eスポーツ・スポーツイベントへのスポンサーシップは「イベント当日の集中露出」に強い一方で、終了後の接触が途切れるという構造的な弱点がある。ゲーム内広告と組み合わせることで、イベントの熱量を日常の認知・想起に転換する統合設計が可能になる。
この記事では、以下のことがわかります。
- スポンサーシップの4種類と費用感・効果データの実態
- 「Before/During/After」で設計する統合施策のフレームワーク
- 食品・飲料・日用品・通信など業種別の向き不向きと事例
- よくある失敗パターンと、日本企業が陥りやすいアクティベーション不足問題
- KPIと効果測定の設計方法
若年層・Z世代への認知拡大に課題を持つ、ナショナルクライアントのマーケティング担当者・ブランド戦略室の意思決定者向けの内容です。
eスポーツ・スポーツイベントがブランド体験の場として注目される理由

若年層・Z世代へのリーチが難しくなっている。テレビ離れが進み、SNS広告はスキップされやすく、動画広告の視認環境は年々悪化している。こうした状況のなか、ブランド担当者が注目しているのが「eスポーツ・スポーツイベント」という接点だ。
Z世代・若年男性層への集中リーチ
INTAGE社のeスポーツ視聴実態調査(確認日: 2026-04-18)によると、eスポーツの視聴経験率は18.4%で、視聴者の中心は男性20〜29歳(27.3%)・男性15〜19歳(16.2%)。さらに20〜29歳のスポンサー広告認知率は「初めて知った企業」が76.5%に達し、購入検討率62.0%、実際の購入率57.6%という行動変容まで確認されている。
従来メディアでは届きにくい層との接点
eスポーツ視聴者はゲームへの没入度が高く、課金層の月間ゲーム支出平均は10,667円(INTAGE調査)。日常的にゲームとコンテンツ消費を組み合わせており、「イベント会場での実体験」「ライブ配信での視聴」「ゲームプレイ」という複数の接点を持つ。この構造が、単一メディアでは作れない深いブランド体験設計を可能にしている。
市場規模の拡大が見込まれる成長領域
国内eスポーツ市場規模は2023年に約146.5億円(前年比117%)、2025年には約200億円規模に成長すると見込まれている(日本eスポーツ白書2024、ASCII.jp)。グローバルでは世界のゲーム内広告市場が2029年に181.7億ドルまで拡大する予測もある(出典: Mordor Intelligence、確認日: 2026-04-18)。
スポンサーシップが作る「熱狂接点」の4つのアプローチ

eスポーツ・スポーツイベントへのスポンサーシップには4つの形式がある。それぞれ特徴・費用感・向き不向きが異なる。
スポンサーシップ4種類の比較
種類 | 主な露出形式 | 費用感(目安) | 向いている企業・目的 |
|---|---|---|---|
チームスポンサー | ユニフォームロゴ・公式素材・SNS | 100万円〜(要個別交渉) | ブランドイメージ向上・中長期のファン獲得 |
大会スポンサー | 特設ページ・バナー・ライブ配信内ロゴ | 300万円〜(要個別交渉) | 広範囲な露出・参入・撤退が容易 |
施設スポンサー | 施設内サイネージ・体験コーナー設置 | 個別交渉 | コミュニティ形成・体験型ブランド接点 |
選手/ストリーマー個人 | 配信内言及・商品紹介・SNS投稿 | 5万円〜(要個別交渉) | ファンコミュニティへの直接接触 |
※費用相場は各種メディア記事による参考値。実際の金額は個別交渉が基本。
大会スポンサーが現状の主流で、ライブ配信での広範囲露出と参入・撤退のしやすさから、初めてeスポーツに取り組む企業の入口として選ばれることが多い。
スポンサーシップの効果データ
eスポーツスポンサーシップの効果調査(XENOZ株式会社、対象195名・18〜25歳が約72%、2021年11月実施)によると:
- スポンサー企業名の認知: 9割以上
- スポンサー企業への好感度: 9割以上が「良い印象」
- スポンサー企業製品の購入経験: 6割以上
eBASEBALL プロスピAリーグ2021のスポンサーシップ効果調査では「約4割がブランドイメージ向上を実感」し、Z世代は他世代より影響が大きいことも確認されている。
日本企業のアクティベーション活用率という課題
スポンサーシップ効果を最大化するには「アクティベーション」(スポンサー権利を活かした追加施策)が不可欠だ。グローバルの平均的な企業はスポンサー費1ドルに対してアクティベーション費を2.2ドル投じている(楽天は1:2、コカ・コーラは1:5)。
