既存のTVCM素材(MP4・16:9・30秒以内)があれば、ゲーム内広告のクリエイティブ制作費用はゼロから始めることができます。素材がない場合でも、アニメーション動画や簡易制作であれば5万〜20万円程度が現実的な出発点です。

この記事では、以下の内容を解説します。

  • ゲーム内広告の種別ごとに異なる動画クリエイティブの仕様
  • Ad-Virtua・Unity Ads・Meta Audience Networkのプラットフォーム別比較
  • クリエイティブ制作の費用相場と外注先の選び方
  • サイネージ型広告に特有の「音声なし設計」のポイント
  • TVCM素材をゲーム内広告に転用する際のチェック項目

ゲーム内広告への出稿を検討しているマーケティング担当者・広告主の方を対象にした実務ガイドです。

ゲーム内広告は「種別」でクリエイティブの仕様が大きく異なる

ゲーム内広告の種類とクリエイティブ仕様の違いを示す画像

ゲーム内広告のクリエイティブ制作で最初に押さえるべきポイントは、広告種別によって必要なフォーマット・制作アプローチ・費用感がまったく異なる点です。「ゲーム内広告に出稿したい」と一口に言っても、画面遷移時に割り込むインタースティシャルと、ゲーム空間の看板に映像を流すサイネージ型では、クリエイティブに求められる要件はほぼ別物です。

広告種別

クリエイティブ形式

特徴

制作難度

サイネージ型(ゲーム内看板・モニター)

動画(MP4)または静止画

既存TVCM素材を転用可。制作ハードルが最も低い

★☆☆

インタースティシャル

動画・静止画(全画面)

画面遷移時に表示。スキップ設計が重要

★★☆

リワード広告

動画(フルスクリーン)

ユーザーが自発的に視聴。最後まで見られる前提で設計

★★☆

プレイアブル広告

HTML5インタラクティブ

ミニゲームを体験させる。開発工数が最も大きい

★★★

オーディオ広告

音声ファイル

BGM・効果音として再生

★☆☆

出典: Ad-Virtua公式サイト(ad-virtua.com、2026年4月確認)、otonal.co.jp/blog/42316(2026年4月確認)

【プラットフォーム別】動画クリエイティブの仕様比較

プラットフォーム別の動画クリエイティブ仕様を比較する際に参考となる動画制作機材の画像

プラットフォームごとに動画フォーマット・ファイルサイズ・エンドカードの要否が異なります。複数媒体に同時出稿する場合は、最も厳しい仕様(Ad-Virtuaの3MB制限など)に合わせて素材を準備しておくと、差し替えコストを最小化できます。

主要プラットフォームの動画仕様比較表

項目

Ad-Virtua(サイネージ型)

Unity Ads(リワード等)

Meta Audience Network

プレイアブル広告(共通)

ファイル形式

MP4

MP4(H.264)

MP4

HTML5 / ZIP

アスペクト比

16:9

16:9 / 9:16

16:9 / 9:16 / 1:1

端末依存

最大ファイルサイズ

3MB

100MB(推奨10MB)

要公式確認

媒体ごとに異なる

最大再生時間

30秒以内

60秒以下

要公式確認

30〜60秒(体験型)

エンドカード

不要

必須

要確認

不要(CTA内包)

音声

原則非対応

対応(サイレント前提推奨)

対応

対応

出典: Ad-Virtua公式サイト(2026年4月確認)、Unity Ads公式ドキュメント(docs.unity.com、2026年4月確認)、Meta公式情報(2026年4月確認)

各プラットフォームの補足

Ad-Virtua(サイネージ型): ゲーム空間内の看板・モニターに動画を表示する形式。ファイルサイズ上限が3MBと厳しいため、既存素材の圧縮が必要なケースがある。音声は原則非対応で、視覚のみで訴求を完結させるクリエイティブ設計が前提になる。

Unity Ads: 推奨ファイルサイズは10MB。リワード広告ではエンドカード(動画終了後のCTAボタン・アプリアイコン)が必須要件。縦型(9:16)にも対応しており、スマホ縦持ちプレイが多いゲームへの配信に適している。

Meta Audience Network: Facebook広告と同一クリエイティブを自動最適化して配信できるため、SNS広告の素材を流用しやすい。詳細な仕様(ファイルサイズ制限・必須要素)はMeta公式ビジネスヘルプセンターで最新情報を確認すること。

