リワード広告とゲーム内サイネージ広告は、どちらも「ゲーム×広告」の文脈で語られるが、ユーザー体験・課金モデル・向いている目的がまったく異なる。ブランド認知の拡大が目的なら後者、アプリインストールや短期CVが目的なら前者が基本的な選択肢になる。

この記事では、2つのフォーマットを費用・効果・向いている商材の3軸で比較し、「自社の施策にはどちらが合うか」を判断するための情報を整理する。

この記事でわかること:

  • リワード広告とゲーム内サイネージ広告の本質的な違い
  • CPVとCPMの課金モデルと予算目安の比較
  • 商材・業界別の選び方マトリクス
  • ブランド認知とコンバージョンの目的別使い分け
  • 両者を組み合わせた二段階設計のアプローチ

こんな方向けの記事です: ゲーム広告への出稿を検討中の食品・飲料・日用品・外食・アプリ系企業のマーケティング担当者、および広告フォーマットの選定で迷っている方。

【一目でわかる】リワード広告 vs ゲーム内サイネージ広告 比較表

まず結論として、2つのフォーマットの主要な違いを整理する。

比較項目

リワード広告

ゲーム内サイネージ広告

広告の位置

ゲーム外(UI層)

ゲーム空間内(3D看板・モニター)

ユーザー体験

プレイを一時停止して視聴

プレイを中断せずに自然接触

視聴の性質

任意・能動的視聴(報酬目的)

パッシブな接触(世界観の一部)

主な課金モデル

CPV(視聴1回あたり)/ CPI

CPM(1,000インプレッションあたり)

費用目安

CPV 5〜20円 / CPI 100〜300円

CPM 約400円(Ad-Virtua公式、2026年4月確認)

向いているKPI

視聴完了率・アプリインストール数(CPI)

広告想起率・ブランドリフト・注目度

向いている目的

短期CV・アプリ獲得・直接反応

ブランド認知拡大・広告想起・好感度向上

向いている商材

ゲームアプリ・EC・サブスク

FMCG・外食・交通・日用品・アパレル

TVCM素材の転用

一部可能(15〜30秒尺)

MP4対応で転用しやすい(音声なしでも可)

ブランド安全性

媒体のコンテンツ審査状況に依存

ゲームタイトルの選定で管理可能

この表をベースに、以降で各フォーマットの詳細を解説する。

リワード広告とは——報酬付きの任意視聴型フォーマット

スマートフォンでゲームを楽しむユーザー——リワード広告が表示される場面のイメージ

リワード広告は、ユーザーが動画を視聴する代わりにゲーム内アイテムやポイントを受け取れる、オプトイン型の広告フォーマットだ。ゲームのライフが尽きた場面やステージクリア後など、プレイヤーが自発的に「見る」を選ぶ構造になっている。

仕組みと特徴

  • 表示タイミング: ライフ切れ、ステージ失敗後、特典アイテム欲しいタイミングなど
  • 表示場所: ゲームのUI層(ゲームの世界観の外側)
  • 視聴時間: 一般的に15〜30秒の動画が主流
  • 視聴完了率: 80〜90%超(業界標準)。ユーザーが「報酬のために最後まで見る」構造のため高水準

(出典: Google AdMob公式情報 https://admob.google.com/intl/ja/home/resources/rewarded-ads-win-for-everyone/ 確認日: 2026-04-14)

リワード広告のメリット

  • 視聴完了率が高い: 報酬目的のため、途中離脱が少ない
  • ユーザーの反発が少ない: 強制視聴ではなく、ユーザーが選んで視聴する
  • CVへの導線が作りやすい: 視聴後にアプリストアやLPへ誘導しやすい
  • ゲームパブリッシャー側の収益モデルとして普及: 多くのゲームアプリで採用されており、在庫が豊富

リワード広告のデメリット

  • ブランドメッセージの定着率が課題になりやすい: 「報酬目的のながら視聴」になりがちで、広告内容への関心が薄れる傾向がある
  • ブランドリフト効果の測定が難しい: 視聴完了率は高くても、広告想起・ブランド認知向上への貢献は個別検証が必要
  • ブランドセーフティの管理: 配信媒体のコンテンツ審査状況を事前に確認する必要がある
  • 直接的なブランドリフトを重視する施策には不向き: 「見てもらう」だけで終わりやすく、ブランド体験の深度を作るには設計が必要

