40〜60代へのリーチ手段としてゲーム内広告は有効か。結論から言えば、カジュアルゲームを活用したゲーム内広告は、シニア・ミドル層へのアプローチ手段として十分に検討できる選択肢だ。50代のスマホゲーム毎日プレイ率は72.0%と全年代でトップであり(クロス・マーケティング「ゲームに関する調査2025年スマホゲーム編」)、「ゲームは若者のもの」という前提が崩れていることをまず把握しておきたい。
この記事でわかること:
- 40〜60代のスマホゲーム利用実態と年代別データ
- シニア・ミドル層に人気のカジュアルゲームジャンルと広告接触環境
- ゲーム内広告の種類・費用相場とフォーマット別の特性比較
- シニア・ミドル層向け広告のKPI設計と費用試算の考え方
- ゲーム内広告が合う企業・合わない企業の判断基準
食品・日用品・外食・交通・インフラなど、40〜60代の生活者を顧客に持つ企業のマーケティング担当者を主な対象として書いている。
「シニア・ミドル層はゲームをしない」は思い込みだった

40〜60代はゲームをしないというイメージは、データで見るとすでに過去の話だ。日本のスマホゲーム利用実態を年代別に整理すると、ミドル・シニア層の利用率と継続率の高さが際立つ。
年代別スマホゲーム毎日プレイ率(出典:クロス・マーケティング「ゲームに関する調査2025年スマホゲーム編」、確認日:2026-04-22)
年代 | 毎日プレイ率 | 全年代での位置づけ |
|---|---|---|
50代 | 72.0% | 全年代トップ |
60代 | 68.0% | 全年代3位 |
全体平均 | 約66% | 参考値 |
50代の毎日プレイ率が全年代でもっとも高いという事実は、直感に反するかもしれない。しかし背景を考えると納得しやすい。40〜60代は通勤電車の移動時間、昼休み、就寝前のリラックス時間など、スマホを手に持つ場面が多い。仕事の拘束が大きいぶん、スキマ時間にパズルゲームや位置情報ゲームで気分転換するという習慣が根付いている。
また、ゲーム人口に占める年代構成も見逃せない。50歳以上が日本のゲーム人口の約27%を占めるという調査結果がある(参考:INTAGE「ゲーム人口2024」、確認日:2026-04-22)。推定人口ベースでは40代が約507万人、50代が約392万人、60代が約161万人のオンラインゲーム人口と推計されている(JAAA REPORTS「第8回 日本の中高年はゲーム好き?」、確認日:2026-04-22)。
広告主にとってとくに注目すべき点がある。50代以上がゲームを新たにダウンロードするきっかけとして「インターネット広告」を挙げる割合が、40代以下の「SNS経由」よりも高いことだ(SBペイメントサービス「スマホゲーム課金調査2025」、確認日:2026-04-22)。つまり50代以上は、ゲームプレイ中に目にした広告に対して比較的オープンな態度を持っており、広告媒体としての親和性が高いと考えられる。
40〜60代が遊ぶカジュアルゲームのジャンルと特性
シニア・ミドル層がプレイするゲームのジャンルは、若年層とは傾向が異なる。この違いを広告主視点で整理すると、リーチ設計のヒントになる。
年代・性別別の人気ゲームジャンル(出典:クロス・マーケティング「ゲームに関する調査2024年版」、アンケート分析ラボ「年代別スマホゲームジャンル調査」、確認日:2026-04-22)
セグメント | 1位ジャンル | 2位ジャンル | 備考 |
|---|---|---|---|
40代男性 | パズルゲーム(38.7%) | RPG(33.9%) | |
女性40〜50代 | パズルゲーム(約80%) | — | 全年代中最高水準 |
50代(全般) | パズルゲーム(31%) | 位置情報ゲーム | 全年代平均24%を超える |
60代(男性) | 位置情報ゲーム(Pokémon GO等) | — | |
女性全世代 | LINE:ディズニーツムツム(1位) | — |
パズルゲームがミドル・シニア層に圧倒的に支持されている。その背景には「短時間で1プレイが完結する」「ルールがシンプルで始めやすい」「無課金でも楽しめる」という点がある。実際、ミドル・シニア層は若年層よりも「無課金ゲーム・課金なしでも楽しめるもの」を選ぶ傾向が顕著だという調査結果がある(SBペイメントサービス調査2025、確認日:2026-04-22)。
