インゲーム広告のアテンション計測は「3層指標」で設計する

インゲーム広告のアテンション計測は、①視認率(Viewability)、②注視時間(Attentive Seconds / APM)、③感情反応(Emotional Response)という3層の指標を組み合わせて設計するのが、2025年11月に策定された業界標準(IAB/MRC Attention Measurement Guidelines v1.0)に沿った正しいアプローチです。

「広告が表示された」という視認率だけでは、ユーザーが実際に広告を見ていたかどうかはわかりません。一方で、アテンション計測単体も「広告効果の補完的シグナル」(IABガイドライン定義)に過ぎず、ブランドリフト・購入意向の変化と組み合わせて初めて意味を持ちます。

この記事では以下について解説します。

  • ViewabilityとAttentionの違い、なぜ今アテンション計測が必要か
  • インゲーム広告専用のアテンション指標(APM・aCPM・ITiV)の定義と計測方法
  • IAB/MRC Attention Measurement Guidelines v1.0(2025年11月)準拠の4計測手法
  • 計測ベンダー(Adelaide・Lumen・DoubleVerify・IAS等)の比較と選び方
  • フェーズ別KPI設計テンプレート(認知・記憶・態度変容)
  • 注意点・落とし穴・計測設計の失敗パターン

ゲーム内広告の効果計測に課題を感じているマーケティング担当者・メディアプランナーを主な対象読者として想定しています。

なぜ今、インゲーム広告でアテンション計測が必要なのか

デジタル広告のアテンション計測データを示すアナリティクスダッシュボード

ViewabilityはもはやKPIとして不十分

従来のデジタル広告計測の軸は「Viewability(視認率)」でした。IAB/MRC基準では「ディスプレイ広告のピクセルの50%以上が1秒以上継続表示された」インプレッションを「視認可能」とカウントします(動画広告は2秒以上)。

しかし、この基準には根本的な問題があります。「広告が視認可能な位置に表示されたか」は測定できても、「ユーザーが実際に広告に注意を向けたか」は測定できないのです。スクロールが速すぎて実質ゼロ秒しか見ていなくても、基準を満たすインプレッションとしてカウントされてしまいます。

2026年現在、Google DV360をはじめとするプラットフォームがViewabilityをアテンションシグナルで代替する動きが顕在化しています。Fortune 500企業の約半数が、すでに何らかのニューラル・バイオメトリクス計測をキャンペーンに統合済みとの報告もあります(出典:IAB Attention Measurement Explainer、August 2024)。

インゲーム広告でアテンション計測が特に重要な理由

ゲーム空間内の広告(インゲーム広告)には、他のデジタル広告フォーマットと異なる特性があります。

ゲームプレイは「能動的集中」を要する活動です。 ユーザーは自発的にゲームを選び、画面に集中している状態でプレイしています。この環境に配置される看板・モニター型のサイネージ広告(インゲーム広告)は、ゲーム体験を阻害せずに広告に接触させられる数少ない形式です。

電通ジャパン・インターナショナルブランズが日本国内8,000人以上を対象に実施した調査(2024年)では、「自発的アテンション」(ユーザーが視聴をコントロールできる形式)は強制視聴比で10秒以上視聴時に想起率が+79ポイント向上することが確認されています(出典:https://media-innovation.jp/article/2024/10/28/141864.html)。

この「自発的・能動的アテンション環境」が計測上どう評価されるかを正確に把握することが、インゲーム広告の投資対効果を証明するための第一歩です。

ViewabilityとAttentionの違いを整理する

インゲーム広告の指標設計において、最初に明確にしておきたい概念の違いです。

指標

定義

基準

測定できること

Viewability(視認率)

広告が「見られる可能性のある状態」で表示されたか

ディスプレイ: 50%ピクセル×1秒以上 / 動画: 50%ピクセル×2秒以上(IAB/MRC基準)

広告が適切な位置に表示されたか

Attention(アテンション)

ユーザーが実際に広告を認識・関与したか

IABは「exposure + engagement + focus + cognitive impact」の総体として定義(出典:IAB/MRC Attention Measurement Guidelines v1.0、2025年11月)

ユーザーが広告に注意を向けたか

インゲーム広告(Intrinsic In-Game)の視認率基準の特殊ルール

3D環境のゲーム内広告には専用の基準が設けられています。2022年8月に改訂されたIAB/MRC Intrinsic In-Game Advertising Measurement Guidelines 2.0では、以下が定義されています(出典:MRC公式ガイドライン)。

