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親子向けマーケティングの成功事例7選|施策の種類・費用・KPIを徹底比較

親子向けマーケティングで成果を出している企業は、「子どもに刺さる体験」と「保護者が納得できる価値」の両方を設計している点で共通しています。本記事では、食品・外食・日用品・小売・交通など7業種の成功事例を具体的な数値とともに整理し、どの施策がどんな企業に向いているかを比較します。
この記事でわかること
- 親子向けマーケティングで成果を出した業種別の具体的事例(数値付き)
- 体験型イベント・アプリ内広告・ノベルティなど施策ごとの費用感と期待KPI
- 「子どもが好む × 親が納得する」二重設計が必要な理由
- こんな企業・商材に向いている施策、向かない施策の判断基準
- よくある失敗パターンと、その回避策
この記事は、ファミリー層・若年層への認知拡大や第一想起獲得を課題とするメーカー・外食・小売・交通・インフラ企業のマーケティング担当者向けです。

親子向けマーケティングが難しい理由:「二重の意思決定構造」とは
親子向けマーケティングが一般的なB2C施策と根本的に異なるのは、購買を決める人(保護者)と商品を気に入る人(子ども)が違うという構造にあります。
昔ながらの「親が決める・子が使う」モデルはすでに古く、現代の購買プロセスはより複雑です。「子どもがゲームや体験で興味を持つ → 保護者がスマホで検索・比較する → 家族で話し合って購入を決める」という合意形成型プロセスが主流になっています。
この二重構造を無視した施策は、どちらかへの訴求に偏ってしまいます。子どもウケだけを狙えば保護者に「チープなブランド」と見なされ、保護者への訴求だけに集中すれば子どもに届かずリピートにつながらない。このジレンマが、親子向けマーケティングを難しくしている本質的な理由です。
また、広告規制の面でも注意が必要です。Google・Yahoo広告は18歳未満へのターゲティングが原則不可であり、X(旧Twitter)・TikTokは13歳未満の利用制限があります。7〜8歳以下の子どもは広告の意図を十分に理解できないとされており、倫理的配慮が法令以上に求められます。
親子向けマーケティングの主要施策7種類
施策の選択肢を俯瞰すると、大きく7つに分類できます。それぞれ対象年齢層・接触頻度・費用感・向いている目的が異なります。

施策タイプ | 主な対象年齢 | 接触頻度 | 費用感(目安) | 向いている目的 |
|---|---|---|---|---|
体験型イベント(食育・職業体験等) | 全年齢 | 低(年数回) | 数十万〜数百万円 | ブランド好感度・記憶定着 |
キッズ向けアプリ内広告(ごっこランド等) | 未就学児〜小学生低学年 | 高(月数十回) | 要問合せ | 第一想起・好感度 |
ゲーム内広告(Ad-Virtua等) | 小学生〜成人(幅広い) | 高(継続配信) | 10万円〜(公式サイトで確認) | 認知拡大・広告想起 |
SNS・インフルエンサー | 保護者層中心 | 中 | 数万〜数百万円 | 保護者リーチ・共感獲得 |
コラボ・ノベルティ | 子ども全般 | 低〜中 | 素材費+配布コスト | 来店・売上促進 |
コンテンツマーケティング(食育・YouTube等) | 幅広い年齢 | 中 | 制作費+運用費 | 長期ブランドエクイティ |
オフライン広告(交通広告・学校広告) | 地域全体 | 中 | 数十万〜 | 地域認知・リーチ補完 |
施策選びの基本軸は「誰に何を感じさせたいか」です。第一想起の獲得を最優先にするなら接触頻度の高い手段が効き、一度で強い印象を残したいならリアルな体験型が有効です。どちらも取りたい場合は、体験型+デジタル継続接触の組み合わせが合理的です。
業種別の成功事例7選
各事例は公開情報・プレスリリース・業界メディアから収集しています。個別の数値は各社公表情報を出典として記載します。
事例① キューピー(食品):食育ワークショップで親子に選ばれ続けるブランドへ
キューピーは「マヨネーズ教室」などの食育イベントと見学施設「マヨテラス」を組み合わせ、親子が一緒に「食」と「素材」を学べる体験を継続的に提供しています。商品の機能訴求ではなく、食育という社会的価値を軸にすることで、保護者の信頼感と子どものブランド親しみやすさを同時に育てています。
注目ポイント: 単発イベントではなく施設運営として継続しているため、年間を通じてブランド接点を作り続けられる。ごっこランドへの出展も組み合わせ、デジタルと実体験の両面から接触頻度を確保しています。
事例② 明治(食品・飲料):ごっこランド出展で第一想起を数値で獲得
明治はキッズ向けスマートフォンアプリ「ごっこランド」(運営:キッズスター)に出展し、子どもたちが"明治の仕事"を体験できるコンテンツを提供しています。
