ブランド好感度を高めたいなら、「どこに広告を出すか」より「広告がユーザーの体験を阻害しないか」を先に問うべきです。インゲーム広告(サイネージ型)はゲームの進行を止めずに広告接触を発生させる設計上の特徴から、好感度約85%(Ad-Virtua調査)という数値を実現しており、ブランド認知施策の新しい選択肢として注目が高まっています。

この記事では、広告嫌悪が生まれる構造的な原因を整理した上で、「嫌われない広告」を設計するための原則と、インゲーム広告がブランド好感度向上に効果的な理由を実務的な視点で解説します。

この記事でわかること:

  • デジタル広告が嫌われる3つの構造的な原因
  • ブランド好感度を高める広告設計の原則
  • インゲーム広告の好感度約85%が意味すること(数値の正確な読み方)
  • 主要広告フォーマットの好感度・視認率・費用感の比較
  • インゲーム広告が向いている企業・向いていない企業の判断基準

対象読者: 若年層・生活者層へのブランド認知施策を検討しており、「嫌われない広告」「好感度の高い接触」を実現したい企業のマーケティング担当者。

デジタル広告はなぜ「嫌われる」のか

スマートフォンを手に持つビジネスパーソン——デジタル広告への不満・ストレスを示すイメージ

ブランド好感度を高めようとして出した広告が、逆にブランドイメージを損なう。この逆説は、広告フォーマットの選択を誤ると現実になります。

JIAA(インターネット広告推進協議会)が2025年に実施したユーザー意識調査によると、インターネット広告を「信頼できる」とする回答はわずか21.6%。一方で「信頼できない」は33.7%に上り、テレビCMの倍以上の不信率を記録しています。LINEヤフー調査(2022年)では、インターネット広告に「強いまたはまあまあストレスを感じる」と答えた人が約70%にのぼりました。

この広告嫌悪の原因は大きく3つに整理できます。

広告嫌悪の3つの原因

① 強制中断型フォーマット

インタースティシャル広告(画面遷移時の全画面表示)や動画の強制視聴は、ユーザーがコンテンツを楽しんでいる体験を止めます。「いまやりたいことの邪魔をされた」という感情が広告への反発に直結します。LINEヤフー調査でストレスの主因に挙げられたのも「画面の大部分を占有する」「意図しないクリックを促す」というUXの阻害です。

② 追跡型・プライバシー侵害型

行動履歴・位置情報・検索履歴をもとにした過剰なターゲティングは「見られている不快感」を生みます。同じ広告が繰り返し表示される疲弊感も、ブランド印象をじわじわ削っていきます。

③ 広告掲載環境の品質問題

Integral Ad Science(IAS)とNeuro-Insightの共同研究によると、低品質なコンテンツ環境で広告を見た場合、そのブランドの使用をやめることを検討する人が65%に達します(IAS「Ripple Effect」調査)。一方、高品質な環境での広告は低品質環境比で好感度が74%向上し、長期記憶に30%残りやすくなるという脳神経学的な根拠も確認されています。広告の中身より「どこで見たか」がブランド印象を左右しているのです。

ブランド好感度を高める広告設計の3つの原則

ブランド戦略・マーケティング設計を示すクリエイティブな資料

上記の原因分析を裏返すと、ブランド好感度を高める広告設計の原則が見えてきます。

原則1:体験を中断しない

ユーザーが「いまやりたいこと」の進行を止めない広告フォーマットを選ぶことが出発点です。体験の流れの中に自然に存在する広告は、強制視聴型に比べてユーザーの心理的抵抗が格段に低くなります。

原則2:コンテンツ環境の品質を優先する

「どこに出稿するか」はクリエイティブと同等以上に重要です。ブランドの世界観にそぐわない低品質な環境への出稿は、認知度が上がってもブランドイメージを傷つけるリスクがあります。IASの調査が示す通り、高品質環境での広告接触はブランドへの好感度と記憶残存率を大幅に改善します。

原則3:コンテキストとの整合性を保つ

広告がユーザーの置かれている状況・気持ちと合っているほど、受け入れられやすくなります。ゲームプレイ中であれば「ゲームの世界観の一部として存在する広告」、食事中であれば「食欲を刺激する文脈の広告」といった具合です。コンテキスト適合は、ターゲティング精度よりも根本的な効果要因です。

