ゲーム内広告(サイネージ型)の費用対効果は、CPM約300〜400円・メディアROI平均4.5倍(最大5.4倍)という実績データが公式から示されています(出典:Ad-Virtua公式サイト / 確認日:2026-04-13)。ただし、ゲーム内広告は「直接コンバージョン」ではなく「ブランド認知・想起の向上」を目的とした施策であるため、ROIの測定には一般的な広告と異なるフレームワークが必要です。

この記事では、次の内容を解説します。

  • ゲーム内広告に適したROI・費用対効果の考え方(ブランドリフト型ROIとは)
  • YouTube・Instagram等の主要媒体との費用対効果比較(CPM・視聴完了コスト・想起率)
  • ブランドリフト型ROIの測定手順(4ステップPDCA)
  • 媒体費・制作費・調査費を含めた真のコスト計算
  • ゲーム内広告のROIが出やすい企業・出にくい企業の条件

食品・飲料・日用品・外食チェーンなど、認知拡大・ブランドロイヤルティ向上を課題とする企業のマーケティング担当者に向けて書いています。

ゲーム内広告の「費用対効果」はなぜ一般的なROAと違うのか

スマートフォンでゲーム内広告を確認するマーケター

ゲーム内サイネージ広告は、ゲームの世界観に溶け込んだ看板・モニターに動画を表示する形式です。プレイを中断させないため、直接クリック・コンバージョンの計測には向かないという前提を理解することが、正しい費用対効果の把握につながります。

ブランドリフト型ROIとは

ゲーム内広告における費用対効果の主な測定軸はブランドリフト型ROIです。これは、広告接触者と非接触者のアンケート結果を比較することで、認知率・想起率・好感度・購入意向の変化量を数値化するアプローチです。

ブランドリフト型ROIのイメージ
広告費 → 認知率・想起率・好感度の向上 → 将来的な購買行動への影響

直接売上との連動は時間的に遅れますが、ブランド形成・第一想起の獲得という中長期的なROIとして評価する考え方が業界標準となっています。

ROI・ROASとの違い(コンバージョン型との比較)

指標

計算式

用途

ゲーム内広告との相性

ROI

利益額 ÷ 広告費 × 100%

事業全体の収益性判断

△ 長期的な売上向上を通じて評価可能

ROAS

売上 ÷ 広告費 × 100%

広告キャンペーン単体の効率

△ サイネージ型は直接売上計測が困難

ブランドリフト型ROI

認知率・想起率・好感度の変化量

認知・ブランド施策の評価

◎ ゲーム内サイネージ広告に最適

CPM効率

1,000インプレッション単価

メディアプランニング

◎ 他媒体との比較に有効

(出典:HubSpot「ROIとは」、AppsFlyer「ROAS用語集」 / 確認日:2026-04-13)

ゲーム内サイネージ広告に合う指標はどれか

現時点での業界の共通認識は以下のとおりです。

  1. 視認率:広告が画面に表示された割合(Ad-Virtua実績:最大96% / 確認日:2026-04-13)
  2. 広告想起率:接触後に広告を記憶している割合(Ad-Virtua:Web広告比約1.8倍)
  3. ブランド好感度:接触前後の好感度変化(Ad-Virtua:約80〜85%)
  4. メディアROI:広告投資に対する総合的な効果倍率(Ad-Virtua:平均4.5倍、最大5.4倍)

※ メディアROI(4.5倍)の出典はAd-Virtua公式コラムの記載。調査機関の詳細は公式サイトで確認ください。

ゲーム内広告の実際のROI・効果データ

広告効果を示すROIデータのグラフとチャート

業種別ブランドリフト実績

以下は公開されている調査データに基づく業種別の効果傾向です。

Ad-Virtua公式コラムの事例(確認日:2026-04-13):

業種

主な効果指標

電子機器(SONYなど)

ブランドイメージ+42pt・ブランド検討率+35pt向上

ファッション・ライフスタイル

ブランド帰属スコア+13pt向上

消費財・食品・飲料(FMCG)

業種平均比+4ptのインパクトスコア向上

自動車

ゲームとのコンテキスト適合性 全業種中最高(約2倍)

Frameplay × Happydemics 調査(173キャンペーン、2021〜2024年):

  • 広告想起率:32%
  • ブランド帰属スコア:52%
  • 好意度:54%
  • 検討率:24%

(出典:Frameplay × Happydemics公開調査 / グローバルデータ)

Anzu × Lumen 調査(グローバル):

  • 視認率:98%(デジタル広告平均78%比)
  • 注目時間:3,442秒/1,000インプレッション
  • 誘導後ブランド想起率:平均49%(最大97%)

(出典:Anzu × Lumen Research公開調査 / グローバルデータ / 確認日:2026-04-13)

他媒体との費用対効果比較

CPMだけで比較すると「安い媒体」に見えますが、重要なのは視聴完了コスト実際の想起効果です。

媒体別CPM比較(動画広告):

媒体

CPM相場

視聴完了率目安

実質視聴完了コスト

TVer

2,000〜3,600円

約90%+

低〜中

Instagram

500〜3,000円

約20〜40%

中〜高

YouTube(スキップ可)

