CTV(コネクテッドTV)広告とゲーム内広告は、どちらも「大画面×動画」という共通点を持ちながら、視聴者が置かれている状況がまったく異なる2つの広告手段だ。この2媒体を組み合わせると、「リビングでリラックスしながらコンテンツを楽しんでいる状態」と「ゲームに能動的に没入している状態」という2つの異なる接触シーンで、継続的なブランド認知を設計できる。

テレビCM単体・SNS広告単体での若年層リーチに課題を感じている場合、この2媒体の統合設計が有力な選択肢になる。本記事では、CTV広告とゲーム内広告の特性比較から、認知フェーズ別の役割分担、動画素材の共通化によるコスト削減、KPI設計の考え方まで、マーケティング担当者が意思決定に使えるかたちで整理する。

この記事でわかること

  • CTV広告とゲーム内広告それぞれの特徴・役割の違い
  • 2媒体を組み合わせた認知設計の実践フレームワーク
  • 動画素材の共通化によるコスト削減の考え方
  • 統合施策に向いている企業・向いていない企業の判断基準
  • KPI設計と効果測定の基本的な考え方

こんな担当者向けの記事です: TVCM・SNS広告の補完施策を探しているマーケティング担当者、若年層・ゲーマー層へのリーチに課題があり複数の媒体組み合わせを検討している企業の方。

CTV広告とゲーム内広告の基本を整理する

リビングルームでコネクテッドTVを視聴する様子。CTV広告の代表的な視聴環境」

CTV(コネクテッドTV)広告とは

CTV広告とは、インターネットに接続されたテレビデバイス上で配信される動画広告のことだ。スマートTV・Fire TV Stick・Apple TV・ゲーム機など、テレビ画面にインターネット接続機能を持つデバイスすべてが配信先になる。TVerやABEMA、YouTube、Amazon Prime Videoといったストリーミングサービス(OTT)を経由して、テレビ画面に広告を届ける。
(定義参照: Amazon Ads公式・syncAD、確認日: 2026-04-25)

「テレビCM」との違いは、精緻なデジタルターゲティングと効果測定が可能な点にある。年齢・性別・視聴履歴・世帯年収・子どもの有無といった属性でターゲティングでき、視聴完了率(VCR)やブランドリフトも計測できる。

日本市場の主要CTV広告プラットフォームとしては、以下の4媒体が代表的だ。

  • TVer: 民放公式の動画配信サービス。2025年4月時点で累計8,500万ダウンロード突破。スキップ不可フォーマットで100%視聴率98%。最低出稿金額50万円(予約型)。テレビ視聴傾向・世帯年収・子どもの有無など細粒度のターゲティングが可能。(出典: KWM・REVISIO コネクテッドTV白書2026、確認日: 2026-04-25)
  • ABEMA: 24時間編成のニュース・恋愛リアリティ・将棋・格闘技等に強い特性を持つ。2025年1月の月間視聴数5億回突破。100%視聴率97%。最低出稿金額500万円(予約型)。(出典: KWM、確認日: 2026-04-25)
  • YouTube(CTV面): Google広告管理画面から出稿でき、最低出稿金額の制約が小さい。CTV(テレビデバイス)での視聴時間は1日あたり約50.4分(YouTubeがテレビデバイス内利用時間1位)で、共視聴が多い点も特徴。(出典: REVISIO コネクテッドTV白書2026、確認日: 2026-04-25)
  • Amazon Prime Video: Ad-supportedプランで広告配信が可能。Amazonの購買データを活用したターゲティングに強みがある。

CTV広告のデバイスカテゴリは、スマートTV・ストリーミングデバイス(Fire TV Stick等)・ゲーム機(PlayStation・Xbox等) の3種に分類される。ゲーム機がCTVデバイスの一つである点は、後述する統合設計の文脈で重要になる。

ゲーム内広告(サイネージ型)とは

ゲーム内広告とは、ゲームのプレイ空間内に設置された看板・モニターに動画広告を配信するフォーマットだ。ゲームの進行を中断しない非侵入型の広告接触が特徴で、プレイヤーはゲームに集中したまま自然に広告を視認する。

