ゲーム内広告(サイネージ型)は、ユーザー好感度約85%・視認率最大96%・広告想起率1.8倍・注目度1.7倍という、他のデジタル広告では到達しにくい効果指標を実証している広告手法です。本記事は「ゲーム内広告の効果データそのものを根拠付きで把握したい」担当者向けに、第三者調査と国内導入実績の数値を整理しました。
稟議資料・社内提案でそのまま使える形で、各指標の測定方法・出典・業界別の傾向をまとめています。広告施策全体の中での位置付けは 広告とは|種類・効果・選び方の完全ガイド を、媒体としての全体像は ゲーム内広告とは?仕組み・費用・効果を完全解説 を、KPI設計の枠組みは 広告効果とは|KPI設計と測定方法 を併せて参照してください。
主要効果指標サマリー(一覧表)

ゲーム内広告(サイネージ型)の代表的な効果指標を、Web広告ベンチマークと並べて整理します。
指標 | Web広告ベンチマーク | ゲーム内広告 | 倍率 |
|---|---|---|---|
視認率(Viewability) | 約67〜78% | 最大96〜98% | 約1.3〜1.4倍 |
自発的広告想起率(Unaided Recall) | 33% | 48% | 約1.5倍 |
誘導広告想起率(Aided / Prompted Recall) | 約33〜35% | 49%(最大97%) | 約1.4倍 |
注目度(1,000imp換算) | 17.5分相当/平均2.9秒 | 29分相当/平均3.1秒 | 約1.1〜1.7倍 |
広告想起率(総合) | ベンチマーク | 約1.8倍 | 1.8倍 |
購入意向リフト | — | 最大+18pt | — |
ブランド選好リフト | — | +7pt | — |
ユーザー好感度 | (データ非公開) | 約85% | — |
CPM | 約500円(動画広告平均) | 約300円 | 約0.6倍 |
媒体ROI | — | 平均4.5倍/最大5.4倍 | — |
出典:TalkTalk調査、Lumen × Dentsu × Anzu × Twitch × Activision Blizzard共同研究(2024)、Ad-Virtua実績データ。詳細な測定設計は ゲーム内広告のブランドリフト効果測定ガイド で解説しています。
これらの数値は、ゲーム内広告が「視認はされても記憶に残らない広告」から「視認も記憶も両立する広告」へ転換する手段であることを示しています。広告効果の指標体系全体については 広告効果とは|KPI設計と測定方法 を参照してください。
好感度85%の根拠と仕組み

数値の出どころ
ゲーム内広告に対するユーザー好感度約85%という数値は、サイネージ型広告(ゲーム空間の看板・モニターに表示する形式)が「プレイを中断させない」設計であることに起因します。Ad-Virtuaの導入実績および第三者ユーザー調査において、「ゲーム体験を阻害しない」「世界観に違和感がない」と回答する割合が約85%に到達しています。
「嫌われない」構造の3要素
好感度を構成している要素を分解すると以下の3点に整理できます。
- 任意接触:ユーザーがゲーム進行を続けながら自然に視認する。広告を見るために操作を止める必要がない
- 世界観との一致:ゲーム空間の看板・サイネージという文脈に沿うため、広告が「異物」として認識されにくい
- 強制中断の不在:インタースティシャル広告(画面遷移時の全画面表示)やリワード広告(動画視聴強制)と異なり、ゲーム進行を遮断しない
同じ「ゲームアプリ内に表示される広告」でも、強制中断型は離脱・嫌悪反応を生みやすく、好感度に大きな差が出ます。フォーマット別の特性比較は ゲームアプリ広告 媒体選定ガイド を参照してください。
広告ブロック時代における優位性
ブラウザ・モバイル広告ブロッカーの利用率が高いZ世代に対しても、ゲーム内サイネージ広告はゲームクライアント内で描画されるためブロックを回避できます。「広告自体に到達しない層」へのリーチ手段としても、好感度の高さは重要な差別化要因です。
視認率96%の測定方法と背景
測定の出典
視認率最大96%という数値は、イギリスの通信会社TalkTalkがWeb広告のベンチマーク(視認率約67%)と比較した調査に基づきます。Web広告のIAB標準視認率(広告面積の50%が1秒以上表示)を、ゲーム内広告でも同様の基準で測定した結果です。
さらに、Lumen Researchが実施したゲーム内広告アテンション調査では、ゲーム内広告のViewabilityは98%(Lumenデジタル広告ノーム78%比)と報告されており、視認率96%という数字はグローバルの直近研究とも整合しています。
高視認率を支える3つの要因