インゲーム広告が「嫌われない」仕組み

スマートフォンでモバイルゲームをプレイする様子——インゲーム広告の掲載環境イメージ

この3原則をすべて満たす広告フォーマットとして注目されているのが、ゲーム空間内の看板・モニター・テレビに動画広告を配信するインゲーム広告(サイネージ型)です。

インゲーム広告のうち、ゲーム空間に自然に存在するサイネージ型(Ad-Virtuaが提供する形式)には、従来の広告フォーマットと明確に異なる4つの設計上の特徴があります。

1. プレイを止めない
ゲームの進行を中断せず、ゲーム世界の看板・ビルボード・テレビとして表示されます。インタースティシャルやリワード広告とは構造的に異なり、「広告を見せられた」という意識が生まれにくい設計です。

2. ゲーム世界観との調和
ゲーム空間に存在するオブジェクトとして広告が配置されるため、「広告とゲームが別物」という認知的分断が起きにくく、プレイ没入感を保ったまま広告接触が発生します。

3. 操作の邪魔にならない配置設計
交差点・集合広場・待機エリアなど、自然に視界に入る場所を選定し、操作に影響しない位置に配置されます。クリックミスを誘発する設計は採用されていません。

4. アドブロッカーの対象外
インゲーム広告はゲームエンジン内のオブジェクトとして表示されるため、ブラウザのアドブロッカーをすり抜けます。キーマケLab調査(2025年1月)によると日本でのアドブロックツール認知率は57.1%、利用経験者は34.3%に達しており、通常のWeb広告のリーチには見えない穴が開き始めています。

「好感度85%」の数値を正確に理解する

広告効果のデータ分析とブランドリフト測定を示すグラフ・チャート

「インゲーム広告の好感度は約85%」という数値は複数のメディアで引用されていますが、正確には2種類の異なるデータが混在しています。

① Ad-Virtua調査による「広告好感度約85%」
Ad-Virtuaの公式コラムで言及されている数値で、Ad-Virtua調査由来とみられます(現時点では調査機関・調査手法・調査対象・実施年の詳細は公式サイトに明示されていません。確認日:2026-04-27)。

② Anzu × Lumen Technologies調査(2023年)による「視聴率85%」
n≒25,000を対象にした第三者調査で、インゲーム広告のインプレッション視聴率が85%(他の広告フォーマット42種の平均65%を上回る)であることを示したデータです。「好感度」ではなく「視聴率(実際に視界に入った割合)」の数値です。

この2つは性質が異なります。ただし、複数の独立したデータが示す共通した傾向として、インゲーム広告はユーザーから強い拒絶反応を受けにくいという点は一致しています。IAB(米国インタラクティブ広告協会)の調査では、ゲームプレイヤーの70%がインゲーム広告に対して「ポジティブまたはニュートラル」な感情を示し、86%の広告主がインゲーム広告を「ブランドセーフ」と評価しています(IAB State of Gaming Advertising 2024)。

数値をそのまま使うのではなく、「なぜその数値になるのか」という構造(体験を阻害しない設計、高品質な没入環境、コンテキスト適合)を理解した上で判断することが重要です。

主要広告フォーマット比較|好感度・視認率・費用感

ブランド好感度向上という目的に対し、主要な広告フォーマットをどう評価するかを整理します。

フォーマット

ユーザー体験阻害

視認率・好感度

アドブロック回避

CPM目安

向いているKPI

インゲーム広告(サイネージ型)

なし(ゲーム進行を止めない)

視聴率85%(Anzu×Lumen調査)/ 好感度約85%(Ad-Virtua調査)

約300円〜

ブランド認知・好感度向上

インタースティシャル広告

高(全画面強制表示)

視認率は高いが嫌悪感リスク大

△(一部)

100〜300円

インストール促進

リワード広告

中(任意だが誘導感あり)

視聴完了率は高い

200〜500円

エンゲージメント・アプリ内

SNS動画広告

中(スクロール妨害型)

ビューアビリティ79%(IAB調査)

×

500〜2,000円

認知・フォロワー獲得

Web動画広告(プレロール等)

