ゲーム内広告のブランドセーフティは、配信タイトルをあらかじめ指定する「ホワイトリスト運用」によって、オープンウェブのプログラマティック広告より高い水準で確保できる。ただし、ホワイトリストの設定基準が曖昧なまま運用すると「レーティング上は安全だが、ブランドイメージとは合わないゲームへの配信」が発生するため、自社の商材・ターゲット層に合わせた選定基準の策定が不可欠だ。

この記事でわかること:

  • ブランドセーフティとブランドスータビリティの実践的な違い
  • ゲーム内広告(サイネージ型)固有のリスクと安全性の特徴
  • ホワイトリスト vs ブロックリストの使い分け
  • 配信タイトル選定から除外設定・効果検証までの5ステップ
  • 業種別(食品・日用品・外食・交通インフラ等)の配信タイトル選定基準
  • JICDAQ 2026年制度変更が出稿先選定に与える影響

食品・飲料・日用品・外食など生活接点の広いブランドを持つ企業のマーケティング担当者・広告運用担当者向けに、稟議レベルで使える実践基準を整理している。


ゲーム内広告のブランドセーフティ設定の全体像を示す図解

ブランドセーフティとブランドスータビリティ——実務で混同しやすい2つの概念

ゲーム内広告の安全性を議論するとき、「ブランドセーフティ」と「ブランドスータビリティ」は明確に区別して運用することが重要だ。この2つを混同したまま設定を進めると、見落としが生じやすい。

ブランドセーフティとは、ヘイトスピーチ・テロリズム・違法コンテンツ・残虐な暴力表現など、いかなるブランドも広告を隣接させてはならないコンテンツを回避することを指す。業界共通の最低ラインであり、GARM(Global Alliance for Responsible Media)が策定した「Brand Safety Floor + Suitability Framework」が現在も業界標準として機能している(GARMは2024年8月に活動を終了したが、フレームワーク自体は継続活用されている)。

ブランドスータビリティは、ブランドセーフティを前提としたうえで、「自社ブランドの価値観・キャンペーン目標に合ったコンテンツのみに配信する」という、各ブランドが独自に設定する基準だ。

概念

定義

設定主体

ブランドセーフティ

全ブランド共通の最低ライン

業界標準(GARM等)

ヘイトスピーチ・成人向けコンテンツへの広告配信を防ぐ

ブランドスータビリティ

ブランド固有の価値観に合わせたコンテンツ制御

各広告主が自社で設定

ファミリーブランドが暴力描写の多いゲームを除外する

実務上の落とし穴:「CERO-B(12歳以上)のタイトルだからブランドセーフティ上は問題ない」と判断して配信しても、自社が「家族全員に届けたいファミリーブランド」であれば、ブランドスータビリティの観点では不適合になる。ブランドセーフティの確保に加えて、自社ブランドに適したスータビリティ基準を事前に定めておくことが不可欠だ。


ゲーム内広告はなぜオープンウェブより安全とされるのか

IABの2024年調査「Gaming Advertising State of the Nation」では、ゲーム内広告に出稿する広告主の約90%が「ゲーム内広告はブランドセーフな媒体」と回答しており、デジタルチャネルの安全性評価でCTVに次ぐ第2位を記録している(IAB "Gaming Advertising State of the Nation" 2024)。

その理由は、ゲーム内広告(特にサイネージ型)の構造的特性にある。

1. ユーザー生成コンテンツ(UGC)が存在しない
SNSやニュースサイトと異なり、ゲーム空間はゲーム開発者が設計したクローズドな環境だ。ユーザーが投稿するコンテンツがないため、想定外のコンテンツへの広告隣接が起きにくい。

2. タイトル単位でホワイトリスト管理ができる
オープンウェブのプログラマティック広告は配信先URLを事前に完全制御するのが難しいが、ゲーム内広告は「どのゲームタイトルに配信するか」をあらかじめ指定・確認できる。

