ゲーム内広告とOTT・動画配信広告は、どちらも「スキップされにくい動画広告」として注目を集めていますが、リーチできる生活者の時間帯・行動状態・年齢層が根本的に異なります。若年層の「1日100分のゲーム時間」にOTT広告は届きません。

この記事では以下の点を解説します。

  • ゲーム内広告とOTT・動画配信広告の違いを主要指標で横断比較
  • CPM・視聴完了率・広告想起率・最低出稿金額の比較
  • 若年層リーチ・ブランド認知・費用対効果の観点別の選び方
  • 各媒体が向いている企業・向いていない企業の具体的な条件
  • 「どちらか」ではなく「組み合わせ」という統合活用の考え方

広告予算の振り分けや媒体選定を検討中のマーケティング担当者に向けた内容です。

【まず確認】ゲーム内広告 vs OTT・動画配信広告 主要指標比較表

「どちらを選ぶか」を判断するための主要指標を先にまとめます。詳細はこの後の各セクションで解説します。

比較項目

ゲーム内広告(サイネージ型)

OTT・動画配信広告(TVer等スキップ不可)

OTT・動画配信広告(YouTubeスキップ可)

広告の見せ方

ゲーム空間内の看板・モニターに表示

番組の前後・途中に動画広告

動画再生前後・途中に動画広告

スキップ可否

スキップ不可(ゲーム体験に溶け込む)

スキップ不可

5秒後スキップ可

視聴完了率

96%(業界平均67%比、最大値)

15秒:96.0%・30秒:95.2%

15〜30%程度(スキップ多発)

広告想起率

約180%(Web広告比)※1

CPM目安

約400円 ※1

500円〜(代理店報告値。幅あり)※2

400〜600円相当

最低出稿金額

100,000円〜

50万円〜(一般的な目安)

数万円〜

主なリーチ層

ゲームプレイ中の10〜40代(特に若年男性)

テレビ的コンテンツ視聴層(全年齢)

動画視聴時間の長い全年齢

広告ブロッカー

影響を受けない(SDK配信)

影響を受けない

一部受ける可能性あり

TVCM素材の転用

そのまま転用可能

そのまま転用可能

そのまま転用可能

ターゲティング

ゲームジャンル・年齢・プレイ傾向

デモグラフィック・番組ジャンル・地域

興味・関心・デモグラフィック等

ユーザー好感度

84%が「ゲーム体験に適している」と回答 ※1

※1 出典: Ad-Virtua公式サイト (https://ad-virtua.com/)、確認日: 2026-04-12
※2 出典: 複数の代理店・メディア記事、確認日: 2026-04-12。実際の出稿時は媒体への直接確認が必要

2つの媒体の基本特性

ゲームコントローラーとゲームプレイ中の画面。ゲーム内広告はプレイ体験に溶け込む形で配信される

ゲーム内広告(サイネージ型)とは

ゲーム空間内の看板・モニター・壁面に動画や静止画を差し込む広告手法です。ゲームを中断せず、プレイ体験に自然に溶け込む点が最大の特徴。インタースティシャル(全画面で割り込む)やリワード広告(動画視聴と引き換えにアイテム付与)とは根本的に異なり、「ゲーム外広告」ではなく「ゲーム内広告(イントリンシック型)」に分類されます。

広告サーバーとゲームエンジン内のSDKが連携することで動的に差し替えが可能で、広告ブロッカーの影響を受けません。既存のTVCM素材をそのまま転用できるため、追加の制作コストがかかりにくいのも特長です。

→ ゲーム内広告の仕組み・種類について詳しくは「ゲーム内広告とは|仕組み・種類・効果をわかりやすく解説」をご覧ください。

OTT・動画配信広告の種類と特性

OTT(Over-The-Top)広告とは、インターネット回線を通じた動画配信サービス(Netflix・Prime Video・TVer・ABEMA・YouTube等)内で配信される広告の総称です。一口に「OTT広告」といっても、スキップ可否・視聴完了率・リーチ層・費用感は媒体によって大きく異なります。

媒体

特徴

スキップ

月間ユーザー

TVer

民放各局の見逃し・リアルタイム配信

不可

4,120万人 ※3

ABEMA

若年層(10〜20代)比率が高い

一部不可

週間3,000万人 ※3

YouTube

世界最大の動画プラットフォーム

5秒後可

国内月間6,500万人超

Netflix

プレミアム層、広告付きプランは参入ハードルが高い

不可

公開非公表

※3 出典: syncAD「日本で広告配信できるOTTサービス一覧2026」(https://syncad.jp/news/95207/)、確認日: 2026-04-12