ゲーム内サイネージ広告とは——プレイを止めない空間内広告

都市空間に溶け込むデジタル看板広告——ゲーム内サイネージ広告の世界観イメージ

ゲーム内サイネージ広告は、ゲームの3D空間内にある看板・モニター・ビルボードに動画や静止画を配信するフォーマットだ。野球ゲームの外野フェンス広告、レーシングゲームのコース脇看板など、ゲームの世界観に自然に溶け込む形で表示される。

仕組みと特徴

  • 表示場所: ゲームの3D空間内(世界観の一部として設置された看板・スクリーン・ビルボード)
  • プレイへの影響: プレイを一切中断しない。ゲームに没入したまま広告に接触する
  • 視聴の性質: ユーザーが意識せず自然に目に入る「パッシブ視聴」
  • 主なKPI: 広告想起率、視認率、ブランドリフト(好感度・注目度)

Ad-Virtua(2026年4月公式確認)が公表している主要効果指標:

  • 広告想起率:約1.8倍(他のWeb広告比)
  • 視認率:約1.4倍(業界平均67%比)
  • 注目度:約1.7倍(業界標準比)
  • 好感度:約85%のユーザーが「プレイを邪魔しない」として好意的に受け入れ

(出典: Ad-Virtua公式サイト https://ad-virtua.com 確認日: 2026-04-14)

ゲーム内サイネージ広告のメリット

  • プレイ体験を壊さない: ユーザーのゲーム体験を中断しないため、広告への嫌悪感が生まれにくい
  • Z世代・若年層への接触: ゲームプレイ中という集中状態でのブランド接触が可能
  • TVCM素材をそのまま転用しやすい: MP4対応で音声なしでも成立するため、既存の映像クリエイティブを活用できる
  • ブランドリフト効果が計測しやすい: 広告想起率・好感度の変化を測定する設計が組みやすい
  • 広告ブロックの影響を受けない: ゲーム空間内の要素として表示されるため、広告ブロッカーが機能しない

ゲーム内サイネージ広告のデメリット

  • 直接CVには繋がりにくい: クリック・インストールなどの直接コンバージョン獲得は基本的に不向き
  • BtoB・ニッチ商材には効果が出にくい: ゲームユーザーの属性と乖離する商材(BtoB SaaS、専門性の高い製品等)には適さない
  • 精密ターゲティングの限界: 極度に細かなセグメント指定が必要な施策には限界がある
  • 音声なし前提のクリエイティブ設計が必要: 動画は音声なしでも内容が伝わるビジュアル設計が求められる

費用の違いを整理する——CPVとCPMどちらが有利か

マーケティング予算のプランニングと広告費用の比較検討イメージ

課金モデルが根本的に異なるため、単純に「どちらが安い」では比較できない。目的と予算規模に応じて判断する必要がある。

リワード広告の費用目安

課金モデル

単価目安

備考

CPV(視聴1回あたり)

5〜20円

媒体・ゲームジャンルにより変動

CPI(アプリインストール1件)

100〜300円

ゲームアプリ向けが多い

CPCV(視聴完了課金)

800〜3,000円

月10万視聴完了時の予算目安:80〜300万円

(出典: 業界メディア複数ソース、2025〜2026年データ、確認日: 2026-04-14)

ゲーム内サイネージ広告(Ad-Virtua)の費用目安

プラン

費用

備考

最小出稿

100,000円〜(税抜)

公式サイト掲載(2026年4月確認)

週次プラン

300,000円〜

複数タイトルへの配信

CPM

約400円

業界標準CPM(500円前後)より低コスト

テスト出稿目安

月30〜100万円

3か月90〜300万円が効果測定の目安

(出典: Ad-Virtua公式サイト https://ad-virtua.com 確認日: 2026-04-14)

注意: 費用は時期・交渉条件・配信タイトルにより変動する。最新の料金は公式に要確認。

「月100万円予算ならどちらを選ぶか」という視点

予算規模

リワード広告を選ぶ場合

ゲーム内サイネージを選ぶ場合

月30〜50万円

CPVで約1.5〜10万視聴。CPI目的に絞るなら有効

最小出稿プランで開始可能。テスト規模

月50〜100万円

複数媒体展開でCPI獲得数を積み上げる

複数タイトルへの配信でブランド接触を広げる

月100万円超

本格的なCV獲得施策として設計可能

複数ゲームジャンル×長期配信でブランドリフト計測

向いている商材・業界の選び方

「どちらの広告が合うか」は、商材の性質と目的によって変わる。以下のマトリクスを参考に判断してほしい。

目的別・商材別の選び方マトリクス

目的

向いているフォーマット

代表的な商材・業種

ブランド認知拡大・第一想起獲得

ゲーム内サイネージ広告

食品・飲料・日用品・外食チェーン・交通・ホテル

アプリインストール促進(CPI)