3. 配信先の透明性が高い
キュレーション型のゲーム内広告ネットワークでは、出稿前に配信先タイトルリストを確認できる。

ただし、すべてのゲーム内広告が同じ安全性を持つわけではない。後述するように、ゲーム内広告固有のリスクも存在する。


ゲーム内広告固有の6つのリスク

ゲーム内広告固有のブランドセーフティリスクを示す図解

ゲーム内広告ならではのブランドリスクは以下の6点に整理される。ホワイトリスト設定の基準を策定する際に、これらを確認軸として使うとよい。

1. ゲームジャンル・世界観とブランドイメージの不一致
たとえば「ファミリー向け食品ブランド」が戦争・戦闘をテーマにしたゲームに配信されると、ブランドイメージを棄損するリスクがある。CERO-Aの全年齢対象タイトルであっても、世界観がブランドに合わない場合は除外対象とすべきだ。

2. ユーザー年齢層の実態とレーティング表示のズレ
CEROのレーティングはゲームのコンテンツを評価したものであり、実際のプレイヤー年齢層の保証ではない。CERO-A(全年齢)のゲームでも、実際のアクティブユーザーが特定の年齢層に偏っている場合がある。ターゲット層と実態が合っているかを確認する。

3. プログラマティック型配信における配信先の不透明性
オープンRTB経由のプログラマティック型配信では、配信先タイトルが事後にしか確認できないケースがある。ブランドリスク許容度が低い企業には、配信前にタイトルリストを確認できるキュレーション型・指定配信を推奨する。

4. 競合ブランドとの同一タイトル内同時配信
複数広告主が同一タイトルに出稿しているケースでは、競合ブランドの広告と同じ空間で配信される可能性がある。競合除外設定の対応可否はネットワークに確認が必要だ。

5. 第三者計測ツール未導入による品質検証困難
ビューアビリティや無効トラフィック(IVT)の検証に第三者計測ツール(IAS・DoubleVerifyなど)が使えない場合、ネットワーク側の数値に依存することになる。

6. CEROレーティングと実際のコンテンツ描写の乖離
レーティング取得時点と現在のゲームコンテンツが異なるケース(アップデートで新要素追加等)が発生することがある。主要タイトルについては定期的な確認が望ましい。


ホワイトリスト vs ブロックリスト——何をどう使い分けるか

ブランドセーフティの設定手法は大きく3つある。

手法

説明

向いているケース

ホワイトリスト(セーフリスト)

配信を許可するタイトルをあらかじめ指定。リスト外には配信しない

ブランドリスクを最優先にしたい初出稿・ナショナルクライアント

ブロックリスト(ブラックリスト)

除外するタイトルを指定。それ以外には配信される

リーチを確保しながら特定リスクだけを回避したい場合

アドベリフィケーション + コンテクスチュアル

第三者計測ツール(IAS/DoubleVerify等)で配信後に検証・最適化

大規模配信でPDCAを回す運用経験のある企業

ゲーム内広告(サイネージ型)における推奨は、初出稿はホワイトリスト(キュレーション型ネットワーク)から始めることだ。キュレーション型ネットワークは、事前審査済みのタイトルのみをラインナップしているため、デフォルトで一定水準のブランドセーフティが確保されている。その後、配信データとブランドフィットの実績を積み上げながら、徐々に配信範囲を広げていくアプローチが現実的だ。

ホワイトリストのデメリット:配信面が限定されるためリーチが狭くなり、機械学習に使えるデータ量が減って自動入札の最適化精度が下がる可能性がある。コンバージョン効率とブランドセーフティの両立には、ネットワーク側のキュレーション機能と自社のホワイトリスト設定を組み合わせる運用が有効だ。


実践5ステップ——配信タイトル選定から効果検証まで

ゲーム内広告のブランドセーフティ設定5ステップのフロー図

STEP 1:ブランドスータビリティポリシーを策定する

最初のステップは、社内で「自社ブランドはどのコンテンツに隣接させてよいか」の基準を文書化することだ。GARMの「Brand Safety Floor + Suitability Framework」が定める11カテゴリ(性的コンテンツ・ヘイトスピーチ・暴力・危険行為・薬物・子ども安全等)を参照しながら、自社が許容するリスクレベルを4段階(low/medium/high/floor)で設定する。

策定時の確認ポイント:

  • 自社ブランドのターゲット年齢層・家族構成はどこか
  • 暴力描写・競争的コンテンツへの許容度
  • 競合ブランドとの同時配信を許容するか
  • キャンペーンごとに基準を変える場合の判断基準

STEP 2:CEROレーティングと配信タイトル選定基準を決める

日本市場のゲーム内広告では、CERO(コンピュータエンターテインメントレーティング機構)のレーティングを配信タイトル選定の基準軸の一つとして使うことができる。

CEROレーティング

対象年齢

コンテンツ特性

ブランドセーフティ基準

CERO-A

全年齢対象

暴力・性的表現なし

原則すべてのブランドで配信可能

CERO-B

12歳以上

軽微な暴力表現・恋愛描写を含む可能性

ファミリーブランドは要確認。許容可否をポリシーで明示する

CERO-C

15歳以上

中程度の暴力・恋愛表現を含む

ファミリーブランドは原則除外推奨

CERO-D

17歳以上

強い暴力・性的表現を含む

成熟した世界観のタイトルのみ適合

CERO-Z

18歳以上(成人向け)

成人向け最上位

全ブランドで除外推奨

出典:CERO公式サイト(https://www.cero.gr.jp)、2026年4月確認

重要:CEROレーティングはコンテンツの評価であり、実際のプレイヤー年齢層の保証ではない点に注意が必要だ。CERO-Aであっても世界観がブランドと合わない場合は除外対象として扱う。

ゲームジャンル別のリスクレベルは以下のとおりだ:

ゲームジャンル

リスクレベル

ブランド適合性の目安

パズル・カジュアル

全年齢対象・ファミリーブランドに高適合

スポーツ・レース

低〜中

ブランド親和性が高いケースが多い

RPG・アドベンチャー

ストーリー世界観・設定の確認が必要

シューティング・アクション

中〜高

暴力描写の有無を個別確認

格闘・ホラー

ファミリーブランドには原則不適合

成人向けコンテンツ含有

最高

全ブランドで除外

STEP 3:ホワイトリストを作成する

ブランドスータビリティポリシーとCEROレーティング基準を踏まえ、配信を許可するタイトルリストを作成する。キュレーション型ネットワークでは、事前審査済みのタイトルリストを提供しているため、そこからポリシーに合わないタイトルを除外する形で進めるのが効率的だ。

ホワイトリスト作成時の確認項目:

  • CEROレーティングは自社ポリシーに適合しているか
  • ゲームの世界観・テーマはブランドイメージと合っているか
  • ターゲットとするユーザー年齢層と実際のプレイヤー層は一致しているか
  • 競合ブランドが同タイトルに出稿している場合、問題はないか

STEP 4:除外設定(ブロックリスト)を入れる

ホワイトリストの外側に対して、さらに確実に排除したいタイトル・ジャンルをブロックリストに登録する。ホワイトリストとブロックリストを重ねて設定することで、意図しない配信が発生するリスクをより低く抑えられる。

除外設定の優先事項:

  • CERO-D/Z のタイトル(自社ポリシーが許容しない場合)
  • 競合ブランドが強く関連するタイトル(競合除外設定の対応可否はネットワークに確認)
  • 世界観・テーマが自社ブランドと相反するタイトル
  • 実際のユーザー年齢層が自社ターゲットと乖離しているタイトル

STEP 5:計測・検証・改善のサイクルを回す

配信開始後、以下の指標を定期的に確認し、ホワイトリストを更新していく。

  • 配信タイトルごとのビューアビリティ:第三者計測ツール(IASなど)が使える場合は活用する。Anzuとの連携IAS計測ではモバイル98.7%、PC99.9%の高視認率が確認されている(IAS計測値、Anzu社公開データ)。
  • ブランドリフト調査:広告想起率・好感度の変化を計測し、ホワイトリストの最適化に活用する
  • ユーザーからのフィードバック:SNSや問い合わせで特定タイトルへの配信に関するネガティブな言及がないかを確認する
  • ゲームのコンテンツ更新:アップデートにより世界観やコンテンツが変化することがあるため、主要タイトルは定期確認が望ましい