プレイアブル広告: HTML5またはZIPファイルで実装。端末・OS別の動作テストが不可欠で、専門の制作会社または代理店への依頼が一般的。媒体ごとにファイルサイズ上限が設定されているため、入稿前に確認が必要。

クリエイティブ制作の費用目安と外注先の選び方

ゲーム内広告クリエイティブの制作費用・予算計画のイメージ画像

クリエイティブ制作費用は「TVCM素材転用(0円)」から「プレイアブル広告フルスクラッチ(200万円以上)」まで幅があります。目的・予算・手持ち素材の状況に応じて最適な選択肢が異なります。

費用ステップ別の選択肢

制作タイプ

費用相場

適したケース

TVCM素材転用

0円(追加制作なし)

15〜30秒のMP4素材がある場合

アニメーション動画(簡易)

5万〜20万円程度

ブランドガイドラインに沿ったシンプルな動画

動画制作会社への外注(一般)

20万〜200万円程度

実写・本格アニメ・複数パターンA/Bテスト

フリーランスへの依頼

数千円〜10万円程度

品質より速度・コスト優先の場合

テレビCM品質(30秒)

80万円〜

既存TVCM制作フローの延長で質を担保したい場合

プレイアブル広告(シンプル)

50万〜100万円程度

アプリDLやミニゲーム体験が主目的

プレイアブル広告(3D・複雑仕様)

200万円以上

高度なインタラクション・マルチOS対応

出典: mvsk.jp/column/200013(2026年4月確認)、kaizenplatform.com/contents/video-ads-production-cost(2026年4月確認)、lifunext.com/blog/sns/prayable/(2026年4月確認)

制作会社外注時のコスト内訳(参考)

動画制作会社に依頼する場合、費用の主な構成要素は以下の通りです。依頼前に「どの工程をどこまで含めるか」を確認することで、見積もりのブレを防げます。

工程

費用目安

企画構成

3〜15万円

ディレクション

5〜25万円

撮影

8〜35万円

編集

5〜25万円

台本作成

5〜10万円

ナレーション

3〜10万円

出典: kaizenplatform.com/contents/video-ads-production-cost(2026年4月確認)

広告種別ごとのクリエイティブ設計ポイント

サイネージ型(Ad-Virtua等)── OOH思考で設計する

サイネージ型のゲーム内広告は、屋外広告(OOH)と同じ視聴環境に近いと理解すると設計しやすくなります。プレイヤーはゲームに集中しており、広告を深読みする余裕がない状態です。次の5つの原則に従うと訴求力が高まります。

  1. 「3秒で理解できる」を最優先にする: ゲームプレイ中に視線が向く時間は短い。ヘッドコピーは7語以内、ロゴは大きく配置する
  2. メッセージは1本に絞る: 複数の訴求ポイントを詰め込むと何も伝わらない。「商品名+コアベネフィット1つ」を基本とする
  3. 音声なし前提で制作する: Ad-Virtuaは原則音声非対応。テロップ・視覚表現で訴求を完結させる
  4. 既存TVCM素材の転用を最初に検討する: 15秒・30秒のTVCM素材がMP4・16:9であれば、圧縮処理のみで入稿できる場合がある
  5. ゲームの世界観を壊さないビジュアルにする: 現実と乖離した演出・過度に派手な効果はプレイヤーの没入感を損ない、広告への反感につながる

クリエイティブ効果に関するデータ(参考)
IABガイドライン(ロゴサイズ・メッセージの簡潔さ・CTAの関連性等)に準拠したゲーム内動画広告は、ブランド推奨意向が21%向上・購買意向が5%向上したという調査結果があります(出典: anzu.io/news/creative-best-practices、2026年4月確認)。また、広告想起率の79%・ブランド好感度の77%・購買意欲の56%はクリエイティブの質によって生み出されているという分析もあります(出典: beboundless.jp、2026年4月確認)。