  • 広告オブジェクトが画面占有率1.5%以上であること(最低基準)
  • ディスプレイ広告:50%以上のピクセルが1秒以上連続表示
  • 動画広告:50%以上のピクセルが2秒以上連続表示(任意の連続2秒が要件を満たせばOK)
  • 3D環境特有の課題(広告オブジェクトの遮蔽・視角・奥行き)への対応を含む

一般的なWebディスプレイ広告と同じ基準で計測しようとすると、3D空間の遮蔽・回転・奥行きを考慮できず、実態と乖離した数値が出ることに注意が必要です。

インゲーム広告のアテンション計測:3層指標の設計

スマートフォンでモバイルゲームをプレイするユーザーとインゲーム広告の接触シーン

第1層:視認率(Viewability)——「広告が表示されたか」の基盤指標

視認率は計測の起点です。インゲーム広告の視認率は他フォーマットと比較して突出して高い実績が出ています。

インゲーム広告の視認率実績(Anzu/IAS計測データ、2024〜2025年)

デバイス

インゲーム広告視認率

業界平均ディスプレイ

出典・確認日

モバイル

98.7〜98.9%

60.7%

Anzu/IAS公式、確認日:2026-04-27

PC

99.9%

Anzu/IAS公式、確認日:2026-04-27

コンソール

99.1%

Anzu/IAS公式、確認日:2026-04-27

ビデオ広告

95〜99.8%

82%

Anzu/IAS公式、確認日:2026-04-27

Lumen Researchのデジタル広告基準(78%)と比較しても、インゲーム広告の視認率は約20〜30ポイント高い水準です。

計測技術面では、Anzuが特許取得済みの3D広告トラッキングエンジンを使用しています(特許番号:US11,260,299「An Object Viewability Determination System and Method」)。数学的・幾何学的計算と物理演算を組み合わせ、毎秒複数回の計測を実施することで、遮蔽や視角の変化にも対応しています。

不正トラフィック(IVT)については、IASとAnzuの提携(2022年〜)による計測でモバイルIVT平均0.16%、PC平均0.47%という業界最低水準の数値が確認されています(出典:IAS公式、確認日:2026-04-27)。

第2層:注視時間(Attentive Seconds / APM)——「どれだけ見られたか」の核心指標

視認率の次に重要なのが注視時間です。「表示された」だけでなく「どれだけ注目されたか」を秒数で計測します。

主要指標の定義

指標名

定義

用途

Attentive Seconds

ユーザーが広告を実際に注視した秒数(1インプレッションあたり)

1回の接触品質を評価する

APM(Attention Per Mille)

1,000インプレッションあたりの注視秒数合計

異なるフォーマット間の効率比較

aCPM(Attentive Cost Per Mille)

1,000注視秒あたりのコスト

費用対効果の比較

ITiV(Intrinsic Time-in-View)

Frameplayが開発した独自指標。広告の縦横比・傾き・遮蔽物データを解析し視認可能時間を計測

3D環境特有の指標

インゲーム広告の注視時間ベンチマーク

調査・出典

インゲーム広告APM

比較対象

確認日

Anzu × Dentsu × Lumen 2024研究

3,442秒/1,000imp

オンライン表示広告1,416秒(約2.4倍)

2026-04-27

Dentsu × Lumen「Gaming & Advertising Attention Report 2024」(ゲーム広告全体)

6,736秒/1,000imp

Dentsu基準を超える効率

2026-04-27

Anzu × Lumen「H1 2025レポート」

2,957秒/1,000imp

デジタル平均比+29%

2026-04-27

Anzu × Lumen「2年間調査(State of In-Game)」

平均3.1秒/imp

デジタル広告基準2.9秒

2026-04-27

(出典:Lumen Research公式Anzu公式ブログ

注視時間とブランド想起の関係

Lumen Researchは「注視時間2秒が、注視を記憶に変える重要な閾値」としています(出典:Anzu公式ブログ内Lumen引用、確認日:2026-04-27)。

電通ジャパンの日本国内8,000人以上対象調査(2024年)では、注視時間とブランド想起率に明確な正比例の関係が確認されています(出典:https://media-innovation.jp/article/2024/10/28/141864.html):