ゲーム内広告にも複数の種類があるが、本記事で主に扱うのは「サイネージ型」と呼ばれるゲーム空間内への埋め込み型広告だ。インタースティシャル広告(画面遷移時に全画面表示)やリワード広告(動画視聴でアイテム獲得)とは異なり、ゲーム体験そのものを阻害しない点が差別化要因になる。

詳しい種類・仕組みについては、「ゲーム内広告とは|仕組み・種類・効果を徹底解説」を参照されたい。

なぜ今、CTV×ゲーム内広告の統合設計が重要なのか

スマートフォンでモバイルゲームを楽しむユーザー。若年層のゲーム利用時間増加を示すシーン」

CTV広告市場の急成長

国内CTV広告市場は急速に拡大している。SMN・AJA・デジタルIn Factの共同調査によると、2021年に344億円(前年比337%)まで成長し、2025年には1,695億円に達すると予測されている(同調査 2022年発表)。動画広告全体でも、電通の調査では2024年のビデオ広告費は8,439億円(前年比123%)で最高成長率を記録した(電通「2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」2025年3月発表)。

若年層がテレビ離れを起こしながらCTVとゲームを使っている

若年層の地上波テレビ離れが進む一方で、CTV経由の動画視聴とゲームへの時間投下は増加している。Forrester Research(2024年広告業界予測)によると、Z世代のスクリーンタイムのうちテレビは約17%に留まるのに対し、ゲームや非プレミアムビデオへの時間は2倍以上に達するという。

地上波テレビCMだけでは届かなくなった若年層に対し、CTV広告とゲーム内広告を組み合わせることで、「コンテンツ視聴中」と「ゲームプレイ中」という異なる2シーンで複数回の接触を設計できる。

CTVのMF1層(20〜34歳)へのリーチ効率

KDDIら3社・フリークアウト提供データによると、CTVのMF1層(20〜34歳男女)への注視リーチ効率は地上波の3.6倍という分析結果がある(MarkeZine「CTVのMF1層への注視リーチ効率、地上波の3.6倍に」、確認日: 2026-04-25)。同世代がゲームにも多くの時間を使っていることを踏まえると、CTV広告でブランドを認知させ、ゲーム内広告で記憶への定着を強化する設計に合理性がある。

CTV広告とゲーム内広告の特性を比較する

デジタルマーケティング戦略を検討するマーケター。CTV広告とゲーム内広告の特性比較のイメージ

2媒体の特性の違いを理解することが、統合設計の出発点になる。

比較項目

CTV広告

ゲーム内広告(サイネージ型)

視聴環境

リビングでリラックス中

ゲームに能動的に没入中

主な視聴デバイス

スマートTV・Fire TV Stick・Apple TV・ゲーム機

スマートフォン・PC・タブレット

スクリーンサイズ

大画面テレビが中心

スマホ〜大型モニター(タイトルによる)

視聴完了率

97〜98%(スキップ不可フォーマット時)

視認率最大96%(業界平均67%比)

ターゲティング粒度

年齢・性別・視聴履歴・世帯属性など高精度

年齢層・性別・ゲームカテゴリ・地域

CPM目安

媒体・フォーマットにより大きく異なる

約300円(参考値・Ad-Virtua)

最低出稿金額目安

50万円〜(TVer予約型)・500万円〜(ABEMA予約型)

30万円/週〜(Ad-Virtua)

音声

あり(動画内音声)

原則なし(視覚中心のクリエイティブ必要)

共視聴

あり(複数人でテレビを囲む)

基本は個人視聴

広告への態度

コンテンツ視聴の延長として受容しやすい

体験を邪魔しないため好感度が高い(約85%)

効果測定

視聴完了率・ブランドリフト・CV計測可

視認率・広告想起率・エンゲージメント計測可

クロスデバイス計測

テレビ視聴→スマホCVの計測は技術的に難あり

ゲームアプリ内での行動計測が基本

CTV広告は「リーチの幅とブランドリフト」、ゲーム内広告は「特定セグメントへの高視認率・好感度接触」にそれぞれ強みを持つ。どちらか一方に依存するより、役割を分担させることで補完効果が生まれる。

ゲーム内広告の種類・費用についての詳細は「ゲーム内広告の仕組み・種類・効果」も合わせて参照されたい。

認知フェーズ別の統合設計フレームワーク

ゲームプレイヤーがスクリーンに集中する様子。認知フェーズにおけるゲーム内広告の高視認率接触のイメージ

フェーズ1:認知拡大(まだ知らない人に届ける)

