ホテル・旅行業界で再来訪率を高めるには、割引キャンペーンや予約サイト(OTA)への露出を増やすだけでは不十分です。「また来たい」という気持ちを生む体験を、認知の段階から宿泊後のフォローまで一貫して設計することが再来訪の核心です。

本記事では、旅マエ(認知・興味喚起)→旅ナカ(滞在体験)→旅アト(ロイヤルティ)という3フェーズに沿ったブランド体験設計の考え方と、星野リゾート・アパホテル・杉乃井ホテルなど国内6社の実践事例、評価指標の選び方を解説します。

この記事でわかること:

  • ホテル・旅行業界に特有の再来訪率の課題と構造的背景
  • 旅マエ・旅ナカ・旅アトの3フェーズ別に施策を選ぶ考え方と比較表
  • 国内6社のブランド体験設計事例(数値・特徴つき)
  • NPS・リピート率・ブランドリフトなど評価指標の使い方
  • どんなホテル・旅行企業に向いている施策か、向いていない施策か

ホテルや旅館・観光施設の集客・マーケティング担当者、および宿泊・旅行ブランドの戦略を担う方を対象としています。

ホテルのブランド体験設計フレームワーク(旅マエ・旅ナカ・旅アトの3フェーズ)

ホテル・旅行業界が直面している「再来訪の壁」

再来訪率が伸び悩む原因は、個別の施策の問題というより、業界全体に共通する3つの構造的な課題にあります。

①シニア離脱×Z世代台頭という顧客構造の変化

観光庁の宿泊旅行統計によると、2025年の国内延べ宿泊者数は6億5,348万人泊と前年比わずかに減少しています(観光庁宿泊旅行統計, 2026-05-02確認)。一方、訪日外国人の宿泊者数は1億7,729万人泊と過去最高を更新しており、国内旅行客の構造変化が浮き彫りになっています。

既存リピーター層であるシニア世代は、健康や介護を理由に旅行頻度が低下しています。次の主力顧客となるZ世代(10代〜20代後半)は、旅行に対する支出意欲は持っているものの、「どこへ行くか」より「なぜ行くのか(感情的な動機)」を重視する傾向があります。ヒルトンの2026年トレンドレポートは、この変化を「Whycation(なぜ旅行するかを問う旅)」という概念で表現しています(TravelVoice掲載, 2026-05-02確認)。

Z世代はロイヤルティプログラムへの参加意向が年配層より約19%高い一方で(TravelVoice掲載, 2026-05-02確認)、画一的なポイント付与では満足せず、「個人として尊重される体験」を強く求めます。同レポートでは、74%の旅行者が「信頼できるブランドで予約することが重要」と回答しており、ブランドへの信頼形成が予約行動に直結しています(TravelVoice掲載 / ヒルトン2026年トレンドレポート, 2026-05-02確認)。

②OTA依存と価格競争の構造的な問題

楽天トラベル・じゃらんなど宿泊予約サイト(OTA)への依存度が高まるほど、ホテルは価格での差別化を迫られ、直接予約やリピーター育成が難しくなります。OTA経由では宿泊者のデータが施設側に渡りにくく、宿泊後のパーソナライズ施策(CRM)の精度にも影響します。

③「来てもらう」だけでは不十分——再来訪の設計不足

新規顧客を獲得するコストは、リピーターを維持するコストの5倍かかるとされています(yadoken.net, 2026-05-02確認)。にもかかわらず、多くのホテルは認知獲得(旅マエ)への投資と滞在中の体験設計(旅ナカ)を分断して考えており、「また来たい」という意志を次の予約に結びつける設計(旅アト)が手薄なままです。

この3つのフェーズをつなぐ「体験設計の全体像」を持つことが、再来訪率向上の出発点です。

ブランド体験設計の考え方——3フェーズを統合する

ブランド体験設計とは、顧客が「この施設に行こう」と思う前の段階から、宿泊後に「また来たい」と感じるまでの全接点を、意図的に設計するアプローチです。

一般的なホテルのマーケティングは「施策の羅列」になりがちで、SNS・インフルエンサー・SEOといった手法が部門ごとにバラバラに運用されています。ブランド体験設計では、これらを顧客のカスタマージャーニーに沿って統合します。

