テレビCMの出稿計画は、目的が「新規獲得」「想起強化」「指名獲得」のどれかによって、選ぶべき番組枠・予算配分・効果指標がまったく変わります。本記事では3つの目的別に、実務で使える出稿計画テンプレートを整理し、テレビCMだけでは届きにくい層を補う ゲーム内広告 との組み合わせ方も解説します。

広告とは何か を整理したうえで、各メディアの役割を比較したい方は、まず広告全体像の解説記事から読むことをおすすめします。

テレビCM出稿計画の全体像

テレビCM出稿計画の基本フレームワーク

テレビCM出稿を成功させるには、まず「何のために出稿するのか」という目的を明確にすることが不可欠です。

目的が曖昧なまま出稿すると、予算を投下しても期待した効果が得られず、「テレビCMは効果がわかりにくい」という結論に至りがちです。実際、広告効果測定の専門家は「売上は原因特定の解像度が低い指標」と指摘しており、テレビCMだけでなく商品力・流通・競争環境など多くの要因が複合的に影響することを理解する必要があります。広告全体の考え方は 広告効果とは も参考になります。

出稿目的を3つに分類する

テレビCM出稿の目的は、大きく以下の3つに分類できます。

  • 新規獲得:まだブランドを知らない層にリーチし、認知を広げる
  • 想起強化:既に知っている層に対し、購買時に思い出してもらえるよう記憶を定着させる
  • 指名獲得:競合と比較されることなく、第一想起を獲得して指名買いを実現する(参考: 第一想起を獲得する方法

それぞれの目的によって、適切なKPI、出稿量、番組選定、クリエイティブ戦略が異なります。

目的別のKPI設定が重要な理由

テレビCMの効果測定では、目的に応じた適切なKPIを設定することが成功の鍵です。

新規獲得ならリーチ数や GRP(延べ視聴率)、想起強化なら広告想起率やブランド純粋想起率、指名獲得なら第一想起率や指名検索数といった指標を追うべきです。認知度調査では助成想起(選択肢を見せて思い出してもらう)と純粋想起(何も見せずに思い出してもらう)を区別して測定することで、ブランドの記憶定着度を正確に把握できます。

目的とKPIがずれていると、施策の成否を正しく判断できません。

目的別の出稿計画テンプレート早見表

3つの目的の違いを、実務でそのまま使える比較表に整理しました。

比較項目

新規獲得

想起強化

指名獲得

主な狙い

認知の裾野を広げる

購買時に思い出される

第一想起・指名買い

重視KPI

リーチ、GRP、助成想起率

純粋想起率、広告想起率

第一想起率、指名検索数

出稿期間

短期集中(1〜3か月)

中期継続(3〜12か月)

長期持続(1年以上)

主な枠

スポットCM中心

スポット+タイム併用

タイムCM中心

TVCM予算比率の目安

70〜80%

60〜70%

50〜60%

補完施策の目安

デジタル動画・ゲーム内広告 20〜30%

ゲーム内広告・SNS 30〜40%

ゲーム内広告・オウンド・イベント 40〜50%

クリエイティブ方針

認知特化・名前を覚えさせる

統一トーン・記憶の手がかり強化

独自価値・信頼の訴求

【目的別①】新規獲得を目指すテレビCM出稿計画

新規顧客の獲得を目指す場合、最も重視すべきは「リーチの最大化」です。

まだブランドを知らない層に広く接触し、認知の裾野を広げることが第一目標となります。この段階では、深い理解よりも「名前を知ってもらう」ことが優先されます。

新規獲得のための出稿戦略

新規獲得を目的とする場合、以下のポイントを押さえた出稿計画を立てましょう。

  • 広いターゲット設定:性別・年齢を絞りすぎず、潜在顧客層全体にリーチ
  • 高頻度の露出:短期間に集中して出稿し、認知を一気に高める
  • 視聴率の高い番組枠:ゴールデンタイムやプライムタイムを中心に配置
  • スポットCM活用:番組提供ではなく、複数番組にまたがるスポット枠で広くリーチ

