認知広告とは、自社のブランド・商品・サービスをまだ知らない消費者に「存在を知ってもらう」ことを目的とした広告の総称だ。マーケティングファネルの最上位ステップ「Attention(注意喚起)」に対応し、テレビCM・OOH・SNS広告・動画広告・ゲーム内広告など幅広い媒体が含まれる。

この記事では以下のことがわかる。

  • 認知広告と獲得広告(CV広告)の違いと、なぜ両者を区別して設計すべきか
  • テレビCM・SNS・動画・OOH・ゲーム内広告など主要媒体の種類と特徴
  • CPM・視認率・若年層リーチを横断比較した媒体選定の判断材料
  • 純粋想起・助成想起・ブランドリフトを正しく測るKPI設計の方法
  • 認知から購買につなぐクロスメディア設計の基本パターン
  • 食品・飲料・日用品メーカーの稟議に使えるROI・ブランドリフトデータ

食品・飲料・日用品・外食・交通など、若年層やファミリー層へのブランド認知拡大を検討しているマーケティング担当者に向けた記事だ。

認知広告とは — マーケティングファネルの起点

ブランド認知広告 – 車体ブランディングによる認知拡大のイメージ

認知広告は、購買を直接促す広告(獲得広告)とは根本的に目的が異なる。まず「知ってもらう」ことに投資し、その後の検討・購買ステップを有利に進めるための地盤を作る施策だ。

広告の基礎については広告とは|種類・目的・媒体の違いを基礎から解説を、全媒体の俯瞰は広告の種類をすべて解説を参照されたい。

認知広告と獲得広告の違い

認知広告

獲得広告(CV広告)

目的

ブランド認知・想起率向上

購買・申込・リード獲得

主なKPI

インプレッション・リーチ・想起率・好感度

CV数・CPA・ROAS

成果の時間軸

中長期(ブランド資産の積み上げ)

即時(配信停止で効果は消える)

主なターゲット

未認知層・潜在層

顕在層・検討層

代表的な媒体

テレビCM・動画広告・OOH・ゲーム内広告

リスティング広告・リターゲティング

重要なのは、認知広告は「長期的なブランド資産を積み上げる投資」であり、短期のCV数で評価するべきではないという点だ。逆に言えば、顕在化した購買意向層だけを追いかける獲得広告は、そもそも「まだ知らない消費者を市場に引き込む力」を持っていない。予算の全額を獲得広告に振り向けていると、新規顧客のパイプラインが細り続ける。

AIDMAにおける認知の役割

マーケティングの基本モデルAIDMA(Attention → Interest → Desire → Memory → Action)において、認知広告は最初の「A(注意・認知)」と、購買前に想起させる「M(記憶)」の2か所を担う。

  • Attention(注意): 未認知層に「こんなブランド・商品がある」と気づかせる
  • Memory(記憶): 購買を検討するタイミングで真っ先に頭に浮かぶ「第一想起」を狙う

認知広告がしっかり機能すると、同じ予算の獲得広告がより効率よく回るようになる。「ブランドを知っているユーザー」へのリターゲティングは、未認知ユーザーへのアプローチよりCPAが低い傾向があるためだ。

認知広告の目的 — 3つのフェーズ別ゴール

① 未認知層へのリーチ拡大

認知広告の最初のゴールは、まだ自社ブランドを知らない消費者にリーチすることだ。既存顧客やリターゲティングリストに入っているユーザーだけを追いかけていると、市場の拡張はできない。

特に課題になるのが若年層(10〜20代)へのリーチだ。テレビCMの若年層視聴率が低下している一方、ゲームアプリの利用時間は伸び続けており、Z世代の約80%が毎日ゲームアプリをプレイしているとされる(Ad-Virtua調査)。こうした層への接点として、ゲーム内広告やSNS動画広告の重要性が高まっている。

② ブランドイメージの形成

単に名前を知ってもらうだけでなく、「どんなブランドか」「どんな価値を提供するか」というイメージの印象付けも認知広告の重要な役割だ。テレビCMや動画広告が「世界観」を伝えるのに強い理由はここにある。バナー広告でも認知は取れるが、ブランドイメージの形成には映像・音・ストーリーを組み合わせた動画フォーマットが有効だ。

③ 購買時の想起率向上(記憶定着)

