食品マーケティングとは、低単価で何度も買われる食品・飲料を「店頭やECで迷わず選ばれる状態」にするため、認知・想起・購買・リピートまでを設計する活動のことだ。成果を出している食品・飲料メーカーは、テレビCMだけに頼らず、ゲーム・SNS・オウンドメディアなど生活者が自分から関われる接点を組み合わせ、CPM・広告想起率・ブランドリフトで施策ごとの効果を測っている。

食品・飲料マーケティングにおける業界課題のイメージ

この記事では、食品マーケティングの基本と食品・飲料の広告の種類を整理したうえで、江崎グリコ・日本コカ・コーラ・湖池屋・味の素・キッコーマンなど12の事例を、施策ごとのKPI・費用感・広告規制の注意点とあわせて解説する。食品・飲料の広告をテレビCM・デジタル・屋外広告まで含めた「広告」全体の中で位置づけたい場合は、先に広告とは?意味・種類・効果・媒体選びをわかりやすく解説で全体像を押さえておくと理解しやすい。

この記事でわかること

  • 食品マーケティングの定義と、食品・飲料ならではの4つの特徴
  • 食品・飲料の広告の種類ごとのCPM・コスト・効果測定のしやすさ
  • ゲーム体験型・SNS参加型・コンテンツマーケティング・ブランド体験型の成功事例12選
  • 予算稟議に使えるKPI・ROIベンチマークと試算の仕方
  • 景品表示法・ステマ規制など、食品・飲料の広告で押さえるべき注意点

こんな方向けの記事です:食品・飲料メーカーのブランドマネージャー・マーケティング担当者で、若年層リーチや新しい顧客接点を検討しており、社内稟議に使える数値根拠と他社事例を探している方。

食品マーケティングとは?食品・飲料ならではの4つの特徴

食品マーケティングは、商品開発・価格・流通・販促の4P全体を扱う考え方だが、実務では「どう知ってもらい、どう選び続けてもらうか」というコミュニケーション設計が中心になる。家電や自動車のように比較検討に時間をかける商材とは違い、食品・飲料は次の4つの特徴を前提に施策を組み立てる必要がある。

特徴

内容

マーケティングへの影響

低単価・高頻度購買

1回あたり数百円の商品を何度も買う

1回の売上より「リピート」と「ブランドスイッチの防止」が重要になる

売り場での短時間の意思決定

店頭で数秒のうちに商品を選ぶ

事前に頭に浮かぶ状態(第一想起)を作れるかが勝負になる

季節性・限定性

夏の飲料、冬の鍋つゆ、期間限定フレーバーなど

発売や季節に合わせて短期間で認知を取り切る設計が必要

表示・広告の規制

景品表示法・食品表示法・健康増進法など

効能の言い方やキャンペーンの景品額に制限がある

つまり食品マーケティングで成果を出すには、「売り場に行く前に思い出してもらう」ための認知・想起づくりと、「また買いたい」と思わせる体験づくりの両方が欠かせない。認知から想起への流れを詳しく知りたい場合は第一想起を獲得する方法も参考になる。

食品・飲料業界が直面する3つの構造課題

食品・飲料業界のマーケティングが難しくなっている背景には、以下3つの構造的な課題がある。施策選びの前提として理解しておきたい。

課題1:テレビCMの若年層到達効率の低下

電通「2025年 日本の広告費」によると、2025年のインターネット広告費は4兆459億円(前年比110.8%)に達し、総広告費(8兆623億円)に占める構成比は初めて過半数となる50.2%を記録した。一方、テレビを含むマスコミ四媒体広告費は2兆2,980億円(同98.4%)とほぼ横ばいで、両者の差はさらに広がっている。

Z世代(10〜20代)のテレビ視聴時間は年々減少しており、「テレビCMを打てば若者に届く」という前提は成り立たなくなっている。一方でZ世代の約80%がゲームをプレイしており、1日のプレイ時間は約100分とされる(Ad-Virtua公式サイト、2026年10月確認)。この「可処分時間の移行先」にまだ広告を届けられていない企業は多い。