業種別・ブランドカテゴリ別の配信タイトル選定基準

業種別のゲーム内広告ホワイトリスト選定基準の対応表

業種・商材ごとに「推奨ジャンル」「推奨CEROレーティング」「除外すべきジャンル」の目安は以下のとおりだ。自社の状況に合わせて調整すること。

ブランドカテゴリ

推奨ゲームジャンル

推奨CEROレーティング

除外ジャンル

食品・飲料(ファミリー向け)

パズル、カジュアル、音楽・リズム

CERO-A

格闘、ホラー、シューティング(暴力描写あり)

食品・飲料(成年男女向け)

スポーツ・レース、RPG(全年齢)、カジュアル

CERO-A〜B

ホラー、成人向けコンテンツ含有タイトル

日用品・生活雑貨

パズル、カジュアル、シミュレーション(全年齢)

CERO-A〜B

格闘、ホラー、成人向け

外食・飲食チェーン

カジュアル、スポーツ、RPG(全年齢)

CERO-A〜B

CERO-D/Z、強い暴力描写タイトル

交通・インフラ(公共性の高いブランド)

パズル、カジュアル、スポーツ

CERO-A

暴力・犯罪テーマ全般

自動車・ドライブ関連

レーシング、スポーツ、RPG(全年齢)

CERO-A〜B

格闘、ホラー

ホテル・旅行・レジャー

全年齢RPG・アドベンチャー、スポーツ

CERO-A〜B

暴力・犯罪テーマ、ホラー

注意点:上記はあくまで一般的な目安であり、個別タイトルの世界観・実際のユーザー層の確認が必須だ。特にRPG・アドベンチャーはCEROレーティングと世界観の確認を必ず行うこと。


キュレーション型 vs プログラマティック型——初出稿での選び方

ゲーム内広告ネットワークは大きく「キュレーション型」と「プログラマティック型(オープンRTB)」に分かれる。ブランドセーフティの確保という観点からの違いを整理する。

比較項目

キュレーション型

プログラマティック型(オープンRTB)

ホワイトリスト運用

事前審査済みタイトルのみ提供(デフォルトで確保)

ブロックリスト設定が中心

配信先の透明性

高(出稿前にタイトルリスト確認可能)

低(配信後に確認するケースも)

ブランドセーフティ水準

高(ネットワーク側で担保)

運用担当者のスキルと設定精度に依存

リーチ規模

限定的

広い

初期設定の手間

少ない

多い(適切な除外設定に要スキル)

おすすめの企業

ナショナルクライアント・初出稿・ブランドリスク最優先

運用経験者・大規模リーチ・PDCA重視

コスト感

相対的に高め

競争入札のため変動

ブランドリスクを最優先に置くナショナルクライアントや初めてゲーム内広告に出稿する企業には、キュレーション型から始めることを強く推奨する。実績データが蓄積した段階で、必要に応じてプログラマティック型の導入を検討するアプローチが現実的だ。


JICDAQ 2026年制度変更——出稿先選定への影響

2026年1月以降、JICDAQ(デジタル広告品質認証機構)では「自己宣言」方式の廃止が決定し、日本ABC協会による第三者検証への完全移行が実施されている(JICDAQ公式・advertimes.com、2025年7月確認)。

この変更は、ゲーム内広告ネットワーク選定においても重要な確認事項となる。

制度変更のポイント:

  • 自己宣言方式:事業者自身が品質基準への適合を宣言するだけで認証を取得できた従来の仕組み
  • 第三者検証方式:日本ABC協会による独立した検証が必要。より高い透明性・信頼性が担保される
  • 2026年4月時点で認証取得事業者数は200社を突破(JICDAQ公式データ)

実務への影響:

JICDAQ認証を取得した事業者経由の配信では、アドフラウド率0.2%〜3.0%が報告されており、非対策時の最大8.4%と比較して大幅に改善されている(JICDAQ公式データ)。

出稿先ネットワークを選定する際は、以下を確認することを推奨する:

  1. JICDAQ認証の取得状況:第三者検証方式で認証を取得しているか、または取得予定があるか
  2. 無効トラフィック(IVT)の対策方法:どのような技術・仕組みでアドフラウドを排除しているか
  3. 第三者計測ツールの対応状況:IAS・DoubleVerifyなどの外部ベリフィケーションツールが利用可能か