500〜1,500円

約30%

1,667〜5,000円/完了

Facebook

400〜800円

約20〜40%

中〜高

TikTok

200〜1,000円

約50〜70%

ゲーム内広告(Ad-Virtua)

約300〜400円

約85%(視認率)

約350〜470円/完了

LINE

400〜650円

約30〜50%

(出典:Ad-Virtua公式コラム「動画広告媒体別比較」 / 確認日:2026-04-13)

  • ゲーム内広告はスキップ不可かつ低CPMのため、視聴完了コストでYouTubeスキップ可型より大幅に優位
  • Meta広告(Instagram・Facebook)は2026年にCPMが前年比25〜40%上昇傾向(広告費高騰が加速)
  • ゲーム中のプレイ没入状態での接触のため、広告好感度が高い(約80〜85%)

ROI測定の具体的な手順(4ステップPDCA)

ROI測定のPDCAサイクルを議論するビジネスチーム

ゲーム内広告のROI測定は以下の4ステップで設計します。配信開始前の準備が最も重要です。

Step 1:目標KPIを設定する

まず、何を「成果」とするかを明確にします。ゲーム内広告では直接CVではなく、ブランド指標を主KPIとして設定します。

マーケティング目的

推奨KPI

ベンチマーク(Ad-Virtua)

ブランド認知率向上

広告認知率・リーチ数

視認率最大96%

広告想起率改善

非誘導想起率・誘導想起率

Web広告比約1.8倍

ブランド好感度向上

好感度調査スコア

約80〜85%

複合効果測定

ブランドリフト指数

ROI総合評価

メディアROI

平均4.5倍(最大5.4倍)

(出典:Ad-Virtua公式サイト / 確認日:2026-04-13)

Step 2:配信前にベースラインを計測する

広告配信前に、ターゲット層(ゲームユーザーと非ゲームユーザー両方)に対してアンケートを実施し、現在の認知率・想起率・好感度の「基準値(ベースライン)」を取得します。

この事前調査がないと、配信後の「どのくらい変化したか」が計測できません。ブランドリフト調査会社と事前に設計を組んでおく必要があります。

Step 3:ブランドリフト調査で変化を計測する

配信後(一般的には4〜8週間の配信後)に、広告接触者グループ非接触者グループの双方にアンケートを実施します。

計測指標の例:

  • 広告認知率:「この広告を見たことがありますか?」
  • ブランド想起率:「〇〇カテゴリで思い浮かぶブランドは?」(非誘導)
  • ブランド好感度:「このブランドにどのくらい好感を持ちますか?」
  • 購入意向:「このブランドの商品を今後購入したいですか?」

ブランドリフト調査の費用目安:50万〜200万円(予算の10〜15%を目安に設計)

(出典:Ad-Virtua公式コラム / 確認日:2026-04-13)

Step 4:結果をもとに予算・クリエイティブを改善する

調査結果をもとに、次のPDCAサイクルを回します。

  • 想起率が低い → クリエイティブの訴求要素(ロゴの視認性・ビジュアル)を見直す
  • 好感度は高いが想起率が低い → 接触頻度(フリークエンシー)を増やす
  • 好感度・想起率ともに向上 → 配信規模を拡大、業種別タイトルのターゲティングを最適化

一般的に、公式では最低3カ月の運用でPDCAを回すことを推奨しています(出典:Ad-Virtua公式サイト / 確認日:2026-04-13)。

費用の全体像:媒体費だけではない真のコスト計算

広告予算と費用対効果の計算書類

ゲーム内広告の「費用対効果」を正しく評価するには、媒体費以外のコストも含めて計算する必要があります。

課金モデル別の費用相場

課金モデル

費用相場

主な用途

CPM(インプレッション課金)

200〜800円/1,000imp

ブランド認知・標準的な運用

CPCV(動画視聴完了課金)・リワード

800〜3,000円/完了

認知・想起効果重視

CPD(期間保証型・デジタルビルボード)

50万〜500万円/月

タイトル・掲載面による

CPE(エンゲージメント課金)

50〜300円/エンゲージメント

記憶残存率重視

(出典:Ad-Virtua公式サイト / 確認日:2026-04-13)

月間試算例(Ad-Virtua公式):500万インプレッション × CPM400円 = 月200万円

制作費・調査費・代理店手数料の目安

コスト項目

費用目安

備考

週次プラン(媒体費)

30万円/週

最小予算:10万円〜

バナー・静止画制作

5万〜30万円

既存素材転用で不要な場合も

リワード動画制作

30万〜150万円

TV・Web用素材の転用が最もコスト効率高

ブランドリフト調査費

50万〜200万円

予算の10〜15%推奨

代理店手数料

媒体費の15〜20%

代理店経由の場合

(出典:Ad-Virtua公式コラム / 確認日:2026-04-13)

重要:ゲーム内広告はすでに持っているTV・Web動画素材(MP4、30秒以内、16:9)をそのまま転用できます。新規制作コストを抑えやすい点が、他の施策との大きな違いです。