ゲーム内広告の視認率がWeb広告平均を29ポイント以上上回る背景には、以下の構造的特性があります。
- 画面占有率:スマートフォンゲーム画面では、サイネージ広告がプレイ視野の中央近くに配置されるケースが多く、面積比率がWebバナー広告より大きい
- 滞在時間:1セッションのプレイ時間が平均10〜30分と長く、広告が画面内に残る秒数が長い
- アドフラウド耐性:ゲームクライアント内で描画されるため、ボットによる虚偽インプレッションが発生しにくい

詳しい測定原理と注目度(Attention)指標との関係は ゲーム内広告のアテンション指標とは と アテンション指標の広告効果測定ガイド でも整理しています。第三者検証はIAS(Integral Ad Science)・DoubleVerifyがゲーム内広告のViewability計測に対応しており、稟議資料への引用に耐える検証体制が整いつつあります。
注意点:ゲームタイトル・配置位置で変動する
視認率96%はあくまで「最適配置時の最大値」です。実際の数値はゲームタイトル・配信枠・配置位置(交差点・集合広場・待機エリアなど)によって変動します。配信前に対象ゲームのプレイ動線を確認し、視認率の見込みを試算しておくことが重要です。
広告想起率1.8倍・注目度1.7倍のデータ

想起率1.8倍の意味
ゲーム内広告の総合的な広告想起率は、Web広告ベンチマーク比で約1.8倍を実証しています。内訳は以下の通りです。
- 自発的想起(Unaided Recall):48%(ベンチマーク33%)— ヒントなしでブランドを思い出せる割合
- 誘導想起(Aided / Prompted Recall):58% — カテゴリ提示後にブランドを想起できる割合
- Lumen調査値(Prompted Recall平均):49%(最大97%)— Dentsu × Lumen × Anzu × Twitch × Activision Blizzard共同研究
自発的想起率は、TVCMや屋外広告など他媒体との比較でも高い水準にあります。広告想起は購買意向・第一想起の前段階に位置する重要KPIであり、認知広告の効果を示す代表指標です。
注目度1.7倍の意味
注目度(Attention)は、1,000インプレッション当たりの「実際に広告が注目された秒数」を示す指標です。ゲーム内広告は29分相当に対し、Web広告平均は17.5分相当で、約1.7倍の注目度を獲得しています。
Lumenが世界各国のゲーマーを対象に実施したアテンション研究では、ゲーム内広告の平均注視時間は3.1秒(Lumenのデジタル広告平均2.9秒)と報告されており、視線追跡ベースの計測でも他デジタル媒体を上回ることが確認されています。
2025年11月にIAB(Interactive Advertising Bureau)とMRC(Media Rating Council)がAttention Measurement Guidelinesを標準化したことで、視認率(Viewability)から注目度(Attention)への業界トレンド移行が加速しています。Attention指標を用いた広告は平均41%高いブランドリフト・55%強い下層ファネル成果が報告されており、ゲーム内広告はこの潮流と整合する媒体です。
ブランド選好・購入意向リフト
注目度の高さは下流KPIにも波及します。Lumen × Dentsu共同研究では、グローバル旅行ブランドのゲーム内広告クリエイティブで以下のリフトが計測されました。
- ブランド選好(Brand Choice)リフト:+7pt(Trackmaniaプレイヤー対象)
- 購入意向(Purchase Consideration)リフト:+18pt(広告接触群 vs 非接触群)
注視時間が長いほど、認知・想起・選好・行動意向の全段階で統計的に有意なリフトが観測されており、注目度とブランドアウトカムの強い相関が学術的にも裏付けられています。
ブランドリフト測定との接続
広告想起率・好感度・購入意向は、ブランドリフト調査(事前事後アンケート)で測定する3大指標です。ゲーム内広告では出稿前に試算し、出稿後に第三者調査で検証する設計が標準化されつつあります。試算と測定の進め方は以下の記事で詳細を解説しています。
業界別の効果実績
食品・飲料メーカー
実績の代表例として、KONAMI「実況パワフルプロ野球」「プロ野球スピリッツA」シリーズのバーチャル球場内サイネージ広告に、日本コカ・コーラ・大正製薬・明治安田生命・味の素・サントリーが出稿しています。慶應義塾大学・ニールセンスポーツとの共同調査では、目立つ位置のサイネージ広告がユーザーに認識されていることが確認されました。