認知広告の最終目標は、消費者が購買を検討するタイミングで「このブランド」が頭に浮かぶ状態を作ること——つまり第一想起の獲得だ。エビングハウスの忘却曲線が示すように、一度の接触では時間とともに記憶は薄れる。繰り返し接触による記憶定着のため、認知広告は単発キャンペーンではなく、継続的な出稿設計が求められる。

認知広告の種類と主要媒体

SNS広告(TikTok)を活用した認知広告の媒体例

認知広告は大きく「デジタル(オンライン)系」と「マス・屋外(オフライン)系」に分かれる。2026年現在、多くの企業が両者を組み合わせたクロスメディア戦略を採用している。

デジタル系(オンライン広告)

1. 動画広告(YouTubeインストリームほか) 映像・音楽でブランドの世界観を伝える。視聴完了率・ブランドリフトの高さが特徴だ。YouTubeのインストリーム広告は、2〜4回の接触で認知リフト約10%が期待できる(業界目安)。既存のテレビCM素材を流用しやすい点でも導入コストが抑えられる。

2. SNS広告(Meta・X・TikTok等) 精密なターゲティングと拡散性が強み。TikTokはZ世代への認知拡大に特に有効で、短尺動画クリエイティブとの親和性が高い。CPM目安は400〜650円程度(業界目安)。

3. ディスプレイ広告 Webサイト上のバナー・動画枠に配信。リーチ数を低CPMで稼ぎやすい一方、ユーザーの視線が広告枠を避ける「バナーブラインドネス」が生じやすく、視認率はSNS・動画と比べて低めになる傾向がある。

4. ゲーム内広告(サイネージ型) ゲーム空間内の看板・モニターに動画を配信する非侵入型の認知広告。ゲームのプレイを一切中断しない設計が特徴で、広告好感度が高く(後述)、2026年現在の認知広告媒体として注目度が高まっている。

5. ネイティブ広告・タイアップ記事 コンテンツと一体化した形式。ブランドの世界観を詳しく伝えられるが、スケールしにくく、インプレッション系指標での効果測定に向かない面がある。

6. プログラマティック広告(アドネットワーク) DSPを通じた自動入札で大量のインプレッションを効率的に確保。ブランドセーフティ設定は必須であり、配信先の品質管理が成否を左右する。

オフライン系(マス・屋外広告)

テレビCM リーチ規模・信頼感・映像表現力の面で依然として有力な認知手段。全年代への一斉リーチが可能な一方、制作コスト(目安500万円〜)と出稿費が高く、若年層のリーチ効率は低下傾向にある。業界目安では2〜3回の接触で認知リフト約18%が期待できる。

OOH・デジタルサイネージ(屋外広告) 駅・商業施設・交通機関などへの掲出。生活動線上での反復接触による記憶定着に強く、他媒体比で7〜25%高い記憶効果が期待できるとされる(業界目安)。地域や生活動線を絞った認知形成に向く。

交通広告・新聞・雑誌 特定の生活習慣層や興味関心層に届く媒体特性があり、ターゲットの生活動線に合致した認知施策に有効だ。

媒体比較 — CPM・視認率・若年層リーチを一覧で確認

各媒体の主要指標を一覧で比較する。数値は2026年時点の業界目安または公式情報であり、ターゲティング設定・業界・時期により変動する。

媒体

CPM目安

若年層リーチ

視認率目安

広告好感度

最小出稿費目安

特徴

テレビCM

300〜500円

低め(視聴離れ進行)

高い(画面専有)

普通

制作500万円〜+出稿費別途

全年代一斉リーチ・信頼感高い

YouTube動画

400〜600円

高い

中〜高

普通

数万円〜

視聴完了課金・ブランドリフト測定可

SNS広告(Meta/X/TikTok)

400〜650円

非常に高い

やや低め(広告疲れ)

数万円〜

精密ターゲティング・クリエイティブ検証向き

ディスプレイ広告

数百円〜

低め

低い

数万円〜

大量リーチ・低CPM。視認率はプレースメント次第

OOH・デジタルサイネージ

数百〜数千円

高い(物理接触)

普通〜高い

月数十万円〜

反復接触・地域限定の認知形成に強い

ゲーム内広告(サイネージ型)

約300円(Ad-Virtua調査)

非常に高い(Z世代特化)

最大96%(Ad-Virtua調査)

約85%(Ad-Virtua調査)

週30万円〜

非中断型・高好感度・動画素材の横転用可

※ CPMは各社・業界メディアの公表値を参照した目安。Ad-Virtua数値はAd-Virtua自社調査(2026-05-08時点)。第三者検証の詳細は未公開。

効果測定の指標(KPI)