  • 1秒未満視聴:ブランド想起率 21%
  • 1〜3秒視聴:+14ポイント向上
  • 3〜6秒視聴:+29ポイント向上
  • 10秒以上視聴:ブランド想起率 41%(+20ポイント)

さらにLumen × Ebiquity(2024年10月)の研究では、APM(注視分/1,000インプレッション)と利益増分の相関係数0.98が6つの主要メディアタイプで確認されています。注視時間を伸ばすことは、ビジネス成果に直結する指標です。

第3層:感情反応(Emotional Response)——「どう感じたか」の深層指標

注視時間の先に位置するのが感情反応計測です。広告を「見た」だけでなく、「どう感じたか」を定量化します。

主要計測手法

手法

概要

活用場面

採用ベンダー

フェイシャルコーディング

スマートフォンカメラでユーザーの微細な表情変化を解析し、喜び・驚き・関心・嫌悪などを推定

クリエイティブ評価、感情ピーク・谷の特定

RealEyes

アイトラッキング

視線軌跡を追跡し、広告への注視点・注視時間・スキャンパスを計測

注視位置の特定、ヒートマップ分析

Lumen Research、IAS

生理計測(バイオメトリクス)

心拍数・皮膚電気活動(GSR)・脳波(EEG)等で生理的覚醒状態を測定

高関与・低関与の判別

Amplified Intelligence

コンピュータビジョン+機械学習

ウェブカム経由の表情解析、機械学習によるアテンションパターン予測

大規模スケール計測

複数ベンダー

感情反応とROIの関係について、Affectiva(2024年メタ分析)は「神経信号で計測した感情的共鳴が高い広告キャンペーンは、広告投資収益率(ROAS)が最大2.5倍」という知見を公表しています(確認日:2026-04-27)。

IABガイドラインでは、2026年までにフェイシャルコーディングの採用が2倍になると予測しています(出典:IAB Attention Measurement Explainer、August 2024)。

IAB/MRC準拠:アテンション計測4つのアプローチ

2025年11月、IAB・MRC・CIMMの三者共同で「IAB/MRC Attention Measurement Guidelines Version 1.0」が策定されました(出典:https://www.iab.com/guidelines/attention/、確認日:2026-04-27)。この業界初の標準ガイドラインは4つの計測アプローチを定義しています。

アプローチ1:データシグナルベースの計測(最もスケーラブル)

JavaScriptタグ/SDKで収集されるコンテキストシグナルを活用します。

  • Time-in-View(表示継続時間)
  • スクロール深度
  • 音声ON/OFFの状態
  • クリックインタラクション
  • スクリーンオリエンテーション(縦横)

リアルタイム計測が可能で大規模展開に適しています。インゲーム広告ではゲームエンジン内のSDKが同等のシグナルを取得します。

アプローチ2:視覚・音声トラッキング(最も直接的)

アイトラッキング技術と顔認識・フェイシャルコーディングによる直接観察。実際の注視点と感情状態を計測できますが、パネル形式(特定の参加者を対象とした計測)が多くなります。

アプローチ3:生理・神経学的観察(最も深い関与測定)

バイオメトリクスシグナル(心拍数等)による計測。深い関与状態の把握に適しますが、設備コストが高く大規模展開は難しい。

アプローチ4:パネル・調査ベースの手法(アウトカムとの連携)

ブランドリフト調査・広告想起調査との組み合わせ。他のアテンション計測と組み合わせることで、「注視した結果どう変わったか」を測れます。

重要: IABガイドラインでは、アテンション計測は「広告効果の単独指標ではなく、配信指標・結果指標と組み合わせて使う補完的シグナル」と明確に位置づけられています。アテンション高 ≠ 広告効果高であり、ブランドリフト・購入意向との組み合わせが不可欠です。

計測ベンダー比較:どのツールを選ぶべきか

マーケティングチームが広告効果データを分析している会議の様子

現状、インゲーム広告のアテンション計測には複数のベンダーが存在しますが、手法も基準も統一されていません。2025年末時点でMRC認定を取得しているアテンション計測ソリューションはDoubleVerifyのみ(2023年認定)です。

ベンダー

主な手法

特徴

MRC認定

インゲーム対応

DoubleVerify(DV)

データシグナル

DV Authentic Attention®。Engagement IndexとExposure Indexで構成。現時点で唯一MRC認定取得済み

取得済み(2023年)

あり

Adelaide Metrics

データシグナル+機械学習

AU(Attention Unit)スコア(0〜100)でオムニチャネル横断比較可能

未取得

あり

Lumen Research

アイトラッキング(パネル)

