ゲーム内広告のクリエイティブは、MP4形式・16:9・30秒以下が基本仕様で、既存のTVCM素材をそのまま活用できます。新規制作費ゼロから始められるケースも多く、仕様さえ把握すれば自社の動画資産を即日入稿できる広告フォーマットです。

この記事でわかること:

  • ゲーム内広告クリエイティブの技術仕様(ファイル形式・容量・アスペクト比)
  • TVCM素材流用・既存動画の編集・新規制作、3つの制作パターンと費用相場
  • 効果が出るクリエイティブの原則(IABガイドライン準拠)
  • やりがちなNGパターンと回避策
  • ゲームジャンル別のクリエイティブ方針
  • どんな企業・素材に向いているか/向いていないか

この記事の対象読者: ゲーム内広告への出稿を検討しているマーケティング担当者・広告担当者で、「何をどう用意すればよいか」を具体的に知りたい方。

ゲーム内広告クリエイティブの基本仕様

ゲーム内広告クリエイティブの基本仕様イメージ(デジタルディスプレイ・看板)

ゲーム空間内の看板・モニターに表示されるサイネージ型広告(Ad-Virtuaが提供する形式)の場合、現時点での公式仕様は以下のとおりです(出典: Ad-Virtua公式サイト、確認日: 2026-04-10)。

項目

仕様

ファイル形式

MP4

ファイル容量

3MB以下

アスペクト比

16:9(横型)

動画の長さ

30秒以下

音声

原則非対応(対応ゲームタイトルでは一部可)

仕様のポイントを3点まとめると:

  1. 横型動画(16:9)が標準。TVCMと同じアスペクト比のため、既存CM素材をそのまま入稿しやすい
  2. 3MB以下という容量制限。長尺・高画質のまま入稿するとサイズオーバーになるケースがある。圧縮を前提に考える
  3. 音声は基本なし。ゲームプレイ中は自身のSEやBGMが優先されるため、音声なしでも伝わる設計が必須

注意: 静止画フォーマット(解像度・PNG/JPGの可否など)の詳細仕様は公式サイトに掲載がなく、個別確認が必要です。縦型動画への対応可否も同様です。詳細はAd-Virtua(ad-virtua.com)に問い合わせてください。

音なし設計が前提の理由

ゲームプレイ中のユーザーは、ゲームのBGM・効果音・コントローラー操作音という複数の音環境にいます。そのため、ゲーム内広告はほぼすべてのプラットフォームで「音声なし」を前提に設計されています。

IAB(Interactive Advertising Bureau)が2024年3月に発行した「Creative Guidelines and Best Practices in Advertising in Gaming」でも、動画広告の原則として「音声なし設定」を明記。音声ありの素材をそのまま入稿すると、仮に流れたとしてもプレイヤー体験を大きく損なうリスクがあります。

音なし設計で求められること:

  • ロゴとブランド名を画面に大きく、早く表示する
  • テキストで補完する(ただし7語以内)
  • 動きや色のコントラストで視線を誘導する

素材別・3つの制作パターン

動画制作スタジオと撮影機材(ゲーム内広告クリエイティブ制作パターンのイメージ)

制作担当者が最初に判断すべきは、「今ある素材で出稿できるか」です。コストと準備期間は制作パターンによって大きく変わります。

パターン① TVCMをそのまま転用する(追加制作費ほぼゼロ)

コスト: 編集費のみ(数万円〜)または0円
準備期間: 最短即日〜数日
向いている企業: TVCMを現在放映中・過去に制作済みの企業

TVCMは15秒・30秒の横型動画(16:9)が多く、ゲーム内広告の仕様と一致します。そのまま入稿できるケースが多い点が最大のメリット。

ただし、以下を必ず確認してください:

  • ファイルサイズ: CMデータは数十MB〜数GBになることも。3MB以下への圧縮が必要
  • 音声: 音入りのまま入稿しても原則再生されない。無音版の書き出しを推奨
  • 素材の長さ: 30秒超えのバージョンは、30秒に短縮するカット編集が必要