高(スキップまで強制)

ビューアビリティ87%(IAB調査)

×(ブロック対象)

300〜1,500円

認知・リーチ拡大

テレビCM

なし(視聴中の差し込みのみ)

高い(信頼率も高い)

不要

数万〜数十万円/GRP

ブランド認知・信頼性

※CPMは公開情報および業界一般的な参考値。実際の価格はターゲティング・配信規模・媒体により変動します。

インゲーム広告は「体験阻害がなく、アドブロックを回避でき、ブランドセーフな環境に出稿できる」という3条件を同時に満たす数少ないフォーマットです。CPMもWeb動画やSNS広告と比較して低い水準(約300円〜)にある点は実務上の判断材料になります。

インゲーム広告が向いている企業・向いていない企業

インゲーム広告がすべての企業に最適というわけではありません。以下の基準で自社への適合性を判断してください。

こんな企業・施策に向いています

ターゲット層が若年層・Z世代・ゲームプレイヤーに重なる場合
スマホゲームの主要ユーザー層は10〜30代男女。この年齢層へのリーチ施策としては、TVCMよりも効率的に接触できるケースが多いです。

「第一想起」「ブランド認知」をKPIに置く場合
クリック・コンバージョンではなく、ブランドの名前・ロゴ・世界観を記憶に残すことを目的とした施策に向いています。Anzu × Lumen調査では視聴後の広告情報記憶率が49%(他メディア比+13ポイント)という結果が出ています。

既存の動画素材(TVCM・Web動画)を持っている場合
インゲーム広告への入稿はゲーム内のモニター・看板に動画を差し込む形式のため、既存の動画クリエイティブをそのまま活用できます。新規制作コストを抑えて施策をスタートできます。

TVCMでリーチしにくい若年男性層を狙う場合
テレビ視聴が減少している20〜30代男性へのアプローチとして、スマホゲームへの出稿は有効な補完手段になります。

ブランドセーフな環境での認知が重要な場合
食品・飲料・日用品・交通・インフラなど、ブランドイメージが企業価値に直結する業種では、広告掲載環境の質が直接ブランド資産に影響します。

こんな企業・施策にはおすすめしません

即時のクリックコンバージョン・販売を求める場合
インゲーム広告はブランド認知・好感度向上に特化したフォーマットです。「今すぐ購買」を促すダイレクトレスポンス型の施策には向いていません。

ターゲット層がゲームをほとんどしない年齢層の場合
60代以上を中心ターゲットにする場合は、スマホゲームのユーザー層との重複が小さく、リーチ効率が下がります。

週30万円以下の予算で単発のみ検討している場合
インゲーム広告はブランド記憶への積み重ねが重要です。1週間の単発出稿では、広告想起率や好感度向上の効果が限定的になります。継続的な接触設計が効果を生む施策です。

クリエイティブに動画素材がなく、制作予算もない場合
動画広告が基本フォーマットのため、静止画のみの場合は動画制作費が追加コストになります。

費用と効果の実務試算

Ad-Virtuaの公式サイトが公開している基本プランを起点に、費用対効果の考え方を整理します(2026年4月時点の公式サイト記載情報)。

項目

内容

最小出稿額

300,000円/週

想定リーチ

週約100万回再生

初期費用

なし

CPM換算

約300円/1,000回再生

動画制作

オプション(別途費用)

配信開始

最短翌日から

CPM比較で見る費用対効果

CPM300円は、SNS動画広告(500〜2,000円)やWeb動画広告(300〜1,500円)と比較しても競争力のある水準です。さらに視認率(インゲーム広告は最大96%、業界平均67%比)と好感度の優位性を加味すると、「有効接触単価」は数値以上に低くなります。

ブランドリフト効果との照合

Anzu × Tommy Hilfigerのインゲーム広告キャンペーン事例では、ブランド好感度が+20pt向上し、ブランド推薦意向が+24pt向上したという結果が報告されています(出典:Anzuブログ)。同様にSonyのキャンペーンではブランドイメージ+42pt、ブランド検討意向+35ptという事例もあります(Anzu関連情報)。

