動画広告の費用相場は媒体・課金方式によって大きく異なり、CPMベースではYouTubeが500〜1,500円、TikTokが200〜1,000円、ゲーム内広告が300〜500円が2026年時点の目安です。ただし、「配信費だけ」で見積もると制作費・運用費を合わせた総額が配信費の1.5〜2倍に膨らむケースが多く、予算設計の段階でこの3層構造を押さえておくことが重要です。

この記事でわかること:

  • 動画広告費用を構成する「配信費・制作費・運用費」の内訳と配分目安
  • CPV・CPM・CPC・CPCVの課金方式別の単価相場
  • YouTube・TikTok・Instagram・LINE・ABEMA・TVer・ゲーム内広告の媒体別費用比較
  • 「表面CPM」ではなく視聴完了率を加味した「実質コスト」での比較方法
  • 月額予算10万円以下〜100万円以上の規模別プランニング目安

動画広告の予算策定や媒体選定を担当しているマーケティング担当者・宣伝部の方を対象にしています。


動画広告の費用構造:配信費・制作費・運用費の3層

動画広告の費用は「3つの要素」で構成される

動画広告の予算設計でもっとも多い失敗は、配信費(媒体費)だけで総コストを見積もることです。実際に必要な費用は以下の3層の合計で考えます。

コスト要素

内容

費用配分の目安

配信費(媒体費)

YouTube・TikTok・LINE等への広告出稿費

全体の50〜70%

制作費

動画コンテンツの企画・撮影・編集・アニメーション費

全体の20〜30%

運用費(代理店手数料)

キャンペーン設計・最適化・レポーティング費

全体の10〜20%

たとえば月額100万円の予算であれば、配信費は50〜70万円、制作費は20〜30万円、運用費は10〜20万円が一般的な配分です。

既存の動画素材(TVCMや過去キャンペーン素材)を持っている企業は制作費をゼロに近づけられるため、配信費に予算を集中しやすくなります。 YouTube・ゲーム内広告(Ad-Virtua)などは15〜30秒の既存素材をそのまま転用できます。

なお、ブランドリフト調査(広告想起率・好感度の変化を定量測定)を実施する場合は、別途50万〜200万円が必要になります(参考:Ad-Virtua公式コラム、2026年5月確認)。

課金方式別の単価相場(CPV・CPM・CPC・CPCV)

動画広告の課金方式は主に4種類あります。広告目的によって選ぶべき方式が変わるため、まず目的を明確にした上で選定します。

課金方式

概要

単価相場(目安)

向いている目的

CPV(Cost Per View)

30秒以上視聴または動画終了で課金

3〜20円/視聴

認知拡大・ブランドリフト

CPM(Cost Per Mille)

1,000回表示ごとに課金

300〜800円/千imp

リーチ拡大・ブランド認知

CPC(Cost Per Click)

リンクのクリックごとに課金

30〜150円/クリック

LP誘導・コンバージョン獲得

CPCV(Cost Per Completed View)

動画を最後まで視聴した場合に課金

5〜60円/完全視聴

高関与型ブランディング

出典:動画幹事・LISKUL・IMK Re-Nect(2026年確認)

認知拡大・ブランドリフトが目的ならCPV/CPM、Web流入・購買促進が目的ならCPC、動画をしっかり最後まで見せたい場合はCPCVが適しています。目的なしに課金方式を選ぶと、費用対効果の評価もできなくなります。


主要媒体別の動画広告費用(CPM・CPV)比較

媒体別の動画広告費用相場一覧【2026年最新版】

主要な動画広告媒体のCPM・CPV相場と特徴をまとめました。

媒体

主な課金方式

CPM目安

CPV目安

主な特徴

YouTube

CPV / CPM

500〜1,500円

3〜20円

全年代対応・リーチ力最大・検索連動型

TikTok

CPM / CPV

200〜1,000円

5〜60円

10〜30代中心・バイラル性高・短尺動画に強い

Instagram

CPM / CPC

500〜3,000円

4〜7円

ビジュアル訴求・女性層・20〜40代に強い

LINE

CPM / CPC

400〜650円

40〜60代に強い・日本全年代カバー

Facebook

CPM / CPC

400〜800円

2〜7円

BtoB・ビジネス層・ターゲティング精度高

ABEMA

CPM(予約型)

非公開

VTR約94%・予約型500万円〜/3ヶ月・運用型10万円〜

TVer

CPM

2,000〜3,600円

テレビCM素材転用可・高視聴完了率

ゲーム内広告(Ad-Virtua)