Ad-Virtua公式サイトでも「テレビCMのような動画広告を配信できる」と説明しており、TVCM素材の転用を主な利用パターンとして想定しています。

パターン② 既存動画を編集・流用する(軽微な制作費)

コスト: 動画編集費 5〜30万円程度
準備期間: 1〜2週間
向いている企業: TVCMはないが、SNS動画・YouTube広告・商品PR動画等を保有している企業

YouTubeやSNS用に制作した15〜60秒の動画があれば、ゲーム内広告向けにカット・リサイズ・テキスト追加などの編集を加えることで流用できます。

制作の際に注意すべき点:

  • 縦型(9:16)や正方形(1:1)フォーマットの動画は16:9への変換が必要
  • 過剰なキャプションや吹き出しなど、モバイルゲームの画面サイズで読みにくい要素は削除する
  • 核心メッセージに絞り込み、30秒以内に収める

パターン③ 新規制作する(最適化された素材)

コスト: アニメーション中心 30〜50万円程度 / 実写映像 50〜200万円程度
準備期間: 2〜6週間
向いている企業: 既存素材がない、または既存素材ではゲーム世界観に合わないと判断した企業

新規制作する場合は、最初からゲーム内広告の仕様・環境に最適化した設計が可能です。コストはかかりますが、「ゲームの世界観に溶け込む広告」を設計でき、好感度維持に直結します。

Ad-Virtuaでは動画制作サポートもオプションで受け付けており(制作した動画の二次利用可)、相談窓口として活用できます。

効果が出るクリエイティブの7原則

マーケティング戦略のブレインストーミング(ゲーム内広告クリエイティブの7原則イメージ)

IABのガイドラインと業界調査(Anzu/4As「In-Game Ad Creative Best Practices」)から、ゲーム内広告で効果が確認されているクリエイティブ原則を整理します。

IABガイドライン準拠の施策では、ブランド推奨意向が21%向上、購入意向が9%向上したというデータがあります(出典: IAB「Creative Guidelines and Best Practices in Advertising in Gaming」2024年3月)。

原則1:ロゴを大きく、早く表示する

プレイヤーが広告を視認できる平均時間は3秒(IAB調査)。この3秒以内にブランドロゴと主要メッセージを認識させなければ、広告としての機能を果たせません。

  • ロゴは画面の20〜30%以上のサイズが目安
  • 動画の冒頭0.5〜1秒以内にロゴを表示する
  • 動画全体を通じてロゴが視認できる位置に置く

原則2:単一メッセージに絞る

ゲームプレイ中のユーザーは広告に集中しているわけではありません。「新商品発売」「期間限定セール」「ブランドイメージ向上」など複数のメッセージを1本に詰め込むと、どれも伝わらなくなります。

1クリエイティブ = 1メッセージを鉄則とし、複数訴求したい場合はクリエイティブを分割してA/Bテストを行います。

原則3:コピーは7語以内

IABの推奨基準では、ゲーム内広告のコピーは7語以下。「OOH(屋外広告)ではやらないことはゲーム内でもやらない」という考え方が基本です。

良い例:「今すぐ試してみて」「新発売、〇〇ブランド」
悪い例:「数量限定!今だけ送料無料で新商品を試してみませんか?」

原則4:ゲームの世界観に溶け込む

広告がゲームの雰囲気と大きく乖離していると、プレイヤーの没入感を壊し、好感度が下がります。Ad-Virtua公式の調査では好感度約85%という数値がありますが(出典: Ad-Virtua公式サイト、確認日: 2026-04-10)、これはゲーム体験を阻害しないサイネージ型という形式の特性に加え、世界観への配慮が前提です。

  • 配信するゲームのビジュアルトーン(明るさ・色調)に合わせる
  • 過度な誇張表現・強調エフェクトは避ける(Z世代の56%が「過剰な演技に嘘っぽさを感じる」という調査データあり)

原則5:CTAは3〜5語の短いフレーズ

行動喚起(CTA)を入れる場合も、「今すぐ購入」「詳しくはこちら」程度のシンプルなフレーズに留める。ゲーム内広告はクリックして遷移するフォーマットではない場合も多く、CTA = ブランド認知・想起の強化として位置づけることが重要です。