グローバルプラットフォーム(AnzuなどのJICDAQ非対象となるケースが多い)については、TAG(Trustworthy Accountability Group)認証やApp-Ads.txtカバレッジ100%などグローバル標準の品質保証基準を代替指標として確認するとよい。


ナショナルクライアント初出稿チェックリスト

ブランドセーフティを最重視するナショナルクライアントが初めてゲーム内広告に出稿する際に確認すべき事項をまとめた。社内の稟議・承認フローにも活用できる。

事前確認(ネットワーク選定前)

  • 自社のブランドスータビリティポリシーが文書化されているか
  • 許容するCEROレーティングの上限が決まっているか
  • 競合除外の要否が明確になっているか
  • ターゲットユーザーの年齢層・性別が明確に定義されているか

ネットワーク選定時の確認

  • キュレーション型ネットワークかプログラマティック型ネットワークか
  • 出稿前に配信タイトルリストを確認できるか
  • JICDAQ認証の取得状況(または同等のグローバル品質認証)
  • 無効トラフィック(IVT)の対策・計測方法
  • 第三者計測ツール(IAS・DoubleVerify等)の対応可否
  • 競合除外設定の対応可否と仕様
  • 配信後のレポート粒度(タイトル別・日別等)

初回キャンペーン設定時

  • ホワイトリストが自社ポリシーに沿って作成されているか
  • 除外ジャンル・タイトルがブロックリストに登録されているか
  • 最低配信量・配信期間の条件が合意されているか
  • 効果計測の指標・計測方法が合意されているか(ビューアビリティ、ブランドリフト等)

配信中・配信後の確認

  • 実際の配信タイトルが事前に合意したホワイトリスト内に収まっているか
  • 第三者計測ツールのビューアビリティ数値は基準を満たしているか
  • ブランドリフト調査の計画があるか
  • 次回以降のホワイトリスト更新方針が決まっているか

こんな企業に向いている / こんな企業は慎重に

ゲーム内広告(ホワイトリスト・キュレーション型)が向いている企業

  • 食品・飲料・日用品など幅広い生活者に届けたいブランドを持つ企業
  • ファミリー向け・子ども向けの認知施策を探している企業
  • TVCM・SNS広告の補完として新しい生活者接点を求めている企業
  • ブランドセーフティを最優先にして初めてゲーム内広告に出稿したい企業
  • 「広告を嫌がられずに好感度を維持したい」という訴求ニーズがある企業

慎重な検討が必要な企業

  • 大規模なリーチを最優先としてコストを最小化したい企業(キュレーション型はリーチが限定的)
  • コンバージョン(直接購買)を短期的に狙いたい企業(ゲーム内広告は認知・想起施策向き)
  • ゲームとのブランドイメージ親和性が低い業種・商材(ただし確認が必要)
  • 第三者計測ツールによるビューアビリティ検証が必須条件の企業(ネットワーク側の対応確認が必要)

Ad-Virtuaのブランドセーフティ体制——キュレーション型の特性

ゲーム内広告(サイネージ型)ネットワークのAd-Virtuaは、2026年4月時点で400タイトル以上に対応しており、対応タイトルはカジュアル・RPG・パズル・アクション等のジャンルを幅広くカバーしている(Ad-Virtua公式サイト、2026年4月確認)。

Ad-Virtuaのブランドセーフティ関連の特性(公式サイト確認情報):

  • GoogleおよびAppleの広告ガイドラインに準拠しない広告掲載は原則受け付けない
  • メタバース・ゲームごとの対象年齢層・性別・カテゴリによるフィルタリングが可能
  • 月間約850万回再生、累計約8,000万回規模の配信実績(2026年1月時点)
  • 最低出稿金額300,000円〜/週(100万回再生目安)

未確認事項(確認が必要な点):

  • 具体的なホワイトリスト設定の管理画面操作方法は公式サイト上に詳細記載なし
  • 競合除外設定の仕様詳細(問い合わせ推奨)
  • JICDAQ認証取得状況(取得計画ありとの情報はあるが現時点での取得状況は未確認)

