ゲーム内広告の初出稿に必要な最小予算は30万円/週〜(媒体費のみ)で、クリエイティブ制作費・代理店手数料を含めると月100〜150万円前後がテスト出稿の現実的な目安です。ただし「いくらあれば始められるか」だけでなく、「何をKPIにして、どう測定するか」を先に設計することが予算を無駄にしない最大のポイントです。
この記事では以下の内容を解説します。
- ゲーム内広告の種類別費用相場(2026年4月時点)
- 媒体費だけでない「初出稿の総コスト」の内訳
- TVCM・YouTube・SNS広告と比べたときの費用感
- 配信計画を立てる4ステップ
- ブランド広告主が使えるROI試算の考え方
- ゲーム内広告が向いている企業・向かない企業
食品・飲料・日用品・外食など、若年層や生活者層への認知拡大を目的としてゲーム内広告の出稿を検討しているマーケティング担当者・広告担当者の方を想定して構成しています。
ゲーム内広告の費用・料金相場(種類別)

ゲーム内広告の費用は広告の種類(形式)と課金方式の組み合わせによって大きく異なります。まず全体の相場観を把握してから予算設計に入りましょう。
種類・課金方式別の単価相場(2026年4月時点)
広告の種類 | 課金方式 | 単価相場 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
バナー広告 | CPM(1,000表示あたり) | 200〜800円 | 認知・露出量の確保 |
バナー広告 | CPC(クリックあたり) | 20〜200円 | クリック誘導 |
インタースティシャル | CPM | 300〜1,000円 | CV誘導・アプリインストール |
インタースティシャル | CPI(インストールあたり) | 100〜400円 | アプリUA目的 |
リワード動画 | CPV(再生あたり) | 5〜20円 | ブランドセーフティ重視の認知 |
リワード動画 | CPI | 100〜300円 | アプリUA目的 |
ゲーム内サイネージ | CPM | 300〜400円 | ブランド認知・好感度向上 |
出典: 比較ビズ、data-be.at、Ad-Virtua公式サイト、確認日: 2026-04-20
ポイント: 「ゲーム内サイネージ型」(ゲーム空間の看板・モニターに表示)は、CPMベースで300〜400円水準が複数ソースで確認されています。これはYouTube動画広告(CPM 500〜1,500円)やSNSのインフィード動画(CPM 300〜1,000円)と比べても競争力のある水準です。
「ゲーム内広告」と「ゲーム外広告」は別物
費用設計において注意が必要なのは、「ゲーム内広告」という言葉が2種類の意味で使われていることです。
- ゲーム外広告(インタースティシャル・リワード): ゲームプレイの合間に割り込む形式。CTR・CVR中心のKPI。ゲーム会社のUA(ユーザー獲得)目的で主に利用
- ゲーム内広告(サイネージ型): ゲーム空間内の看板・モニターに表示。プレイを中断しない。ブランド認知・好感度向上目的に適合
本記事が主に対象とするのは後者の「ゲーム内広告(サイネージ型)」です。食品・日用品・外食などのブランド企業が若年層・Z世代への認知施策として活用しやすい形式です。
初出稿の総コスト:媒体費だけでは足りない

「最小30万円/週から始められる」という情報だけで予算を組んでしまうと、後から追加コストが発生して計画が狂います。初出稿の実際の総コストは以下の4項目で構成されます。
費用項目の内訳
費用項目 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
① 媒体費 | 30万円/週〜(月換算で約120万円) | Ad-Virtua公式。最短翌営業日配信 |
② 動画クリエイティブ制作費 | 0〜150万円 | 既存TVCM素材が流用できれば0円。新規制作の場合は30〜150万円程度(制作会社規模による) |
③ 代理店手数料 | 広告費の15〜25%前後 | 自社直入稿なら0円。代理店経由の場合の目安 |
④ ブランドリフト調査費 | 50〜150万円(任意) | 広告想起率・購買意向等をパネル調査で測定する場合 |
最小テスト予算(現実的な目安)
- 最低ラインのテスト出稿: 媒体費のみ・4週間 → 約120万円(既存素材流用・自社直入稿の場合)
- 標準的な初回テスト予算: 媒体費+クリエイティブ流用・代理店経由 → 月140〜180万円前後
- 新規クリエイティブ制作込みの初出稿: 媒体費+制作費(60〜100万円)+代理店手数料 → 初月250〜350万円前後
クリエイティブ流用で大幅コスト削減が可能: ゲーム内サイネージ型の仕様(例: Ad-Virtuaの場合、最大30秒・MP4・16:9・3MB以内)はYouTube動画広告の仕様と近いため、TVCM素材やYouTube広告素材をほぼそのまま流用できるケースがあります。既存素材がある場合は制作費を大幅に削減できます。
TVCM・SNS広告との費用・効果比較

「ゲーム内広告にどれだけの予算を振り分けるべきか」を判断するには、他の認知施策との比較が必要です。
主要認知施策の費用・KPI比較
施策 | テスト最低予算の目安 | CPM水準 | 主なKPI | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