マーケティングKPI – データダッシュボードで効果測定する認知広告の指標管理

認知広告の成果をクリック率(CTR)で評価するのは原則として誤りだ。認知目的で配信した広告にクリックを求めると、数値評価がゆがみ、有効な認知施策を「効果がない」と誤判断してしまうリスクがある。認知広告には認知広告に合ったKPIを最初に設定する必要がある。

広告効果の正しい測定方法についてはこちらも参照されたい。

インプレッション・リーチ数・ビューアブルインプレッション

インプレッション数は広告が表示された合計回数、リーチ数はユニーク(重複なし)での到達人数だ。ただし「表示されたが実際には視野に入っていない」ケースも含まれるため、単独での評価には限界がある。

より精度の高い指標がビューアブルインプレッション(IAB基準:動画広告は50%以上の面積が2秒以上表示)だ。認知広告の入札単位として重要度が高まっており、プラットフォーム別にビューアブル率を確認することが望ましい。

純粋想起・助成想起・第一想起の違いと測定方法

ブランド認知の「深さ」を測る3つの指標は混同されやすい。正確に理解しておきたい。

指標

測定方法

意味

純粋想起率

「このカテゴリで知っているブランドを挙げてください」(ブランド名なしで回答)

自然に頭に浮かぶブランドの割合。最も厳しい指標

助成想起率

「このブランドを知っていますか?」(ブランド名を見せて回答)

認知の広さを測る。施策後に向上しやすい

第一想起率

純粋想起のうち、最初に挙げられた割合

ブランドの「強さ」を示す最重要指標

測定の順序は「純粋想起 → 助成想起」の順が原則だ。逆順では先に見せたブランド名がヒントになり、純粋想起のデータにバイアスが入る(参考: マーケティング調査ガイド各社)。

ブランドリフト調査とは

ブランドリフト調査は、広告接触者と非接触者の想起率・好感度・購買意向を比較することで、広告の純粋な効果を測る手法だ。Meta・Google・YouTubeなどの主要プラットフォームは独自のブランドリフト計測ツールを提供しており、一定の出稿規模に達すれば比較的低コストで実施できる。第三者機関によるアンケート調査は数十万〜数百万円が相場となるが、大規模キャンペーンの精度確認に用いることが多い。

インクリメンタルリフトと稟議活用

認知広告の効果を社内稟議で説明する際に重要な指標がインクリメンタルリフト(増分効果)だ。「広告を出稿しなかった場合と比べて、どれだけ認知率・想起率・購買意向が上がったか」を示す数値で、マーケティング投資の正当化根拠として使いやすい。

食品・飲料メーカーで稟議を通す場合は、以下の数値セットが有効だ。

  • CPM比較: 他媒体との費用対露出の違い(例: テレビCM比で同等の若年層リーチをより低い単価で達成)
  • ブランドリフト数値: 広告接触者の広告想起率・好感度の変化率
  • インクリメンタルリーチ: テレビCMでは届かなかった層への純増リーチ数

食品・飲料業界向けの若年層認知施策については食品・飲料業界の若年層リーチ戦略も参照されたい。

サーチリフト・指名検索数増加

認知広告の成果が最終的に現れる重要な指標が指名検索数の増加だ。ブランド名や商品名で直接検索されるようになれば、認知広告の効果が購買ファネルに波及し始めていると判断できる。Googleの「サーチリフト」レポートでは、広告接触後の指名検索増加率を測定できる。この指標は獲得広告の担当者とも共有しやすい数値だ。

認知から購買へつなぐクロスメディア設計

クロスメディア設計 – 認知広告と獲得施策を組み合わせたデジタルマーケティング戦略

認知広告だけで購買は生まれない。「認知を作る媒体」と「購買を促す媒体」を組み合わせる設計が大前提だ。認知が高まっても購買の導線が整備されていなければ、売上への貢献は見えにくいままになる。

認知広告 → 獲得広告の連携パターン

2026年時点で多くのナショナルクライアントが採用している構成は以下の3パターンだ。

パターン1: テレビCM+デジタル補完 テレビCMで全年代への広範なリーチを確保し、若年層にリーチしきれない部分をSNS広告・ゲーム内広告で補完する。認知を取った後、リターゲティング広告で購買意向層を追いかける最もオーソドックスな設計だ。