このフェーズでは「広くリーチする」ことが優先される。CTV広告のスキップ不可フォーマットは視聴完了率が高く(TVer: 98%・ABEMA: 97%)、大画面での動画訴求はブランドの第一印象形成に適している。特にTVer・ABEMAは放送局との連携コンテンツが多く、ブランドセーフティを担保しながら届けやすい。

まずCTV広告で認知の幅を確保し、その後ゲーム内広告でターゲット層への継続接触を設計するのが基本的な流れだ。

フェーズ2:想起強化(知っているが選ばれていない)

一度認知されたブランドを「買う候補」に格上げするには、複数の文脈での接触が有効だ。ゲーム内広告はプレイ中の能動的な集中状態での接触になるため、広告想起率が通常のWeb広告比で約1.8倍という効果が報告されている(Ad-Virtua公式KPI、確認日: 2026-04-25)。CTV広告で認知した商品・ブランドを、ゲーム内広告で改めて接触することで、「見たことがある」から「なんとなく気になる」への態度変容を促せる。

ビデオリサーチの分析では、テレビCM×ネット動画広告の組み合わせによって平均129%の態度変容効果向上が確認されている(ビデオリサーチ「クロスメディア推計」、東京50km圏の男女12-69才 n=4,936、確認日: 2026-04-25)。この知見はCTV×ゲーム内広告の組み合わせにも考え方として応用できる。

フェーズ3:購買促進・指名検索誘導

Googleのデータによると、CTV広告接触者のスマートフォン・PCでの検索行動はそうでない人と比較して約1.8倍増加するという(Google開示実績・syncAD経由、確認日: 2026-04-25)。CTV広告で興味関心を高め、ゲーム内広告でブランド名を再度視認させることで、スマートフォンでの指名検索や購買行動につながる流れを設計できる。

Ad-Virtuaのゲーム内広告事例では、QRコード広告がYouTuberに実況された際にWebサイトへのアクセスが約4倍に増加したという報告もある(宣伝会議 2024年11月掲載記事より、確認日: 2026-04-25)。

「CTV先行」vs「ゲーム内広告先行」どちらが有効か

原則として、認知拡大フェーズはCTV先行が合理的だ。理由は、CTV広告の方がリーチの母集団が大きく、新規認知の獲得コストが相対的に低いためだ。ただし、以下のケースではゲーム内広告を先行させる選択肢もある。

  • ゲームプレイヤー・ゲーマー層をメインターゲットとする場合(エナジードリンク・スナック・音楽系サービス等)
  • まず少予算で効果検証してから規模を広げたい場合(ゲーム内広告は最低30万円/週〜出稿可能、CTV予約型は50万〜500万円〜)
  • すでにTVCMで認知があり、ゲーマー層への想起強化を目的とする場合

動画素材の共通化でコストを抑える方法

CTV広告もゲーム内広告(サイネージ型)も、16:9の横型動画(最大30秒) という共通フォーマットを持つ。これはTVCM素材と同じ規格であり、既存のTVCM素材をそのまま転用できる可能性がある。

転用時の注意点

  • 音声の有無: ゲーム内広告(サイネージ型)は原則音声なしのため、音声に依存したメッセージは視覚表現に置き換えが必要。テロップ・字幕・視覚的なCTAを明示することが重要だ。
  • 動画尺: Ad-Virtuaのゲーム内広告は最大30秒対応。CTV広告では15秒・30秒が代表的な尺。30秒素材をゲーム内広告に転用する場合、音声なしでも15秒程度に編集し直すとメッセージが伝わりやすい。
  • ゲーム空間との馴染み: ゲーム内看板に掲示されるため、過度に複雑なビジュアルより、シンプルでブランドロゴが視認しやすいデザインが効果的とされる。

コスト試算の考え方

既存TVCM素材をそのままCTV広告とゲーム内広告に転用できれば、クリエイティブ制作コストを追加負担なしに2媒体で活用できる。新規制作が必要な場合でも、1本の素材を両媒体で使い回す前提で制作コストを分割して考えると、費用対効果は高まりやすい。