CPM

300〜500円

スキップなし・視認率最大96%・動画素材転用可

出典:YouTube・TikTok・Instagram・LINE・Facebook:動画幹事・LISKUL・IMK Re-Nect(2026年確認)/ABEMA:公開情報(2026年確認)/TVer:TVer広告公開情報(2026年確認)/ゲーム内広告(Ad-Virtua):Ad-Virtua公式コラム(2026年5月確認)

媒体ごとのポイント

YouTube:国内最大規模のリーチを持つ動画プラットフォーム。スキップ可能なTrueView広告と6秒スキップ不可のバンパー広告を組み合わせることで、認知からCV獲得まで幅広く対応できます。

TikTok:若年層(10〜30代)へのリーチに強みがあり、インフィード広告はCPMが比較的安価です。クリエイティブ次第でバイラル拡散も狙えます。

Instagram:Reels・ストーリーズ形式でビジュアルコンテンツとの親和性が高い。CPMは高めですが、エンゲージメント率も高く、ブランド世界観を訴求したい商材に向いています。

LINE:国内月間アクティブユーザー9,600万人(2025年末時点)。40〜60代への安定したリーチが強み。

ABEMA:視聴完了率(VTR)が約94%と高く、スキップされにくい。予約型は最低500万円/3ヶ月が目安のため、大手ブランド向けのチャネルです。

TVer:テレビCM素材をそのまま転用でき、テレビとの連携施策に最適。CPMは高めですが、視聴完了率の高さが特徴です。

ゲーム内広告:ゲーム空間内に溶け込む形で動画広告を配信する形式。スキップボタンがなく非介入型の接触であるため、好感度を維持しながらリーチできます。詳細は後述します。


動画制作費の相場:尺と品質で大きく変わる

配信費とは別に、動画コンテンツの制作費が必要です。制作費は動画の長さ・スタイル・クオリティによって幅があります。

動画の長さ

制作スタイル

費用目安

15秒

アニメーション・シンプル

5〜15万円

30秒

アニメーション・シンプル

10〜30万円

60秒

アニメーション・シンプル

15〜50万円

1分(実写・出演者・スタジオ含む)

撮影・編集・出演費込み

50万〜200万円

一般的なボリュームゾーン

20〜80万円

出典:IMK Re-Nect・Kaizen Platform・PRONIアイミツ(2026年確認)

制作費を抑える最も効果的な方法は、既存の動画素材を転用することです。TVCMや過去のキャンペーン素材(15〜30秒)をそのまま配信できる媒体を選べば、追加制作費なしで複数チャネルに展開できます。


動画広告の実質CPM(視聴完了率考慮)媒体別比較

「表面CPM」だけで選ぶと失敗する理由:実質コストで比較する

動画広告の媒体選定でよくある誤りが、CPMの数字だけを並べて安い媒体を選ぶことです。CPMが低くても視聴完了率(VTR)が低ければ、1回の完全視聴を得るための実質コストはむしろ高くなります。

実質CPMの計算方法

実質CPM(概算)= CPM ÷ 視聴完了率(VTR)

媒体

CPM目安

VTR目安

実質CPM(概算)

備考

TVer

3,000円

約90%

約3,333円

テレビCM転用可・高VTR

YouTube

800円

30〜50%

約1,600〜2,667円

スキップ可能でVTRに幅がある

TikTok

500円

40〜60%

約833〜1,250円

短尺コンテンツが強い

LINE

500円

40〜60%

約833〜1,250円

全年代対応

ゲーム内広告(Ad-Virtua)

300〜500円

〜96%

約313〜521円

スキップなし・非介入型接触

※実質CPMは概算値。VTRは配信設定・クリエイティブ・ターゲティングによって大きく変動します。各媒体の公開情報・Ad-Virtua公式コラム(2026年5月確認)をもとに算出した参考値です。

この比較から、CPMの低さ・視認率の高さ・スキップのなさを組み合わせると、ゲーム内広告は認知目的の動画配信において実質コスト効率が高い水準にあることがわかります。ただし、クリック・CV獲得が目的の場合はCPCベースで比較する必要があり、媒体の特性を目的に合わせて選ぶことが前提です。


動画広告の月額予算規模別おすすめプランニング

予算規模別のプランニング目安

月額の動画広告予算に応じた現実的な運用アプローチをまとめます。

月額予算(配信費)