重要な注意点: OTT広告を「一括り」に捉えると判断を誤ります。TVerのスキップ不可型は視聴完了率96%に達する一方、YouTubeのスキップ可能広告の視聴完了率は15〜30%程度です(出典: 動画マーケ「YouTube広告効果平均数値」、確認日: 2026-04-12)。媒体ごとに特性を分けて比較することが重要です。

広告効果の比較:視聴完了率・想起率・注目時間

視聴完了率

ゲーム内広告(サイネージ型)の視聴完了率は最大96%(業界平均67%比)です(出典: Ad-Virtua公式サイト、確認日: 2026-04-12)。TVerも15秒広告96.0%・30秒広告95.2%と高い数値を維持しています(スキップ不可の特性による)。

一方、YouTubeのスキップ可能インストリーム広告の完了率は15〜30%程度で、実際の広告注視率は約3%という調査結果もあります(出典: Web担当者Forum、2024年7月、確認日: 2026-04-12)。「管理画面上の完了率は40〜50%でも、ながら視聴・気づかない再生が多い」という実態があります。

広告想起率・ブランドリフト

ゲーム内広告に関するグローバル研究(Frameplay × Happydemics、2025年10月発表、173キャンペーン・7,000件超のブランドリフト調査)では、ゲーム内広告の広告想起率32%が全デジタル広告フォーマットの中で最高水準であること、ゲームブランド接触者は非接触者より購入意向が63%高い(Roblox事例)ことが示されています(出典: Frameplay/Happydemics研究、2025年10月、確認日: 2026-04-12)。ただしこれはグローバルデータであり、日本国内単独の数値ではありません。

Ad-Virtua(日本)の公式データでは広告想起率約180%(Web広告比)、注目時間29分相当(Web広告平均17.5分比)、自発的想起率48%(Web広告33%比)が報告されています(出典: Ad-Virtua公式サイト、確認日: 2026-04-12)。

OTT広告のブランドリフトに関しては、The Trade Desk Japan調査(プレスリリース、確認日: 2026-04-12)で約46%のマーケターが「今後1年でOTT広告を新規開始または拡大予定」と回答しており、若年層リーチ(49%)への期待が高いことが示されています。ただし媒体別のブランドリフト日本語データは現時点では限定的です。

若年層へのリーチ力比較:ゲーム時間 vs 動画視聴時間

スマートフォンで動画コンテンツを視聴する若年層。若年男性のゲーム時間帯はOTT広告ではリーチできない

最も重要な視点が「どの生活者の時間帯を捉えるか」です。

10〜20代男性の約80%がゲームアプリを毎日プレイしており、平均プレイ時間は1日約100分。SNSと同程度の可処分時間をゲームに費やしているにもかかわらず、広告費の配分はゲーム内広告がSNSと比べて約30%少ない水準にとどまっています(出典: Ad-Virtua公式記事・宣伝会議Advertimes記事、確認日: 2026-04-12)。

若年層がゲームをしている時間帯、彼らのスマホ画面にはOTT広告は表示されません。ゲーム内広告だけが届けられる「可処分時間の空白地帯」が存在するという点は、媒体選定で見落とされやすい視点です。

ABEMAは10〜20代の視聴比率が高く、若年層リーチという意味では有力な選択肢の一つです。ただし「テレビ的なコンテンツを視聴している状態」と「ゲームをプレイしている没入状態」とでは、ブランドとの接触の質が異なります。

費用・出稿規模の比較

デジタル広告のCPM・予算規模を示すグラフ。ゲーム内広告とOTT広告の費用対効果を比較

CPMと最低出稿金額

媒体

CPM目安

最低出稿金額目安

備考

ゲーム内広告(Ad-Virtua)

約400円 ※1

100,000円〜

1週間単位プランあり

TVer

500円〜(代理店報告値、幅あり)※2

50万円〜

番組連動・プレミアム枠は別途

ABEMA

50万円〜(目安)

代理店経由が主

YouTube

400〜600円相当(CPV 3〜15円)