TVCM・CTV広告とゲーム内広告の素材転用については、「TVCM代替・補完施策ガイド」も参照されたい。

主要CTVプラットフォームの選び方と予算設計

プラットフォーム別の特性

プラットフォーム

主なターゲット特性

最低出稿金額目安

視聴完了率(事例値)

備考

TVer

テレビ視聴習慣のある層・幅広い年齢層

50万円〜(予約型)

98%(スキップ不可)

世帯年収・子どもの有無など細粒度ターゲティング可能

ABEMA

ニュース・スポーツ・恋愛リアリティ好きの層

500万円〜(予約型)

97%(スキップ不可)

特定ジャンルへの親和性が高いターゲット層に有効

YouTube(CTV面)

幅広い年齢層・ゲーマーも含むZ世代

制限なし(Google広告経由)

スキップ可能なフォーマットあり

出稿ハードルが低く、テスト出稿に適している

Amazon Prime Video

Amazonユーザー・購買行動データ保有層

媒体側に要確認

-

購買データを活用したターゲティングに強み

(出典: KWM、確認日: 2026-04-25。視聴完了率はアパレル企業の事例値であり、業種・クリエイティブにより異なる)

ゲーム内広告(Ad-Virtua)との組み合わせ予算の考え方

CTV広告(TVer予約型: 50万円〜)+ゲーム内広告(30万円/週〜)を組み合わせると、合計80万円〜の予算設計から統合施策が始められる計算になる。ただし、ABEMAの予約型(500万円〜)は規模が大きく、まずYouTube CTV面やTVerで検証してから規模を拡大する進め方が現実的だ。

予算規模が限られている場合は、まずゲーム内広告(30万円/週〜)のみで効果検証を行い、その後CTV広告を追加するというステップアップも選択肢の一つだ。

ゲーム内広告の費用・KPIの詳細については、「ゲーム内広告・メタバース広告の費用・料金相場」を参照されたい。

統合施策のKPI設計と効果測定

各媒体で追うべき主要KPI

CTV広告側

  • 視聴完了率(VCR: Video Completion Rate): スキップ不可フォーマットの場合、業界ベンチマークはTVer 98%・ABEMA 97%(事例値)
  • ブランドリフト: 認知度・ブランド好意度・購買意向の変化をサーベイ型調査で計測
  • CTV接触後の指名検索数: Googleアナリティクス等でブランドキーワードの検索数増加を確認

ゲーム内広告側

  • 視認率: 業界平均67%に対し、サイネージ型では最大96%が報告されている(Ad-Virtua公式KPI、確認日: 2026-04-25)
  • 広告想起率: 通常のWeb広告比で約1.8倍(Ad-Virtua公式KPI)
  • Webサイトへのオーガニックトラフィック: 広告配信期間中の流入増加を計測(26%増の事例あり・Ad-Virtua公式)

クロスメディア計測の課題と対応

CTV広告とゲーム内広告を統合した場合、「どちらの媒体がどの程度CVに貢献したか」を厳密に計測することは、現時点では技術的に難しい。クロスデバイスのアトリビューション(テレビで視聴→スマホでCV等)には、IPベースマッチングやデバイスグラフを使った手法が開発されているが、精度に限界がある。

実務上は「CTV広告単独の視聴完了率・ブランドリフト」「ゲーム内広告単独の視認率・想起率」を各媒体で計測しつつ、統合施策期間中の指名検索数・Webサイトオーガニックトラフィック・実売データの変化をマクロな指標として追う設計が現実的だ。

電通が提供する「STADIA360」(テレビ実視聴データを用いた統合マーケティング基盤)や「MIERO Digi×TV」(テレビ・PC・モバイル・CTVのデータ統合分析)のような統合計測ツールも参考になるが、大手広告主向けの仕組みであることに注意が必要だ(出典: 電通公式プレスリリース、確認日: 2026-04-25)。