個社ごとの効果は商材・クリエイティブ・配信期間により変わりますが、「1週間300万円のTVCM」との比較ではなく、「1週間30万円でゲームユーザー100万接触を獲得する施策」として費用対効果を評価することが実務上の正しいフレームです。

Ad-Virtuaが合う企業の条件

ここまでインゲーム広告全体の話として解説してきましたが、具体的にAd-Virtuaの活用を検討する際の条件をまとめます。

Ad-Virtuaは、国内400〜600タイトル以上(公式サイト記載、カテゴリ別で表記が異なる)に配信網を持つアドネットワークで、最小出稿額300,000円/週・初期費用なし・最短翌日配信という導入のしやすさが特徴です。累計再生数は2025年4月時点で1,800万回突破(公式サイト記載)。

以下の条件に1つ以上当てはまる場合、検討の優先度が高くなります。

Ad-Virtuaが合いやすい条件:

  • 10〜30代のスマホユーザーを主ターゲットにしている
  • 既存の動画素材(TVCM・Webムービー)がある
  • 「ブランド認知」「想起率」「好感度」をKPIに設定している
  • 週30万円〜の認知施策予算を持ち、3〜12週の継続出稿が可能
  • 食品・飲料・日用品・外食・エンタメ・交通など生活接点の広い業種
  • TVCMで届きにくい若年男性層を補完したい

まず相談が有効なケース:

  • 認知施策の効果測定(ブランドリフト調査)を実施したい
  • 複数ジャンルのゲームタイトルへのセグメント配信を試したい
  • 既存のWeb広告・TVCMとの組み合わせ設計を相談したい

ゲーム内広告全体の費用感・相場については「ゲーム内広告の費用・料金相場と選び方」で詳しく解説しています。ゲーム内広告の種類や仕組みを基礎から確認したい場合は「ゲーム内広告とは?仕組み・種類・効果を解説」も参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

Q. インゲーム広告の「好感度85%」は信頼できる数値ですか?

A. 「85%」という数値には2つの異なるデータが混在しています。Ad-Virtua調査による「広告好感度約85%」と、Anzu × Lumen Technologies調査(2023年)による「インプレッション視聴率85%」です。後者は第三者機関の大規模調査(n≒25,000)であり、信頼性は高いと言えます。前者はAd-Virtua由来の調査で調査詳細が公開されていない部分があるため、参考値として扱い、複数データを組み合わせて判断することをお勧めします。

Q. インゲーム広告を出したことで逆にブランドイメージが下がることはありますか?

A. ゲームの世界観と広告の内容やビジュアルが著しく乖離している場合、ゲームユーザーに違和感を与えることがあります。ゲーム内広告でもコンテキスト適合(どんなジャンルのゲームに出稿するか、どんなクリエイティブを使うか)は重要です。出稿前にジャンル・ターゲティング設定とクリエイティブの整合性を確認することが推奨されます。

Q. 1週間だけの出稿でもブランド効果はありますか?

A. 単発の1週間出稿でも認知接触は発生しますが、ブランド好感度・想起率の向上には継続的な接触が有効です。一般的なブランドリフト調査では3〜4週間以上の継続出稿で有意な差が確認されやすくなります。まず1〜2週の試験出稿で配信データを確認し、継続出稿を判断するプロセスが実務上スタンダードです。

Q. テレビCMを補完する施策としてインゲーム広告は有効ですか?

A. テレビ接触が減少している20〜30代男性層は、TVCMだけでは接触頻度を確保しにくくなっています。スマホゲームのユーザーとこの年齢層が重なるため、TVCMとの組み合わせで「テレビで届かない層への補完」として活用するケースが増えています。既存のTVCM動画素材をそのままインゲーム広告に転用できる点も、コスト効率の面でメリットがあります。

Q. 効果測定(ブランドリフト調査)はどのように実施できますか?

A. Ad-Virtuaでは広告想起率・ブランド認知率等のブランドリフト調査をサポートしています。配信前後でアンケートを実施し、広告接触者と非接触者の比較でブランド指標の変化を測定する手法が一般的です。具体的な計測設計はコンサルタントサポートを通じて相談できます。

数値・サービス情報は公式サイト(https://ad-virtua.com)および各調査の公開データを参照しています(確認日:2026-04-27)。最新情報は各公式ソースでご確認ください。