推奨アプローチ

注意点

10万円以下

1媒体に集中(YouTubeまたはTikTok)で最小テスト

データ蓄積が遅く、PDCAが回しにくい。効果測定に最低1ヶ月以上必要

10〜50万円

1〜2媒体でA/Bテスト。CPM×VTR検証

1媒体あたり15万円以上確保するのが理想。ターゲット層を絞って集中投下

50〜100万円

複数媒体展開+ブランドリフト測定を検討開始

ゲーム内広告・TikTok・YouTubeの組み合わせが現実的に可能になる

100万円以上

媒体横断での認知設計。ゲーム内広告・OTT等も並走

ブランドリフト調査(50万〜200万円)の実施も検討する

テスト出稿の推奨最低予算は月30〜50万円(複数媒体でのA/Bテスト前提)。月10万円を配信費として確保できなければ、データが蓄積されず最適化が困難になります(参考:動画幹事・IMK Re-Nect、2026年)。


こんな企業に動画広告はおすすめ

以下の条件に当てはまる企業は、動画広告の効果が出やすい状況にあります。

  • 若年層(10〜30代)への認知拡大を最優先にしている企業
  • TVCMや過去キャンペーンの動画素材がすでにある(制作費を大幅に削減できる)
  • 複数のチャネルで同一クリエイティブを横展開したい
  • 視聴完了率・広告想起率などブランドKPIを重視している
  • 月30万円以上の配信費を確保できる(A/Bテストを回せる水準)

ゲーム内広告(Ad-Virtua)との相性が特に良い企業:

  • 若年層・ゲームユーザー層へのリーチを強化したい食品・飲料・日用品・エンタメ系企業
  • 「嫌われにくい広告」でブランド好感度を守りながら認知を広げたい企業
  • 既存の15〜30秒動画素材を持っており、追加制作費を最小化したい企業

ゲーム内広告の仕組みや効果については、「ゲーム内広告とは?仕組み・種類・効果を徹底解説」も参考にしてください。


こんな企業には向かない、または注意が必要

  • 月10万円未満の配信費しか確保できない:データが蓄積されず、効果検証が困難になります
  • 即時のCV獲得(EC購買・リード獲得など)を唯一の目的にしている:動画広告はブランディング・認知に強い反面、即時CVではリスティング広告やSNS広告(クリック最適化)のほうが費用対効果が出やすいケースがあります
  • ターゲット層が非常にニッチ(特定業界のBtoB決裁者など):ターゲット規模が小さすぎるとCPMが高騰しやすく、費用対効果が合わなくなります
  • 動画クリエイティブ制作のリソースがゼロ:制作費を含めた総予算で設計しないと、実行段階で予算超過のリスクがあります

動画広告予算でよくある失敗・注意点

失敗1:配信費だけで見積もる

制作費・運用費を加えた総額を見ていないと、実行段階で予算不足になります。「配信費の相場を確認し、その1.5〜2倍を総予算として考える」のが安全な設計です。

失敗2:ターゲット層と媒体の相性ミス

若年層(10〜20代)へのリーチを目的にしているのにLINEやFacebookに集中するなど、ターゲットと媒体の相性がズレているケースが多発しています。媒体ごとの年齢層・属性データを事前に確認してください。

失敗3:表面CPMだけで媒体を選ぶ

CPMが低くても視聴完了率が低ければ、完全視聴1回あたりの実質コストはむしろ高くなります。前述の「実質CPM(CPM ÷ VTR)」での比較を参考にしてください。

失敗4:KPIをインプレッション数だけで設定する

認知目的ならリーチ数・広告想起率・ブランドリフト、購買促進ならCTR・CVR・CPAなど、目的に応じたKPIを複数設定することが重要です。インプレッション数だけを追うと、実際のブランド効果が見えません。

失敗5:テスト期間が短すぎる

1〜2週間の出稿でPDCAを回そうとするケースがありますが、統計的に意味のあるデータを得るには最低1ヶ月間・十分なインプレッション数(数十万〜百万imp以上)の確保が必要です。


動画広告費用の選び方フローチャート

まとめ:動画広告費用の選び方

  1. 目的を明確にする:認知拡大 → CPV/CPM、CV獲得 → CPC、ブランドリフト → CPCV
  2. 3層のコストを合算して予算を組む:配信費50〜70% + 制作費20〜30% + 運用費10〜20%
  3. 「実質CPM(CPM ÷ VTR)」で媒体を比較する:表面のCPMだけでは正しく比較できない
  4. 既存素材を活用して制作費を削減する:YouTube・ゲーム内広告は15〜30秒素材をそのまま転用可能
  5. 最低月10万円(理想は月30〜50万円)の配信費を確保する

