ごっこランドとゲーム内広告は、ターゲット年齢層・費用構造・効果の方向性が根本的に異なる施策です。前者は2〜9歳の子どもと保護者への長期的な情緒的つながりを作り、後者は10〜30代の若年層への認知・広告想起を短期から積み上げる手段です。
この記事では、マーケティング担当者が「どちらを選ぶか、あるいは組み合わせるか」を判断できるよう、費用・効果・向き不向きを中立的に整理します。
この記事でわかること
- ごっこランドとゲーム内広告の本質的な違い(年齢層・費用・効果の方向性)
- それぞれに向いている企業・向いていない企業の条件
- ターゲット・目標・予算の3軸から選ぶ判断フレームワーク
食品・飲料・日用品・外食など生活接点の広い企業で、若年層・ファミリー層への認知施策を検討しているマーケティング担当者を主な読者として想定しています。
ごっこランドとゲーム内広告:主な違いを先に確認する
2サービスの概要を先に表で比較します。詳細は後の各セクションで解説します。
比較項目 | ごっこランド | ゲーム内広告(Ad-Virtua型) |
|---|---|---|
サービスの性質 | 企業のお仕事体験ゲームを開発・掲載する体験型ブランドマーケティング | ゲーム空間内の看板・モニターに動画広告を配信するアドネットワーク |
対象年齢層 | 2〜9歳の子ども+30〜40代の保護者 | 主に10〜30代(Z世代・若年層) |
広告の性質 | コンテンツそのものがブランド体験(ゲーム内に広告表示なし) | ゲームプレイを中断しないサイネージ型動画広告 |
費用目安 | 月額約100万円、最短2年契約(合計2,400万円〜)※1 | 1週間30万円〜(CPM約300円)※2 |
開始までの期間 | コンテンツ開発に約6〜7か月 | 最短即日(既存動画素材利用時) |
効果の方向性 | 情緒的なつながり・ロイヤルティ・第一想起の長期育成 | 認知拡大・広告想起率の向上(認知〜想起フェーズ) |
主なKPI実績 | 第一想起率+49%、好感度+42%、企業認知度+35%(ブランドリフト調査平均)※3 | 広告想起率1.8倍(33%→58%)、視認率最大96%、CPM約300円 ※4 |
向いている商材 | 食品・飲料・交通・インフラ等、子ども×家族の接点が重要な商材 | 食品・飲料・アパレル・エンタメ等、Z世代への認知を広げたい商材 |
※1 月額100万円・最短2年の根拠:IPO申請資料・日経クロストレンド記事(2024年確認)。2026年現在の最新料金は公式問い合わせ推奨。
※2 Ad-Virtua公式サイト・公式コラムより(確認日:2026-04-11)。
※3 ごっこランド出展前後のブランドリフト調査平均値。宣伝会議記事・公式媒体資料より(確認日:2026-04-11)。
※4 Ad-Virtua公式コラムより(確認日:2026-04-11)。
ごっこランドとはどんなサービスか

ごっこランドは、株式会社キッズスター(2024年9月 東証グロース上場、証券コード:248A)が提供する知育アプリです。実在する企業のお仕事体験・サービス体験を「ゲーム化したコンテンツ(パビリオン)」として掲載し、子どもが自発的に遊ぶことでブランドと長期的な関係を築く仕組みです。
最大の特徴は「広告を見せるのではなく、体験をコンテンツとして提供する」点にあります。アプリ内に広告表示はなく、ゲームそのものがブランド体験として機能します。
ごっこランドの主な指標
- 累計ダウンロード数:850万以上(2026年4月時点、公式LPより)
- 月間プレイ回数:2,000万回以上(公式サイト・宣伝会議記事より)
- 親子同時プレイ率:約8割(公式サイトより)
- 出展企業・団体:93社97店舗以上(日経クロストレンド・公式資料 2024年確認)
- 国内ファミリー家庭への浸透率:約1/3(公式パートナーページより)
出展企業には明治、日清オイリオ、キユーピー、みずほ銀行、伊藤ハム、ライオン、スシローなど、食品・飲料・金融・外食を中心に幅広い業種が名を連ねています。
事例(伊藤ハム):「あさごはんをつくろう」パビリオンを2021年7月から提供し、3年以上経過した現在も継続中。プレイ回数が想定以上に伸びたと評価されています。
事例(鎌倉パスタ):「ゲームで興味を持って来店する新規顧客獲得につながっている」という評価が寄せられています。