インゲーム広告計測の業界標準的研究機関。Anzu・Dentsu・Microsoftと共同研究実績

未取得

あり(専門)

IAS(Integral Ad Science)

データシグナル+アイトラッキング

Lumenとパートナーシップ。Anzuとの提携で3D環境計測対応

一部取得

あり(Anzu連携)

Amplified Intelligence

神経科学+行動モデリング

Active/Passive/Non Attentionの3分類。ニューロサイエンスファースト

未取得

限定的

RealEyes

フェイシャルコーディング

スマートフォンカメラで感情と注視を同時計測。オプトインユーザー対象

未取得

限定的

GumGum

コンテキスト+アテンション

日本市場での実績あり(2024年に国内事例公開)

未取得

限定的

インゲーム広告プラットフォーム別の計測パートナー対応状況

プラットフォーム

計測パートナー

対応指標

Anzu

IAS、Lumen、Dentsu

視認率、APM、aCPM、ブランドリフト、アトリビューション

Frameplay

Lumen、eye square、Happydemics

ITiV(Intrinsic Time-in-View)、ブランドリコール、ブランドアトリビューション

Bidstack

IAS

視認率、IVT

Microsoft Advertising(モバイルゲーム)

Lumen

アテンション計測(2024年「Play Attention」研究)

ベンダー選定のポイントは「計測の目的」と「スケール」です。大規模キャンペーンでリアルタイム最適化が必要な場合はデータシグナルベース(DV・Adelaide)、クリエイティブ評価や深層インサイトが必要な場合はアイトラッキング・フェイシャルコーディング(Lumen・RealEyes)が向いています。

フェーズ別KPI設計テンプレート

アイトラッキングによる視線計測でアテンションデータを取得する様子

インゲーム広告のアテンション計測を実務で設計する際の指針として、ファネルフェーズ別に推奨指標を整理しました。

認知フェーズ:「見てもらえているか」を確認する

指標

推奨目標値(インゲーム広告)

計測ベンダー例

視認率(Viewability)

モバイル98%以上、PC99%以上

IAS、DV

IVT率(不正トラフィック率)

モバイル0.5%以下

IAS

広告完全再生率(VCR)

動画広告:90%以上

プラットフォーム標準

記憶・想起フェーズ:「どれだけ深く見てもらえたか」を計測する

指標

推奨目標値(インゲーム広告)

計測ベンダー例

APM(Attention Per Mille)

2,500秒/1,000imp以上(デジタル平均+20%水準)

Lumen、Adelaide

Attentive Seconds(平均)

2.0秒以上(記憶転換の閾値)

Lumen

ブランドリフト(広告想起率)

+5ポイント以上(Frameplay/Happydemics基準:32%)

Happydemics、カスタム調査

態度変容フェーズ:「好意的に受け取られたか」を評価する

指標

推奨目標値

計測ベンダー例

ブランドアトリビューション(ブランド帰属率)

50%以上(Frameplay実績:52%)

Happydemics

感情反応スコア

ポジティブ感情比率60%以上

RealEyes、Amplified

購入意向変化

ベースライン比+3ポイント以上

カスタム調査

aCPM(コスト効率)比較の参考値

Dentsu × Lumen 2024研究では、インゲーム広告のaCPMは平均4.01ドル(オンラインビデオの9.67ドルの半分以下)という結果が出ています(出典:Lumen Research公式ブログ、確認日:2026-04-27)。高い視認率・注視時間を低コストで達成できる点は、インゲーム広告の重要な投資効率上の強みです。

インゲーム広告アテンション計測の注意点と落とし穴

落とし穴1:計測標準の非統一を見落とす

2025年11月にIAB/MRC Attention Measurement Guidelines v1.0が策定されましたが、MRC認定を実際に取得しているアテンション計測ソリューションは2025年末時点でDoubleVerifyのみです。他ベンダーは各社独自の手法を採用しているため、ベンダーをまたいだ数値の単純比較には注意が必要です。

異なるベンダーのAPMや視認率の数値を同列に並べて比較する場合は、「計測手法・定義が異なる」という前提を必ず確認してください。

落とし穴2:パネル計測を「実環境の代表値」として過信する

Lumenなどのアイトラッキング調査は、専用のパネル参加者を対象とした計測が多く、自然なゲームプレイ環境とは異なる可能性があります。「ラボ環境での数値」と「実際のキャンペーン配信での数値」は乖離することがあります。実際のゲームを使用した自然環境での計測(Dentsu × Lumen 2024のラスベガス調査のような手法)への移行も進んでいますが、まだ一般的ではありません。