ごっこランドの出展企業全体の平均値として、企業認知度+35%・第一想起率+49%・企業好感度+42%という数値が公表されています(出典:キッズスター公開情報、2026年4月確認。個別企業ではなく出展企業の平均値)。アプリは累計850万ダウンロード以上・月間2,000万回以上のプレイ回数があり(同上)、継続的な高頻度接触によるブランドリフト効果が期待できる媒体です。
注目ポイント: 親が認知しているブランド名を子どもが「仕事体験」で記憶するため、家族全体への浸透が期待できます。
事例③ くら寿司(外食):IPコラボ×ノベルティで売上130%増を記録
くら寿司は人気アニメ『鬼滅の刃』とのコラボ施策として、会計2,000円以上のSNS・アプリ会員を対象にキャラクターノベルティを配布しました。その結果、ノベルティが2日で配布終了、売上は想定より130%アップ(出典:sfre.co.jp、2026年4月確認)という成果を記録しています。
注目ポイント: 「子どもがほしいもの(IPキャラ)」と「来店条件(会計額・会員登録)」をセットにすることで、売上とデジタル会員数の両方を同時に伸ばす設計が成功の要因です。
事例④ マクドナルド(外食):仕事体験プログラムで親子のブランドロイヤルティを強化
マクドナルドは「マックアドベンチャー」として、子どもがバーガー作りなどスタッフの仕事を体験するプログラムを実施しています。フードサービスへの親しみや安心感を育てると同時に、「子どもが気に入る × 保護者が食の安全性を体感できる」という二重の設計が機能しています。
注目ポイント: 店舗内での体験提供は追加施設投資が不要で展開しやすく、スタッフとブランドへの好感度を一度に高められます。
事例⑤ ライオン(日用品):「Kid's歯ッカソン」で商品訴求しないブランディング
ライオンは「おくちからだプロジェクト」や「Kid's歯ッカソン」として、子どもたちが歯磨きや健康について考えるワークショップを実施しています。「ライオンの歯ブラシを買って」という直接訴求をせず、学習支援を軸に保護者からの信頼とエンゲージメントを獲得しています。
注目ポイント: 子ども向け日用品は保護者の「安全・安心・第三者認証」への感度が高い。商品訴求よりも教育・社会貢献を軸にしたコンテンツが保護者からの支持を得やすいカテゴリです。
事例⑥ レゴジャパン(小売・玩具):ハイブリッドワークショップで実店舗来店を促進
レゴジャパンはオンライン(Zoom)×オフライン(店頭)のハイブリッドワークショップを展開し、自宅での参加から店舗体験まで一連の顧客接点を設計しています。コロナ以降も継続しているこの施策は、実店舗への集客と購買促進だけでなく、企業イメージの向上にも貢献しています。
注目ポイント: 玩具・教育関連ブランドにとって、「体験の場=店舗」という接続を維持できるかが売上に直結します。オンライン参加から店舗に誘導する設計は他業種でも応用可能です。
事例⑦ JAL(交通):「空育」プログラムで将来顧客を育成
JALは機内での子ども向けプレゼントに加え、「空育」と呼ばれる教育プログラムを展開しています。子どものうちから航空・旅行の楽しさを体験させることで、将来の旅行顧客としての関係を長期に育てる設計です。
注目ポイント: 交通・ホテル・テーマパークなど「将来の顧客育成」を重視するカテゴリでは、子ども時代の体験品質がブランドロイヤルティに直結します。即時購買よりも長期的なCLTV(顧客生涯価値)への投資として捉えると判断しやすくなります。
施策の費用感と期待KPIを比較する
上位記事の多くがコストを書いていないため、ここでは現時点で確認できる水準値を整理します。各社の実際の費用は施策規模・期間・エージェンシー手数料で大きく変動するため、あくまで検討の参考値としてください。

施策 | 費用感(目安) | 主な評価KPI | 即効性 | 継続性 |
|---|---|---|---|---|
体験型イベント | 数十万〜数百万円 | 来場者数・ブランド好感度・NPS | 中 | 要継続投資 |
キッズアプリ内出展(ごっこランド等) | 要問合せ | 第一想起率・好感度・認知度 | 高 | 高(継続出展) |
ゲーム内広告(Ad-Virtua等) | 10万円〜(公式サイト参照) | 広告想起率・視認率・CPM | 高 | 高(継続配信) |
SNS・インフルエンサー | 数万〜数百万円 | フォロワー数・エンゲージメント率 | 高 | 要継続発信 |
コラボ・ノベルティ | 素材費+配布コスト | 来店数・売上・SNS拡散量 | 非常に高 | 低(単発) |
コンテンツマーケティング | 制作費+運用費(月数十万〜) | 閲覧数・滞在時間・指名検索数 | 低 | 高 |
KPIの選び方について
「何をもって成功とするか」の設定が曖昧なまま施策を実施すると、効果の評価も改善も難しくなります。目的別の評価軸は次のとおりです。