課題2:ブランドロイヤルティの形成が難しくなっている

日本の食品・飲料の定番ブランドの多くは「中高年向け」というイメージが定着しており、若年層にとっては「親世代が買うもの」という位置づけになりやすい。Z世代は共感・リアルな体験・社会的意義を重視する傾向があり、一方的な情報訴求だけではブランドロイヤルティは育たない。

課題3:施策ごとの効果測定・ROI評価が困難

オムニチャネル化で複数チャネルの施策が必要になった反面、施策ごとの効果の切り分けが難しく、予算配分に悩む担当者が増えている。「成功事例はよく聞くが、自社の商材・予算規模でROIがどの程度見込めるかがわからない」という声は多い。次章以降で、施策ごとの参考KPI・ROIを整理する。

食品・飲料の広告の種類を比較|CPM・コスト・効果測定

マーケティング施策の比較と戦略立案のイメージ

食品・飲料メーカーが使える主な広告・施策を7つに分け、特性を比較した。ゲーム内広告はテレビCMや屋外広告と並ぶ「広告」の一種であり、フォーマットごとの全体像は広告の種類|代表的な広告フォーマットを一覧で解説でも整理している。

施策

Z世代へのリーチ

コスト感

ブランド体験の深さ

効果測定のしやすさ

向いている目的

テレビCM

低い

非常に高い(数千万円〜)

浅い(受動的)

難しい

大量認知・ブランドイメージ形成

ゲーム内広告(サイネージ型)

高い

中程度(CPM約300円)

中(プレイ中に自然に接触)

容易

若年層の認知・広告想起率向上

ゲーム型キャンペーン

高い

中〜高(開発費による)

高い(能動的な体験)

容易

ブランド体験・商品理解・購買促進

SNS広告・キャンペーン

非常に高い

低〜中

低〜中

非常に容易

即時拡散・UGC生成・商品認知

コンテンツマーケティング(レシピサイト等)

中

中(継続的な運用費)

中〜高

中程度

利用シーン提案・指名検索・リピート

体験型イベント・ファミリーアプリ

中(年齢層次第)

高い

高い

中程度

ブランド体験・第一想起形成

OOH(屋外広告)

中程度

高い(3,000万円〜)

浅い

難しい

高頻度接触・認知の積み上げ

出典:Ad-Virtua公式サイト(2026年10月確認)、n2p.co.jp、食品・飲料の若年層リーチを増やす施策7選の比較をもとに作成

CPMで比べると、ゲーム内広告はフォーマットによって約200円〜8,000円と幅がある。看板・モニターに動画を表示するサイネージ型は、Ad-Virtuaの場合1週間30万円で100万回再生が目安とされ、CPMに換算すると約300円(一般的な動画広告の約500円と比べて低い水準)になる。フォーマット別の相場はゲーム内広告のCPM最適化ガイド|相場・入札戦略で詳しく解説している。テレビCM・SNS広告との費用対効果の違いはSNS広告・TVCM・ゲーム内広告の比較も参考になる。

施策を選ぶときは「誰に届けたいか」「どの深さのブランド体験を作りたいか」「いくらのコストで何をKPIにするか」の3点で整理すると判断しやすい。ゲーム内広告そのものの仕組み・種類はゲーム内広告とは|仕組み・種類・費用をわかりやすく解説にまとめている。