落とし穴3:3D環境専用の計測基準を使わない

一般的なWebディスプレイ広告の視認率基準をそのままインゲーム広告に適用すると、3D空間内の遮蔽・回転・奥行きを考慮できず、実態とずれた数値が出ます。IAB/MRC Intrinsic In-Game Advertising Measurement Guidelines 2.0(2022年8月)に準拠した計測ツールを使うことが前提です。

落とし穴4:アテンション高 = 効果高と短絡する

IABガイドラインが明記しているとおり、アテンション計測はあくまで「補完的シグナル」です。注視時間が長くても、クリエイティブが刺さらなければブランドリフトには繋がりません。Anzu × Lumen 2年間調査では、インゲーム広告のプロンプト想起率が平均49%(最高97%)であることが示されていますが、これはクリエイティブの質・キャンペーン設計にも大きく依存します。

落とし穴5:未成年データ収集の規制を見落とす

18歳未満が多く利用するゲームタイトルへの広告出稿において、フェイシャルコーディング・バイオメトリクス計測等を実施する際は、COPPA(米国子どもオンラインプライバシー保護法)等の規制によりデータ収集に制限がある場合があります。日本国内でも個人情報保護法・未成年への広告規制の観点から同様の留意が必要です。計測設計の段階で法務確認を取ることを推奨します。

インゲーム広告のアテンション計測:向いている企業・向かない企業

こんな企業・ブランドにおすすめ

  • 若年層(Z世代・α世代)・ファミリー層への認知拡大を優先課題にしている企業:ブランドロイヤルティは16歳までに形成される傾向があり(Anzu × SuperAwesome 2024研究)、早期接触のROIを定量化するためにアテンション計測が有効
  • TVCM・SNS広告の補完施策の効果を証明したい企業:APM・aCPMによるメディア横断の効率比較で、ゲーム内広告の優位性をデータで示せる
  • 「広告ブロック・スキップされない広告」を検討しているブランド:インゲーム広告の視認率98%超・APM優位性を根拠として投資判断できる
  • 食品・飲料・日用品・外食チェーンなど、広い生活者接点での認知定着を重視するFMCGブランド:Frameplay × Happydemics 2025年調査でFMCGブランドのブランドアトリビューションが業種平均比+4ポイント(出典:PR Newswire
  • アテンション指標でキャンペーン最適化を行いたいメディアプランナー・デジタルマーケティング担当者

おすすめしない企業

  • 即時コンバージョン(クリック → 購入)を主要KPIにしているパフォーマンス広告主:インゲーム広告は認知・ブランドリフト設計に向いており、直接応答型の施策には向かない
  • 計測インフラ・外部ベンダー連携なしでROIを証明しなければならない企業:アテンション計測はベンダー連携・設定コストが発生する
  • 広告接触頻度を短期間で最大化したい企業:プレイ体験への過度な介入はゲーム内広告の好感度を損なうリスクがある
  • 計測対象ユーザー層が18歳未満のみで構成されるタイトルへの出稿:規制対応・データ収集制限の観点でアテンション計測の設計が困難になる

よくある質問

Q1. インゲーム広告の視認率はなぜそんなに高いのですか?

ゲームプレイ中はユーザーが能動的に画面に集中しているためです。また、ゲーム空間内のサイネージ広告(看板・モニター型)はゲーム体験の一部として自然に溶け込む形式のため、スキップ・スクロール回避が発生しにくいという構造的な理由があります。さらに、Anzuのような主要プラットフォームはゲームエンジン深部に統合された3D広告トラッキングエンジンを使用しており、実際の視認状況を高精度に計測できます。

Q2. APMとViewabilityのどちらをKPIにすべきですか?

目的によって使い分けます。「広告が適切に表示されたか(配信品質)」の確認にはViewability、「どれだけ注目を集めたか(接触品質・ブランドリフトとの相関)」の評価にはAPMが適しています。実際の運用では、ViewabilityをベースラインKPI、APMをアテンション品質KPI、ブランドリフト調査をアウトカムKPIとして3層で管理するのが推奨です。

Q3. 日本国内でインゲーム広告のアテンション計測を実施している事例はありますか?

