世界が注目するメタバース広告とは ~日本でも注目度が高まっている次世代のマーケティング~
昨今、コロナによる行動制限や企業の働き方改革により、オンラインコミュニケーションの需要が高まりました。アフターコロナとなった近年では、以前の生活を取り戻しつつも、人々の行動様式は変化し、オンラインの市場の注目度が高まっています。
そのような状況において、特に注目度が高いのは、オンライン上の仮想空間「メタバース」です。5Gなどの技術革新もあり、今後ますますの成長が見込まれます。
メタバースの技術は日々進歩しており、実用化に向けて多くの企業がその導入を検討し始めています。その中で世界的に注目が高まっているのが、メタバースを活用したメタバース広告です。
今回の記事では、メタバース広告とは何か、利用するメリット、活用事例についてご紹介します。
メタバース広告にご興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。
メタバースとは
そもそもメタバースとは、「高い次元の、超越した」という意味の「Meta(メタ)」と、「世界、宇宙」という意味の「Universe(ユニバース)」を組み合わせた造語です。
インターネット上に構築された仮想空間・世界であり、私たちはアバターを利用して、ほかユーザーとのコミュニケーションやコンテンツを体験できます。
特にビジネスやゲームの領域で活用されており、特にゲーム領域においては、Fortniteなどのゲームを起点として、メタバースが急速に実用化されつつあります。
それに伴い、特に海外において、メタバース上での広告(メタバース広告)への注目度が高まって来ています。
メタバース広告とは
メタバース広告とは簡潔にいうと「メタバース上での自社商品・サービスを宣伝する広告」のことです。
現在広告の主流となっている、宣伝画像・動画の配信だけではなく、メタバースそのものをカスタマイズすることも、メタバース広告の特徴です。
メタバース広告の市場は、メタバースの市場の拡大に比例して成長していくと予測されており、メタバース市場の動向が注目されています。
総務省の発表によると、世界のメタバース市場(売上規模)は2030年には5000億ドル(約70兆円)を超えるという予想がされており、日本のメタバース市場は2027年度には2兆円を超えると見込まれています。
■世界のメタバース市場規模の推移と予測
(出典:総務省 令和6年度版情報通信白書)
■日本のメタバース市場規模(売上高)の推移と予測
(出典:総務省 令和6年度版情報通信白書)
それに伴い、メタバース広告事業も急成長を遂げ、市場規模は6年間で25倍になると予想されています。
まさしくメタバース広告は、短期間で爆発的な成長が予想される次世代の広告手法として注目されています。
では、メタバース広告はどのような発信の仕方があるのでしょうか。
メタバース広告の種類
メタバース広告は主に以下の3つの方法に大別されます。
・【オウンド型】:自社でメタバースを開発する
・【出展型】:既存のメタバース内にショップ(専用空間)を展開する
・【コラボ型】:既存のメタバースの広告スペースへの出稿や、メタバースとのタイアップ(コラボ)をする
それぞれの形式について、その特徴についてみていきましょう。
【オウンド型】
オウンド型とは、メタバース空間自体を自社で開発・運用する方法です。
メタバース内に直接ショップなどを出店することで、ユーザーに現実世界と似た体験を提供することが可能です。
自社でメタバース空間を所有するだけでなく、別企業が提供している公開メタバース空間内に店舗(専用空間)を構築することも可能です。
拡散的な広告効果はあまりありませんが、メタバースに出店したこと自体での認知度向上を期待することができ、集まったユーザーへの訴求力は強くなります。
ただし、広告出稿型とは違い、メタバースを作成することに費用や時間がかかるため、現時点ではあまりメジャーではありません。
【出展型】
出展型とは、既存のメタバース空間に自社のショップ出店・スペースを利用する方法です。
オウンド型と違い、別企業の提供している公開メタバース空間内への展開のため、自社で一から環境を構築する必要なく、コストを抑えることが可能です。
また、メタバースのイベントなどと時期を合わせることで、自社だけでは実現できない集客力を享受することが可能です。
利用するメタバースによって多少の制約はありますが、基本的にはオウンド型と同じような体験をユーザーに提供することができます。
【コラボ型】
コラボ型とは、プロダクトプレイスメント広告とタイアップの2種類に大別されます。
プロダクトプレイスメント広告とは、メタバース上の広告スペースに自社の画像・動画などを表示する方法です。(一般的な広告枠を購入して配信するイメージです)
メタバース広告の主流となっており、例えばメタバース内の建物に設置されたボードなどに広告を表示することができます。
メタバース内でアバターが移動する際に、自然と広告が目に入る仕組みとなっており、ユーザーの興味に直接アプローチすることが可能です。(興味のある広告のみをしっかりと見ることができます)
一方でタイアップとは、メタバース空間とコラボレーションをすることで、様々な形で自社商品やサービスなどを直接的に広告する方法です。
例えば、メタバースのアイテムとコラボして自社の商品やロゴ入り商品の販売や、空間そのものをジャックします。