食品・飲料マーケティングの成功事例12選

食品・飲料ブランドのSNSキャンペーン・マーケティング施策の成功事例

ここからは、施策タイプ別に「課題 → 手法 → 成果」の順で事例を紹介する。

ゲーム体験型キャンペーンの事例

事例1:江崎グリコ(BifiX)×「ぷよぷよ」コラボゲームキャンペーン

課題:「腸活」という機能訴求を、若年層に興味を持ってもらえる形で届けたい。

手法:人気パズルゲーム「ぷよぷよ」とのコラボ企画を実施。「腸活」のすっきり感とゲームの爽快感を重ね、機能メリットを押し付けるのではなくエンタメとして体験させた。

成果:機能訴求をエンタメ化したことで、これまで関心の低かった層にも商品メリットが直感的に伝わり、ブランドの「とっつきやすさ」が改善した。

出典:n2p.co.jp


事例2:日本コカ・コーラ(い・ろ・は・す)コレクション型ゲームキャンペーン

課題:繰り返し購買の促進と、SDGsに取り組むブランドイメージの浸透を同時に達成したい。

手法:購入シリアルコードでゲーム内のブロックを獲得できるコレクション型ゲームを制作。集めたブロックの数がSDGsに関連した寄付と連動する設計にした。

成果:「買う理由」と「ゲームを続ける理由」が直結し、繰り返し購買を促進。社会貢献とゲーム体験を同時に訴求した設計が評価されている。

出典:n2p.co.jp


事例3:アサヒ飲料(カルピス)AR体験型キャンペーン

課題:カルピスの夏・七夕という季節のブランド資産を、SNSで広がる体験に変えたい。

手法:七夕×WebARで、カルピスのボトルが現実空間に出現するAR体験を設計。専用アプリ不要でスマートフォンのカメラから参加できるようにした。

成果:季節のブランド資産をデジタル体験として再定義し、SNSでのシェアを促進。AR体験の珍しさとカルピスの季節性がかみ合い、ブランドイメージの強化につながった。

出典:n2p.co.jp


事例4:湖池屋「湖池屋FARM」箱庭型ゲームのリリース

課題:ポテトチップスというカジュアルな商材で、LINE公式アカウントの友だち数とエンゲージメントを伸ばしたい。

手法:自社ブランドを主役にした箱庭型シミュレーションゲーム「湖池屋FARM」をリリースし、ゲーム内の行動とLINE公式アカウントを連携させた。

成果:LINE公式アカウントの友だち数が30%増、MAU(月間アクティブユーザー)が20%以上向上。既存ファンの継続的な関与と新規ユーザー獲得の両方に効いた。

出典:regene.org


SNSキャンペーンの事例

SNSキャンペーンで拡散されるスマートフォンマーケティングのイメージ

事例5:ハーゲンダッツ「フレーバー復活総選挙」

課題:生活者が自発的に参加し、SNSで広めたくなる仕掛けが必要だった。

手法:販売終了したフレーバーの中から「復活させたいもの」を消費者の投票で決める参加型企画を実施。投票ページはSNSで共有しやすい設計にした。

成果:2か月間で26万票を獲得。「どれを復活させるべきか」という会話がSNS上で自然に生まれ、広告費をかけずに口コミが広がった。

出典:kidsstar.co.jp


事例6:味の素「勝ち飯キャンペーン」フォロー&リポスト施策

課題:スポーツシーズンに合わせて既存商品の認知を再び高めたい。

手法:スポーツ観戦のタイミングに合わせ、Xでフォロー&リポスト形式のキャンペーンを実施。リポストで抽選プレゼントに応募できる設計にした。

成果:リポスト数2.5万件、表示回数89.5万回を達成。テレビCMの補完として、低コストで認知を積み上げた。

出典:camtsuku.com


事例7:カゴメ(野菜生活100)フォロー&リポストキャンペーン

手法:定番の「野菜生活100」を対象に、Xでフォロー&リポスト施策を展開。

成果:リポスト1.8万件、コメント2,388件を獲得。コメント数の多さが特徴で、消費者が自分の言葉でブランドに触れる機会を生み出した。

出典:camtsuku.com


事例8:カンロ TikTokダンス動画+ASMR体験ブース

課題:Z世代にキャンディという商材への関心を持ってもらいたい。

手法:TikTokのダンス動画と、店頭でのASMR(音の体験)ブースを組み合わせ、オンラインとオフラインをつなぐ体験を設計した。

成果:若年層での認知度向上を確認(数値は非公表)。生活者が自分で発信するTikTokの文化に合わせた設計が奏功した。

出典:cross-m.co.jp


コンテンツマーケティングの事例

食品・飲料のコンテンツマーケティングは、レシピや食の情報を自社メディアで発信し、「どう使うか」「いつ食べるか」という利用シーンごと覚えてもらう手法だ。広告のように短期で数字が跳ねる施策ではないが、検索や再訪を通じて長く効く資産になる。