TVCM(東名阪1週間) | 2億円〜 | — | GRP・視聴率 | 最大リーチだが参入障壁高い |
YouTube動画広告 | 数十万円〜 | 500〜1,500円 | 視聴率・リーチ・完了率 | ターゲティング精度高・スキップあり |
SNS広告(インフィード動画) | 数万円〜 | 300〜1,000円 | CPC・CPA・エンゲージメント | 低予算から可・コンテンツ消費が速い |
OOH(屋外広告/デジタルサイネージ) | 数十万円〜 | — | インプレッション・視認性 | 定点接触型。若年層リーチは限定的 |
ゲーム内サイネージ | 30万円/週〜 | 約300〜400円 | ブランドリフト・広告想起率 | プレイ中断なし・Z世代・生活者接点 |
比較上の注意点:
- CPM単価だけで比較しても意味がありません。「誰に届くか」「どんな状態で接触するか」が媒体価値の本質です
- ゲーム内広告は「プレイ中の集中状態で接触する」ことが特徴。IAB Gaming Measurement Framework(2025年6月版)では、アテンション指標は視認性(Viewability)と比べて認知予測精度7倍、リコール予測精度6倍と報告されています(出典: IAB、2025年6月)
- TVCM予算の補完施策として月100〜200万円規模で試験的に組み込む使い方が現実的です
配信計画の立て方:4つのステップ

予算を決める前に「何を達成したいか」を設計することが最も重要です。以下の4ステップで配信計画を組みましょう。
ステップ1:目的とKPIを決める
ゲーム内広告(サイネージ型)はブランド認知・好感度向上・広告想起率の改善を主目的とした施策です。最初に「何を測定するか」を決めておかないと、効果の検証ができなくなります。
推奨KPI(認知目的の場合):
- 広告認知率のリフト(pt単位)
- 購買意向のリフト(pt単位)
- ウェブ流入の増加率(%)
- 指名検索数の変化
避けるべき誤り: ゲーム内サイネージにCPA(獲得単価)やインストール数を主KPIに設定すること。形式が異なるため、クリックや直接CVには不向きです。
ステップ2:ターゲットとタイトルを選定する
ゲーム内広告では「どのゲームタイトルのプレイヤーに届けるか」が重要です。
ターゲット設計の視点:
- 年齢・性別(例: 18〜34歳男女、Z世代など)
- ゲームカテゴリ(RPG・パズル・カジュアル・アクション等)
- 地域(全国・特定エリア)
ポイント: ゲームプレイヤーの属性は「若い男性」だけではありません。パズル・カジュアルゲームには30〜40代女性も多く含まれます。ブランドの主要ターゲット層に合わせたカテゴリ選定が重要です。
ステップ3:期間と予算を設計する
認知目的のブランド施策は、短期(1〜2週間)の単発出稿よりも、継続接触による想起率の積み上げを意識した計画が有効です。
予算スケジュールの目安:
フェーズ | 期間 | 予算目安 | 目的 |
|---|---|---|---|
テスト出稿 | 4〜8週間 | 月100〜200万円 | 効果検証・KPI取得 |
継続・拡大 | 3〜6か月 | 月150〜300万円 | 想起率の積み上げ |
スケール | 半年以降 | 月300万円〜 | 定常的な認知維持 |
一般的な初回テスト期間として「最低1か月(4週間)・同一素材で連続配信」が推奨されます。短期間でクリエイティブを頻繁に変更すると効果の比較ができなくなります。
ステップ4:効果測定の設計を先に決める
出稿前に「どうやって効果を測定するか」を決めておくことが不可欠です。
測定方法の選択肢:
- ブランドリフト調査(パネル調査): 広告接触者と非接触者のKPI差を測定。費用は50〜150万円程度。最も精度が高い
- ウェブ流入変化の確認: Google Analytics等で指名検索・直接流入の推移を追う。コスト0で実施可能
- 売上データとの突合: 出稿エリアと非出稿エリアの売上変化を比較するテスト設計(大手企業向け)
ブランド広告主向けのROI試算方法
「ゲーム内広告への投資対効果をどう計算するか」は多くのマーケティング担当者が悩む問いです。認知目的の施策はCPA(獲得単価)では測れないため、計算方法を切り替える必要があります。
認知施策でROIを試算する3つのアプローチ
アプローチ①:インプレッション試算(最もシンプル)
予算に対して「何回接触できるか」を試算します。
予算300万円 ÷ CPM400円 × 1,000 = 750万インプレッション比較: YouTube動画(CPM 1,000円)なら300万円で300万インプレッション。ゲーム内サイネージの方が露出量が多い計算になります。ただし、インプレッション数は「量」の指標であり、「質(記憶への定着)」は別途評価が必要です。
アプローチ②:ブランドリフトROI(推奨)
認知率・広告想起率の改善pt×ターゲット母数で「記憶に残った人数」を試算し、そこから将来売上への寄与を推計します。
例)予算300万円で配信
→ ブランドリフト調査: 広告認知率+8pt(大正製薬センパア事例相当)
→ ターゲット母数100万人(年代・地域で絞り込み後)
→ 新規認知獲得人数: 8万人
→ 購買転換率1%と仮定すると: 新規購買800人