リワード・インタースティシャル型── 冒頭3〜5秒が勝負

リワード広告やインタースティシャルでは、ユーザーがスキップボタンを押すまでの3〜5秒がもっとも重要な時間帯です。

  • ロゴ・CTAを冒頭に配置する: スキップ後もブランドを記憶させるため、ロゴは最初の3秒以内に表示する
  • 推奨動画尺は15〜30秒: ブランド認知目的であれば15〜30秒。6秒以下の短尺も有効
  • エンドカードを必ず設計する(Unity Ads等): 動画終了後のCTAボタン・アプリアイコンが必須要件のプラットフォームがある
  • スクエア(1:1)動画も効果的: スクエア動画は横型比でCVRが+25.6%高いという分析結果がある(出典: BuzzVideo調査、markezine.jp/article/detail/34696)
  • 複数クリエイティブでA/Bテストを行う: キャラクター訴求を絞ったクリエイティブでCTRが44.4%・CVRが5.3%向上した事例がある(出典: BuzzVideo調査、2026年4月確認)

クリエイティブは一般的に1〜2週間で陳腐化し始めるため、定期的な素材の差し替えを前提に運用設計することが重要です(出典: kaizenplatform.com、2026年4月確認)。

プレイアブル広告── ミニゲームの完結性を設計する

プレイアブル広告は、ユーザーが広告内でミニゲームを体験する形式です。動画広告の3倍の効果を示す事例もありますが、制作難度・費用ともに高く、慎重な発注先選定が必要です。

  • 30〜60秒で完結する体験を設計する: 長すぎると離脱率が上がる。「広告の本質を1回体験してもらう」ことを目的に設計する
  • 端末・OS別の動作テストを必ず実施する: HTML5実装では、iOS/Androidの挙動差異を確認することが必須
  • 専門制作会社または代理店への依頼が現実的: 自社内制作リソースで対応するのは開発工数面で難しいケースが多い
  • ファイルサイズ制限を媒体ごとに確認する: 媒体によってHTML5ファイルのサイズ上限が設定されており、入稿前に要確認

TVCM素材をゲーム内広告に転用するためのチェックリスト

ゲーム内広告(特にサイネージ型)への出稿を最速で始める方法は、既存のTVCM素材をそのまま転用することです。追加の制作費をかけずに出稿できるかどうか、以下の項目で確認してください。

転用可否チェックリスト

  • ファイル形式がMP4である(MOVやAVIは変換が必要)
  • アスペクト比が16:9である(4:3など別アスペクトは再制作が必要)
  • 再生時間が30秒以内である(30秒超は要カット編集)
  • ファイルサイズが3MB以下に圧縮できる(Ad-Virtua入稿要件。H.264エンコードで圧縮対応可)
  • 音声なしでも訴求が成立する(商品名・コピーをテロップで表示している素材が理想)
  • クリエイティブの使用権・著作権を確認している(タレント・楽曲の使用範囲をプラットフォーム別に確認)
  • ゲームの世界観と著しく乖離していない(媒体側がクリエイティブを事前審査するケースがある)

音声が入ったTVCM素材でも、テロップやビジュアルで訴求が完結している場合は転用可能です。音声のみで訴求している素材(ナレーション依存)は、テロップ追加の簡易編集が必要になります。

クリエイティブ制作で陥りやすい失敗と注意点

よくある失敗パターンと対策

失敗パターン

原因

対策

音声がないと意味が伝わらない

TVCM前提の設計をそのまま流用

テロップ・ビジュアルで情報を完結させる

情報を詰め込みすぎて読めない

OOH的視聴環境を考慮していない

メッセージを1本に絞る。ヘッドコピーは7語以内

ファイルサイズが上限を超える

圧縮処理をしていない

H.264エンコード・ビットレート調整で3MB以下に圧縮

クリエイティブを差し替えない

制作後に運用が止まる

1〜2週間を目安に素材を更新する運用サイクルを設ける

使用権の確認漏れ

タレント・楽曲のデジタル転用範囲を未確認

出稿前に権利元と範囲を書面で確認する

プレイアブル広告を安易に選ぶ

効果への期待が先行する

目的・予算・リードタイムを整理してから発注する

こんな企業に向いている、向いていない

ゲーム内広告クリエイティブの活用に向いている企業

  • 既存のTVCM素材(MP4・16:9)を保有している企業: クリエイティブ制作費ゼロで即出稿できるため、費用対効果が高い
  • Z世代・若年層へのリーチを優先している企業: ゲームアプリのユーザー層と親和性が高い
  • 視覚的に訴求力のある商材を扱う企業: 食品・飲料・日用品・エンタメなど、ビジュアルで魅力が伝わる商材と相性が良い
  • SNS広告・TVCM以外の新しい接点を探している企業: 媒体の多様化・広告ブロック対策として補完的に活用できる