一方、日本企業の平均はスポンサー費1円に対してアクティベーション費は0.4円(出典: halftime-media.com/column/activation/、確認日: 2026-04-18)と大幅に低水準だ。権利だけ買って活かしきれていない状態が続いており、ここにゲーム内広告を組み合わせることで大きな改善余地がある。
ゲーム内広告が担う「日常接触」の役割
スポンサーシップが「イベント当日の集中露出」に強みを持つのに対し、ゲーム内広告は毎日のゲームプレイ中に継続的にブランドを露出するという異なる役割を担う。
スポンサーシップとゲーム内広告の役割の違い
観点 | スポンサーシップ | ゲーム内広告(サイネージ型) |
|---|---|---|
接触タイミング | イベント開催時・配信視聴時 | 毎日のゲームプレイ中 |
接触頻度 | イベント当日に集中 | 日常的・継続的 |
広告好感度 | 高い(ファン心理との親和) | 約85%が「ゲーム体験に適している」 |
ブランドとの親和性設計 | チーム・選手との関係性 | ゲーム空間のサイネージとして自然配置 |
ターゲット精度 | イベント視聴者・参加者 | プレイタイトルでセグメント可能 |
費用感 | 100万円〜(個別交渉) | 税抜10万円〜(Ad-Virtua、セルフサービス可) |
ゲーム内広告(サイネージ型)の特性
サイネージ型ゲーム内広告は、ゲーム空間の看板・モニターに動画広告を配置する形式。インタースティシャル広告やリワード広告のようにゲームを中断しないため、「嫌われにくい」という特性がある。
経済産業省「Z世代におけるeスポーツおよびゲーム空間における広告価値の検証事業報告書」(令和3年度)によると:
- 広告想起率: 他のウェブ広告比約180%
- Z世代の約80%が毎日ゲームアプリをプレイ(平均プレイ時間1日約100分)
- eスポーツ環境での動画リワード広告完了率: 97%超
統合施策の設計フレームワーク:Before/During/After

スポンサーシップとゲーム内広告を「どのタイミングで、何の目的で使うか」を設計することが統合施策の核心だ。Before(事前)・During(当日)・After(事後)の3フェーズで設計することで、イベントの熱量を日常の想起に転換できる。
Before(イベント前):認知の下地を作る
施策 | 目的 | 手段例 |
|---|---|---|
ゲーム内広告配信 | ブランド認知の事前蓄積 | ターゲットタイトルへのサイネージ広告配信 |
SNS・デジタル広告 | スポンサー参加の告知 | イベント参加発表・カウントダウン投稿 |
ストリーマー個人スポンサー | コミュニティへの浸透 | 大会直前の配信内での言及・紹介 |
「初めてそのブランドに触れる」のではなく、「前から知っているブランドがイベントにいる」という状態をBeforeで作ることが、当日の好感度・想起率向上につながる。
During(イベント当日):熱狂の場での集中露出
施策 | 目的 | 手段例 |
|---|---|---|
大会スポンサーロゴ露出 | 視聴者・参加者への刷り込み | 会場サイネージ・ライブ配信オーバーレイ |
会場体験設計 | ブランド体験の具現化 | 試食コーナー・体験ブース・フォトスポット |
配信内スポンサードコンテンツ | 広範囲露出 | 中継映像内ロゴ・選手ウェア・インタビュー内言及 |
キッコーマンは「Riot Games ONE 2023」で会場内「豆乳リラックスラウンジ」を設置し、来場者に体験型ブランド接点を提供。商品を「見る・知る」だけでなく「体験する」ことでブランド記憶の深度が増す。
After(イベント後):想起の定着と継続接触
施策 | 目的 | 手段例 |
|---|---|---|
ゲーム内広告再開・継続 | 熱量の日常定着 | 同タイトル・関連タイトルへのサイネージ広告 |
リターゲティング広告 | イベント関心層へのフォロー | 視聴履歴・イベント検索者への配信 |
事後コンテンツ配信 | ファン層のエンゲージメント維持 | 大会ハイライト・選手コメント動画 |
イベント後に接触が途切れると「良い体験だったが記憶が薄れる」結果になりやすい。Afterフェーズでゲーム内広告を継続することで、毎日のプレイ中にブランドが繰り返し想起される状態を維持できる。
参考事例:ケロッグのゲーム内外連動設計(出典: Digiday.jp、確認日: 2026-04-18)
プリングルスの缶にゲーム内キャラクター獲得コードを記載し、オフライン商品購買とゲーム内アクティベーションを連動させた事例。「商品 → ゲーム内特典 → ブランド想起」という統合設計の好例だ。
業種別の適合度と事例
すべての業種が同じように適合するわけではない。eスポーツ・スポーツイベントとゲーム内広告の統合施策が特に効果を発揮しやすい業種と、そうでない業種がある。