パターン2: デジタルファースト(若年層特化) テレビCMを使わずに、YouTube・TikTok・ゲーム内広告で若年層のリーチを先に取り、指名検索経由でリスティング広告が購買を刈り取る構成。テレビ予算を持たない中堅ブランドに向く。

パターン3: OOH+デジタルリターゲティング 交通広告・デジタルサイネージで生活動線上での反復接触を確保し、デジタル広告でリターゲティングして購買につなぐ。地域密着型の認知施策に有効だ。

テレビCMが届かない若年層への対策

テレビCMの若年層(15〜34歳)リーチ率は年々低下しており、テレビ単体での若年層認知構築には限界がある。現在、多くのナショナルクライアントがテレビCMを維持しながら以下の若年層特化施策を並走させている。

  1. ゲームアプリ内広告: Z世代の約80%が毎日プレイするゲームアプリに認知広告を配信(Ad-Virtua調査)
  2. TikTok・Instagram Reels: ショート動画フォーマットでの世界観伝達
  3. YouTube: プレロール・バンパー広告での繰り返し接触による記憶定着

テレビCMの補完施策について詳しくはテレビCMの代替・補完施策を比較するを参照されたい。

こんな企業に認知広告がおすすめ / おすすめしない企業

認知広告が特に合う企業・状況

食品・飲料・日用品メーカー(ナショナルブランド) 商品のスペック訴求より「ブランドイメージ」「毎日の生活への親しみ」が購買動機になりやすい商材。認知広告の繰り返し接触による記憶定着が、スーパー・ECでの棚前選択に直接影響する。若年層・Z世代へのリーチ強化については食品・飲料業界の若年層リーチ戦略も参照されたい。

新商品・新ブランドの立ち上げ期 まだ誰も知らない商品は、獲得広告だけでは効率が出ない。まず「知ってもらう」フェーズへの投資が先決だ。認知ゼロの状態でリターゲティング広告を打っても、母集団となる「認知済みユーザー」がいないため効果は限定的になる。

若年層・Z世代をターゲットとするブランド テレビCMだけでは届きにくい10〜20代へのリーチ手段として、ゲーム内広告・TikTok・YouTubeの組み合わせが有効。動画素材が既にある場合は横転用しやすく、追加制作費を抑えやすい。

ブランドの純粋想起が競合に比べて低いと判明している企業 市場調査で自社ブランドの第一想起率がライバルに劣ることがわかっている場合、認知広告への集中投下が優先される。獲得広告を増やしても指名検索がなければ刈り取れない。

テレビCM素材を持っており、デジタルで横展開したい企業 ゲーム内広告・動画広告は既存のCM素材を横転用しやすく、制作費を抑えて新規接点を獲得できる。素材の縦横変換に対応している媒体を選ぶと効率的だ。

認知広告がおすすめしにくい企業・状況

今すぐ売上を作らなければならないフェーズ 認知広告の成果は中長期で現れる。即時CVが急務の状況では、リスティング広告・リターゲティングを優先すべきだ。認知と獲得の予算配分を整理した上で、段階的に認知投資を加えていく順序が現実的だ。

ターゲットが極めて限定的なBtoB企業 狙う顧客が特定の業種・役職に絞られるBtoB商材は、大量リーチを前提とする認知広告より、展示会・業界媒体タイアップ・アカウントベースドマーケティングの方が費用対効果が出やすい。

高齢者層(60代以上)が主なターゲットの商材 ゲーム内広告・TikTokなどデジタル認知広告は若年層に強い半面、高齢者リーチは弱い。テレビCM・新聞・折込チラシなど紙媒体との組み合わせの方が現実的なことが多い。

継続出稿できる予算規模がない企業 認知広告は一度打っただけでは記憶に定着しない。少なくとも数週間〜数ヶ月の継続出稿を組める予算がない場合、ブランドリフトの実感は難しい。単発のお試しより、規模を小さくしても継続できる計画が優先される。

認知広告でよくある失敗パターン

失敗1: KPIをクリック率(CTR)で評価してしまう

認知広告はクリックを促すのが目的ではない。CTRが0.1%未満でも視認率・想起率が高ければ正しく機能している。「CTRが低いから認知広告は効果がない」と判断するのは指標の設定ミスだ。認知広告を始める前に、測定する指標をCTRではなく「ビューアブルインプレッション・リーチ・ブランドリフト・指名検索数」に設定しておくことが必要だ。