飲料メーカーの新商品認知キャンペーンでは、ゲーム内サイネージ広告にオリジナルゲーム制作・インフルエンサー連動を組み合わせた事例で、新商品認知率が目標の2倍・プレイ回数50万回超を実現しています。食品・飲料領域の戦略設計は 食品・飲料メーカーのゲーム内広告 活用ガイド を、若年層リーチの全体像は 食品・飲料の若年層リーチ戦略 を参照してください。
日用品・FMCG
日用品メーカーは「Z世代男性へのリーチ」が課題になりやすい業界です。テレビCM・SNS広告で到達しにくい層に対し、ゲーム内サイネージはCPM約300円で大規模リーチを実現できる点が稟議数値として活用されています。
自動車・モビリティ
グランツーリスモシリーズに代表されるレースゲームでは、実在のサーキット沿いにスポンサー看板を配置することで、ゲームのリアリティを補強しながらブランド露出を実現しています。
インフラ・通信
通信業界の事例として、Vodafoneのゲーム内ディスプレイ広告は、ブランド検討意向(consideration)で20%リフト(業界平均4%比)、キャンペーン認知176%リフト(業界平均27%比)を達成しています。
業種別の成功パターンと費用感は ゲーム内広告 国内成功事例10選 で詳しく解説しています。
効果測定とKPI設計のポイント

測定すべき主要KPI
ゲーム内広告の効果検証で最低限押さえるべきKPIは以下です。
KPI | 役割 | 推奨水準 |
|---|---|---|
視認率 | 広告が物理的に見られた割合 | 80%以上を目標 |
自発的広告想起率 | ブランド名を自力想起できる割合 | 30%以上 |
誘導広告想起率 | カテゴリ提示後の想起率 | 50%以上 |
注目度(Attention) | 1,000imp当たり注目秒数 | Web広告比1.5倍以上 |
ブランド好意度 | 「好き」「信頼できる」回答率 | 配信前比+10pt以上 |
購入意向 | 「買いたい」回答率 | 配信前比+5pt以上 |
CPM | 1,000imp当たり費用 | 300〜500円 |
媒体ROI | 広告投資対効果 | 4倍以上 |
改善サイクルの回し方
データを継続的に活用するには、以下のサイクルが有効です。
- 配信前:ターゲット層と配信ゲームのマッチング、想起率の事前予測
- 配信中:視認率・インプレッション数の途中モニタリング
- 配信後:第三者ブランドリフト調査で想起率・好感度・購入意向を測定
- 次回設計:高効果ゲームタイトル・クリエイティブを次回配信に反映
ジャンルとブランドターゲットのマッチング精度が効果の大半を決めます。スポーツ・レース・オープンワールド系は世界観への溶け込みが容易で、現実の看板広告との親和性が高い傾向があります。
こんな企業におすすめ・おすすめしない企業
ゲーム内広告の効果データを活用すべき企業
- 若年層・Z世代への認知拡大を稟議で通す必要がある:好感度85%・視認率96%・想起率1.8倍は決裁者向けの根拠数値として機能
- テレビCMの補完施策を数値根拠付きで提案したい:注目度1.7倍・CPM300円が補完媒体としての説得力を提供
- ブランドリフトを定量測定して次回予算を確保したい:第三者調査と組み合わせた継続最適化が可能
- 食品・飲料・日用品・自動車・通信など生活接点の広いブランド:業界別の実証データが豊富
- 広告ブロッカー回避が必要なZ世代向け施策を探している:ゲームクライアント内描画でブロック耐性
効果データだけで判断すべきでない企業
- 直接コンバージョン(クリック・購入)が最重要KPIの企業:認知・ブランドリフト中心の指標体系であり、レスポンス型運用には不向き
- ターゲットがゲームプレイヤー層と乖離している:高齢層のみが対象の場合、リーチ効率が下がる
- 動画素材を準備できない企業:サイネージ型は動画広告が前提。静止画のみでは別フォーマット検討が必要
- 短期キャンペーン(2週間未満)のみで成果を求める:ブランドリフト測定には4週間以上の配信が望ましい
よくある質問(FAQ)
Q1. 好感度85%・視認率96%の数値は何を出典としていますか?
視認率96%・想起率1.8倍はイギリスの通信会社TalkTalkが実施した調査が出典です。視認率はLumen Researchのアテンション調査でも98%(デジタル広告ノーム78%比)と報告されており、グローバルでも整合する水準にあります。好感度約85%はAd-Virtuaの導入実績および第三者ユーザー調査に基づきます。CPM約300円・媒体ROI平均4.5倍はAd-Virtuaの自社実績データです。詳細は本記事末尾の「数値の出典一覧」を参照してください。
Q2. これらの数値は自社でも再現できますか?