→ 客単価1,500円と仮定: 直接売上貢献 120万円このアプローチでは単期のROIは100%を下回る場合がありますが、ブランド認知投資の回収は中長期(6か月〜1年以上)で評価するのが適切です。
参考事例(unicorn.inc、ゲーム内広告配信事例記事より): 大正製薬センパアの事例では広告認知8.0ptリフト・利用意向3.0ptリフトが報告されています(確認日: 2026-04-20)。
アプローチ③:媒体ROI(自社データ参考)
Ad-Virtua公式では平均メディアROI4.5倍、最大5.4倍という数値が報告されています(出典: ad-virtua.com公式サイト、確認日: 2026-04-20。ただし自社計測データであり第三者検証ではない点に留意してください)。
ROI・ROASの使い分け
指標 | 計算式 | 向いている施策 |
|---|---|---|
ROAS | 広告経由売上 ÷ 宣伝費 × 100 | 直接CV型(EC・アプリ広告等) |
ROI | 広告経由利益 ÷ 宣伝費 | 事業全体での投資判断 |
ブランドリフトROI | 認知率改善 × 将来売上貢献の推計 | ブランド認知型(サイネージ・OOH等) |
認知目的のゲーム内広告にROASやCPAを適用しようとすると正しい評価ができません。施策の目的に合わせた指標を選択することが重要です。
ゲーム内広告に向いている企業・検討すべき企業
こんな企業に向いています
以下の条件に複数当てはまる場合、ゲーム内広告は有効な選択肢になります。
条件:
- 若年層・Z世代(18〜34歳)へのリーチを強化したい: スマートフォンゲームのプレイヤー属性は18〜34歳が中心。Z世代の約80%がゲームをプレイしており、平均プレイ時間は約100分/日とされています(Ad-Virtua公式サイト、確認日: 2026-04-20)
- ブランド認知・好感度・想起率の向上が主目的: 直接CVよりも「知ってもらう・好きになってもらう」フェーズにある商材
- TVCM素材や動画広告素材がすでにある: 既存の動画素材を流用できれば追加クリエイティブコストをほぼゼロにできる
- テレビCMの補完施策を探している: TVリーチの難しい若年層に届ける補完チャネルとして機能する
- 月100万円以上の予算が確保できる: 認知施策は短期単発ではなく継続接触が効果的。最低1か月以上の予算確保が推奨
業種例: 食品・飲料メーカー、日用品・消費財ブランド、外食・小売チェーン、交通・インフラ・ホテル、エンタメ・レジャー施設
慎重に検討すべき企業
以下のケースでは、他の施策を優先するか、目的の再設定が必要です。
- 直接CVやアプリインストールが主目的: サイネージ型はクリック・インストールへの誘導には不向き。インタースティシャル型やリワード広告の方が適合する
- 即日ROAS回収が必要: ブランド認知施策の効果は中長期での評価が前提。短期ROI要件が厳しい場合は適合しにくい
- 月100万円未満の広告予算: 広告費が小さい場合、インプレッション数が少なすぎて統計的に有意な変化が測定できないリスクがある
- ターゲットが60代以上のみ: 現在のゲームアプリ広告媒体のプレイヤー層は比較的若い(18〜40代が中心)
ゲーム内サイネージ型広告を選ぶ際の確認事項
ゲーム内サイネージ型広告の媒体を選ぶ際には、以下の点を事前に確認しましょう。
媒体選定の確認項目
確認項目 | 確認すべき内容 |
|---|---|
対応タイトル数・カテゴリ | 自社ターゲット層がプレイするゲームが含まれているか |
視認性の担保方法 | 広告が表示されたかどうかの計測基準(視認性フィルタの有無) |
クリエイティブ仕様 | 既存素材が流用できるか(形式・サイズ・秒数) |
ターゲティング機能 | 年齢・性別・地域・ゲームカテゴリの絞り込みが可能か |
最小出稿単位・契約期間 | テスト出稿から始められるか |
レポート・サポート体制 | 効果測定レポートの提供・担当者サポートの有無 |
ブランドリフト調査への対応 | パネル調査のオプション設定が可能か |
Ad-Virtuaが向いているケース
ゲーム内サイネージ型の国内媒体として、Ad-Virtuaは以下の特徴を持っています(公式サイト・確認日: 2026-04-20)。
- 最小出稿単位: 1週間30万円〜(税別・初期費用なし)、最短翌営業日配信
- 対応タイトル: 600タイトル以上(カジュアル/RPG/パズル/アクション等)
- PC・スマートフォン・VR(Meta Quest)の3プラットフォーム対応
- 視認性の低い配置をカウント対象外にする視認性フィルタ搭載
- CPM: 約300〜400円水準(公式および複数ソースから確認)
- クリエイティブ仕様: MP4・最大30秒・16:9・3MB以内(動画素材流用に対応しやすい)
- 担当者サポート・レポートが無償で付属
特に「既存のTVCM・YouTube広告素材を流用して若年層への認知拡大をテストしたい」「月100〜200万円規模でリーチの質を重視したテスト出稿をしたい」という企業に適合します。
ゲーム内広告の費用・料金相場についての詳細は「ゲーム内広告の費用・料金相場:課金モデル別の目安と予算設計」もあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 動画素材がないと出稿できませんか?