規模の大きなタイアップでは、トピックとして話題になるだけでなく、リアルの店舗などでもコラボ商品や限定商品を販売するなど、リアルとメタバースを掛け合わせたマーケティングを実施することができ、非常高い効果得られる可能性を秘めています。
メタバース広告のメリット
メタバース広告は従来の広告に比べて、マーケティング効果が非常に高いと言えます。
メタバース広告の4つのメリットを紹介いたします。
嫌われない広告
従来の広告(特にWeb広告)は、ユーザーのアクションを停止させ、強制的に視聴させることから、ユーザーに嫌われる傾向にあります。ブランディング用途の広告としては非常に不向きであり、マイナスプロモーションにもなりかねません。
一方でメタバース広告は、ユーザーのアクションを止めることなく、自然と視界にはいってくるため、煩わしさを感じることなく潜在意識にアプローチすることができます。
もちろん、興味のある広告を意識的に視聴することも可能なため、ユーザーの意思に寄り添ったマーケティング効果が期待できます。
リーチできる幅が広い
メタバースは場所に制限されることなく、「いつでも」「誰でも」「どこからでも」アクセスできるため、幅広い顧客へのリーチ拡大を実現することが可能です。
特にデジタルネイティブと呼ばれる比較的若い世代へのリーチ力は非常に強く、広告を見た人からさらに拡散されるなど、連鎖的なマーケティング効果を作り出すことができます。
訴求力が高い(体験型なども実現できる)
単なる広告表示ではなく、メタバースを活用した体験をユーザーに与えることができ、商品やサービスの魅力をより伝えることが可能です。
リアルでは体験できないような演出や、オンラインならではの購買体験を提供することができ、現実とは一線を画した訴求力を実現できます。
費用対効果が高い
メタバース広告は一般的に費用対効果の高い広告手法と言われています。
メタバースの普及に伴って、人々は多くの時間をメタバースで過ごすようになり、そこには多くのユーザーデータが蓄積されます。ユーザーデータを活用し、ユーザーの志向に沿った最適な訴求を行うことで、従来の広告に比べてROIの高いマーケティング効果を享受することができると言われています。
日本でのメタバース広告の活用事例
日本では海外に比べてメタバースはまだ発展途上の市場ではあるが、日本の大手企業はメタバースを活用してマーケティングを開始しています。
三越伊勢丹「REV WORLDS」
三越伊勢丹では、自社のメタバースとして、スマートフォン向けの仮想都市空間サービス「REV WORLDS」をリリース。仮想新宿を舞台とし、バーチャル伊勢丹新宿店を運営しています。
バーチャル伊勢丹では、利用者はアバターで店内を探索し、実際に買い物を楽しむことができます。
店員アバターも配備されており、チャット機能を通じてリアルと同じような接客を受けることが可能です。
時間や地理的な制約がなく、かつ単純なECとは違い店員-顧客間のリアルに限りなく近いコミュニケーションを実現することができ、購買体験自体の向上にもつながっています。
自店舗の運営だけではなく、他企業とのコラボによる出店なども積極的に実施しており、プレスリリースなどによる二次的なマーケティング効果も期待できます。
(画像:三越伊勢丹「REV WORLDS」)
Beams
フション大手のビームスは早くからメタバースに注目し、「メタバースを活用している企業といえば」という話題になると必ずといっていいほど名前が挙がります。
ビームスは世界最大のVRイベントの「バーチャルマーケット」に7度の出店を行っています。
7回目となる2023年12月のイベントでは、Beamsの本拠地でもある原宿の街並みがメタバース上に再現され、実店舗とのリアルとバーチャルを繋いだイベントなども開催されました。ユーザーによるファッションショー体験イベントやアバターによる試着会などが行われ、店員とのバーチャル接客を通してリアル店舗への送客を促し、仮想空間と現実世界の調和を実現しました。
(画像:HIKKY)
Uber eats
Uber eatsは期間限定で、Epic Gamesが運営するオンラインゲーム「Fortnite」上にリリースされたメタバース空間「SIBUYA109 SHOOT and RUN」(運営会社:株式会社渋谷109エンタテイメント)に広告を掲載しました。(現在は掲載終了)
この取り組みでは、メタバース上の広告枠だけでなく、現実世界にも同時に掲載するデジタルツイン広告の形で実施され、話題にもなりました。
メタバース広告は、それ自体のマーケティング効果だけでなく、例えば実際の現実世界の仮想空間の場合は、同時掲載による相乗効果など、話題性があり費用対効果の高いマーケティングが実現できます。
(画像:SHIBUYA109 エンタテイメント)
費用対効果の高いメタバース広告を出すには
今回の記事では、メタバースの基本知識をはじめ、メタバース広告事業とは、メタバース広告の種類、メタバース広告のメリット、メタバース広告の活用事例についてご紹介しました。
メタバース市場は今後爆発的な成長が予想されており、日本だけでも2027年度までに2兆円を超えるといわれています。これからはメタバース広告が、熱いマーケティング手法となるのは明白です。
しかし、どのようにメタバース広告を導入するのかなどが具体的にわからないという企業は少なくありません。
Ad-Virtuaでは、メタバースのビジネス活用やメタバース広告出稿の支援を行っております。
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