向いていない企業

  • 複雑な説明が必要なBtoBサービス・金融商品: 短尺・サイレント環境での訴求が難しい
  • 動画素材が一切なく、予算も限られている企業: クリエイティブ制作費込みで最低限の予算を確保できない場合は費用対効果が合いにくい
  • 即座のCV(フォーム送信・資料DL)を最優先としている企業: ゲーム内広告は認知・想起向上が主な目的で、ダイレクトレスポンス的な効果は限定的

Ad-Virtuaのサイネージ型広告が特に向いているケース

ゲーム内広告の中でも、Ad-Virtuaのサイネージ型に特に向いているケースを整理します。

  • 既存のTVCM素材がある: MP4・16:9・30秒以内の素材があれば、追加制作費をかけずに出稿を開始できる。国内400タイトル以上のゲームにリーチできる
  • Z世代・10〜30代男女にブランド認知を広げたい: ゲームアプリのユーザー層と重なりやすい
  • 初期費用を抑えてまず試したい: 出稿プランの詳細や最低出稿金額についてはAd-Virtua公式サイトで最新情報を確認してください
  • 広告に嫌われずに認知を取りたい: ゲームプレイを中断しないサイネージ形式のため、好感度を維持しやすい(公式KPI: 広告想起率約1.8倍・注目度約1.7倍、Ad-Virtua公式サイト参照)

ゲーム内広告の費用相場や具体的な出稿フローについては、ゲーム内広告の費用・料金相場まとめも合わせてご覧ください。

よくある質問

Q. TVCM素材がなく、動画制作も難しい場合はどうすれば良いですか?

静止画バナーで対応できるプラットフォームもあります。また、アニメーション動画であれば5万〜20万円程度から制作できる制作会社もあります。まずは簡易制作でテスト出稿し、効果を確認してから本格的な動画を制作するアプローチが費用対効果の面でリスクを抑えられます。

Q. 動画素材の制作からゲーム内広告への入稿まで、どれくらいの期間がかかりますか?

TVCM素材転用の場合は、圧縮処理・入稿審査を経て通常数日〜1週間程度で配信開始できます。動画制作会社に外注する場合は制作期間として2〜4週間程度を見込むのが一般的です。プレイアブル広告は設計・開発・テストを含めて1〜3か月かかるケースがあります。

Q. 音声ありで制作したTVCMをゲーム内広告に転用できますか?

転用自体は可能ですが、Ad-Virtuaのサイネージ型は原則音声非対応のため、音声なしでも訴求が成立するかを事前に確認する必要があります。テロップや視覚表現で商品名・コアメッセージが伝わっている素材であれば、そのまま転用しやすいです。音声のみで訴求している箇所はテロップ追加の簡易編集を推奨します。

Q. プレイアブル広告はどんな企業に向いていますか?

アプリのインストール促進を目的とする広告主との相性が特に良いです。ゲームのミニ体験を提供することで「インストール後の体験」をイメージさせることができます。一方で、制作費(50万〜200万円以上)とリードタイム(1〜3か月)を考慮すると、ブランド認知施策としてはコストが高くなる傾向があります。認知拡大が主目的であれば、サイネージ型やリワード型の方が費用対効果を出しやすいケースが多いです。

Q. ゲーム内広告のクリエイティブ効果を高めるためにすべきことは?

複数のクリエイティブパターンでA/Bテストを行うことが最も効果的です。また、クリエイティブは1〜2週間で効果が落ち始める傾向があるため、複数の素材を用意して定期的に差し替える運用サイクルを設けることをおすすめします。ゲーム内広告の種類や活用方法の全体像については、ゲーム広告の種類と特徴まとめをご参照ください。

ゲーム内広告のクリエイティブ制作・出稿に関してご不明な点がある場合は、Ad-Virtuaの専任サポートへお気軽にご相談ください。既存素材の転用可否についても、入稿前に確認することができます。

ゲーム内広告の基本的な仕組みや種類については、ゲーム内広告とは?仕組み・種類・効果をわかりやすく解説もあわせてご覧ください。

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