業種別スポンサーシップ×ゲーム内広告 適合度マトリクス
業種 | 若年層リーチ必要度 | スポンサー適合 | ゲーム内広告適合 | 統合施策効果 |
|---|---|---|---|---|
食品・飲料 | ★★★ 高い | ◎ 高い | ◎ 高い | ◎ 高い |
日用品・消費財 | ★★★ 高い | ○ 中〜高い | ◎ 高い | ◎ 高い |
製薬・ヘルスケア | ★★ 中 | ◎ 高い(選手健康サポートで親和) | ○ 中 | ○ 高い |
通信・インフラ | ★★ 中 | ◎ 高い(デバイス・回線との親和) | ○ 中 | ○ 高い |
外食・ファストフード | ★★★ 高い | ○ 中 | ◎ 高い | ○ 高い |
自動車・輸送 | ★ 低い | ○ 中(大会会場輸送での親和あり) | △ やや低い | △ 中 |
不動産・金融 | ★ 低い | △ 低い | △ 低い | △ 低い |
業種別事例
ロート製薬(製薬・ヘルスケア)
(出典: GameBusiness.jp、2025年3月、確認日: 2026-04-18)
プロチーム「REJECT」のスポンサー、GO1選手・ときど選手の個人スポンサーを2019年から継続。EVO Japan 2024では特別協賛として会場にYogiboリラクゼーション体験ブースを設置し、アイケア製品との接続を図った。「選手の健康管理を支援するブランド」というポジショニングを、若年層に認知させることに成功している。
日本コカ・コーラ(飲料)
(出典: JCGメディア記事、確認日: 2026-04-18)
高校生向けeスポーツ大会「STAGE:0」のトップスポンサー。教育・CSR文脈を取り入れたブランド価値向上施策として、若年層への長期的ブランドロイヤルティ形成を狙った設計。
KDDI(通信)
(出典: GameBusiness.jp、確認日: 2026-04-18)
「esports Style UENO」施設開業と「DetonatioN FocusMe」チームとの継続的パートナーシップ。物理拠点でのコミュニティ形成(オフライン体験)を核に、通信インフラとゲームプレイ環境の親和性を訴求。
日清食品・キッコーマン(食品)
(出典: halftime-media.com、JCGメディア記事、確認日: 2026-04-18)
日清食品は複数の大会に「カップヌードル」ブランドで協賛。企業名ではなく商品ブランド単位での出稿により、視聴者への商品認知浸透を図っている。キッコーマンはリアルイベント会場での体験設計で差別化。
KPIと効果測定の設計

統合施策の評価は「何を測るか」を先に決めておかないと、投資判断ができなくなる。
フェーズ別の主要KPI
フェーズ | 測定指標 | 測定方法 |
|---|---|---|
Before | ブランド認知率(ベースライン) | 事前ブランドリフト調査 |
During | スポンサー認知率・ブランド好感度 | イベント会場アンケート・Twitter分析 |
After | 広告想起率・購買意向・実購買率 | ブランドリフト調査・POSデータ |
全体 | CPM・リーチ数・フリークエンシー | 配信プラットフォームのレポート |
ブランドリフト調査との組み合わせ
スポンサーシップ単体では「見た人が増えた」という露出指標までしか追いにくい。ゲーム内広告プラットフォームと組み合わせることで「見た後にブランドをどう認識したか」というリフト指標も追える。
スポンサーシップ効果の測定については、2025年よりNVIDIAのマルチモーダルAI技術を活用したプラットフォーム「Relo Metrics」が日本でも正式提供を開始しており(出典: GumGum Japan プレスリリース、確認日: 2026-04-18)、MLB・NBA・F1でのROI測定と同様の手法が国内でも適用可能になっている。
投資配分の考え方
参考として、グローバルのスポンサーシップ活用先進企業の配分:
- コカ・コーラ: スポンサー費1に対してアクティベーション費5
- 楽天: スポンサー費1に対してアクティベーション費2
スポンサー権利取得費の30〜50%相当をゲーム内広告などアクティベーション施策に割り当てることで、日本企業の平均(0.4:1)から抜け出し、権利を活かした施策設計が現実的になる。
よくある失敗パターンと回避策
eスポーツ・スポーツイベント×ゲーム内広告の統合施策で実際に起きやすい失敗を整理する。
失敗パターン1:スポンサーシップ単体で終わり、アクティベーション費が不足
症状: 権利は買ったが、イベント以外での活用が何もない。終了後に「結局、何が残ったか不明」になる。