カジュアルゲームのユーザー属性(出典:アプリマーケティング研究所、ハイパーカジュアルゲームレポート2024、確認日:2026-04-22)
- カジュアルゲームのユーザー平均年齢:35〜40歳前後
- 女性比率:60%超(アクションゲームは男性80%以上と対照的)
- カジュアルゲームの広告シェア:ハイパーカジュアルが34.4%、パズルが20%、シミュレーションが15.7%
カジュアルゲームは全体の平均ユーザー年齢が35〜40歳前後であり、RPGやアクションゲームと比較してミドル層との親和性が高い。ただし「カジュアルゲーム=40〜60代が多数」と断定するには注意が必要で、ジャンルやタイトルによって年齢構成は大きく異なる。出稿先を選ぶ際は、媒体側のユーザーデータを確認したうえで判断することを推奨する。
ゲーム内広告の種類と費用相場

ゲームアプリ内に配信できる広告には複数のフォーマットがある。「ゲーム内広告」という言葉はよく使われるが、実際には2種類に大別できる。
- ゲーム外広告:ゲームプレイを一時的に中断して表示する広告(インタースティシャル、リワード動画等)
- ゲーム内広告(インゲーム広告):ゲームの世界観に溶け込む形で表示する広告(サイネージ型、コラボ型等)
フォーマット別費用比較
(出典:各種業界記事・公式コラム参照、LIG株式会社調査、アプリマーケティング研究所、確認日:2026-04-22。相場値のため正式な見積もりは各媒体への問い合わせを推奨)
フォーマット | 分類 | 課金方式 | 費用相場 | ゲーム体験への影響 | シニア・ミドル層への適合性 |
|---|---|---|---|---|---|
バナー広告 | ゲーム外 | CPM | 200〜800円/千回 | 低(常時表示) | △(視認率が低め) |
インタースティシャル | ゲーム外 | CPM | 800〜1,500円超/千回 | 高(強制中断) | △(スキップされやすい) |
リワード動画 | ゲーム外 | CPV / CPM | 5〜20円/再生(CPV)、500〜1,000円/千回(CPM) | 中(ユーザー任意) | ◎(自ら選んで視聴するため好感度高) |
ゲーム内サイネージ | ゲーム内 | CPM | 約300〜400円/千回 | ほぼなし(世界観に溶け込む) | ◎(自然な接触・嫌われにくい) |
コラボ型 | ゲーム内 | 個別見積もり | 変動大 | なし | ◯(世界観一致で好感度が上がりやすい) |
CPI(インストール課金) | ゲーム外 | CPI | カジュアル:80〜150円/件 | — | — |
ゲーム内サイネージ型はゲームの世界観に看板・モニターとして広告を溶け込ませるフォーマットで、プレイを中断しない点がシニア・ミドル層を含む全世代に受け入れられやすい。リワード動画は「視聴して特典を得る」という仕組みがユーザーの任意性を担保するため、これも好感度を維持しやすい。
一方、インタースティシャルはゲームを強制中断するため、嫌悪感を持たれるリスクがある。カジュアルゲームをスキマ時間に楽しんでいるミドル・シニア層に対しては、体験を阻害しないフォーマットを優先的に選ぶほうが得策だ。
詳細な費用感については「ゲーム内広告・メタバース広告の費用・料金相場」もあわせて参照いただきたい。
シニア・ミドル層向けゲーム内広告のKPI設計

ゲーム内広告でシニア・ミドル層にアプローチする場合、KPIの設計は通常のデジタル広告と考え方が異なる。クリック率(CTR)を主要指標にすると、実態と乖離しやすい。
推奨KPI:認知・想起・好感度
ゲーム内広告(とくにサイネージ型)は、クリックではなく「視認して認知を積む」タイプの広告接触だ。テレビCMや屋外広告(OOH)と同じ設計思想で考えるとわかりやすい。
参考値として公開されている指標(出典:Ad-Virtua公式サイト、確認日:2026-04-22。調査機関・比較対象・調査時期は現時点では未確認のため参考値)
- 広告想起率:約1.8倍
- 注目度:約1.7倍
- 広告好感度:約85%
これらの指標が示すのは、ゲーム内広告が嫌悪感なく見られているという傾向だ。とくにシニア・ミドル層は、若年層よりも広告リテラシーが高く、強制視聴型の広告を嫌う傾向がある一方、「自分が楽しんでいるコンテンツの中に自然に存在する広告」には比較的寛容とされる。