A. ゲーム内サイネージ型は動画素材が基本です。ただし、既存のTVCM・YouTube用動画素材をそのまま流用できるケースが多く、新規制作が必須というわけではありません。クリエイティブ仕様(秒数・ファイル形式・解像度)を事前に確認し、既存素材の転用可否を検討してから予算を組む流れが効率的です。
Q2. 3か月間出稿した場合、どのくらいのインプレッションが見込めますか?
A. 媒体・予算・ターゲティング条件によって異なります。Ad-Virtuaを例にとると、30万円/週で約100万インプレッション(公式想定値)とすると、月120万円の場合は月400万インプレッション、3か月で1,200万インプレッション前後の水準になります(実際の数値は配信設定や時期によって変動します)。
Q3. ブランドリフト調査は必須ですか?
A. 必須ではありませんが、出稿の効果を定量的に評価するには実施を推奨します。ウェブ流入・指名検索数の変化を無償で追う方法もありますが、認知率・購買意向のリフトを正確に把握するにはパネル調査が有効です。費用感は50〜150万円程度が目安です。
Q4. 代理店を通さずに直接出稿できますか?
A. 媒体によっては直接出稿(直入稿)が可能です。代理店手数料(広告費の15〜25%)を節約できる一方、ターゲティング設定・クリエイティブ入稿・レポート分析を自社で行う必要があります。初出稿時は代理店のサポートを活用してノウハウを蓄積し、2回目以降を直入稿に移行する企業も多くあります。
Q5. ゲーム内広告に向いている商材の特徴はありますか?
A. 若年層が日常的に接する商材と親和性が高い傾向があります。食品・飲料・スナック・日用品・ファッション・エンタメ・金融(若年層向け)などは相性が良いとされています。一方、商材のターゲット年齢が高い(60代以上が主要層)場合や、購買の意思決定がオフライン・店頭主体の高額商材(不動産等)は費用対効果の見通しが立てにくい場合があります。
まとめ:ゲーム内広告の予算設計チェックリスト
初出稿の予算設計で確認すべきポイントを整理します。
費用の確認:
- 媒体費の最小単位・週額・月額の見当はついているか
- クリエイティブ制作費は発生するか(既存素材の流用可否を確認)
- 代理店手数料を含めた総コストで予算を試算しているか
- ブランドリフト調査のコストを初回予算に含めるか判断したか
配信計画の確認:
- 目的とKPIを出稿前に決めているか
- ターゲットの属性・プレイするゲームカテゴリを整理しているか
- 最低1か月以上の継続配信期間を確保できるか
- 効果測定の方法を先に設計しているか
媒体選定の確認:
- 視認性担保・ターゲティング機能・クリエイティブ仕様を確認したか
- テスト出稿から始められる最小出稿単位を確認したか
ゲーム内広告は「どれくらいかかるか」よりも「何をKPIにして、どう測定するか」を最初に設計することが成功の鍵です。認知施策は効果が中長期で積み上がる性質があるため、単発の短期テストで判断するのではなく、継続的な計測と改善のサイクルを前提に予算を組むことをお勧めします。
ゲーム内広告の仕組みや種類についての基礎知識は「ゲーム内広告とは?仕組み・種類・効果をわかりやすく解説」で解説しています。出稿前の情報収集にあわせてご参照ください。
ゲーム内広告を含む認知施策の全体像については「ゲーム広告の種類と効果的な活用法」もご覧ください。


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