原則6:最適なフリークエンシーを守る

同じユーザーに同じクリエイティブを過剰に見せると逆効果になります。IABの推奨では1日あたり1ユーザーにつき3〜5回のインプレッションが上限の目安。クリエイティブの複数パターン準備と、フリークエンシーキャップの設定を検討しましょう。

原則7:動画は6秒以内が理想(30秒素材を活かす工夫)

IABのデータでは、ゲーム内動画広告の平均視聴時間は3.1秒、理想の動画長は6秒以内とされています。ただし、Ad-Virtuaでは最長30秒のMP4を入稿できます。

重要なのは「30秒の動画があっても、最初の6秒で完結する構成にする」こと。

  • 0〜3秒:ロゴ + ブランド名 + 核心メッセージ
  • 3〜6秒:商品・サービスのビジュアルイメージ
  • 6秒以降:補足情報・CTA(ここは見てもらえないことを前提に)

やりがちなNGパターン5選

クリエイティブの失敗原因は、ほぼ共通しています。以下のNGパターンに自社素材が該当しないか確認してください。

NG

具体例

なぜダメか

改善策

NG①:文字が多すぎる

スペック・価格・キャンペーン条件を一枚に詰め込む

3秒で読めない。視認率が落ちる

コピーは7語以内。1メッセージに絞る

NG②:音声に頼ったナレーション設計

ナレーションありき、映像は補足のみ

音声なし環境では情報が届かない

テロップ・映像だけで完結させる

NG③:ゲームの世界観と乖離したデザイン

現実感・CGリアリズムのゲーム内にキャラ系広告

没入感を破壊、好感度低下

配信ゲームのトーンを事前確認する

NG④:ロゴが小さい・遅い

動画の後半にのみ小さくロゴが出る

想起率・認知率が大幅に下がる

0秒〜全編通じてロゴを大きく配置

NG⑤:ファイルサイズオーバー

高画質のまま入稿で3MBを超える

入稿不可・配信できない

動画圧縮ツールで必ず確認してから入稿

ゲームジャンル別のクリエイティブ方針

配信するゲームのジャンルによって、プレイヤーの心理状態・没入度・セッション時間が大きく異なります。同じ素材でも、配信先ジャンルを意識した調整で効果が変わります。

ゲームジャンル

プレイヤーの状態

推奨クリエイティブ方針

スポーツ・レース系

集中・スピード感・競争モード

躍動感ある映像・スタジアム広告のようなリアルな演出。ブランドロゴを大きくシンプルに

RPG・ストーリー系

没入感高・世界観への共感

世界観に溶け込む落ち着いたデザイン。現実から浮いた素材は避ける

カジュアル・パズル系

短時間・気軽・繰り返し

シンプルで明快、インパクト重視。明るい色調で目を引く

アクション・FPS系

高集中・反射的操作

ゲームの邪魔にならない存在感控えめのデザイン。ロゴとブランド名だけでも十分

モバイルゲーム(スマートフォン)は画面が小さく縦持ちが多いため、特に「シンプル・ロゴ大・コンパクト」の原則を守ることが重要です。

制作費用の目安と予算の考え方

ゲーム内広告のクリエイティブ制作にかかる費用は、素材の有無によって大きく変わります。

制作パターン別コスト比較

制作パターン

概算費用

準備期間

注意点

TVCM素材転用(そのまま)

0〜数万円(圧縮・無音化のみ)

即日〜3日

3MB以内・30秒以内を確認

既存動画の編集・流用

5〜30万円程度

1〜2週間

16:9変換・コピー絞り込みが必要

アニメーション中心の新規制作

30〜50万円程度

2〜4週間

ゲーム世界観に合わせた設計が可能

実写映像の新規制作

50〜200万円程度

3〜6週間

プレミアムな仕上がりだが撮影費が高い

※上記は業界一般的な参考値です(確認日: 2026-04-10)。制作会社・クオリティ・制作物の内容により変動します。

配信費用との合計で考える

Ad-Virtuaの動画配信プランは1週間300,000円(税抜)から(出典: Ad-Virtua公式サイト、確認日: 2026-04-10)。CPMの目安は約300円(通常Web広告比)。