事例9:味の素「AJINOMOTO PARK」

課題:調味料という「使い方がわからないと買われない」商材で、日々の献立の中に自社製品を入れてもらいたい。

手法:レシピ検索・食に関する記事や動画・ユーザー投稿のコミュニティ「味のもト~ク」・通販への導線を1つのサイトにまとめた食情報サイトを運営。季節の食材から献立を探せる構成にしている。

成果:数値は非公開。レシピを入口に、調味料の使い方と購入先まで一続きで案内できる点が特徴で、「材料名+レシピ」の検索から自社製品を知ってもらう接点として機能している。

出典:AJINOMOTO PARK公式サイト(2026年10月確認)


事例10:キッコーマン「キッコーマン ホームクッキング」

課題:しょうゆなどの定番調味料で、毎日の料理の「迷い」を解決する存在になりたい。

手法:「今日の献立」「減塩献立」「料理の基本」など目的別にレシピを整理し、200本以上のレシピ動画や無料のレシピアプリも提供している。

成果:数値は非公開。季節の食材や健康志向の献立など検索されやすいテーマを網羅し、日常の料理の場面でブランドに繰り返し触れてもらう設計になっている。

出典:キッコーマン ホームクッキング公式サイト(2026年10月確認)

コンテンツマーケティングとブランド体験を組み合わせる考え方は、コンテンツマーケティングとブランド体験設計で詳しく解説している。


ブランドロイヤルティ向上の事例

カフェでの顧客体験によるブランドロイヤルティ形成のイメージ

事例11:スターバックス「サードプレイス」戦略

課題:コーヒーという機能的価値の高い商品で、来店を繰り返す感情的な理由をどう作るか。

手法:「家でも職場でもない第三の居場所」という体験価値を設計し、カスタマイズ体験・スタッフとの対話・会員リワードプログラムを一体化させた。

成果:ブランドロイヤルティを継続的に高めた(数値は非公開)。コーヒーという日用品を「体験」で差別化した代表的な事例とされる。

出典:kidsstar.co.jp


事例12:ごっこランド(キッズスター)を活用した食品・飲料メーカーの事例

概要:子ども向けのお仕事体験アプリ「ごっこランド」に出展した食品・飲料メーカーの平均KPIとして、以下が公開されている。

  • 認知度:+35%
  • 第一想起率:+49%
  • 好感度:+42%

出展確認企業(食品・飲料関連):キユーピー、大塚製薬、テーブルマーク、日清製粉ウェルナ、伊藤ハム、ハーゲンダッツ、明治、三幸製菓、マルサンアイ、日清オイリオ

⚠️ 上記KPIはキッズスター公式サイト記載の平均値で、特定企業の個別データではない。対象は親子(ファミリー層)に限られる。

出典:キッズスター公式サイト

事例の背景や体験設計の考え方をさらに知りたい場合は、食品メーカーのブランド体験施策事例10選もあわせて参照してほしい。本記事はKPI・費用の比較に重点を置いている。

施策別KPI・ROIベンチマーク:予算稟議に使える数値

施策別KPI・ROIベンチマークの分析イメージ

社内の予算稟議では「投資額に対してどの程度の効果が見込めるか」を数値で示す必要がある。各施策の参考値を一覧にした。

施策

参考KPI

予算規模の目安

出典

ゲーム内広告(サイネージ型)

広告想起率 約1.8倍、注目度 約1.7倍、CPM 約300円(一般的な動画広告は約500円)

1週間30万円(100万回再生目安)から

Ad-Virtua

ゲーム型キャンペーン

LINE友だち+30%、MAU+20%以上(湖池屋の事例)

数百万円〜(開発費による)

regene.org

SNSフォロー&リポスト

リポスト1〜3万件、表示回数 数十万〜100万回程度(味の素・カゴメの事例)

数十万〜数百万円

camtsuku.com

コンテンツマーケティング

指名検索・サイト再訪・レシピ閲覧数(成果が出るまで中長期)

年間数百万円〜(制作・運用費)

一般的な相場

ファミリー向け体験アプリ出展

認知度+35%、第一想起率+49%、好感度+42%(キッズスター平均)

数百万〜数千万円

キッズスター公式

OOH(屋外広告)