- 認知拡大が目的なら:広告想起率・ブランド認知率・リーチ数
- 好感度向上が目的なら:ブランド好感度・NPS・エンゲージメント率
- 来店・購買促進が目的なら:来店数・購買転換率・リピート率・売上変化
- 長期ブランディングが目的なら:第一想起率・ブランドロイヤルティ・指名検索数
成果を出しやすい企業・出しにくい企業
こんな企業・商材には向いている
- 生活接点の広いBtoC商材(食品・飲料・日用品・外食・交通・小売):子育て世代が日常的に接する商材は親子向け施策との相性が高い
- 長期的なブランドロイヤルティを重視している:子ども時代のポジティブな体験は成人後の購買にも影響する(ディズニー・レゴが典型例)
- TVCM・SNS広告だけでは若年層・ファミリー層に届いていない:従来媒体のリーチを補完したい企業
- 「安全・安心・教育」の文脈と相性がいい商材:食品・医療・保険・教育関連
- リピート購買・来店頻度を高めたい:外食・小売・テーマパーク
こんな企業・商材にはおすすめしない
- 子育て世代との接点が薄いBtoB・専門サービス:ターゲット読者が親子でない場合、投資対効果が出にくい
- 単発施策で第一想起の変化を期待している:親子向けマーケティングは接触頻度と継続性が前提。1回のイベントで想起率が劇的に変化することは少ない
- 安全・素材・成分への懸念が払拭できていない商材:子ども向けに訴求する前に商品の信頼性確立が先決
- 「子どもウケ」を優先して保護者の視点を抜かした施策:保護者が「子どもに良くない」と判断する訴求は逆効果になりやすい
よくある失敗パターン
失敗1:「子ども向け=子どもだけに届けば良い」と考える
子ども向けSNS広告の規制(13歳未満不可)や保護者の情報収集行動を無視した施策は、リーチ自体が機能しません。子どもへの接触はリアル・アプリ・ゲームなど規制外の媒体で行い、保護者への説明責任はWeb検索・SNSで果たす設計が必要です。
失敗2:単発イベントで「第一想起を取った」と判断する
体験型イベントは記憶に残りやすい反面、接触が年1〜2回では継続的な想起には至りにくい。第一想起の変化はブランドリフト調査(施策前後の比較)で測定し、継続接触の設計が伴ってはじめて意味を持ちます。
失敗3:「親子向け」で一括りにしてターゲットを絞らない
「親子向け」は乳幼児から小学生高学年まで幅が広い。使う言語・コンテンツの難易度・訴求する体験価値はすべて年齢帯で変わります。「0〜3歳の保護者」と「7〜10歳の子ども」では別のターゲット設計が必要です。
失敗4:保護者の「安全・安心」への感度を過小評価する
食品・日用品では保護者が成分・素材・認証マークを確認するケースが多い。ブランド体験の演出だけに注力し、商品の安全性情報の開示が薄いと保護者層の信頼を損なうリスクがあります。
失敗5:KPIを設定しないまま施策を実施する
「なんとなくやってみた」で終わる施策は、次回予算の確保も施策の改善も難しくなります。施策前に「何が何%変化したら成功か」の基準を設定し、ブランドリフト調査や来店・購買データと接続して評価するプロセスが不可欠です。

「ゲーム内広告」が親子向けマーケティングに合う理由
ここまで7つの施策タイプを解説しましたが、「接触頻度が高い × 嫌われにくい × 比較的始めやすい」という観点でゲーム内広告が改めて注目されています。
ゲーム空間の看板・モニターに動画広告を配信するサイネージ型のゲーム内広告は、ゲームの進行を妨げないため広告回避が起きにくく、繰り返し自然に目に触れる媒体です。
Ad-Virtua(アドバーチャ)は国内のゲーム内広告アドネットワークとして、累計再生数約8,000万回・600タイトル以上に配信(出典:FUNDINNO掲載情報・公式サイト、2026年1月時点確認)という実績を持ち、広告想起率は他Webと比較して約1.8倍・視認率は約1.4倍(出典:ad-virtua.com公式サイト、2026年4月確認)とされています。
→ ゲーム内広告の仕組み・種類・効果についてはこちら
→ ゲーム内広告の費用・料金相場の詳細はこちら
Ad-Virtuaが親子向けマーケティングの補完施策として合う企業の条件
- TVCM・SNS広告だけでは若年層・スマホゲームユーザーに届ききれていないと感じている
- 動画素材がすでにある(TVCM・YouTube用素材を流用できる)
- 体験型イベントやアプリ出展に加えて、日常的な接触頻度を高める継続施策が欲しい
- 少額(10万円〜)から試験的に始めて、効果検証してから継続を判断したい
- 「嫌われない形でブランドを記憶させたい」という広告体験の質を重視している
詳細な料金プランや配信事例は公式サイト(ad-virtua.com)でご確認いただくか、直接お問い合わせください。
よくある疑問(FAQ)
Q1. 親子向けマーケティングと子ども向けマーケティングは何が違うの?