なお、国内の動画広告市場は2025年に前年比121.8%増の1兆275億円を記録し、推定開始以来初めて1兆円の大台を突破しました(出典:電通「2025年日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」2026年3月5日発表)。市場拡大に伴い各媒体のCPMが変動している点にも注意が必要です。

広告費用の全体感については「広告費用の相場・媒体別完全ガイド」もあわせてご確認ください。


予算を抑えながら認知効果を高める選択肢:ゲーム内広告

動画広告の選定で見落とされやすいのが、ゲーム内広告という選択肢です。

Ad-Virtuaのゲーム内広告(サイネージ型)は、ゲーム空間内の看板・モニターに動画を表示する形式です。スキップボタンがなく、ゲーム体験を妨げない「非介入型」の接触であるため、広告への好感度が約85%、広告想起率が約1.8倍向上するという実績があります(Ad-Virtua公式、2026年5月確認)。

Ad-Virtuaの動画広告費用の概要:

項目

内容

最低出稿プラン

1週間300,000円〜(税抜)

CPM

約300〜500円

視認率

最大96%

広告想起率

約1.8倍向上

注目度

約1.7倍向上

素材転用

既存の15〜30秒動画素材をそのまま配信可能

出典:Ad-Virtua公式サイト・公式コラム(2026年5月確認)

特に若年層(10〜30代)へのブランド認知向上を目的にした場合、CPMと視認率のバランスで優位性が出やすい媒体です。月50〜100万円以上の予算で「YouTubeやTikTokと並走して認知設計をしたい」「既存動画素材があるので追加制作費を抑えたい」という企業には、選択肢の一つとして検討する価値があります。

詳細や配信条件については「ゲーム内広告とは?仕組み・種類・効果を徹底解説」をご覧ください。具体的な予算・配信プランについてはAd-Virtua公式サイトよりお気軽にご相談ください。


よくある質問(FAQ)

Q1. 動画広告は最低いくらから始められますか?

現時点では、YouTubeやTikTokなどのSNS型動画広告は運用型のため月10万円程度から開始できます。ただし効果検証に十分なデータを集めるには月30〜50万円が推奨ラインです。ゲーム内広告(Ad-Virtua)の場合は1週間300,000円〜(税抜)が最低プランです。これとは別に制作費(5万〜30万円程度)と運用費(媒体費の15〜20%)が必要になります。

Q2. 動画広告と静止画バナー広告、費用対効果が高いのはどちらですか?

目的によります。ブランド認知・好感度向上には動画広告が有利で、静止画バナーと比べてエンゲージメント率が高い傾向があるとされています。一方、即時クリック・CV獲得を目的にした場合は静止画バナーのほうが費用を抑えやすいケースがあります。両者を組み合わせて使い分けるのが一般的な設計です。

Q3. 制作費をかけずに動画広告を始めることはできますか?

既存のTVCMや過去キャンペーンの動画素材(15秒・30秒)があれば、追加制作費なしで始められる媒体があります。YouTubeとゲーム内広告(Ad-Virtua)はどちらも既存素材をそのまま転用できます。素材がゼロの場合は最低5万〜15万円(15秒アニメーション)の制作費を見込んでください。

Q4. 動画広告の効果はいつ頃から測定できますか?

一般的には最低1ヶ月・数十万〜百万imp以上のデータが揃ってから初期評価を行います。ブランドリフト調査(広告想起率・好感度の変化を定量測定)は別途50万〜200万円の費用がかかりますが、より正確な効果把握が可能です。インプレッション数ではなく視聴完了率・広告想起率などブランドKPIを設定しておくことが重要です。

Q5. ゲーム内広告はどんな商材・企業に向いていますか?

食品・飲料・日用品・エンタメ・金融など、ターゲットが若年層(10〜30代)にある商材との相性が良いとされています。特に「TVCMほど大きな予算は使えないが、SNS広告では届きにくい層がいる」というケースや、「既存動画素材を活用しながらゲームユーザー層へのブランド認知を高めたい」という目的に向いています。ターゲットが40代以上に偏っている場合はLINEやFacebookとの組み合わせが現実的です。