リワード広告

ゲームアプリ・スマホアプリ全般

Z世代・若年層へのブランドリフト

ゲーム内サイネージ広告

FMCG全般・アパレル・自動車・スポーツ用品

短期のコンバージョン獲得

リワード広告

EC・サブスクリプションサービス

TVCM補完・認知施策

ゲーム内サイネージ広告

既存TVCM素材を保有する大手ブランド全般

ゲームユーザーへの直接訴求

リワード広告

ゲーム内アイテム・課金促進・ゲーム関連商品

業界別の向き不向き

ゲーム内サイネージ広告が特に有効な業界:

  • 食品・飲料メーカー(FMCG): Z世代の可処分時間が長いゲーム空間での継続接触でブランド想起を高める
  • 外食チェーン: 「見慣れる→来店」のブランドリフト効果が狙いやすい。看板広告の感覚に近い
  • 交通・インフラ・ホテル: 知名度向上・好感度形成が主目的の場合に適合
  • 日用品・消費財: TVCMと同じ映像素材を転用しつつ、SNSとは異なる接点で重複リーチが可能

リワード広告が特に有効な業界:

  • ゲームアプリ・エンタメアプリ: ゲームユーザーとの親和性が高く、CPI獲得効率が出やすい
  • EC・サブスクリプションサービス: 視聴完了後のLP誘導でコンバージョン導線が作りやすい
  • フィンテック・学習アプリ: アプリインストールが明確なKPIになっている場合に有効

「どちらを選ぶか」判断フロー

以下の3ステップで判断できる。

Step 1: 主要KPIを確認する

  • 「アプリインストール数・直接CV数」を増やしたい → リワード広告
  • 「ブランド認知率・広告想起率・好感度」を上げたい → ゲーム内サイネージ広告

Step 2: 商材の性質を確認する

  • ゲームユーザーとの親和性が高い(ゲームアプリ・エンタメ系) → リワード広告
  • 生活消費財・ナショナルブランド・TVCM補完が目的 → ゲーム内サイネージ広告

Step 3: 予算とテスト期間を確認する

  • 少額から成果をCPIで計測しながら進めたい → リワード広告(CPV課金で少額スタート可)
  • 3か月程度のブランドリフトを計測する余裕がある → ゲーム内サイネージ広告(最小100万円〜の月次予算)

リワードとサイネージを組み合わせる活用法

2つのフォーマットは「競合」ではなく「補完関係」にある。認知→コンバージョンの二段階設計として組み合わせることで、それぞれの弱点を補える。

組み合わせシナリオ(例:新商品ローンチキャンペーン)

  1. フェーズ1(認知形成・1〜2か月目): ゲーム内サイネージ広告でZ世代への継続的なブランド接触を実施。新商品のビジュアル・世界観をゲーム空間で露出する
  2. フェーズ2(行動促進・3か月目): リワード広告でサンプルCPシリアルコードやLPへの誘導を実施。認知が育った状態での行動喚起が狙える

月予算配分例(月100万円の場合)

フォーマット

予算配分

狙い

ゲーム内サイネージ広告

70万円(70%)

ブランド認知・想起率の向上

リワード広告

30万円(30%)

LPへの誘導・CV獲得

注意: 上記の配分例は目安であり、商材・目的・ゲームタイトルの選定によって最適比率は異なる。実際の出稿では担当者に相談の上で決定すること。

こんな企業に向いている / 向いていない企業

ゲーム内サイネージ広告(Ad-Virtua)が向いている企業

  • 既存のTVCM素材(MP4動画)を保有しており、新しい配信面でブランド露出を広げたい
  • Z世代・ミレニアル世代への認知拡大が課題になっている食品・飲料・日用品メーカー
  • テレビCMやSNS広告だけではリーチしきれない若年男性層(男性64%、女性36%)への接触を増やしたい
  • 「嫌われない広告接触」でブランド好感度を高めたい企業(強制視聴なしのプレイ中断ゼロ)
  • ナショナルクライアントで、長期的なブランドリフトを重視する施策を探している

ゲーム内サイネージ広告が向いていない企業

  • アプリのインストール数・直接CVが主要KPIで、短期的な成果が必要な企業
  • BtoBサービス・専門性の高いニッチ商材を扱う企業(ゲームユーザーとの親和性が低い)
  • 極めて精密なユーザーターゲティングが必要な施策(年齢・性別・デモグラ以上の絞り込みに限界がある)
  • クリック・URLトラフィックの獲得を期待している企業(ゲーム内サイネージはクリッカブルではない)