この統合施策に向いている企業・向いていない企業

こんな企業に向いている

条件

理由

若年層(Z世代・ミレニアル世代)が主要ターゲット

テレビ離れが進む層への複数接点を確保できる

TVCM素材またはCTV用動画素材を保有している

既存素材をゲーム内広告に転用でき、追加制作コストが抑えられる

ブランドの認知拡大から想起強化まで段階的に設計したい

2媒体の役割分担でフェーズ別施策が設計しやすい

食品・飲料・日用品・外食・エンタメなど生活接点の広い業種

ゲームプレイヤーと日常消費が重なりやすく、接触後の行動変容を期待しやすい

テレビCM・SNS広告の補完施策を探している

CTV広告は従来TVCMと親和性が高く、ゲーム内広告はSNS広告と異なる文脈での接触を作れる

最低80万円程度〜の予算を確保できる

CTV(TVer予約型50万円〜)+ゲーム内広告(30万円/週〜)の組み合わせ最低ラインとして

こんな企業には向いていない

条件

理由

ターゲットが高齢層(60代以上)中心

CTV広告の訴求力はあるが、ゲーム内広告はターゲット年齢層のリーチが限られる

即時の直接CVを求めている(EC売上の直接計測を最優先)

両媒体とも認知・想起系の指標が主。短期のダイレクトレスポンスにはSNS広告等の方が向いている

クリエイティブ素材が静止画・テキスト中心で動画がない

CTV広告もゲーム内広告も動画フォーマットが基本。動画制作の費用・体制が別途必要

BtoB企業で意思決定者層へのリーチが必要

個人消費者向けB2C施策の性格が強く、BtoBの特定職種・役職へのリーチ効率は高くない

予算規模が小さく、まず効果検証したい段階

CTV予約型(50万〜500万円)は最低出稿金額が高め。まずゲーム内広告単体から始める方が現実的

よくある失敗パターンと対策

失敗1: 媒体ごとにクリエイティブを作り直さず、そのまま転用してしまう

CTV広告では音声が有効に使えるが、ゲーム内広告では音声なしが原則だ。同じ素材をそのまま使うと、ゲーム内広告でメッセージが全く伝わらないケースがある。対策は、テロップや字幕・視覚的なロゴ訴求を強化した編集版を用意することだ。

失敗2: フリークエンシー管理を怠り、同じユーザーへの過剰配信が起きる

CTV広告では、同一広告の過剰配信(フリークエンシーオーバー)によってブランド疲労が生じるリスクがある。一般的に6〜8回程度を上限に設定することが推奨されている(出典: LISKUL、確認日: 2026-04-25)。CTV広告とゲーム内広告の両方でターゲットが重複する場合、合算のフリークエンシーを意識した管理が重要だ。

失敗3: CTV広告単体の効果計測に注力しすぎ、統合効果を見えにくくする

CTV広告の視聴完了率とゲーム内広告の視認率をそれぞれ個別に最適化しようとするあまり、「統合施策としての認知・想起への影響」が可視化されないケースが多い。施策開始前に「指名検索数」「ブランドリフトサーベイ」等の統合指標を設定しておくことが重要だ。

失敗4: 認知フェーズと購買フェーズの役割を混在させる

CTV広告もゲーム内広告も認知・想起型の施策であり、短期的なCV最大化は不得意だ。「広告を見た直後に購入につなげたい」という目標には向いていない。購買促進を目的とする場合はSNS広告・リターゲティング広告との組み合わせを検討する必要がある。

ゲーム内広告(Ad-Virtua)がこの統合施策に適合する条件

ここまでCTV広告とゲーム内広告の統合設計を中立的に解説してきたが、終盤でゲーム内広告の選択肢の一つとしてAd-Virtuaが適合するケースを整理する。

Ad-Virtuaは国内最大級のゲーム内広告(サイネージ型)アドネットワークとして、400タイトル以上のゲームに対応している(Ad-Virtua公式サイト、確認日: 2026-04-25)。主なKPIとして、広告想起率は通常のWeb広告比約1.8倍、視認率は最大96%(業界平均67%)、好感度は約85%(ユーザーがゲーム体験に適していると回答)が示されている。また、累計再生数は8,000万回を突破している(Ad-Virtua公式サイト、2025年後半時点)。

以下の条件が重なる場合、CTV広告との統合施策においてAd-Virtuaが特に適合する。

Ad-Virtuaが統合施策に適合する条件

  • 若年層(10〜30代)のゲームプレイヤーが主要ターゲットに含まれる
  • 16:9横型の動画素材が手元にある(TVCM素材・CTV用素材の転用が可能)
  • プレイ体験を阻害せず、好感度を保ちながら認知接触を増やしたい
  • 週単位・短期間からテスト出稿して効果を検証したい(最短1営業日でキャンペーン開始可能)
  • 初期費用や代理店手数料を抑えたい(初期費用なし・レポーティング・プロサポート無料)

