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Z世代の生活動線を捉える:OOH・DOOH・ゲーム内広告の統合戦略

広告が届かない時代に、Z世代はなぜOOHで動くのか

Z世代は、広告業界にとって最も攻略が難しい世代だと言われています。
幼少期からスマートフォンとSNSに囲まれて育った彼らは、広告を「受け取る」のではなく、「選び取る」ことに慣れています。
動画広告はスキップし、SNS広告はスクロールで流し、興味のない情報は一瞬で視界から消えていく。
広告主がどれだけ予算を投下しても、Z世代の“広告回避能力”の前では無力になることも少なくありません。

しかし、そんなZ世代が「思わず立ち止まる瞬間」があります。
それが、リアル空間での体験とデジタル体験がシームレスにつながる時です。
近年、屋外広告(OOH)とデジタル広告を組み合わせた 体験型OOH が、Z世代の態度変容を生み出す新しい手法として注目されています。
単なる看板ではなく、SNSで共有され、スマホで拡張され、ゲーム空間とも接続される“体験のハブ”として機能し始めているのです。

私はGAFAMでXRエンジニアとしてメタバース広告の開発に携わり、特にゲーム内広告の可能性を研究してきました。
その経験から、Z世代に響く広告は 「リアル×デジタル×体験」の三位一体で設計されるべき だと確信しています。

本記事では、Z世代の行動特性を踏まえながら、OOH・DOOH・ゲーム内広告を組み合わせた最新の広告戦略を解説します。
既存の「DooHとは?」では語りきれない、Z世代マーケティングの実践的な視点をお届けします。

👉DOOHの基礎については、以下の記事で詳しく解説しています。
屋外看板広告(ooh)からDooH、そしてゲーム内広告へ──進化する広告手法

Z世代の行動特性:広告を“見ていないようで見ている”

Z世代(1995〜2010年生まれ)は、デジタル環境が当たり前の世界で育った初の世代です。
彼らは、情報の取捨選択において極めて高い能力を持っています。
広告をスキップするのは反射的な行動であり、興味のない情報は脳内で自動的にフィルタリングされます。

しかし一方で、Z世代は「本物志向」が強く、ブランドの価値観やストーリーに共感した瞬間、驚くほど強いロイヤルティを示すことがあります。
また、SNSでの“シェア価値”を重視するため、広告そのものよりも「誰かに共有したくなる体験」に強く反応します。

さらに、Z世代の約80%がゲームをプレイし、1日平均100分をゲームに費やしているというデータもあります。
これは、彼らの可処分時間の多くがゲーム空間で消費されていることを意味し、広告接触の主戦場が従来のメディアとは異なる場所に移っていることを示しています。

Z世代は広告を「見ていないようで見ている」。
ただし、彼らが反応するのは、広告として押し付けられた情報ではなく、自然な文脈で出会う“体験”なのです。

Z世代のメディア接触:テレビ離れと“オンザゴー”の生活動線

Z世代はテレビ視聴時間が短く、代わりに外出・移動時間が長いという特徴があります。
学校、アルバイト、友人との外出、SNSの撮影スポット巡りなど、常に“オンザゴー”の状態にあります。

2022年の渋谷ハチ公前サイネージ調査では、
10代女性の70.8%、20代女性の63.6%が広告を認知していたという結果が出ています。
これは、若年層が街中の大型サイネージに対して高い注意を払っていることを示す象徴的なデータです。

また、Z世代はリアルで見たものをSNSで共有する傾向が強く、
「街で見た広告 → SNS投稿 → 拡散」という流れが自然に発生します。
つまり、OOHはZ世代にとって“情報の入口”として機能しやすいメディアなのです。

DOOHの進化:リアルタイム最適化がZ世代に刺さる理由

DOOH(Digital Out of Home)は、静的な看板から動的なコンテンツへと進化し、Z世代の視線を奪う力を持つようになりました。
動画やアニメーションは視認性が高く、スマホでの短尺動画に慣れたZ世代にとって自然に受け入れられるフォーマットです。

さらに、DOOHは天候・時間帯・人流に応じてリアルタイムで広告内容を切り替えることができます。
たとえば、雨の日にはレインウェアの広告を表示し、夕方の帰宅時間帯にはコンビニの新商品を訴求するなど、状況に合わせた最適化が可能です。