失敗2: 認知広告だけで購買を期待する

認知率が上がっても、購買を検討するタイミングで商品を見つけられる環境(EC・店頭・リターゲティング)が整っていなければCVには結びつかない。「認知広告を打ったのに売上が上がらない」の大半は、購買の導線が整備されていないことが原因だ。

失敗3: 媒体と商材・ターゲットのミスマッチ

「若年層向け商材なのにテレビCMだけ」「高齢者向け商材なのにTikTokのみ」というミスマッチは、認知広告の費用対効果を大きく損なう。媒体選定の前に、ターゲット層が実際にどの媒体をどれくらい使っているかを把握することが先決だ。

失敗4: 単発出稿で認知形成を期待する

一般的に、広告が記憶に定着するには複数回の接触が必要とされる。単発キャンペーンだけでは翌月には忘れられる。継続的な出稿計画と接触頻度の設計が欠かせない。認知広告の成果を最大化するには、媒体ごとの適切なリーチ&フリクエンシーの管理が重要だ。

認知広告の施策比較については認知拡大施策の比較【2026年版】も参考にされたい。

ゲーム内広告を認知施策に活用する方法

スマートフォンでモバイルゲームをプレイする若者 – ゲーム内広告の接触シーン

2026年現在、認知広告を解説する記事のほぼすべてが「ゲーム内広告」を媒体の選択肢として挙げていない。しかし日本のモバイルゲーム広告市場は2025年に約4,500億円規模に達したとされ(業界推計)、認知広告の媒体として無視できる規模ではなくなっている。

ゲーム内広告の仕組み・種類・費用についてはゲーム内広告とは|仕組み・種類・効果・費用を完全解説で詳しく解説している。ここでは認知広告という文脈でどう活用するかに絞って解説する。

サイネージ型ゲーム内広告の仕組みと効果

ゲーム内広告には「インタースティシャル(ゲームを中断する全画面広告)」「リワード型(動画視聴でアイテム獲得)」「サイネージ型(ゲーム空間内の看板・モニターへの配信)」など複数の種類がある。

このうちサイネージ型は認知広告として特に有効だ。ゲームの進行を一切中断せずに、ゲーム世界の看板や大型モニターに動画広告を自然な形で表示する。プレイヤーは自分のペースでゲームを続けながら広告を目にするため、強制的な視聴に対するストレスが発生しない。

Ad-Virtuaのサイネージ型ゲーム内広告の実績指標(Ad-Virtua自社調査・2026-05-08時点):

指標

数値

比較基準

広告好感度

約85%

視認率

最大96%

業界平均67%比

広告想起率(誘導想起)

58%

業界平均33%比(約1.8倍)

注目時間

29分/1,000imp

業界平均17.5分比(約1.7倍)

CPM

約300円

通常デジタル動画広告CPM約500円比

※ 上記はすべてAd-Virtua自社調査。第三者機関による独立検証の状況は現時点で未公開。

向いている業種・商材

ゲーム内サイネージ広告が特に合うのは以下の業種・商材だ。

  • 食品・飲料メーカー: 若年層への新商品認知。既存テレビCM素材を流用しやすく追加制作費を抑えられる
  • 日用品・消費財ブランド: Z世代・若年層への継続的なブランド接触。家庭での商品選択に影響する
  • エンタメ・スポーツ・IP系: ゲームユーザーとのブランドフィット感が高く、コンテンツの世界観と親和性を作りやすい
  • 通信・デジタルサービス: QRコード連動でWebサイト誘導など、認知から次のアクションへの設計がしやすい

一方、BtoB向け商材・地域限定の店舗商圏施策・高齢者がメインターゲットの商材には向かない点も把握しておく必要がある。

ゲームユーザーへのブランド認知設計についてはゲームオーディエンスへのブランド認知拡大ガイドも参照されたい。

TVCM・SNS広告との組み合わせ事例

事例1: 飲料メーカー(新商品認知・TVCMとの並走) TVCMで全体的な認知を構築しながら、TVCMのリーチが弱い10〜20代男性にはゲーム内広告を追加配信した。新商品認知率が目標の2倍を達成したとされる(Ad-Virtuaコラム掲載事例)。

事例2: スポーツゲーム×食品・飲料ブランド(ゲームタイアップ) プロ野球をテーマにしたゲームの球場看板に、複数の大手食品・飲料ブランドが出稿。ゲームの世界観に自然にブランドを溶け込ませる認知設計で、リアルの球場看板と同様のブランド接触を実現(公表情報)。

事例3: ファッションブランド×Z世代男性向けアクションゲーム アクションゲーム内にブランド広告を配信したところ、広告接触者の認知率が非接触者比で約3倍という結果が得られた(Ad-Virtua調査)。

よくある質問(FAQ)

Q1. 認知広告と純広告は同じものですか?