ごっこランドの主な注意点
- パビリオン開発に約6〜7か月のリードタイムが必要で、即時展開は不可
- 対象は2〜9歳の子どもとその保護者に限定されるため、それ以外の年齢層へのリーチは基本的に期待できない
- 最低契約期間は初回2年間が前提。中長期のコミットを前提とした施策設計が必要
- 子ども向けコンテンツとして適切な内容・表現への変換が必要なため、メッセージの自由度は限られる
ゲーム内広告(サイネージ型)とはどんなサービスか

本記事で比較対象とするのは、ゲーム内広告のうちサイネージ型と呼ばれるタイプです。ゲーム・メタバース空間内に設置された看板・モニターに既存の動画広告を配信し、ゲームプレイを妨げずに広告接触を実現します。
Ad-Virtuaは国内最大級のゲーム内広告アドネットワーク(400タイトル以上対応)として、スマートフォン向けカジュアルゲーム・RPG・パズル・アクションなど幅広いジャンルに広告を配信しています。
ゲーム内広告(Ad-Virtua)の主な指標
- 対応タイトル:400タイトル以上(2026年4月時点、公式サイトより)
- 広告想起率:業界平均33%→58%(約1.8倍)(Ad-Virtua公式コラムより)
- 視認率:最大96%(業界平均67%比、公式コラムより)
- 視聴完了率:90%超(公式コラムより)
- 好感度:約85%(公式コラムより)
- CPM:約300円(一般的なデジタル広告500円比、公式コラムより)
Z世代の約80%が毎日スマホゲームをプレイしており(平均100分/日)、この層へのリーチに強みを持ちます。また、ゲーム実況を経由したゲーム非プレイヤーへの波及効果も副次的に期待できます。
ゲーム内広告の主な注意点
- 主なリーチ層は10〜30代のため、未就学児〜小学生低学年への直接リーチは限定的
- 認知・想起向上が主目的であり、コンバージョン直結型の訴求には向かない
- 音声なしの視覚的訴求が基本(サイネージ型の場合)
- 動画素材(MP4・30秒以下・3MB以下)が必要。素材がない場合は別途制作費が発生する
2つのサービスの本質的な違い

違い①:誰に届けるか ― ターゲット年齢層
これが最も重要な選定ポイントです。
接触対象 | ごっこランド | ゲーム内広告(Ad-Virtua) |
|---|---|---|
主なリーチ層 | 2〜9歳の子ども | 10〜30代(Z世代・若年層) |
間接的なリーチ | 30〜40代の保護者(親子同時プレイ率8割) | ゲーム実況を通じてゲーム非プレイヤーへも波及 |
ごっこランドは、子どもを通じて保護者にも同時にリーチします。親子でプレイしながら食品・飲料・交通などのブランドに触れる構造であり、「子どもが好きだから家族でも選ぶ」という長期的な消費行動への影響を狙えます。
ゲーム内広告(Ad-Virtua)は、主にZ世代・若年層が多くプレイするスマートフォンゲーム内に表示されます。未就学児〜小学生低学年へのリーチは限定的ですが、10〜30代の幅広い層に認知を広げることができます。
「誰に届けたいか」が最初の選定ポイントです。 対象年齢層がずれていると、どれだけ優れたコンテンツを作っても効果は限定的になります。
違い②:いくらかかるか ― 費用と契約期間
費用と契約の柔軟性には大きな差があります。
費用項目 | ごっこランド | ゲーム内広告(Ad-Virtua) |
|---|---|---|
最低出稿単位 | 月額約100万円・最短2年(要問い合わせ)※ | 1週間30万円〜 |
2年間の累計目安 | 2,400万円〜 | 720万円〜(週1本継続の場合) |
準備・開発コスト | コンテンツ開発(6〜7か月)が別途必要 | 既存動画素材があれば追加コストなし |
テスト出稿の可否 | 実質的に難しい(開発期間・契約期間あり) | 1週間単位でのテスト出稿が可能 |
※月額100万円・最短2年の根拠:IPO申請資料・日経クロストレンド記事(2024年確認)。最新料金は公式問い合わせ推奨。
ゲーム内広告は1週間30万円から出稿できるため、「まず効果を確認してから規模を拡大したい」という企業にも対応しやすい費用構造です。対してごっこランドは長期的なブランド体験設計を前提としており、短期・スポットでの活用には向いていません。
違い③:何を変えるか ― 効果の方向性
2つのサービスは「ブランドに何をもたらすか」という点でも方向性が異なります。