ビデオリサーチの「R&F Plus」などのシミュレーションツールを活用すれば、出稿前に目標リーチが獲得できるかを検証できます。地方エリアへの配分も含めて、どのエリアにどれだけの広告を投下すべきかを明確にすることが可能です。

新規獲得時の予算配分イメージ

新規獲得時の予算配分テンプレート

新規獲得フェーズでは、予算の大部分をリーチ拡大に投下します。

目安として、全体予算の70〜80%をテレビCMのスポット枠に配分し、残り20〜30%をデジタル広告やゲーム内広告などの 補完施策 に充てる構成が効果的です。テレビCMだけでは接触しにくいZ世代男性層(ゲームプレイヤー割合約80%、プレイ時間約100分)には、ゲーム内広告が高い親和性を持ちます。広告ごとの費用感は 広告費用の相場 も合わせて確認しておくと、配分判断がしやすくなります。

ゲーム内広告は従来のWeb広告と比較して、広告想起率が約180%、視認率が約140%、注目度が約170%と優れた効果を示しており、テレビCMと組み合わせることで認知の穴を埋めることができます。

効果測定のポイント

新規獲得フェーズでは、以下の指標をモニタリングしましょう。

  • リーチ数:何人に広告が届いたか
  • GRP(延べ視聴率):ターゲット層への接触量
  • 助成想起率:選択肢を見せた際の認知率
  • 指名検索数:ブランド名での検索ボリューム変化

認知度調査を出稿前後で実施し、助成想起率の変化を測定することで、新規認知獲得の効果を定量的に把握できます。

【目的別②】想起強化を目指すテレビCM出稿計画

ブランド名は知られているものの、購買時に思い出してもらえない。そんな課題を抱えている場合は「想起強化」が目的となります。

この段階では、単なる認知ではなく「記憶への定着」と「購買時の想起」を目指します。

想起強化のための出稿戦略

想起を強化するには、繰り返しの接触と記憶に残るクリエイティブが重要です。

  • 中長期的な出稿:短期集中ではなく、数ヶ月にわたって継続的に露出
  • フリークエンシー重視:同じ人に複数回接触させ、記憶を定着
  • タイムCM活用:特定番組のスポンサーとなり、番組との一体感を演出
  • クリエイティブの統一:音楽、キャッチコピー、ビジュアルを統一し、記憶の手がかりを強化

CM好感度調査によれば、若年層は「音」、女性は「ユーモア」といった要素がヒットCMの法則として挙げられています。ターゲット層に合わせたクリエイティブ設計が、想起率向上の鍵を握ります。

想起強化のためのクリエイティブ設計

想起強化時の予算配分テンプレート

想起強化フェーズでは、予算配分を「継続性」と「接触頻度」に最適化します。

テレビCMには全体予算の60〜70%を配分し、タイムCMとスポットCMを組み合わせます。残り30〜40%は、テレビ接触が少ない層への補完施策として、ゲーム内広告やデジタル動画広告に投下します。ゲーム内広告は、ゲームユーザーの男女比が男性64%、女性36%と男性向け商材との相性が良く、テレビCMでリーチしにくい層への想起強化に貢献します。

効果測定のポイント

想起強化フェーズでは、以下の指標を重視します。

  • 純粋想起率:何も見せずにブランドを思い出してもらえる率
  • 第一想起率:カテゴリで最初に思い出されるブランドになれているか
  • 広告想起率:広告を見たことを覚えている率
  • ブランドイメージスコア:ブランドに対する好意度や信頼度

認知度調査では、純粋想起と助成想起の両方を測定し、記憶の深さを評価します。第一想起を獲得できれば、購買時の候補として優先的に選ばれやすくなります。

【目的別③】指名獲得を目指すテレビCM出稿計画

最も高度な目的が「指名獲得」です。

競合と比較されることなく、顧客が最初から自社ブランドを指名して選んでくれる状態を目指します。この段階では、認知や想起を超えて「信頼」と「選ばれる理由」を確立する必要があります。

