASを目標に置けないため、構造的に合いにくい |
電通「2025年 日本の広告費」によると、2025年の総広告費は8兆623億円(前年比105.1%)、インターネット広告費は4兆459億円(同110.8%)です。同ページにゲーム内広告の区分はなく、獲得型のゲーム広告の国内金額は確認できていません。ブランド向けのゲーム内広告では Ad-Virtua(アドバーチャ)のほか、ARROVAとオトナルの「IMASIVE」があります。
出典: 電通「2025年 日本の広告費」、IMASIVE の発表(PR TIMES)
日本で同じ広告を実施する選択肢
購入やインストールを目標に全画面の広告を運用したいなら、アップラビン自身が候補になります。提供条件は同社への確認が必要です。
目的がブランドの認知や想起なら、形式の違う広告を比べることになります。その場合の選択肢の一つが、ゲーム内のテレビや看板に動画を流す Ad-Virtua です。どちらもモバイルゲームのプレイ時間に動画を届けますが、次の点が異なります。
比較ポイント | AppLovin Ads | Ad-Virtua |
|---|---|---|
主な広告主 | ゲーム会社、ECなどの消費財ブランド | 国内のブランド、IP事業者など |
目的 | 購入、インストールなどの成果 | 認知、想起 |
形式 | 全画面の縦型動画(最大60秒スキップ不可)、リワード広告 | ゲーム内のテレビ、看板の動画(30秒以下、16:9、音声は原則非対応) |
プレイの中断 | 切れ目で全画面表示、または報酬と引き換えに視聴 | 中断しない |
買い方 | CPL、CPP、ROASの目標を置く運用型 | 週単位(週30万円から、初期費用なし、100万回再生目安、週2枠限定) |
前提 | ピクセルなどの計測 | 動画素材 |
配信先の指定 | 公開資料では選べるかを確認できず | タイトルの個別指定が可 |
日本の広告主 | 提供条件は未確認 | 利用可 |
Ad-Virtua の公式事例には、ブシロードで自然流入が26%増え、滞在時間が約1分9秒から約3分4秒に延びた例があります(測定期間の条件付き)。期間を比べた事例なので、ROASと同列には並べられません。費用の考え方はゲーム内広告の費用・料金相場で解説しています。
出典: Ad-Virtua 公式サイト(2026年11月7日確認)
こんな企業におすすめ
- AppLovin Ads は、自社アプリやECがあり、購入を計測してROASなどで予算を判断できる企業に合います。
- Ad-Virtua は、動画素材があり、タイトルを指定して若年層との接点を小さく試したいブランドに合います。
おすすめしない企業
- AppLovin Ads は、購入をデジタルで追えない企業、目的が認知や想起である企業、担当者の支援なしに小規模で始めたい企業には合いにくいと考えられます。
- Ad-Virtua は、購入数やROASを直接の成果にしたい企業、音声を前提にした訴求を考えている企業には合いません。
広告主が取るべき判断
今動くべき企業
自社ECやアプリを持ち、購入やインストールの計測がすでに整っている企業は、検討を始める理由があります。消費財向けの支出が伸びているという説明に加え、会社が新しいモデルの効果を新しい広告主で最も大きいと見ているためです。ただし、これは会社側の説明です。問い合わせの段階で、次の点を確かめてください。
- 日本向けの提供条件と日本語サポートの有無
- 日本国内の在庫量
- 配信面を選んだり除外したりする機能の有無
- 担当者の支援を受けられる条件
若年層やファミリー層に届けたい企業は、成果の指標に加えて配信先の管理方法も確認項目にするとよいと考えられます。サンディエゴ郡の訴訟は主張の段階です。争点は保護者の制限と未成年のデータで、掲載面の選択そのものではなく、これをつなげるのは本記事の解釈です。同社は利用者像について、米国のモバイルゲーマーの人口分布は米国成人に近いと説明しています。
様子見でよい企業
- 店頭販売が中心で購入をデジタルで追えない企業。CEOがブランド予算の移行に付けた条件を満たしにくいためです。
- 認知や想起を目的とする企業。今回の決算は、この目的の予算を動かす根拠にはならないと考えられます。
- CTV広告を目当てに検討している企業。会社自身が当面の上乗せを見込まないよう述べています。
決算の面では、次の第4四半期と続く第1四半期の数字が判断材料になります。フォルギCEOは「eコマースに深く入るほど、第4四半期が大きくなり、続く第1四半期は厳しくなるはず」と述べており、季節の変動を差し引いて伸びを見る必要があります。
なお、Ad-Virtua の掲載前の審査の流れや子ども向けタイトルの扱いは、公式サイトに詳しい記載がありません。こうした点を含めて検討する場合はお問い合わせから確認してください。
関連する基礎知識
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- モバイルゲーム広告の仕組みを企業向けに解説: 獲得型とブランド型の広告の違いを基礎から確認できます
- リワード動画広告とは?仕組み・効果・ゲーム内サイネージとの違いを企業向けに解説: 報酬と引き換えに視聴する形式を詳しく説明しています
- AppLovin訴訟の内容と背景: サンディエゴ郡の提訴の中身と同社の経緯を扱っています
- ゲーム内広告の費用・料金相場: 出稿予算の目安をまとめています
よくある質問
Q. アップラビンの日本での売上は分かりますか?
分かりません。10-Qの地域別売上は、利用者の所在地による米国とその他の地域の2区分だけです。第3四半期は米国が10億9,806万ドル(構成比50.3%、前年同期比59.6%増)、その他の地域が10億8,675万ドル(構成比49.7%、同51.5%増)でした。構成比と増減率は計算値です。
Q. モバイルゲームの利用者はどんな人たちだと説明されていますか?
同社のサポート文書は、カンター(Kantar)が米国のモバイルゲーマー2,500人を調べた結果として、人口分布は米国成人に近いと説明しています。70%が世帯の購入判断の大半を担い、広告を見てから3か月以内に38%が購入したとしています。調査の依頼元や条件の詳細は確認できておらず、日本の利用者に当てはまるかも分かりません。
出典: AppLovin サポート文書
Q. 記事によって決算の数字が少し違うのはなぜですか?
丸め方の違いとみられます。増収率は千ドル単位で計算すると約55.5%で、公式は55%、MDMは56%と書いています。第4四半期の見通しも、mobilegamer.bizは23.7〜24億ドルと丸めています。本記事は公式の値を使いました。
出典: AppLovin 決算リリース、MDM、mobilegamer.biz
Q. ネバダ州への再設立は広告主に関係しますか?
同社は決算発表と同じ Form 8-K で、デラウェア州からネバダ州への再設立を、議決権の約67%を持つ株主が2026年10月29日に書面で承認したと開示しました。8-Kに理由の記載はなく、広告主への影響を判断する材料は現時点でありません。
Q. 決算を受けて株価はどう動きましたか?
ザ・モトリーフールは時間外で約18%上昇と報じました。終値は確認できていません。
Q. 株主還元はどのくらいの規模ですか?
第3四半期に410万株を買い戻し、または源泉徴収しており、総額は約14億ドルです。10月に枠を約32億ドル増やし、計36億ドルとしました。2026年9月末の現金及び現金同等物は31億7,370万ドル、長期債務は35億1,610万ドルです。


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