目的により異なる

3,000万円〜

一般的な相場

稟議に使える試算の型

ROIを稟議で示すときは、KPIを費用対効果の言葉に置き換えると決裁が通りやすい。

  1. 費用の根拠:CPM × 想定インプレッション = 概算費用(例:CPM約300円で100万回再生なら約30万円)
  2. 効果の根拠:ブランドリフト調査で測る広告想起率・好感度・購買意向の上昇幅 × 対象人口 = 想定リーチ効果
  3. 比較の根拠:同じ予算でテレビCM・SNS広告に出稿した場合の到達数・CPMと並べる

Ad-Virtuaの導入事例では、配信期間中に公式サイトへの自然検索流入が26%増え、平均滞在時間が1分9秒から3分4秒へ伸びた(167%増)ケースも公開されている(Ad-Virtua公式サイト、2026年10月確認)。また、第三者認証と連動したブランド体験施策では、リピート率+12.4ポイント、ブランド成長率+16%という数値も報告されている(詳細はコーズマーケティングとは|ブランド体験設計で第一想起を獲得する施策ガイドを参照)。効果測定の設計そのものはブランドリフト測定とは?評価指標・手法・費用、食品・日用品メーカー向けのROIの測り方は食品・日用品メーカーのゲーム内広告ROIガイドで解説している。

市場全体では、日本のモバイルゲーム広告市場は2025年に約4,400億円規模、グローバルのゲーム内広告市場は2026年に約1.2兆円規模(年平均成長率約11%)まで拡大すると見込まれている。出典の詳細はゲーム内広告の市場規模・成長率にまとめている。

食品・飲料の広告で注意すべき規制

食品・飲料の広告やキャンペーンは、表現と景品の両面で法規制を受ける。事例をまねる前に、次のポイントを法務・品質保証部門と確認しておきたい。

景品表示法の景品規制

購入者を対象にした抽選やプレゼントには、消費者庁の定める上限額がある。

種類

例

景品の最高額

景品の総額

一般懸賞

購入者から抽選でプレゼント

取引価額5,000円未満は20倍、5,000円以上は10万円

懸賞に係る売上予定総額の2%

共同懸賞

商店街・複数事業者の共同企画

30万円

懸賞に係る売上予定総額の3%

総付景品(ベタ付け)

購入者全員にプレゼント

取引価額1,000円未満は200円、1,000円以上は取引価額の10分の2

制限なし

オープン懸賞

購入を条件にしない応募(フォロー&リポスト等)

上限額の定めなし

上限額の定めなし

出典:消費者庁「景品規制の概要」(2026年10月確認)

たとえば150円の飲料で「購入者から抽選」の企画を行う場合、景品1つあたりの上限は3,000円(150円×20倍)になる。シリアルコードを使うゲーム型キャンペーンは購入が条件になるため、一般懸賞として上限額を確認しておく必要がある。

表示・表現の規制

  • 優良誤認・有利誤認:「業界No.1」「〜だけで痩せる」など根拠のない表現は景品表示法違反になりうる
  • ステルスマーケティング規制:2023年10月から、広告であることを隠したインフルエンサー投稿などは景品表示法の不当表示として規制対象になった。SNS施策では「PR」「広告」の明示が必須
  • 健康・機能の表現:機能性表示食品・特定保健用食品以外で効能をうたうことはできない。健康食品の訴求は健康食品・サプリメントのZ世代マーケティング完全ガイドで規制対応を整理している
  • 子ども向けの広告:子どもが多く遊ぶゲームやアプリへの出稿は配慮が必要。詳しくは子ども向けゲームアプリ広告規制対応ガイドを参照

よくある失敗パターン:成功事例の裏にある共通の落とし穴

マーケティング施策の失敗パターンと注意点のイメージ

成功事例が多く語られる一方で、うまくいかないケースには共通のパターンがある。

失敗1:「話題性」だけを目的にして購買とのつながりを設計しない

SNSで話題になっても、購買が増えないケースは多い。成功事例では「ゲームを続けるほど繰り返し買いたくなる設計(コカ・コーラ)」や「投票への参加がブランドへの愛着を高める設計(ハーゲンダッツ)」のように、参加と購買行動がつながっている。