電通ジャパン・インターナショナルブランズが日本国内8,000人以上を対象に実施した調査(2024年)では、7種類の広告フォーマットを対象にVision AI+視線計測でアテンション指標を比較しています(出典:https://media-innovation.jp/article/2024/10/28/141864.html)。また博報堂DYグループが複数クライアントのアテンション計測横断キャンペーン評価を国内初実施しています(出典:博報堂DYホールディングス、2024年)。ただし、インゲーム広告単体に特化した日本語の公開事例はまだ限定的です。

Q4. アテンション計測ベンダーのMRC認定は必須ですか?

現時点では、MRC認定を取得しているアテンション計測ベンダーはDoubleVerifyのみ(2023年取得)です。MRC認定は第三者監査による信頼性の証明ですが、認定の有無だけで採用を決める必要はありません。重要なのは計測手法の透明性・再現性・自社の計測目的との適合性です。IAB/MRC Attention Measurement Guidelines v1.0(2025年11月)に準拠した手法を採用しているかどうかも確認すると良いでしょう。

Q5. クリエイティブによってアテンション計測結果は大きく変わりますか?

変わります。Anzu × Lumen 2年間調査では、プロンプト想起率が平均49%で最高97%という幅があることが示されており、クリエイティブ品質が数値に大きく影響します。アテンション計測は「メディアの品質」だけでなく「クリエイティブの品質」を評価するツールとしても活用でき、A/Bテストによるクリエイティブ最適化にも使えます。

Ad-Virtuaのアテンション計測対応状況と、向いている企業の条件

Ad-Virtua(アドバーチャ)は、国内400タイトル以上のスマホゲームのゲーム空間内に動画広告を配信する、インゲーム広告アドネットワークです(累計再生数8,000万回突破、2025年後半時点)。

現在公表している主要KPIは以下の通りです(出典:Ad-Virtua公式):

  • 広告想起率:通常比約1.8倍
  • 注目度:通常比約1.7倍
  • CPM:約300円(通常500円比)

これらの数値はアテンション計測で言えば「記憶・想起フェーズ」の指標に相当し、インゲーム広告がブランドリフトに寄与していることを示しています。

Ad-Virtuaのインゲーム広告が特に向いている企業の条件

  • 若年層(Z世代・α世代)・スマホゲームユーザー層への認知拡大が急務なブランド
  • TVCM・SNS広告では届きにくい「ゲーム中のユーザー」にリーチしたい企業
  • 動画素材(15秒〜30秒)を保有しており、新たな接点での活用を検討している企業
  • ゲーム体験を阻害せず「好感度」を維持しながら認知を広げたい食品・飲料・日用品・外食ブランド
  • 週あたり30万円(1週間300,000円プラン)から検討できる予算感の企業

アテンション計測の具体的な計測設計・KPI設定についてのご相談は、Ad-Virtuaまでお問い合わせください。

まとめ:インゲーム広告のアテンション計測を3層で設計する

インゲーム広告のアテンション計測を正しく設計するための要点を整理します。

  1. Viewabilityは起点であり、KPIの終点ではない:インゲーム広告は視認率98%超を標準的に達成できるが、「表示された」と「見られた」は別の話
  2. APM(注視秒数/1,000imp)が実務で最も使いやすいアテンション指標:異なるメディア・フォーマット間の効率比較に使える。デジタル平均比+29%がインゲームの現在のベンチマーク(Anzu H1 2025)
  3. 2025年11月のIAB/MRC Attention Measurement Guidelines v1.0が業界標準:4つのアプローチ(データシグナル・アイトラッキング・生理計測・パネル調査)を組み合わせて使う
  4. MRC認定取得済みのアテンション計測ツールはDoubleVerifyのみ(2025年末時点):ベンダー間の数値を直接比較する際は手法の違いに注意
  5. フェーズ別KPI設計:認知(Viewability + APM)→ 記憶・想起(Attentive Seconds + ブランドリフト)→ 態度変容(感情反応 + 購入意向)の3層で設計する
  6. アテンション高 ≠ 広告効果高:必ずブランドリフト・購入意向変化と組み合わせて評価する

ゲーム内広告の全般的な仕組みや種類については、ゲーム内広告とは|仕組み・種類・効果を解説もあわせてご覧ください。費用・料金の相場についてはゲーム内広告・メタバース広告の費用・料金相場で詳しく解説しています。