プログラマティックOOH:Z世代向け広告の“精密化”

プログラマティックOOHは、複数のサイネージ枠をオンラインで一元管理し、
自動で買付・配信・最適化を行う仕組みです。
これにより、OOHでもデジタル広告並みの精緻なターゲティングが可能になりました。

たとえば、あるIT機器メーカーは「IT関心層」をターゲティングし、展示会の位置情報をもとに広告配信を行いました。
その結果、広告接触者のWeb上での関心度が非接触者より8.8ポイント高くなったというデータがあります。
これは、OOHが“認知の入口”としてだけでなく、“興味喚起のトリガー”としても機能することを示しています。

Z世代を動かす“体験型OOH”:リアル×デジタルの橋渡し

Z世代はリアルとデジタルの境界を自然に行き来する世代です。
そのため、OOHとデジタル広告を組み合わせた「体験型広告」が効果を発揮します。

たとえば、QRコードを読み取るとARコンテンツが立ち上がる仕掛けや、SNSで拡散されることを前提にしたフォトスポット型OOHなど、リアルとデジタルをつなぐ導線設計が重要です。

渋谷や原宿といった若者が集まるエリアでは、SNSで“バズる”ことを意識したOOHが成果を上げています。
Z世代は「広告を見る」のではなく、「広告を体験し、共有する」ことでブランドとの関係を深めていきます。

メディアミックスでのDOOHの役割

ある銀行サービスの検証では、DOOH広告を認知したユーザーは、
認知・興味・利用意向のすべてにおいて大きなリフトが確認されました。
特に男性30〜40代では20ポイント以上のリフトが見られ、DOOHが特定のターゲット層に対して強い影響力を持つことがわかります。

さらに、タクシー広告やWeb広告にDOOHを加えることで、態度変容がさらに増加することも判明しています。
これは、DOOHが他媒体と組み合わせることで相乗効果を発揮し、統合的な広告効果を高める可能性を示しています。

データドリブンなOOH:効果測定が“当たり前”の時代へ

IoT・センサー技術の進化により、OOHでも視聴者数、滞在時間、反応率などの詳細なデータ取得が可能になりました。
これにより、広告主はPDCAサイクルに基づく継続的なパフォーマンス改善が行えるようになり、マスメディア広告では不可能だった「投資対効果の見える化」が実現しています。

ジオテクノロジーズ社の「トリマリサーチ」では、位置情報から広告接触者を抽出し、Webアンケートを実施することができます。
これにより、事前のスクリーニング調査を行うことなく、低コスト・短時間で屋外広告の効果測定が可能になりました。

未来:メタバース×リアル空間の広告統合

5G/6Gの普及により、ARグラスでOOHがパーソナライズ表示されたり、メタバースとリアルの行動データが統合されたりする未来が現実味を帯びています。

私は特に、ゲーム内広告とリアルOOHの連動に大きな可能性を感じています。
Z世代が最も長く滞在する“ゲーム空間”と、街中のOOHがつながることで、より自然で違和感のない広告体験が実現するでしょう。

まとめ:Z世代を惹きつける鍵は「体験の共創」

Z世代に響く広告とは、広告を“見せる”のではなく、体験として“共創する”ものです。
OOHの高い視認性、DOOHのデータ活用、SNSの拡散力、ゲーム内広告の自然接触、メタバースの没入感。
これらを統合することで、Z世代に“嫌われず、自然に届く広告体験”が実現します。

アドバーチャは、ゲーム内広告という新しい領域から、Z世代との自然な接点を創出し続けます。

ゲーム内広告・メタバース広告の活用についてのご相談は、アドバーチャ株式会社までお気軽にお問い合わせください。専任のコンサルタントが、最適な広告戦略をご提案します。

WRITTEN BY

水野 征太朗

アドバーチャ株式会社代表取締役CEO | 学生時代からインディーズゲーム開発者として、複数のゲームを開発・リリース。名古屋大学経済学部を卒業後、アビームコンサルティング株式会社にて、メタバース/XR/センサーなど先端技術を用いたソリューションの提案・開発に従事。その後、アマゾンジャパン合同会社にてデータ分析・ツール開発・プロセス改善等を経験。2022年にアドバーチャ株式会社を創業。