KPI設計の例(認知施策として活用する場合)
KPI | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
CPM | 1,000回あたりの広告接触コスト | 300〜400円/千回が目安(サイネージ型参考値) |
広告想起率 | 配信後のブランドリフト調査 | 事後調査が必要 |
好感度 | 広告接触後のブランド印象変化 | ブランドリフト調査で測定 |
再生完了率 | 動画広告の場合 | 15〜30秒素材推奨 |
リーチ数(月間) | 週次予算から逆算 | 下記の費用試算参照 |
費用設計の考え方:週次予算と月間リーチ試算
実際にゲーム内広告でシニア・ミドル層にリーチする場合の費用感を、公開情報をもとに試算する。以下はあくまで参考値であり、正式な費用は各媒体・プラットフォームへの問い合わせが必要だ。
Ad-Virtuaの場合(参考例)
(出典:Ad-Virtua公式サイト、2026-04-22確認)
- 最低出稿金額:300,000円/週
- 初期費用:なし
- 翌日配信:対応可能
- CPM目安:約300〜400円/千回
月間リーチ試算(参考)
週30万円 × 4週 = 月120万円の出稿で、CPM300円換算なら月間約400万インプレッションに相当する計算となる。実際の配信量は在庫・枠の状況によって変動する。
月次予算 | CPM300円換算のインプレッション数(参考) |
|---|---|
120万円(週30万×4週) | 約400万回 |
240万円(週60万×4週) | 約800万回 |
480万円(週120万×4週) | 約1,600万回 |
※上記はCPM300円を用いた概算値。実際の配信数は枠在庫・入札状況により変動する
テレビCMとの費用対比
テレビCMと比較した場合、ゲーム内広告はスポット単価が低く・ターゲティングが柔軟・短期間から試せるという特徴がある。40〜60代向けのテレビCM1本制作・放映コストと比較すると、スモールスタートでの効果検証がしやすい点は予算規模に関わらず利点になる。
こんな企業に向いている・向いていない企業
ゲーム内広告(カジュアルゲーム経由でシニア・ミドル層へリーチ)が向いている企業
- 生活接点の広いナショナルブランド:食品・飲料・日用品・外食チェーン・交通・インフラ・ホテルなど、40〜60代が顧客層に含まれる企業
- TV広告の補完施策を探している企業:テレビ離れが進む中で、ミドル・シニア層への新しい接点をデジタルで確保したい場合
- 認知・ブランド好感度を高めたい企業:クリックや直接CVよりも、接触回数と印象形成を重視しているケース
- 嫌われにくい広告体験でブランドイメージを守りたい企業:インタースティシャルや追跡型広告への反発を気にしている場合
- スモールスタートで効果を確認したい企業:週単位から試せるため、年間予算が大きくなくてもテストできる
向いていない企業
- 40〜60代限定ターゲティングが必須の企業:現時点では、ゲーム内広告で年齢層を精緻にターゲティングする手段は限定的。媒体によってはユーザー属性指定ができない場合もある
- 即時CVや直接的な購買行動を期待している企業:ゲーム内サイネージ型は認知・好感度形成の施策。クリックからの直接購買を期待するフォーマットではない
- ゲームユーザー以外の高齢者(70代以上)に絞って届けたい企業:60代後半〜70代以上になるとスマホゲーム利用率が低下するため、リーチできる母集団が限られる
- 長尺動画コンテンツでの説明が必要な商材:ゲーム内サイネージは30秒以内の素材が前提。複雑な説明が必要な金融・保険等には適合しにくい場合がある
Ad-Virtuaが合うケースと活用イメージ
ゲーム内広告プラットフォームとしてAd-Virtuaを検討する場合、どのようなケースに合っているかを整理する。
Ad-Virtua(アドバーチャ)の概要(出典:Ad-Virtua公式サイト、2026-04-22確認)
- 対応タイトル数:400以上(カジュアル・RPG・パズル・アクション等)※最新の対応タイトル数は公式サイトを確認のこと
- 累計再生数:8,000万回突破(2025年後半時点、公式サイト掲載値)