効果の軸 | ごっこランド | ゲーム内広告(Ad-Virtua) |
|---|---|---|
主な効果 | 情緒的なつながり・ロイヤルティ・第一想起の長期育成 | 認知拡大・広告想起率の向上(認知〜想起フェーズ) |
効果の持続性 | 長期継続するほど深まる(継続プレイ設計) | 出稿期間中に継続的に積み上がる |
代表的なKPI | 第一想起率+49%、好感度+42%(平均値、出展前後比)※ | 広告想起率1.8倍、視認率最大96%、CPM約300円 |
効果が表れるまで | 長期(6か月以上の展開が基本) | 短〜中期(出稿開始から計測可能) |
※ごっこランドのブランドリフト調査平均値。宣伝会議記事・公式媒体資料より(確認日:2026-04-11)。
ごっこランドは「子どもがブランドを好きになり、長期にわたって親近感を持つ」設計に優れています。ゲーム内広告は「広く認知を広げ、想起率を高める」施策として機能します。どちらが優れているというわけではなく、目指す効果の方向性が異なります。
こんな企業にはごっこランドが向いている
次の条件が揃っている場合、ごっこランドの恩恵を受けやすい傾向にあります。
ごっこランドが特に合う企業
- 2〜9歳の子どもとその保護者(30〜40代)を主なターゲットとしている
- 食品・飲料・交通・インフラ・ホテルなど、ファミリーの生活接点に関わる商材を持っている
- 長期的なブランドロイヤルティ・第一想起の獲得を重視している
- 月額100万円〜の投資を2年以上継続できる予算が確保できる
- コンテンツ開発の6〜7か月のリードタイムを許容できる
ごっこランドがあまり向かない企業
- ターゲット年齢が10代以上に偏っている
- 即効性のある認知施策・短期プロモーションを求めている
- 月額100万円未満、または2年間のコミットが難しい
- 子ども向けコンテンツとして表現が難しい商材・サービス(BtoB製品、複雑な金融商品など)
こんな企業にはゲーム内広告が向いている
ゲーム内広告(Ad-Virtua型)が特に合う企業
- Z世代(10〜20代)・若年層(30代含む)への認知拡大を優先している
- TVCM・SNS広告の補完施策として新しい生活者接点を探している
- まず小規模でテスト出稿し、効果を検証してから予算を拡大したい
- 既存の動画広告素材(MP4・30秒以下)をすでに保有している
- ゲームプレイを妨げない形での広告接触(好感度を落としにくい手法)を重視している
ゲーム内広告があまり向かない企業
- 2〜9歳の未就学児・小学生低学年に特化したアプローチが必要
- 直接コンバージョン(購買・来店・資料請求)を主目的としている
- 動画素材がなく、素材制作のリソースも確保できない
- 「ブランドに深く関与させる」体験型コンテンツを求めている
ごっこランドとゲーム内広告を組み合わせる選択肢
2つの施策は競合するものではなく、補完的に組み合わせることが可能です。
- ごっこランドで未就学児〜小学生のブランドロイヤルティを育て(ファミリー世代への長期的な情緒的訴求)
- ゲーム内広告でZ世代・若年層の認知を広げる(若い購買層への認知と想起の積み上げ)
たとえば食品・飲料メーカーが「子どもから大人まで、ファミリー全体へのブランド浸透」を目指す場合、この2施策の組み合わせは整合性があります。ごっこランドは「子どものころから好きなブランド」という情緒的なつながりを育て、ゲーム内広告は「Z世代が社会人になった後も想起される認知基盤」を積み上げる役割を担います。
ただし予算・体制の問題から2施策を同時展開できないケースも多いはずです。その場合は次のセクションの判断フレームワークを参考にしてください。
選び方の3ステップ:迷ったときに確認すること
ステップ1:「誰に届けたいか」を確認する
まず自社のターゲット年齢層を明確にします。
- 2〜9歳の子どもとその保護者(ファミリー層)が主対象 → ごっこランドを検討
- 10〜30代(Z世代・若年層)が主対象 → ゲーム内広告を検討
- 両方に届けたい → 組み合わせを検討、または優先順位を決める
ステップ2:「何を達成したいか」を確認する
次に、マーケティング目標を照らし合わせます。
- 長期的な第一想起・ブランドロイヤルティを育成したい → ごっこランド
- 認知拡大・広告想起率の向上を短〜中期で実現したい → ゲーム内広告