ゲームタイトル・配置位置・クリエイティブ・配信期間によって変動するため、平均値として再現するには配信設計が重要です。Ad-Virtuaでは配信前にブランドリフト事前予測を実施し、配信後に第三者ブランドリフト調査で検証する標準フローを提供しています。詳しくは ゲーム内広告のブランドリフト効果測定ガイド を参照してください。
Q3. 視認率と注目度(Attention)はどう違いますか?
視認率(Viewability)は「広告が画面内に1秒以上表示された割合」、注目度(Attention)は「実際にユーザーがどれだけ注目したかの秒数」です。IAB/MRCが2025年11月にAttention Measurement Guidelinesを標準化し、Attentionが業界の主流指標になりつつあります。詳細は アテンション指標の広告効果測定ガイド で解説しています。
Q4. CPM約300円は他媒体と比べてどう評価できますか?
動画広告平均500円と比較して約60%の水準です。視認率・想起率を加味した「想起1件当たり費用」では、Web動画広告比でさらに大きな効率差が生まれます。媒体ROI平均4.5倍は、認知広告として稟議に通る水準として活用されています。
Q5. ブランド選好・購入意向のリフト幅はどの程度期待できますか?
Lumen × Dentsu × Anzu × Twitch × Activision Blizzard共同研究では、ブランド選好で+7pt、購入意向で+18ptのリフトが計測されています。ただしクリエイティブ・配信ゲーム・配信期間に大きく依存するため、配信前の事前予測と配信後の第三者調査をセットで設計することを推奨します。
Q6. 効果データを稟議資料に転載してもいいですか?
本記事に記載した数値はすべて出典を明記しています。社内資料での引用時は出典名(TalkTalk調査、Lumen × Dentsu × Anzu共同研究、Ad-Virtua実績、IAB/MRC等)を併記することを推奨します。Ad-Virtuaの実績数値を提案資料に活用したい場合は、最新版の効果データを個別にご提供できます。
まとめ
ゲーム内広告(サイネージ型)の効果指標は、好感度85%・視認率96%・広告想起率1.8倍・注目度1.7倍・CPM300円・媒体ROI平均4.5倍と、認知・ブランドリフト領域で他媒体を上回る水準を実証しています。Lumen × Dentsu × Anzu共同研究でもViewability 98%・Prompted Recall 49%(最大97%)・購入意向+18ptと、グローバルの直近研究で再現性が確認されています。
これらの数値の背景には「プレイを中断させない」設計思想と、ゲームクライアント内描画による広告ブロック耐性、世界観への自然な溶け込みという構造的優位があります。2025年11月のIAB/MRC Attention Measurement Guidelines標準化により、視認率から注目度への業界トレンド移行が加速しており、ゲーム内広告はこの流れと整合する媒体として位置づけられます。
特に食品・飲料・日用品・自動車・通信など、若年層への認知拡大を課題とするブランドにとって、ゲーム内広告は決裁者向けの数値根拠を備えた認知施策です。媒体としての全体像は ゲーム内広告とは、業種別の事例は ゲーム内広告 国内成功事例10選 を参照してください。広告施策全体での位置付けは 広告とは と 広告効果とは で整理しています。
数値の出典一覧
本記事で参照した一次資料・実証データを以下に整理します。社内資料・稟議書での引用時にご活用ください。
出典 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
TalkTalk(イギリスの通信会社)調査 | 視認率最大96%/自発想起48%/誘導想起58%/注目度29分相当 | Web広告ベンチマーク(視認率67%)との比較研究 |
Lumen × Dentsu × Anzu × Twitch × Activision Blizzard 共同研究(2024) | Viewability 98%/Prompted Recall 49%(最大97%)/平均注視時間3.1秒/ブランド選好+7pt/購入意向+18pt | 視線追跡ベースのアテンション計測 |
IAB(Interactive Advertising Bureau)/MRC(Media Rating Council) | Attention Measurement Guidelines(2025年11月) | 業界標準化の最新ドキュメント |
Ad-Virtua実績データ | 好感度約85%/CPM約300円/媒体ROI平均4.5倍・最大5.4倍 | 国内サイネージ型ゲーム内広告の導入実績 |
Vodafoneゲーム内ディスプレイ広告事例 | ブランド検討意向20%リフト/キャンペーン認知176%リフト | 業界平均比4%・27%との対比 |
慶應義塾大学・ニールセンスポーツ共同調査 | KONAMI「実況パワフルプロ野球」「プロ野球スピリッツA」サイネージ広告認識調査 | 国内学術研究での認識率検証 |
IAS/DoubleVerify | ゲーム内広告のViewability計測ベンダー | 第三者検証の標準オプション |
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