フェーズ

顧客の状態

主な目標

旅マエ(認知・興味喚起)

まだ施設を知らない、または検討中

ブランドとの感情的な接点をつくる

旅ナカ(滞在体験)

実際に施設に滞在している

「来てよかった」という記憶を刻む

旅アト(ロイヤルティ)

宿泊後に日常に戻っている

再来訪の意志を醸成・予約に転換する

ブランド体験設計の基本的な考え方については、「ブランド体験とは?顧客との接点を設計する考え方」もあわせてご参照ください。

フェーズ別 主要施策と特徴の比較

以下の比較表は、ホテル・旅行業界のブランド体験設計における3フェーズの施策を整理したものです。施策選定の際の参考としてお使いください。

フェーズ

主な施策

主な効果

費用感

効果実感まで

旅マエ

SNSマーケティング(Instagram/TikTok)

体験イメージの訴求・UGC拡散

低〜中

3〜6か月

旅マエ

インフルエンサーマーケティング

信頼感のある口コミ・認知拡散

中〜高

2〜4か月

旅マエ

ゲーム内広告(サイネージ型)

Z世代・若年層への非侵入型認知

中(週30万円〜)

1〜3か月

旅マエ

コンテンツSEO(旅行ブログ・特集)

検索流入・長期的な認知蓄積

低〜中

6〜12か月

旅マエ

バーチャル体験(メタバース/3D内覧)

訪問前の不安解消・体験予期

中〜高(開発費)

中長期

旅ナカ

スタッフのパーソナライズ対応

感動体験・口コミ化

低(人材育成コスト)

即時〜

旅ナカ

体験プラン(トレッキング・星空観賞等)

差別化・記憶への定着

即時〜

旅ナカ

テーマ特化型施設設計(アート・食・健康等)

ブランドイメージの強化

高(初期投資)

中長期

旅アト

ロイヤルティプログラム(ポイント・特典)

リピート予約の促進

6〜12か月

旅アト

CRM・パーソナライズ(誕生日クーポン等)

再来訪意欲の維持

3〜6か月

旅アト

NPS収集・改善サイクル

顧客満足度の可視化と品質向上

6〜12か月

フェーズをまたぐ重要な視点:ロイヤルティプログラムだけではリピーターは育ちません。スーパーホテルがリピート率70%(yadoken.net, 2026-05-02確認)を達成しているのは、スタッフの接客品質(旅ナカ)をブランドの核に据えた結果です。3フェーズを連動させる設計こそが、再来訪率向上の根幹です。

旅マエ・旅ナカ・旅アトのフェーズ別施策マップ(ホテル・旅行業界向け)

国内ホテルのブランド体験設計事例

星野リゾート——ブランドの細分化とファン化戦略

星野リゾートは「星のや」「界」「リゾナーレ」「BEB」「OMO」という5つのサブブランドを設け、ターゲット層と提供する世界観を明確に分けることで、それぞれのブランドファンを育てています。特に「BEB」は若年層・アクティブシニア向けに設計された体験型ステイで、ポイント会員カードや値引き施策に頼らず、「ブランドとの感情的なつながり」をファン化の軸に置いています。

価格弾力性が低く(値引きに依存しない)、SNSでの口コミ拡散率の高さが業界内で特筆されており、サブブランド戦略によって幅広い顧客層を獲得しています(yushutsulabo.com参照, 2026-05-02確認)。

アパホテル——ポイントプログラム×CRMの組み合わせ

アパホテルは会員カード(ポイント+10%キャッシュバック)と、宿泊後の誕生日クーポン等のCRM施策を組み合わせることで、ビジネス利用を中心にリピーター基盤を強固にしています。52期連続黒字(yadoken.net掲載, 2026-05-02確認)の背景には、顧客データを活用した再来訪設計の積み重ねがあります。