失敗2:ゲームの作り込みが不十分で遊ばれない

ゲーム型キャンペーンは「面白くなければ誰も遊ばない」という問題がある。ブランドの宣伝にゲームの見た目をかぶせただけでは体験価値は生まれない。開発費とゲームとしての完成度に投資できない場合は、ゲーム内広告(サイネージ型)やSNS施策のほうが費用対効果は高い。

失敗3:Z世代向けの施策でテレビCMと同じ「一方的な訴求」をしてしまう

Z世代はブランドの押しつけに敏感で、共感・参加・自分事化できないコンテンツはスルーされやすい。施策を設計する際は、生活者が自分から関われる余地があるかを先に確認する。

失敗4:チャネルだけ変えてメッセージが変わっていない

「テレビCMと同じクリエイティブをSNSにそのまま出す」だけでは、各チャネルの力を活かしきれない。接触する場面に合わせたクリエイティブ設計が必要だ。

失敗5:コンテンツマーケティングを短期の数字で判断してしまう

レシピサイトやオウンドメディアは、検索で見つけてもらえるまでに数か月〜1年以上かかることが多い。発売直後の認知づくりは広告で、利用シーンの定着はコンテンツでと、役割を分けて評価する。

こんな企業におすすめ・おすすめしない企業

マーケティング施策の向き不向きを検討するチームミーティングのイメージ

ゲーム内広告(サイネージ型)

✅ こんな企業におすすめ

  • Z世代・ゲームユーザーへの認知拡大を優先している
  • 既存の動画素材(テレビCM・Web動画)を再活用したい
  • まず少額で新しい接点を試したい(1週間30万円から始められる)
  • 広告想起率・注目度の改善をKPIにしている
  • プレイを邪魔しない「嫌われにくい広告」を重視している(ゲーム内広告の好感度は約85%)

出典:Ad-Virtua(2026年10月確認)

❌ おすすめしない企業

  • ファミリー層(親子)に特化したブランド体験が必要(→ ごっこランド等のファミリー向けアプリが適している)
  • 購買転換率を短期で最大化したい(→ 検索広告・リターゲティング広告が適している)
  • 50代以上が主なターゲット

ゲーム型キャンペーン

✅ こんな企業におすすめ

  • 商品の機能・価値をエンタメとして体験させたい
  • 消費者との継続的な関係づくりが必要
  • LINEやアプリのアクティブユーザー数もKPIにしている
  • 数百万円〜の開発予算を投資できる

❌ おすすめしない企業

  • 短期の認知拡大を求めている(ゲーム自体を知ってもらうまでにも時間がかかる)
  • 開発費とゲームの品質を確保できない

SNSキャンペーン(フォロー&リポスト型)

✅ こんな企業におすすめ

  • 新商品発売・季節イベントなど期間限定の認知拡大
  • 既存フォロワーとの関係を活性化したい
  • 数十万円から実施できる施策を探している
  • 拡散数・表示回数をリアルタイムで追いたい

❌ おすすめしない企業

  • ブランドロイヤルティの長期的な形成が主目的(→ 体験型施策のほうが深い関係を作れる)
  • SNSのフォロワー基盤がまだ小さい(拡散の起点がない)

コンテンツマーケティング(レシピサイト等)

✅ こんな企業におすすめ

  • 調味料・食材など「使い方」を伝えることで売れる商品を持っている
  • 1年以上の継続的な運用体制と予算を確保できる
  • 指名検索やリピート購入を中長期のKPIにしている

❌ おすすめしない企業

  • 新商品の発売直後など、数週間で認知を取り切りたい
  • 記事・動画を作り続ける社内体制や外部パートナーがない

Ad-Virtuaのゲーム内広告が合う食品・飲料メーカーの条件

食品・飲料メーカーの製造・ブランド展開のイメージ

ここまでの事例と数値を踏まえると、Ad-Virtuaのゲーム内広告(サイネージ型)が特に機能しやすいのは次の条件に当てはまる企業だ。

① Z世代・ゲームユーザーへのリーチを優先している 600以上のゲームタイトルに配信でき、Z世代が日常的に過ごす空間に動画広告を届けられる(Ad-Virtua公式サイト、2026年10月確認)。