費用感については、Ad-Virtuaは週30万円(税別)〜、想定100万インプレッション/週での出稿が可能だ。CPMは約300円(参考値)で、TVer(50万円〜)よりも低い出稿金額から始められる点が、CTV広告と組み合わせて統合施策をテストする際の入口として機能しやすい。

統合施策の詳細・活用事例については、Ad-Virtua公式サイトからお問い合わせいただきたい。

よくある質問(FAQ)

Q1. CTV広告とゲーム内広告は、どちらから始めるべきですか?

認知拡大が目的であれば、リーチの母集団が大きいCTV広告から始め、その後ゲーム内広告で想起強化を設計するのが基本的な流れです。ただし、予算が限られている場合や、まず効果検証したい場合は、最低30万円/週〜から出稿できるゲーム内広告(Ad-Virtua)を先行させ、検証後にCTVを追加する選択肢もあります。

Q2. 既存のTVCM素材をそのまま両方の媒体に転用できますか?

CTV広告には基本的にそのまま転用できます。ゲーム内広告(サイネージ型)は原則音声なしのため、音声依存のメッセージは視覚表現に置き換えた編集版が必要です。15〜30秒の横型動画(16:9)という規格は共通なので、テロップや字幕を追加する程度の編集で転用できるケースが多いです。

Q3. 2媒体を統合した場合、どうやって効果を計測すればいいですか?

現時点では、両媒体を横断した精緻なアトリビューションは技術的に難しい側面があります。実務上は「CTV広告の視聴完了率・ブランドリフト」「ゲーム内広告の視認率・広告想起率」をそれぞれ計測しつつ、施策期間全体の指名検索数・Webサイトオーガニックトラフィック・実売データの変化をマクロ指標として追う設計を推奨します。

Q4. ゲーム機(PlayStationなど)はCTV広告の対象になりますか?

一般的に、PlayStation・Xboxなどのゲーム機はCTVデバイスの一つに分類されます。これらのデバイス上でTVer・YouTube・Amazonなどのストリーミングサービスを経由して広告を配信することは理論上可能ですが、デバイスごとの配信設定や在庫の有無は各CTVプラットフォームの仕様に依存します。詳細は各媒体の担当者に確認することをお勧めします。

Q5. BtoB企業でも、CTV×ゲーム内広告の統合施策は有効ですか?

基本的にはB2C(一般消費者向け)の認知施策として設計されています。BtoB企業の場合、ターゲットとなる職種・役職・業種への精緻なターゲティングという点では、LinkedIn広告や業界メディアの方が効率的です。ただし、BtoB企業でも採用ブランディング・認知度向上・社名の浸透を目的とする場合は活用可能性があります。

まとめ

CTV広告とゲーム内広告は、それぞれ異なる接触文脈でブランドに出会う機会を作る媒体だ。CTV広告は「リビングでのリラックス視聴中」、ゲーム内広告は「ゲームへの能動的没入中」という場面での接触を担う。

この2媒体を組み合わせた統合施策の要点を改めて整理すると:

  1. 役割分担を明確に: CTV広告で認知拡大・ゲーム内広告で想起強化、というフェーズ別設計が基本
  2. 動画素材は共通化できる: 16:9横型動画という共通フォーマットを活かし、TVCM素材の転用でコストを抑える
  3. ゲーム内広告は音声なしに対応したクリエイティブが必要: 字幕・テロップ・視覚的CTAを明示する
  4. KPIは統合指標(指名検索数・ブランドリフト)で追う: 媒体ごとのKPIだけでなく、統合効果をマクロで把握する
  5. 向き不向きがある: 若年層B2C・動画素材保有・認知施策目的の企業に適合しやすい

まずテスト出稿から始めたい場合は、最低出稿金額が低いゲーム内広告から効果を確認し、確認後にCTV広告を追加する進め方が現実的だ。

CTV広告との統合施策を含め、ゲーム内広告の詳しい活用方法については、「ゲーム内広告とは|仕組み・種類・効果を徹底解説」をあわせてご確認ください。