「子ども向けマーケティング」は子ども自身の購買・使用行動を対象にしますが、「親子向けマーケティング」は保護者と子どもの双方の意思決定・感情形成に働きかける設計を指します。購買権限を持つ保護者の納得と、子どもの好奇心・親しみやすさを同時に設計する点が最大の違いです。
Q2. ごっこランド(キッズスター)への出展はどこに相談すればいい?
キッズスター(kidsstar.co.jp)の公式サイトから問い合わせが可能です。費用は公開されておらず、個別見積もりが必要です。出展前後のブランドリフト調査も同社経由で実施できます。
Q3. 子ども向け広告に法的な規制はある?
現時点では日本において子ども向け広告を直接規制する単独の法律はありませんが、景品表示法・不正競争防止法・各メディアのガイドラインが適用されます。Google・Yahoo広告は18歳未満へのターゲティングが原則不可、X(旧Twitter)・TikTokは13歳未満の利用制限があります。JARO(日本広告審査機構)のガイドラインも参考にしてください。
Q4. 小規模な予算(100万円未満)でもファミリー向けの認知施策は打てる?
打てます。ゲーム内広告は10万円〜(公式サイトの現行プランを確認)の小予算から始められるため、テスト的な導入に向いています。コンテンツマーケティング(食育コラム・YouTube動画)も制作費次第で少額から始められます。大規模イベントは継続投資が前提になるため、予算規模が限られる場合はデジタル施策から始めて効果を検証するのが合理的です。
Q5. 親子向けマーケティングの「成功」はどう定義・測定すればいい?
目的によって指標が異なります。認知拡大なら広告想起率・リーチ数、第一想起なら施策前後のブランドリフト調査、来店・購買促進なら来店数・売上変化で測ります。いずれも「施策前のベースライン計測」が前提で、計測設計を施策開始前に確定させることが成功判断の出発点です。
まとめ
親子向けマーケティングで成果を出すためのポイントを整理します。
- 「子どもが好む × 親が納得する」二重設計を前提にする:どちらかに偏った施策は機能しない
- 接触頻度と継続性が第一想起を作る:単発施策だけでブランドロイヤルティは変わらない
- KPIを施策前に定義する:「なんとなくやった」では効果検証も予算確保も難しい
- デジタル規制を踏まえた媒体選定をする:SNS広告には年齢制限がある。子ども自身へのリーチはアプリ・ゲーム・リアル体験が有効
- 「子ども向け」の幅広さを認識する:乳幼児・幼児・小学生では全く別のターゲット設計が必要
体験型イベント・キッズアプリ・ゲーム内広告・コラボノベルティ…施策の選択肢は多様ですが、「何のためにやるか」「成功をどう定義するか」を明確にしてから手段を選ぶことが、投資対効果を高める最も重要なプロセスです。
ブランド体験設計の全体像については「ブランド体験とは(公開予定)」、体験型マーケティングの詳細については「体験型マーケティングとは(公開予定)」も合わせてご覧ください。
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WRITTEN BY
水野 征太朗
アドバーチャ株式会社代表取締役CEO | 学生時代からインディーズゲーム開発者として、複数のゲームを開発・リリース。名古屋大学経済学部を卒業後、アビームコンサルティング株式会社にて、メタバース/XR/センサーなど先端技術を用いたソリューションの提案・開発に従事。その後、アマゾンジャパン合同会社にてデータ分析・ツール開発・プロセス改善等を経験。2022年にアドバーチャ株式会社を創業。