回避策: 予算計上の段階からアクティベーション費(ゲーム内広告・コンテンツ制作など)を確保する。スポンサー費の20〜50%をアクティベーションに回すことを最初から設計する。
失敗パターン2:ターゲット層とゲームタイトルのミスマッチ
症状: 「eスポーツに出れば若年層に届く」という前提で出稿したが、ターゲット業種のユーザー層とタイトルのプレイヤー属性が合っていない。
回避策: スポンサーするイベントのタイトル・視聴者層データを事前に確認する。ゲーム内広告では配信タイトルのジャンル・年齢層・性別比でターゲットを絞れるため、事前のプランニングが重要。
失敗パターン3:単発イベントで継続接触を設計しない
症状: 大会の3週間だけスポンサーで出稿、終了後は何もしていないため、3か月後には認知が元に戻る。
回避策: Afterフェーズのゲーム内広告予算を事前に確保する。年間を通じた接触スケジュールを計画し、「スポンサーシップ → 日常接触 → 次のイベント」のサイクルで設計する。
失敗パターン4:炎上・コンプライアンスリスクへの備えがない
症状: スポンサーした選手・チームの不正行為・SNS炎上により、ブランドが巻き込まれる。
回避策: 契約時にコンプライアンス条項・契約解除条件を明記する。個人スポンサーは特にリスクが高いため、複数人・チーム単位での契約でリスク分散する。
失敗パターン5:効果測定を「なんとなく認知が上がった」で終わらせる
症状: 投資対効果を次回の稟議に活かせず、スポンサーシップが「雰囲気施策」になる。
回避策: KPIを事前に設定し(前述のフェーズ別KPI表を参照)、事前・事後のブランドリフト調査を必ず実施する。
こんな企業に向いている施策・そうでない企業
この統合施策が特に効果を発揮しやすい企業
- 若年層・Z世代(15〜29歳)への認知獲得が課題の企業: eスポーツ視聴者の中心層がこの年代に集中しているため、ターゲットとの親和性が高い
- TVCMを出稿しているが若年層への届きに課題を感じている食品・飲料・日用品メーカー: TVCM素材をそのままゲーム内広告に転用できるため、追加制作コストが低い
- 「ブランドの好感度・ロイヤルティ」を中長期で高めたいナショナルクライアント: 単純な認知だけでなく、体験を通じた感情的なブランド形成が設計できる
- 既存のスポンサーシップにアクティベーション施策を追加したい企業: ゲーム内広告を組み合わせることで、既存投資の回収率を高められる
慎重に検討すべき企業・向かないケース
- 「今月・来月中に購買転換を求める」ECや直販型ビジネス: スポンサーシップ×ゲーム内広告は認知・好感度設計に強く、即時コンバージョンには向かない。パフォーマンス広告と役割が異なる
- 10代・20代男性以外のターゲット比率が高い商材: eスポーツ視聴者の男女比は7:3程度。女性・シニア層に向けたブランド施策には別のアプローチが必要
- 3か月以内のKPIを求める短期施策: ブランドリフトは継続接触によって蓄積されるため、単発・短期での投資対効果は出にくい
- 予算が小さい場合の大会主要スポンサー: 主要スポンサー枠は費用が大きく、中小規模ではゲーム内広告単体のほうがコスト効率が良い場合がある
Ad-Virtuaがeスポーツ統合施策で担える役割
ここまで「スポンサーシップとゲーム内広告の統合設計」を解説してきた。これを実際の施策に落とし込む際に、Ad-Virtuaのサイネージ型ゲーム内広告がAfterフェーズで適合できるケースを整理する。
Ad-Virtuaが特に機能する使い方
1. スポンサーシップのAfter設計としての「日常接触」
eスポーツイベント後にゲーム内広告を配信することで、イベントで形成したブランド好感度を日々のゲームプレイ中に想起させ続ける。
2. TVCM素材の転用でコスト効率を高める
Ad-VirtuaはMP4フォーマット(最大30秒・16:9)に対応しているため、既存のTVCM・デジタル動画素材をそのまま活用できる場合がある(素材の仕様確認は個別対応)。
3. 税抜10万円〜のセルフサービス型で少額からテスト可能
大会スポンサーが数百万円単位になりやすいのに対し、ゲーム内広告は小規模な予算からスタートできる。スポンサーシップのAfterアクティベーションとして、追加費用を抑えて接触継続を実現できる。
4. Z世代・若年男性層へのターゲット精度
Ad-Virtuaの配信プレイヤー属性はZ世代中心(約80%)・男性64%で、eスポーツ視聴者層と重なりが高い。スポンサーシップで接触した層に引き続きゲーム内で接触できる。
eスポーツ大会との直接連携パッケージやeスポーツタイトルへの広告配信対応については、個別にお問い合わせください。(2026年4月時点で詳細は未確認)