数万円〜

セルフサーブ対応

TikTok

CPM 400〜1,000円

LINE

CPM 400〜1,200円

※1 出典: Ad-Virtua公式サイト (https://ad-virtua.com/)、確認日: 2026-04-12
※2 出典: 複数の代理店・メディア記事、確認日: 2026-04-12

予算規模別の現実

  • 少額テスト(〜50万円): ゲーム内広告(Ad-Virtua 10万円〜)またはYouTube(数万円〜)が現実的。TVerやABEMAは最低出稿金額の壁が高く、小規模テストには不向きです。
  • 中規模(50万〜200万円): ゲーム内広告・YouTube・TVer/ABEMAのいずれも選択肢に入る。目的と狙うリーチ層で振り分ける段階。
  • 大規模(200万円〜): OTT各社のプレミアム枠・番組連動枠を活用しながら、ゲーム内広告でゲーマー層・若年男性に補完配信する統合設計が有効。

なお、動画広告市場全体では2025年に1兆275億円を超え、推定開始以降初の1兆円突破となりました(出典: 電通デジタル「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(https://www.dentsudigital.co.jp/news/release/services/2026-0305-000300)、確認日: 2026-04-12)。OTT広告もゲーム内広告も、成長市場の中に位置しています。

ゲーム内広告が向いている企業

以下の条件に当てはまる企業には、ゲーム内広告(特にサイネージ型)が有効な選択肢です。

こんな企業に向いています

  • 10〜30代の若年層・ゲームユーザーへの認知拡大が主目的の企業
  • TVCM素材を保有しており、追加クリエイティブ制作費を抑えたい企業
  • 少額(10万円〜)でデータを取ってから判断したいテスト志向の企業
  • 「嫌われない広告接触」でブランド好感度を維持しながら認知を積み上げたい企業
  • 広告ブロッカーの影響を受けずにインプレッションを確保したい企業
  • 食品・飲料・日用品・外食チェーン等、生活接点が広く若年層ファン化が課題の企業

おすすめしない企業・ケース

  • 50代以上の中高年層が主なターゲットで、ゲーム利用率が低い層への訴求が必要な場合
  • コンバージョン(クリック・購入・申し込み)を直接広告で刈り取りたいダイレクトレスポンス型の目的
  • 動画・クリエイティブ素材がなく、テキスト・静止画のみで展開したい場合
  • リアルタイムの検索需要に対して露出したい場合(検索連動型広告が適切)

OTT・動画配信広告が向いている企業

こんな企業に向いています

  • 全年齢・幅広い層に向けたブランド認知拡大が目的の企業
  • テレビCMから「インターネット動画」へ予算シフトを検討している企業
  • テレビ的なコンテンツ(ドラマ・バラエティ等)を視聴する層に届けたい企業
  • 大規模リーチ(TVer月間4,120万人、YouTube月間6,500万人超)が必要な企業
  • データ計測・ターゲティング精度をテレビ並みに高めたい企業
  • ABEMAで10〜20代に特化したリーチを狙う企業

おすすめしない企業・ケース

  • 最低出稿金額(TVer 50万円〜)が予算的に難しい中小規模の企業
  • ゲームプレイ中の若年男性・Z世代の「ゲーム時間」に特化してリーチしたい場合
  • YouTube広告でスキップを前提としたブランドリフトを期待している場合(視聴完了率・注視率が想定より低くなる可能性がある)
  • 「広告っぽくない自然な接触」でブランド好感度を高めたい場合

目的別・予算別の選び方ガイド

どの媒体を選ぶかは「誰に・何を伝えたいか」と「予算規模」の掛け合わせで決まります。

目的別おすすめ

目的

第一推奨

補完候補

若年層(10〜30代)への認知拡大

ゲーム内広告

ABEMA・YouTube

全年齢に向けたブランド認知

TVer・ABEMA

ゲーム内広告

少額テスト・PDCAを回す

ゲーム内広告・YouTube

TVCM効果を延長・補完する

TVer(ブランドセーフティ重視)

ゲーム内広告(若年層補完)

ブランド好感度を維持しながら認知を積む

ゲーム内広告

TVer

広告ブロッカー環境への対策

ゲーム内広告

TVer・ABEMA

予算規模別おすすめ

予算規模

おすすめ

〜50万円

ゲーム内広告(Ad-Virtua 10万円〜)で若年層テスト、またはYouTubeでブロード配信

50万〜200万円

ゲーム内広告(若年男性特化)+YouTube or ABEMA(全年齢補完)の組み合わせ

200万円〜

TVer/ABEMAの番組連動枠でブランドセーフな大量露出+ゲーム内広告でZ世代カバー

「どちらか」ではなく「組み合わせ」という選択肢

ゲーム内広告とOTT広告は競合する媒体ではなく、リーチできる生活者の時間・状態が異なります。

実際の活用イメージ:

  1. TVerで家族・主婦層・全年齢層に向けてブランド認知を確保
  2. ゲーム内広告で10〜30代の若年男性を中心に、ゲーム時間帯の「空白地帯」をカバー
  3. YouTubeで興味関心ターゲティングによる追撃接触

既存のTVCM素材はどの媒体でも転用が可能なため、1本のクリエイティブを複数媒体に展開するシナリオは現実的です。「ゲーム空間でブランドとの接触頻度を上げ、テレビ的コンテンツで幅広い層をカバーする」という設計が、特に若年層へのブランドリフトを目指す企業に有効です。

→ ゲーム内広告の費用・出稿単位について詳しくは「ゲーム内広告の費用・料金相場を解説」をご覧ください。

Ad-Virtuaのゲーム内広告が合う企業の条件

以下の条件に当てはまる企業は、Ad-Virtuaのゲーム内広告(サイネージ型)との親和性が高いと考えられます。

  • 若年層・Z世代・ゲームユーザー層への認知拡大が短期・中期の優先課題
  • 既存のTVCM素材があり、追加制作コストを最小化したい
  • 10万円〜の少額からデータを取ってPDCAを回したい
  • OTT広告ではリーチしにくい「ゲームプレイ中の没入時間帯」を押さえたい
  • 嫌われない広告接触でブランド好感度を維持しながら接触回数を増やしたい
  • 食品・飲料・日用品・外食・交通・ホテル等の生活接点が広いナショナルブランド

逆に、50代以上の中高年層が主なターゲット、またはコンバージョン直結型の成果報酬型運用を主目的とする場合は、他の媒体の方が適している場合があります。

媒体選定についてご相談はこちら: Ad-Virtua お問い合わせ

よくある質問(FAQ)

Q. ゲーム内広告はOTT広告より費用対効果が高いですか?

目的と比較軸によります。若年層への広告想起率・注目時間という指標ではゲーム内広告が優位なデータがあります(Ad-Virtua公式データ、確認日: 2026-04-12)。一方、全年齢に対するリーチ規模ではTVer(月間4,120万人)などのOTT媒体が上回ります。「費用対効果が高い」かどうかは、誰に・何の目的で配信するかを明確にしてから判断することが重要です。

Q. TVerとゲーム内広告を比較すると、どちらが視聴完了率が高いですか?

どちらもスキップ不可の設計のため、視聴完了率は同水準(96%前後)です。ただし「広告に気づいているか」という点で差があります。ゲーム内広告はゲーム空間に溶け込むため、視聴者は広告を意識しながらもプレイを続けるという状態で接触します。一方TVerは番組コンテンツの前後に挿入される形式のため、「広告視聴を待つ」という状況です。

Q. YouTubeとゲーム内広告、若年層へのリーチ力はどちらが高いですか?

純粋なリーチ規模ではYouTubeが上回ります(月間国内6,500万人超)。ただし10〜20代男性のゲームプレイ中の時間帯はYouTubeではリーチできません。「若年男性の可処分時間のうち、ゲームをしている時間帯」にアプローチしたい場合は、ゲーム内広告が唯一の選択肢です。両者は競合ではなく、リーチできる時間帯が異なります。

Q. ゲーム内広告はTVCM素材をそのまま使えますか?

現時点では、Ad-Virtuaのサイネージ型ゲーム内広告は既存のTVCM動画素材を転用できます。新たなクリエイティブ制作費が発生しないため、TVCMを持つブランドにとって追加コストを抑えた入り口になります(出典: Ad-Virtua公式サイト、確認日: 2026-04-12)。

Q. ゲーム内広告の費用相場を教えてください。

Ad-Virtuaのゲーム内広告(サイネージ型)の最小出稿は100,000円〜(税抜)、CPMは約400円が目安です(出典: Ad-Virtua公式サイト、確認日: 2026-04-12)。詳細なプランや費用シミュレーションは「ゲーム内広告の費用・料金相場を解説」または直接お問い合わせください。

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