杉乃井ホテル——エンターテイメント型の「また行きたい」体験

大分・別府の杉乃井ホテルは、ボウリング・ゲームコーナーをはじめとしたエンターテイメント施設を充実させることで、「宿泊施設」を超えた体験空間を提供しています。楽天トラベルの施設リピート率ランキングで2021年に1位を獲得した実績があります(yadoken.net, 2026-05-02確認)。温泉の他に「楽しさ」をブランドの中核に置いたことが、ファミリー層・若年層のリピートに直結しています。

スーパーホテル——スタッフのおもてなしをブランドの核に

「環境・健康・親切」を基本方針とするスーパーホテルは、スタッフの主体性と接客品質を経営の中心に据えることでリピート率70%を実現しています(yadoken.net, 2026-05-02確認)。業界の施設の37.7%が「リピート率10〜30%未満」という調査結果(日本交通公社調査 / yadoken.net, 2026-05-02確認)と比較すると、この数字が際立っていることがわかります。高額な設備投資なしに、接客という「旅ナカ体験」の質だけでリピーター基盤を構築した代表事例です。

ホテル楊貴館——「時間」をブランド体験に変えるユニークなサービス

山梨・石和温泉のホテル楊貴館は「預時間通帳」という独自サービスを展開しています。宿泊者が早期チェックイン・延長滞在した「差分の時間」をポイントとして積み立て、22時間分で無料宿泊に交換できる仕組みです(yadoken.net掲載, 2026-05-02確認)。宿泊体験の価値を「時間という資産」に変換し、来るたびに蓄積される設計を実現しています。ポイントや金額ではなく「時間」というユニークな軸を採用したことが、他施設との明確な差別化になっています。

ロテルド比叡——体験型プランでリピーターを育てる

滋賀・比叡山のロテルド比叡は、会員制度と合わせてトレッキング・星空観賞会などの体験型プランを提供しています。自然環境を活かした「日常では体験できないコンテンツ」を軸に、体験の記憶がリピート動機となる設計を実践しています(stock-sun.com参照, 2026-05-02確認)。

国内ホテルのブランド体験設計アプローチの比較(事例早見表)

デジタル×体験の最前線——ゲーム・バーチャル空間を活用した旅マエ設計

旅マエの認知接触として、ゲーム内広告やバーチャル空間を活用する事例が国内外で増えています。この領域は競合のマーケティング記事がほぼカバーしていない新しい選択肢です。

ホテルプラザオーサカ——Fortniteでレストランブランドを体験

大阪のホテルプラザオーサカは、人気FPS「Fortnite」のクリエイティブモード上に、ホテル内レストラン「逢坂」をテーマにしたゲームマップを公開しました(note.com/easy_studio掲載, 2026-05-02確認)。ゲームプレイを通じてレストランの世界観を体験できる仕組みで、宿泊を検討していなかったZ世代・若年層へのブランド接触を実現した国内先行事例です。

Hotel Meta Experience——宿泊前のバーチャル内覧体験

株式会社newgameが開発した「Hotel Meta Experience」は、Roblox上で実際の宿泊施設を3D空間で再現したサービスです。宿泊前にバーチャルで館内を散策し、設備や雰囲気を確認できます(prtimes.jp, 2026-05-02確認)。Nintendo Switch・スマートフォンからアクセスでき、「旅マエの不安解消」と「体験予期の形成」を同時に設計できます(導入施設の具体的な名称は現時点で非公開)。

ゲーム内サイネージ広告——プレイを邪魔しない若年層への認知接触

スマートフォンゲームのプレイ中に、ゲーム空間内の看板・モニターで自然に表示されるサイネージ型広告は、Z世代男性(1日平均約100分のゲームプレイ)へのリーチ手段として機能します。スキップされる動画広告や、スクロールで無視されるSNS広告と異なり、「プレイ体験を阻害しない形で視界に入る」設計から、広告想起率や注目度の高さが特徴です。

ゲーム内広告の種類・効果・費用について詳しくは「ゲーム内広告とは?種類・効果・活用法の完全ガイド」をご参照ください。

再来訪率向上を測る評価指標(KPI)