- まず小規模にテストして効果を検証したい → ゲーム内広告(1週間〜出稿可)
ステップ3:「どれくらいのコミットができるか」を確認する
最後に、予算・期間・準備状況を照らし合わせます。
自社の状況 | 推奨 |
|---|---|
月額100万円以上・2年以上のコミットが可能 | ごっこランドを本格検討 |
まず数十万円規模でテストしたい | ゲーム内広告から開始 |
既存動画素材がある | ゲーム内広告で即日配信が可能 |
コンテンツ開発6〜7か月のリードタイムを許容できる | ごっこランドを検討 |
両方に予算を充てられる | 組み合わせを検討(年間1,500万円〜が目安) |
ゲーム内広告(Ad-Virtua)が特にハマる企業の条件
ゲーム内広告としてAd-Virtuaが特に力を発揮するのは、以下の条件が重なる企業です。
Z世代・若年層への認知拡大を優先している企業:400タイトル以上のゲームに一括配信できるため、10〜30代への広範なリーチが可能です。Z世代の約80%が毎日スマホゲームをプレイしており、この層への接点として有効です。
既存の動画広告素材を持っている企業:TVCMや動画広告素材(MP4・30秒以下)があれば、追加制作なしで最短即日配信が可能です。資産の有効活用にもなります。
CPMの費用効率を重視している企業:CPM約300円は、一般的なデジタル広告(500円〜)と比べて高い費用効率です。また好感度約85%という数値は、広告品質の観点でもブランドセーフティに貢献します。
TVCM・SNS広告の補完施策を探している企業:既存の広告チャネルとは異なる新しい生活者接点として、広告ポートフォリオの多様化に活用できます。
小規模テストから始めたい企業:1週間30万円〜の出稿が可能なため、大きなリスクなく効果検証が始められます。
ゲーム内広告の費用感や出稿条件の詳細は、ゲーム内広告の費用・料金相場で詳しくまとめています。広告の種類全体を把握したい場合はゲーム広告の7種類と効果的な活用法もあわせてご覧ください。ファミリー向けマーケティング全体の選択肢を俯瞰したい場合はファミリー向けマーケティングとは(公開予定)もご参照ください。
よくある質問
Q. ごっこランドとゲーム内広告は同じ「ゲームを使った広告」ですか?
A. 名称は似ていますが、性質は大きく異なります。ごっこランドは企業のブランド体験コンテンツそのものを開発・掲載するサービスであり、ゲーム内に広告を表示するわけではありません。ゲーム内広告(Ad-Virtua型)は、既存ゲームの空間内に動画広告を配信するアドネットワークです。「体験をコンテンツとして提供する」か「広告をゲーム空間に配信する」かという点で根本的に異なります。
Q. ごっこランドの料金は公式で確認できますか?
A. 現時点(2026年4月)では公式サイトに料金の掲載はありません。月額約100万円・最短2年という情報はIPO申請資料・日経クロストレンド記事(2024年確認)を根拠としています。最新の料金・契約条件は公式サイトのお問い合わせ窓口から確認することを推奨します。
Q. 動画素材がない場合、ゲーム内広告には出稿できませんか?
A. 動画素材(MP4・30秒以下・3MB以下)がない場合でも、別途素材を制作することで出稿できます。Ad-Virtuaでは素材制作に関する相談にも対応しています。詳細はAd-Virtua公式サイトからお問い合わせください。
Q. 食品メーカーの場合、どちらの施策が合いますか?
A. ターゲット年齢と目的次第で変わります。子ども向け商品(離乳食・子ども向け食品・お弁当など)で長期的なブランドロイヤルティを育てたい場合はごっこランドが向いています。若年層向け商品(飲料・スナック・即席食品など)でZ世代への認知を広げたい場合や、まず小規模でテストしたい場合はゲーム内広告が適しています。
Q. 2つの施策を同時に使う場合の予算感はどのくらいですか?
A. ごっこランドが月額約100万円〜(最短2年)、ゲーム内広告が週30万円〜という費用構造を踏まえると、両施策を本格的に展開する場合の目安は年間1,500万円以上です。まずゲーム内広告で小規模テストを行い、効果を確認した上でごっこランドへの追加投資を検討するアプローチも現実的です。


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