指名獲得を目指すブランディング

指名獲得のための出稿戦略

指名買いを実現するには、ブランドの独自性と価値を明確に伝えることが重要です。

  • 差別化メッセージ:競合にはない独自の価値を明確に訴求
  • 信頼構築:実績、専門性、顧客の声などを盛り込む
  • 長期的なブランディング:一貫したメッセージを長期間発信
  • タイムCM中心:番組提供を通じて、番組の信頼性をブランドに転移

CM好感度が高い企業は、ターゲット攻略の道筋を明確にしています。若年女性なら「推し活」、Z世代なら「音楽やキャラクター」といった要素を取り入れることで、感情的なつながりを構築し、指名買いにつなげています。

指名獲得時の予算配分テンプレート

指名獲得フェーズでは、ブランド価値の深化に予算を集中させます。

テレビCMには全体予算の50〜60%を配分し、タイムCMを中心に長期的な番組提供を行います。残り40〜50%は、顧客との接点強化施策(オウンドメディア、SNS、イベント、ゲーム内広告など)に投下します。ゲーム内広告は400タイトル以上のメタバース・ゲームに出稿可能で、Ad-Virtuaの累計再生数は8,000万回を突破しており、若年層への継続的な接触を実現できます。

効果測定のポイント

指名獲得フェーズでは、以下の指標を追います。

  • 第一想起率:カテゴリで真っ先に思い出されるブランドか
  • 指名検索率:検索全体のうち、ブランド名での検索が占める割合
  • コンペ回避率:競合と比較されずに選ばれる割合
  • 顧客ロイヤルティスコア:NPS(ネットプロモータースコア)など

指名買いが増えると、受注率が上がり、マーケティングコストが下がります。長期的な売上向上とステークホルダーの信頼獲得につながる、最も価値の高い状態です。

テレビCMだけでは不足する接触と検証を補う方法

テレビCMは強力な認知拡大ツールですが、すべてのターゲット層に均等にリーチできるわけではありません。

特にZ世代や若年層は、テレビ接触時間が減少傾向にあり、デジタルメディアやゲームに可処分時間の多くを費やしています。また、テレビCMは効果測定が難しく、出稿後の効果検証に時間がかかるという課題もあります。

ゲーム内広告で接触の穴を埋める

テレビCMでリーチしにくい層には、ゲーム内広告が有効です。

メタバース・ゲーム内広告のアドネットワークサービス「Ad-Virtua(アドバーチャ)」は、様々なゲーム・メタバースの中に配置されたテレビや看板に、テレビCMのような動画広告を配信できます。Z世代のゲームプレイヤー割合は約80%で、プレイ時間は約100分と、可処分時間の多くをゲームで消費しています。

ゲーム内広告は、ユーザーのプレイを邪魔しない「嫌われない広告」として機能し、従来のWeb広告と比較して広告想起率が約180%、視認率が約140%、注目度が約170%と優れた効果を発揮します。

効果検証の精度を高める

テレビCMとゲーム内広告を組み合わせることで、効果検証の精度も向上します。

ゲーム内広告では、配信先のメタバース・ゲームごとに対象年齢層、性別、カテゴリによるフィルタリングが可能で、ユーザー位置情報に基づく配信先地域の指定もできます。専任のコンサルタントが、実績や最新海外事例を踏まえたベストプラクティスに基づき、広告配信設定や運用サポートを提供するため、初めてのゲーム内広告出稿でも安心です。

Ad-Virtuaの動画配信プランは1週間300,000円(税抜)から、CPM目安は通常500円に対して約300円と、テレビCMに比べて低コストで始められます。最短即日の広告配信が可能で、請求書払いにも対応しています。