体験型マーケティングの効果は、短期の予約数だけでは測れません。フェーズごとにKPIを設計することが、施策の継続的な改善につながります。

KPI

定義

計測タイミング

参考値

リピート率

一定期間内に再来訪した顧客の割合

年次・半期

業界施設の37.7%が「10〜30%未満」(日本交通公社調査 / yadoken.net, 2026-05-02)。スーパーホテルは70%(同上)

NPS(推奨意向スコア)

「この施設を他者に勧めますか?」の0〜10点スコア

宿泊後アンケート

NPS推奨者の96.7%が再来訪意向あり(トータル・エンゲージメント・グループ調査 / hoteresonline.com, 2026-05-02確認)

ブランドリフト

広告接触前後での認知・好意度・想起率の変化率

キャンペーン前後

ゲーム内広告での広告想起率 約1.8倍の実績あり(Ad-Virtua公式情報)

新規 vs リピーターCPA

1件の予約獲得にかかるコストの比較

施策ごと

新規獲得コストはリピーターの5倍(yadoken.net, 2026-05-02確認)

直接予約率

OTAではなく公式サイト経由の予約割合

月次

OTA依存脱却の進捗を把握

UGC量(SNS口コミ)

宿泊者がSNSに投稿した件数・エンゲージメント

施策後1〜4週

ホテル情報収集でSNSのユーザー投稿を最も参考にする割合が50%以上(CREAVE社セミナー調査, 2026-05-02確認)

生成AI経由の旅行検索

生成AIを旅行先検索に活用した割合

定点観測

約32.6%(3人に1人)が活用(yadoken.netマーケティング調査, 2026-05-02確認)

注意点:NPSのスコア上昇が実際のリピート率向上に直結するかは、施設ごとの追跡調査が必要です。複数のKPIを組み合わせて施策の効果を多角的に評価することをお勧めします。

再来訪率向上を測る評価指標(KPI)の体系図

こんなホテル・旅行企業に向いている施策 / 向いていない施策

体験型ブランド設計(旅マエ〜旅アト統合)が向いている企業

  • リゾート・観光地型ホテル:目的地型で「また来たい」を設計しやすい。体験プランや空間設計が差別化のコアになる
  • 若年層・ファミリー層を新規顧客にしたい施設:Z世代へのデジタル接点(ゲーム内広告・SNS・メタバース)が機能しやすい
  • 直接予約率を高めてOTA依存を下げたい施設:ロイヤルティプログラムとCRMの組み合わせが有効
  • 独自の体験コンテンツを持つ施設(温泉・食・自然・アート等):体験プランとSNSコンテンツの相乗効果が期待できる
  • 複数施設・サブブランドを持つホテルグループ:星野リゾートのようなサブブランド戦略でファン層を広げやすい

体験型ブランド設計が向かない(優先度を下げるべき)企業

  • ビジネスホテル中心で「機能的快適性」が選択基準の施設:体験設計よりも価格・立地・清潔感が決定要因になるため、ロイヤルティプログラムやポイント施策の方が費用対効果が出やすい
  • 短期ROIを強く求められている施設:体験設計の効果が数字に現れるまで3〜12か月かかることが多く、即効性を求められる局面には不向き
  • 施設の訴求ポイントが価格(最安値保証)のみ:価格以外の付加価値を設計しないまま体験施策を入れると、ブランドと施策が一致せず効果が薄れる
  • 繁忙期に満室が続いており稼働率に余裕がない施設:再来訪率向上より、低稼働期の穴埋め施策(季節限定プロモーション等)が先決になる

旅マエの若年層認知設計——ゲーム内広告が適合する条件

ここまで紹介してきたように、再来訪率を高める重要な一歩は「旅マエの認知段階でブランドの世界観を正しく伝えること」にあります。特に若年層(Z世代・ミレニアル世代)への認知設計において、ゲーム内広告はSNS広告やインフルエンサーマーケティングとは異なる選択肢です。