A. 別の概念だ。「純広告」は広告枠を買い切る購入形式(インプレッション保証型など)を指す用語であり、「認知広告」は目的による分類だ。純広告はその性質上、認知目的で使われることが多いが、純広告=認知広告ではない。認知広告にはプログラマティック購入の動画広告やSNS広告も含まれる。

Q2. 認知広告は費用対効果が見えにくいと聞きましたが、どう評価すればよいですか?

A. 即時CVとの相関は確かに見えにくい。ただし、ブランドリフト調査・指名検索数の変化・純粋想起率の変動を正しく測定することで、定量的な評価は可能だ。「効果が見えない」の多くはKPI設定の問題であり、最初にCTR以外の認知系指標を設定しておくことが解決の近道になる。

Q3. 中小企業でも認知広告は有効ですか?

A. 有効だが条件がある。ゲーム内広告(週30万円〜)やSNS広告(数万円〜)は大手と比べて低予算から始められる。一方、記憶定着には継続出稿が必要なため、「単発のお試し」より3ヶ月以上の計画を持てる予算設計が望ましい。媒体を絞り、継続できる規模で始めることが現実的だ。

Q4. ブランドリフト調査はどのくらいのコストがかかりますか?

A. Meta・Google等のプラットフォーム内のブランドリフト測定機能は、一定の出稿規模に達すれば追加費用なし、または低コストで実施できる。第三者機関によるアンケート調査は数十万〜数百万円が相場だが、大規模キャンペーン時の精度確認や複数媒体をまたいだ効果測定に用いることが多い。

Q5. ゲーム内広告は「嫌われない」と言われていますが、全種類が当てはまりますか?

A. サイネージ型(ゲーム内の看板・モニター型)に限った話だ。プレイを一切中断しない設計のため、広告好感度約85%という高い数値が出ている(Ad-Virtua自社調査)。一方、インタースティシャル型(ゲームを中断する全画面広告)はユーザーに強制視聴させる形式のため、ストレス感が生じやすい。ゲーム内広告を検討する際は、形式の違いを確認することが大切だ。

Q6. 食品・飲料メーカーが認知広告の稟議を通す際、どのKPIが有効ですか?

A. 稟議では「インクリメンタルリーチ(テレビCMが届かない若年層への純増リーチ数)」と「CPM比較(他媒体との費用対露出差)」が説明しやすい。加えて「広告想起率の向上幅(ブランドリフト)」を数値で示すと、投資対効果の根拠になる。ゲーム内広告の場合、Ad-Virtua調査ではCPM約300円・視認率最大96%・広告想起率約1.8倍(業界平均比)が実績値として報告されている。

まとめ

認知広告とは、ブランドや商品をまだ知らない消費者に存在を知ってもらうための広告施策の総称だ。テレビCM・OOH・SNS広告・動画広告・ゲーム内広告など複数の媒体が含まれ、目的・ターゲット・予算に応じて組み合わせる設計が求められる。

この記事のポイントを整理する。

  • 認知広告はCTRで評価しない。ビューアブルインプレッション・リーチ・想起率・ブランドリフトが正しい指標だ
  • 認知広告単体では購買は生まれない。獲得施策とのセット設計が大前提
  • 若年層へのリーチでは、ゲーム内広告・TikTok・YouTubeの組み合わせがテレビCMの補完として有効
  • ゲーム内サイネージ広告は非中断型・高視認率・低CPMの認知媒体として、上位競合記事では見落とされがちな重要な選択肢だ
  • 認知広告の成果は中長期で積み上がる。継続出稿計画と正しいKPI設計がセットで必要
  • 食品・飲料メーカーが稟議を通す際は、インクリメンタルリーチ・CPM比較・ブランドリフト値の3点セットが有効だ

若年層への認知拡大を検討しており、既存の動画素材を活用しながら低CPMで効率的にリーチを広げたいと考えているなら、ゲーム内広告は有力な選択肢の一つになる。まずは予算感・対応タイトル・効果測定の方法について、Ad-Virtuaの問い合わせフォームから相談してみることをおすすめする。