Ad-Virtuaが特に適合しやすいのは、「ブランドセーフな配信環境を優先しながら、若年層・カジュアルゲームプレイヤー層への認知施策を展開したい」という企業だ。初出稿でブランドリスクを抑えながらゲーム内広告の効果を確かめたいナショナルクライアントは、まず問い合わせページから配信タイトルリストや設定仕様を確認することを推奨する。

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ゲーム内広告とは——種類・仕組み・効果を解説


よくある質問

Q. ホワイトリストを設定すると広告の効果は下がりますか?

ホワイトリスト運用は配信面を絞るためリーチは限定的になるが、ブランド親和性の高いタイトルに集中配信することでブランドリフト(広告想起・好感度)には好影響を与えることが多い。認知・想起を目的とするキャンペーンでは、リーチ量よりも「ブランドイメージに合った接触」を優先する判断が理にかなっている。

Q. ゲーム内広告はどこでブランドセーフティの問題が起きやすいですか?

最も発生しやすいのは、「ゲームジャンル・世界観とブランドイメージの不一致」と「ユーザー年齢層と実態のズレ」だ。CEROレーティングだけを見てホワイトリストを設定すると、世界観が合わないタイトルへの配信が発生することがある。タイトルの世界観・テーマを個別に確認する工程を省かないことが重要だ。

Q. 競合ブランドと同じタイトルに配信される可能性はありますか?

プログラマティック型配信では理論上あり得る。競合除外設定の対応可否はネットワークにより異なるため、事前に仕様を確認し、必要であれば対応可能なネットワークを選定することを推奨する。

Q. JICDAQ認証がないネットワークは使えませんか?

JICDAQ認証がない場合でも利用は可能だが、アドフラウドやビューアビリティの品質管理についてネットワーク独自の取り組み内容を確認することが重要だ。グローバルプラットフォームの場合はTAG認証・App-Ads.txtカバレッジ率などの代替指標を確認するとよい。

Q. 初めてゲーム内広告に出稿する場合、最低限確認すべきことは何ですか?

「出稿前に配信タイトルリストを確認できるか」「CERO-Aまたは自社が許容するレーティング以上のタイトルのみに絞れるか」「無効トラフィック(アドフラウド)への対策方法」の3点を最初に確認することを推奨する。この3点が担保できるネットワークを選ぶことで、初出稿のリスクを大幅に抑えられる。

Q. サイネージ型ゲーム内広告とリワード広告では、ブランドセーフティのリスクは違いますか?

異なる。リワード広告(動画視聴でアイテムを獲得する形式)はゲームプレイを中断させる側面があり、広告の文脈がゲームコンテンツと強く関連する。サイネージ型(ゲーム空間内の看板・モニターへの配信)はプレイを中断しない分、ゲームの世界観への「溶け込み方」がブランドセーフティに直結するため、世界観のフィット確認がより重要になる。


まとめ——実践のポイント

ゲーム内広告のブランドセーフティは、適切な設定と運用体制があればオープンウェブのプログラマティック広告より高い水準で確保できる。実務担当者が押さえるべきポイントを整理する。

  1. ブランドスータビリティポリシーを先に文書化する:CEROレーティングや除外ジャンルの基準は、社内承認を得た状態で設定に入る
  2. 初出稿はキュレーション型ネットワークから始める:配信前にタイトルリストを確認できる体制をネットワーク選定の必須条件にする
  3. CEROレーティングは入口の基準として使い、世界観の個別確認を省かない:CERO-Aであっても、ブランドに合わない世界観のタイトルは除外する
  4. JICDAQ認証(または代替品質保証)の確認をネットワーク選定の評価軸に加える:2026年以降、第三者検証の有無が出稿先の品質透明性の指標として重要性を増している
  5. 配信後の検証サイクルを組み込む:ホワイトリストは一度設定して終わりではなく、定期的な見直しと更新が効果を維持するために必要だ

ゲーム内広告のブランドセーフティ設定や配信タイトルの詳細について、Ad-Virtuaの担当者に具体的な仕様を確認したい場合は、公式サイトのお問い合わせページから相談することをお勧めする。