TVCMとゲーム内広告の統合施策についてはこちらも参考になります: TVCM×ゲーム内広告 統合施策ガイド
Z世代のブランド体験設計について詳しく知りたい場合は: Z世代のブランド体験設計ガイド
よくある質問
Q. eスポーツスポンサーシップはどのくらいの予算から始められますか?
A. チームスポンサーや大会スポンサーは費用が個別交渉ベースで公開されていないものが多く、一般的な参考値ではチームスポンサーが100万円〜、大会主要スポンサーが300万円〜とされています。ただしストリーマー・選手個人スポンサーは5万円〜の事例もあります。まず小規模な個人スポンサーでテストし、効果を確認してからイベント・チームスポンサーに拡大する段階的なアプローチが現実的です。
Q. ゲーム内広告だけでなくスポンサーシップも組み合わせる必要がありますか?
A. 必ずしも両方が必要なわけではありません。ゲーム内広告単体でも若年層への日常的なブランド露出が設計できます。スポンサーシップは「熱狂的な場での集中露出・体験設計」に強く、ゲーム内広告は「日常的な継続接触」に強い。両方を組み合わせることで相乗効果が期待できますが、まずゲーム内広告でターゲット属性とのフィット感を確認してから判断するのも有効な順序です。
Q. eスポーツスポンサーシップの効果はどう測定すればよいですか?
A. 基本は「事前・事後のブランドリフト調査」を実施することです。スポンサー前後でブランド認知率・好感度・購買意向がどう変化したかを比較します。イベントのライブ配信視聴数・インプレッション数はプラットフォームから取得できますが、「見た後にどう変わったか」を測るには定量調査が不可欠です。近年はROI測定プラットフォーム「Relo Metrics」(GumGum Japan)が国内でも利用可能になっています。
Q. 食品メーカーがeスポーツに参入する場合、どのスポンサーシップ形式が向いていますか?
A. 大会スポンサーが最も参入しやすい形式です。会場でのサンプリング・試食体験(体験型アクティベーション)と組み合わせやすく、実際に日清食品・キッコーマン・コカ・コーラなどが大会スポンサーとして活動しています。来場者・視聴者への直接的なブランド体験設計がしやすいのが食品・飲料業種の強みです。
Q. スポンサーシップ契約でリスクを抑えるポイントは何ですか?
A. 炎上・不祥事への備えとして「契約解除条項・コンプライアンス条項の明記」が最低限必要です。特に選手個人スポンサーはリスクが集中しやすいため、複数人・チーム単位での分散契約が一般的です。また、スポンサーするタイトルや大会の参加者層が自社のブランドイメージと乖離していないかも事前に確認しておく必要があります。
まとめ
eスポーツ・スポーツイベントへのスポンサーシップは「イベント当日の熱狂的な接点」を作ることに優れているが、それだけでは終了後の接触が途切れる。ゲーム内広告と組み合わせることで、Before(認知の下地)→ During(熱狂での露出)→ After(日常での想起定着)という統合設計が可能になる。
日本企業のアクティベーション費比率はグローバル平均の5分の1以下に留まっており、スポンサーシップに投資しながら活かしきれていないケースが多い。スポンサー費の20〜50%相当をAfterアクティベーション施策に充てることが、投資回収率を高める現実的な出発点となる。
若年層・Z世代への認知獲得を課題とする食品・飲料・日用品・通信業種において、この統合設計は特に効果を発揮しやすい。一方で、即時の購買転換を求める施策や短期KPIを追う場面には向かないことも理解した上で、中長期のブランド施策として設計することが重要だ。
ブランド体験の設計全体についてはブランド体験とはも合わせてご覧ください。


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