- フォーマット:ゲーム空間内の看板・モニターに動画を配信するサイネージ型
- 素材要件:MP4形式・3MB以下・16:9・30秒以内
- 最低出稿金額:300,000円/週(初期費用なし)
Ad-Virtuaが合うケース
- TV広告の補完でミドル・シニア層への新接点を作りたい食品・日用品メーカー
→ テレビでリーチしにくくなった40〜60代の可処分時間が集まるゲームアプリに、TV素材を流用しやすいサイネージ型で配信する施策として検討しやすい - 嫌われにくい広告体験でブランド好感度を上げたい企業
→ ゲーム世界観に溶け込む看板型広告は、プレイを妨げず自然な接触を生む。公式参考値として好感度約85%という数値が示されている(調査元・比較対象は要確認) - パズルゲーム・カジュアルゲームのユーザー層と顧客層が重なる企業
→ 女性40〜50代のパズルゲーム利用率が高い点を踏まえると、この層を主要顧客に持つ企業(食品・化粧品・日用品等)との親和性がある
なお、Ad-Virtuaの公式が現時点でシニア・ミドル層専用のメニューや専用パッケージを明示している訳ではないため、詳細なターゲット設計については直接問い合わせのうえ確認することを推奨する。
ゲーム内広告の詳細な仕組みや種類については「ゲーム内広告とは:種類・効果・活用事例を解説」で詳しく解説している。
よくある質問(FAQ)
Q. ゲーム内広告は50代・60代に本当に届くのか?
A. スマホゲームの利用実態データでは、50代の毎日プレイ率は72.0%と全年代でもっとも高い(クロス・マーケティング調査2025)。ただし「どのゲームタイトルに何歳のユーザーが多いか」は媒体によって異なるため、出稿前に配信先タイトルのユーザー年齢構成を確認することが重要だ。
Q. シニア・ミドル層向けに特化した広告フォーマットはあるか?
A. 現時点では年齢層を精緻にターゲティングするゲーム内広告専用のフォーマットは一般的に少ない。シニア・ミドル層へのリーチを狙うなら、彼らが多く利用するパズルゲーム・位置情報ゲーム等のジャンルに絞って出稿先を選定するアプローチが現実的だ。
Q. テレビCMとゲーム内広告、どちらが40〜60代に有効か?
A. テレビCMは依然として40〜60代へのリーチ力が高いが、視聴習慣の変化と費用の観点からゲーム内広告を補完施策として組み合わせる選択肢が増えている。「TV+ゲーム内広告」のマルチタッチで接触回数を積む設計が一般的だ。ゲーム内広告は週単位からスモールスタートできる点も補完施策として検討しやすい理由のひとつ。
Q. ゲーム内広告の効果をどう測定すればよいか?
A. サイネージ型は直接クリックを期待しないフォーマットのため、測定指標はインプレッション数・CPM・ブランドリフト調査(広告想起率・好感度)が主流だ。配信後のブランドリフト調査を設計しておくと、認知・好感度への貢献度を可視化しやすくなる。
Q. 最低出稿予算の目安は?
A. ゲーム内広告の最低出稿金額はプラットフォームによって異なる。Ad-Virtuaの場合は週300,000円から(公式サイト掲載値、2026年4月確認)。予算規模に応じて月単位・期間単位での出稿設計を媒体担当者と相談するとよい。
まとめ:シニア・ミドル層へのゲーム内広告、まず押さえるべきポイント
- 50代の毎日プレイ率72%、50歳以上がゲーム人口の約27%:シニア・ミドル層はすでに主要なゲームプレイヤー層になっている
- パズルゲームがシニア・ミドル層に圧倒的人気:40〜50代女性で約80%、40代男性で38.7%がパズルゲームを選ぶ
- 50代以上はインターネット広告でゲームを発見する:SNS経由よりも広告接触からのゲームダウンロードが多く、広告との親和性が高い
- フォーマット選びが重要:体験を阻害しないゲーム内サイネージ型・ユーザー任意のリワード動画が好感度を維持しやすい
- 認知・好感度をKPIに設定する:クリック数ではなく、接触回数・ブランドリフトで効果を測る設計が適切
- スモールスタートで効果検証できる:週単位から出稿できるプラットフォームがあり、TVの補完施策として試しやすい
40〜60代へのリーチ課題をお持ちの場合は、ゲーム内広告の具体的な活用可能性を専門家に確認することをお勧めする。
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