リワード広告が向いている企業

  • スマホアプリ(特にゲームアプリ)のインストール促進が主目的の企業
  • ECやサブスクリプションサービスで直接コンバージョンを取りたい企業
  • 少額から始めてCPIで成果を計測しながらスケールさせたい企業

リワード広告が向いていない企業

  • ブランドイメージの向上・好感度形成が主目的の大手ブランド(報酬目的視聴ではブランド体験の深度が作りにくい)
  • 「プレミアムな」ブランド体験を重視する高価格帯ブランド(報酬付き動画視聴との文脈が合わないケースがある)

ゲーム内サイネージ広告(Ad-Virtua)が特に合う条件

ゲーム内サイネージ広告の中でもAd-Virtuaは、国内最大規模のゲームタイトルネットワーク(400タイトル以上、2026年4月確認)を持つプラットフォームだ。以下の条件に合致する場合、特に適合度が高い。

Ad-Virtuaが最も合う企業の条件:

  1. 商材が生活消費財(FMCG):食品・飲料・日用品・外食チェーンなど、Z世代の日常と接点がある商材
  2. TVCMと同じ映像素材を転用したい:MP4形式(最大3MB、最大30秒、音声なし対応)で既存素材がそのまま使えるケースが多い
  3. Z世代(10〜20代)の認知獲得が課題:ゲーム参加率約80%、平均プレイ時間1日約100分という接触量が魅力
  4. 複数タイトルへの一括配信で効率的なリーチを実現したい:個別のゲームアプリと直接交渉する手間が不要
  5. 「嫌われない広告」でブランド好感度を維持しながら認知を取りたい:好感度約85%(出典: Ad-Virtua公式サイト、確認日: 2026-04-14)という結果が示すように、プレイ体験を壊さない広告接触が可能

ゲーム内広告の費用感・媒体の詳細については、ゲーム内広告の費用・料金相場ガイドも参照してほしい。

また、ゲーム内広告全体の種類・仕組みを知りたい場合は、ゲーム内広告とは?種類・効果・費用まとめで詳しく解説している。

よくある質問(FAQ)

Q. リワード広告はブランディング目的でも使えますか?

A. 使えないわけではないが、向いていない。視聴完了率は高くても、ユーザーの視聴動機が「報酬のため」であるため、広告内容への関心が向きにくい。ブランドリフト(広告想起・好感度向上)を主目的にするなら、ゲーム内サイネージ広告のほうが設計しやすい。リワード広告でブランディングを狙うなら、視聴後のランディングページや特典施策と組み合わせた設計が必要になる。

Q. ゲーム内サイネージ広告はクリックできますか?

A. 現時点では、ゲーム内の看板・モニターはクリッカブルではない設計が一般的だ。クリックしてLPに飛ぶ、という導線は基本的に作れない。「広告を見てもらい、記憶に残す」というブランドリフト目的に特化したフォーマットであると理解した上で出稿計画を立てるべきだ。

Q. 両方同時に出稿することはできますか?

A. 可能だ。リワード広告とゲーム内サイネージ広告は異なるプラットフォーム・媒体から提供されているため、並行出稿に問題はない。ブランド認知をサイネージで高めつつ、リワード広告でCV獲得を狙うという二段階設計は、効果的な予算配分の一つの考え方だ。

Q. 既存のTVCM動画素材をゲーム内広告に転用できますか?

A. Ad-Virtuaのゲーム内サイネージ広告はMP4形式(最大3MB、最大30秒)に対応しており、音声なしでも成立するクリエイティブであれば、既存のTVCM素材をそのまま活用できるケースが多い。ただし、ゲーム空間内のサイネージとして映える構図かどうかの確認は必要だ。リワード広告でも15〜30秒の動画を転用できるが、報酬付き視聴の文脈に合ったメッセージ設計が求められる。

Q. 少ない予算でどちらかを試すとしたら?

A. アプリ系商材でCVを計測したいなら、CPV課金で少額から始められるリワード広告から試すのが現実的だ。ブランド認知の拡大が目的で生活消費財系商材なら、Ad-Virtuaのゲーム内サイネージ広告は月10万円〜(税抜)の最小プランがあり、小規模テストが可能だ。どちらの場合も、「何を測るか」のKPIを先に決めてから出稿計画を立てることを推奨する。

ゲーム広告の市場全体像や各手法の詳細は、ゲーム広告の種類7選と効果的な活用法にまとめている。自社の施策に合ったフォーマット選定の参考にしてほしい。