テスト出稿からの予算設計例

フェーズ

期間

媒体費目安

目的

テスト出稿

1〜3カ月

月30〜100万円

効果検証・ターゲティング最適化

本格運用

3〜6カ月

月100〜300万円

ブランドリフト蓄積・PDCAサイクル確立

継続拡大

6カ月以上

月300万円〜

ブランド認知の定着・第一想起の獲得

(出典:Ad-Virtua公式サイト / 確認日:2026-04-13)

こんな企業のROIが出やすい / おすすめしない企業

ROIが出やすい企業の条件

以下の条件に当てはまる企業は、ゲーム内広告による費用対効果が出やすいと言えます。

✅ こんな企業に向いています

  • 若年層(10〜30代)が主なターゲット:ゲームプレイヤーの中心層と重なるため、リーチ効率が高い(Z世代のゲームアプリ利用率:約80%が毎日プレイ / 平均100分 / 出典:Ad-Virtua公式コラム「game-ads-market」/ 確認日:2026-04-13)
  • ブランド認知・想起率の向上が課題:TVCMや屋外広告では届きにくい若年層への接点補完として機能する
  • TV・Web動画素材が既にある:既存素材を転用できるため制作費が最小化できる
  • 食品・飲料・日用品・外食・交通・ホテルなどの生活接点ブランド:広くリーチするほどブランドリフト効果が出やすい
  • 中〜長期的な認知形成を重視している:即時CV重視ではなく、認知→好感→購買の流れを設計できる企業
  • テスト出稿予算として月30万円以上を確保できる:最小予算10万円〜だが、測定可能な効果を得るには月30万円以上が目安

ROI最大化に向かないケース

❌ こちらの場合は他媒体を優先検討してください

  • 即時コンバージョン(購買・来店・資料DL等)が主KPI:直接CVを計測する設計にはリワード広告や検索広告が向いている
  • 40〜60代以上が主要ターゲット:スマホゲームユーザーの中心層と乖離するリスクがある
  • BtoBサービス・法人向け商材:意思決定プロセスが複雑でブランド広告の直接効果が可視化しにくい
  • 広告費が月10万円未満で効果検証までしたい:ブランドリフト調査(50万〜)が費用対効果上難しい
  • 動画素材が一切なく制作予算もない:制作費を含めた総コストが高くなる

よくある質問(FAQ)

Q. ゲーム内広告の費用対効果は他の媒体と比べてどうですか?

CPM(1,000インプレッション単価)はYouTubeが500〜1,500円に対し、ゲーム内広告は約300〜400円です(出典:Ad-Virtua公式サイト / 確認日:2026-04-13)。スキップされないため視聴完了コストでも優位ですが、直接コンバージョン計測には向かないため、認知・ブランド目的の予算枠での評価が適しています。

Q. ROIを測定するには必ずブランドリフト調査が必要ですか?

必須ではありませんが、ゲーム内広告の効果を数値で証明するにはブランドリフト調査が最も確実です。調査費(50万〜200万円)をかけずに検証したい場合は、SNSでのブランド言及量やWebサイトへの指名検索数の変化を代替指標として観察する方法もあります。ただし、精度は落ちます。

Q. テスト出稿はどのくらいの期間・予算が必要ですか?

一般的には、最低3カ月・月30〜100万円が推奨されています(出典:Ad-Virtua公式サイト / 確認日:2026-04-13)。1〜2カ月では季節変動や施策の効果が見えにくいため、3カ月単位でPDCAを回すことが効果的です。

Q. 既存のCM素材でそのまま使えますか?

現時点では、MP4形式・30秒以内・16:9・3MB以下の動画素材であれば転用可能です。音声は基本非対応のため、ビジュアルだけで伝わるクリエイティブが求められます。TV用の縦型素材はリサイズが必要な場合があります(出典:Ad-Virtua公式サイト / 確認日:2026-04-13)。

Q. ブランドリフト調査はどこに依頼すればいいですか?

Ad-Virtua経由での手配のほか、Happydemics・Kantar・DoubleVerify等の調査会社に直接依頼することも可能です。ゲーム内広告専業の場合はプラットフォーム側が調査パートナーを紹介するケースも多くあります。

まとめ:ゲーム内広告の費用対効果を最大化するために

ゲーム内広告の費用対効果を正しく評価するには、次の3点が重要です。

  1. 「ブランドリフト型ROI」の視点で設計する:直接CVではなく、認知・想起・好感度の変化量で評価する
  2. 総コスト(媒体費+制作費+調査費)で見積もる:媒体費だけで判断すると投資計画が崩れる
  3. 最低3カ月のPDCAサイクルを組む:短期間では効果の変化が見えにくく、最適化の余地を見逃す

CPM約300〜400円・メディアROI平均4.5倍というデータは、認知拡大を目的とした施策の中では優位なポジションにあります。特にTV・Web用の動画素材を既に持つ食品・飲料・日用品・外食チェーン等のブランドにとっては、追加制作コストを最小化しながら若年層へのリーチを補完できる手段として検討する価値があります。

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ゲーム内広告の種類・仕組み・活用事例については、以下の関連記事もあわせてご確認ください。

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