Ad-Virtuaの配信イメージ

テレビCM × ゲーム内広告の組み合わせがおすすめな企業・おすすめしない企業

すべての企業にとって最適な組み合わせとは限りません。判断のポイントを整理します。

こんな企業におすすめ

  • 食品・飲料・日用品メーカーで、TVCMの効果が頭打ちになっており、若年層・男性層の追加リーチに課題を感じている
  • 新商品の認知獲得期で、3か月以内に第一想起を作りたいブランドマネージャー
  • TVCM予算は確保したが、効果検証の精度を上げたいマーケティング部門(ゲーム内広告は配信レポートが詳細)
  • Z世代・ミレニアル世代をターゲットにしている外食・小売・サブスクサービス
  • 稟議で「CPM・想起率・インクリメンタルリフト」の数値根拠を求められる決裁者層

おすすめしない企業

  • ターゲットがシニア層に強く偏っており、ゲームプレイ率が低い商材
  • 短期売上(即CV)に直結させたい、ダイレクトレスポンス型キャンペーン
  • 認知ではなく「リード獲得」が目的で、ランディングページ誘導をKPIにしているBtoB商材
  • ブランドの世界観をクリエイティブ単体で伝えたい高単価ラグジュアリー商材(媒体の文脈と合いにくい場合)

よくある質問(FAQ)

Q. テレビCMとゲーム内広告では、CPMはどちらが安いですか?

A. 番組や時間帯にもよりますが、テレビCMのCPMはおおよそ2,000〜5,000円、デジタル動画広告で500〜1,000円、Ad-Virtuaのゲーム内広告は約300円が目安です。広く認知を取りたいフェーズでテレビCMとゲーム内広告を組み合わせると、平均CPMを大きく下げられるケースが多くあります。

Q. テレビCMだけ・ゲーム内広告だけのどちらかにしぼった方がよいですか?

A. 新規獲得・想起強化・指名獲得のいずれの目的でも、媒体の特性が補い合うため併用が基本です。テレビCMは大きなリーチ、ゲーム内広告は若年層への純粋想起向上と詳細な効果検証に強みがあり、片方では届かない層・検証が必ず発生します。

Q. 効果測定はどうやって統合すればよいですか?

A. テレビCMはGRP・助成想起率・指名検索数で、ゲーム内広告はインプレッション・視認率・広告想起率・ブランドリフト調査で測定し、共通指標として「ブランド純粋想起率」と「指名検索数の前後差分」を置くと統合しやすくなります。出稿前後で同じ調査票を使うことが重要です。

Q. テレビCMを使わず、ゲーム内広告のみで認知を獲得することはできますか?

A. 商材ターゲットが20〜30代男性中心であれば、ゲーム内広告のみで一定の認知を獲得しているブランドもあります。ただし全年代に広く知らせたい商材は、テレビCMとの併用、あるいは TVCMの代替・補完施策 の検討が現実的です。

Q. 食品・飲料メーカーの事例はありますか?

A. はい、Ad-Virtuaでは食品・飲料・日用品メーカーの導入実績が複数あります。詳細は 食品・飲料の若年層リーチ施策 で考え方を整理しています。具体的な事例については個別にご相談ください。

出稿計画を一緒に設計する相談窓口

テレビCM出稿計画は、目的によって最適な戦略が大きく異なります。

新規獲得、想起強化、指名獲得、それぞれのフェーズに応じた予算配分、番組選定、クリエイティブ設計、効果測定を行うことで、投資対効果を最大化できます。さらに、テレビCMだけでは接触しにくい層には、ゲーム内広告などの補完施策を組み合わせることで認知の穴を埋めることが可能です。

「自社の状況に合わせた出稿計画を立てたい」「テレビCMとゲーム内広告を組み合わせた戦略を相談したい」という方は、ぜひ専門家にご相談ください。

アドバーチャ株式会社では、貴社のマーケティング目的に合わせて、テレビCMとゲーム内広告を組み合わせた最適な出稿プランをご提案します。テンプレートに沿って一緒に設計し、効果的な認知拡大とブランド価値向上を実現しましょう。

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