② テレビCM素材などの動画クリエイティブを持っている ゲーム内のサイネージ広告は既存の動画素材を活用できるため、追加の制作費を抑えられる。

③ 広告の好感度を重視している プレイを中断しないサイネージ型のため、ゲーム内広告の好感度は約85%とされる。「嫌われない広告接触」を重視する企業に向いている。

④ 少額から試したいが、KPIはしっかり取りたい 1週間30万円・100万回再生目安から始められ、初期費用なし・レポート無料で、広告想起率・注目度などのデータを取得できる。

検討の順番としては、まず広告とはで広告全体の選択肢を俯瞰し、ゲーム内広告とはで仕組みと費用を確認したうえで、食品・飲料向けの具体策は食品・飲料の若年層リーチを増やす施策7選で比較するとスムーズだ。

自社商品で想定できるCPM・再生数・ブランドリフトの見込みを稟議資料用に知りたい場合は、Ad-Virtuaへのお問い合わせから相談できる。

よくある質問(FAQ)

Q1:食品マーケティングを始めるとき、最初に決めるべきことは何ですか?

「誰の、どの購買行動を変えたいか」を1つに絞ることです。新規の若年層に知ってもらいたいのか、既存の購入者にもう1本買ってもらいたいのかで、使う広告もKPIもまったく変わります。目的が決まらないまま施策から選ぶと、効果の検証ができず次の予算も取りにくくなります。

Q2:この記事と「食品メーカーのブランド体験施策事例」の記事はどう使い分ければよいですか?

本記事はCPM・KPI・景品規制など「数字とルール」で施策を比較したいときに、食品メーカーのブランド体験施策事例10選は事例ごとの体験設計の考え方を深く知りたいときに向いています。稟議資料を作る段階では本記事、企画のアイデア出しの段階ではブランド体験の記事、という使い分けがおすすめです。

Q3:SNSキャンペーンとゲーム内広告は同時に使えますか?

組み合わせは可能です。ゲーム内広告で認知と想起を積み上げ、同じ時期にSNSキャンペーンで参加と拡散を促すと、両方の効果を高め合いやすくなります。ただし、配信期間をずらす・ブランドリフト調査の対象を分けるなど、どちらの効果かを切り分ける設計を事前に決めておかないと、次回の予算配分の判断材料になりません。

Q4:ゲーム型キャンペーンの開発費はどのくらいかかりますか?

規模と品質で大きく変わります。シンプルなWebゲームなら数十万〜数百万円、本格的なスマートフォンゲームなら数百万〜数千万円以上かかるケースもあります。開発費と完成度を両立できない場合は、ゲーム内広告(サイネージ型)で初期投資を抑えながらゲームユーザーに届ける方法もあります。

Q5:食品以外のメーカーでも同じ考え方は使えますか?

使えます。低単価・高頻度で買われ、売り場で短時間に選ばれる商品であれば、日用品・化粧品・外食チェーンでも「想起を作ってから売り場で選ばれる」という構造は同じです。日用品メーカー向けの施策は日用品メーカーのファン化施策で整理しています。

まとめ:成果が出る食品・飲料マーケティングの進め方

食品マーケティングで成果を出している企業の共通点は、施策から選ぶのではなく、課題とKPIを先に決めてから手法を選んでいることだ。

  • ゲーム体験型:江崎グリコ・コカ・コーラ・湖池屋のように、商品の価値をエンタメで体験させたいときに向いている
  • SNS参加型:ハーゲンダッツ・味の素のように、参加と拡散を短期間で生み出したいときに向いている
  • コンテンツマーケティング:味の素・キッコーマンのように、利用シーンを伝えて長くリピートを作りたいときに向いている
  • ゲーム内広告:Z世代への認知と広告想起を、少額・低CPMで試したいときに向いている

どの施策でも、景品表示法やステマ規制を前提にキャンペーンを設計し、効果測定の方法を事前に決めておくことが、次の予算承認につながる。まずは広告とはで広告全体の選択肢を俯瞰し、ゲーム内広告とはで自社に合うかを判断したうえで、具体的な数値はAd-Virtuaに相談してほしい。

関連記事