既存素材を転用すれば、トータルコストを配信費用のみに抑えることができます。初めての出稿では「まずTVCM素材で出稿してみて、効果を確認してから最適化クリエイティブに移行する」という段階的アプローチが現実的です。

こんな企業の素材に向いている

以下の条件を満たす企業は、新規制作コストを最小化しながらゲーム内広告をすぐに始めやすい状況にあります。

すぐに始められる企業の特徴:

  • 現在または過去にTVCMを制作・放映した実績がある
  • YouTube広告・SNS動画広告など15〜30秒の動画資産を保有している
  • ブランドロゴ・カラーが明確で、シンプルなビジュアルに落としやすい商材
  • 若年層・ゲームユーザー層への認知拡大を課題として持っている

この施策が合わない企業・素材

  • 動画素材がなく、静止画のみしか保有していない(動画制作が前提になる)
  • テキスト情報量が多く、「比較」「スペック訴求」が主目的の広告(ゲーム内サイネージは1メッセージ型に向いており、詳細スペックの伝達には不向き)
  • 音楽・BGMがブランドの核心要素であるケース(音なしでは伝わらない)
  • 単発イベント・48時間以内の緊急販促(配信開始までにリードタイムが必要)

Ad-Virtuaが特に向いている企業の条件

ここまでクリエイティブ制作の一般的なガイドラインを解説してきました。最後に、Ad-Virtuaというプラットフォームが特にマッチする企業の条件を整理します。

Ad-Virtuaはゲーム空間内の看板・モニターに動画広告を配信するアドネットワーク(国内最大級・400タイトル以上対応)で、広告想起率が他Web広告比で約180%向上、視聴完了率90%超という特性を持ちます(出典: Ad-Virtua公式サイト、確認日: 2026-04-10)。

Ad-Virtuaに向いている企業・施策の条件:

  1. TVCM素材を持っている:そのまま流用できるため初期コストを最小化できる
  2. 若年層・スマホゲームユーザーへの認知拡大が目的:10〜30代のカジュアルゲームユーザーに効率よくリーチできる
  3. 「嫌われない広告」で好感度を維持したい:強制視聴ではなくゲーム空間に自然に存在する形式のため、広告への嫌悪感が起きにくい
  4. TVCM・SNS広告の補完施策を探している:生活接点の異なるメディアとして組み合わせることで相乗効果が見込める
  5. ブランドロイヤルティ向上・第一想起獲得が中長期テーマ:繰り返し自然に接触するサイネージ型は、認知→好感度→想起の段階的なブランド形成に向いている

詳しい費用・仕様・事例はAd-Virtua公式サイト(ad-virtua.com)からお問い合わせください。

よくある疑問

Q. 静止画(バナー)でゲーム内広告を配信することはできますか?
A. Ad-Virtuaの公式仕様は動画(MP4)がメインです。静止画での配信可否・仕様については公式サイトへの問い合わせが必要です(公式サイト上には詳細仕様の記載なし)。

Q. 既存の動画をそのまま入稿して大丈夫ですか?
A. MP4・16:9・30秒以内・3MB以下の仕様を満たしていれば基本的に入稿可能です。ただし音声は原則非対応のため、無音版での入稿を推奨します。ファイルサイズが3MBを超えている場合は圧縮が必要です。

Q. クリエイティブを何パターン用意すべきですか?
A. 効果測定のために最低2〜3パターン用意し、A/Bテストで「勝ちパターン」を探すのが推奨です。訴求軸(商品画像 vs. ブランドロゴのみ 等)を変えて比較すると改善につなげやすくなります。

Q. 音声ありの動画を入稿したらどうなりますか?
A. 対応ゲームタイトルでは音声が再生される場合もありますが、多くのゲームではプレイ中の音環境が優先されます。ゲーム体験を損なう可能性があるため、原則として無音版での入稿を強く推奨します。

Q. TVCM素材の著作権・二次利用に制限はありますか?
A. 出演者・楽曲・映像素材の利用許諾が必要な場合があります。TVCM素材を転用する前に、制作会社または法務部門に二次利用の許諾範囲を確認してください。

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