ゲーム内サイネージ広告がホテル・旅行業界に合う条件

  • Z世代・20〜30代の若年層をターゲットにしたい(スマホゲームユーザーの男性64%・女性36%)
  • 「スキップされない・嫌われない」形で認知接触したい(視認率最大96%、Ad-Virtua公式コラム掲載, 2026-05-02確認)
  • 施設の世界観・体験イメージを30秒以内の動画で訴求したい
  • TVCM・SNS広告の補完施策として、異なる接点で継続的に想起率を高めたい
  • CPM(1,000回表示あたりのコスト)重視で予算効率を管理したい(CPM約300円、Ad-Virtua公式情報)

Ad-Virtuaは、日本国内400タイトル以上のゲームにゲーム空間内の看板・モニター広告を配信するプラットフォームです。1週間300,000円から開始でき、年齢・性別・地域のターゲティングが可能です。宿泊・観光施設のブランド動画を若年層ゲームユーザーに届けられます。累計再生数は8,000万回突破(2025年後半時点、Ad-Virtua公式情報)に達しており、広告想起率は約1.8倍の実績があります(Ad-Virtua公式情報)。

体験型マーケティング全体の考え方については「体験型マーケティングとは?効果・手法・事例を解説」もあわせてご参照ください。

ホテル・旅行業界での若年層認知設計にゲーム内広告の活用を検討される場合は、こちらよりお気軽にご相談ください。料金・導入事例・ターゲティング設定の詳細資料もご用意しています。

よくある質問

Q1. ホテルのリピート率を高めるのに最も効果が高い施策はどれですか?

施設の特性や価格帯によって異なります。スーパーホテルの事例が示すように、「スタッフのおもてなし品質(旅ナカ体験)」が最もリピート率に直結します。デジタル施策(ロイヤルティプログラム・CRM)は旅アトのフォローに有効ですが、旅ナカの体験品質が土台にないと機能しにくい点に注意が必要です。施策の優先順位は「旅ナカの品質 → 旅アトのCRM → 旅マエの認知」という順序で設計するのが基本です。

Q2. Z世代向けのホテルマーケティングで特に気をつけることは?

Z世代は「画一的なリワードより個人として尊重される体験」を求める傾向があります(ヒルトン2026年トレンドレポート / TravelVoice, 2026-05-02確認)。ポイント還元率を上げるだけでなく、宿泊体験そのものをパーソナライズする設計(チェックイン時の好みヒアリング・部屋のカスタマイズ等)が有効です。また旅マエの段階からゲーム内広告やTikTokで施設の世界観を伝えておくことで、「予約前からのブランド体験」を設計することも重要です。

Q3. OTA依存を下げるためにブランド体験設計はどう機能しますか?

OTA経由で来た顧客が「次は公式から直接予約しよう」と思うには、宿泊後の直接接点を通じたフォローが必要です。パーソナライズされた再来訪提案(メール・LINE等)と直接予約限定の特典を設計することで、徐々に直接予約率を高められます。この設計には宿泊者のデータ活用が前提になるため、OTA経由よりも公式予約経由のデータ蓄積を優先する仕組みを先に整えることが重要です。

Q4. ロイヤルティプログラムはどのタイミングで導入すべきですか?

旅ナカの体験品質(スタッフ・施設・コンテンツ)が整っていない段階でロイヤルティプログラムを先行導入しても、効果は限定的です。まず「来てよかった」という体験を設計し、その後に「また来たい」を後押しするロイヤルティ施策を加えるのが効果的な順序です。ポイント残高が増えるほど再来訪のハードルが下がる設計(ホテル楊貴館の「預時間通帳」のような発想)は、ユニークな差別化になります。

Q5. 中小規模のホテルでも体験型マーケティングを実践できますか?

はい、可能です。大規模な設備投資がなくても、スタッフのおもてなし設計(旅ナカ)と宿泊後のNPSフォローアップメール(旅アト)から始めることができます。旅マエの認知施策は、まずInstagram・TikTokへの体験コンテンツ発信から低コストで着手し、一定の知名度を獲得した段階でインフルエンサー活用やゲーム内広告等を追加する段階的な設計が現実的です。

ホテル・旅行業界のブランド体験設計チェックリスト(旅マエ・旅ナカ・旅アト別)

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